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<title>JapanStep 挑戦者のためのビジネスメディア</title>
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<description>挑戦者のためのビジネスメディア</description>
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<title>「遊び」と「学び」は、どこでつながるのか。マインクラフト教育の設計【連載】タツナミシュウイチが読み解く マインクラフト教育の新潮流（第2回）</title>
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<description>

皆さん、こんにちは。タツナミシュウイチです。前回は、私自身の「知りたい」「つくりたい」という気持ちが、マインクラフトとの出会いを経て、現在の教育活動につながっていった経緯をお話ししました。では、ゲームで遊ぶことと、学ぶことは、どこでつながるのでしょうか。

マインクラフトには、自分で目的を見つけ、つくり、試し、ときには誰かと相談しながら進めていく自由があります。ただ、自由に遊べる環境を用意すれば、それだけで学びになるわけではありません。私が重視しているのは、マインクラフトの面白さを損なわずに、どんな問いを置き、どこまで自由を残し、子どもたち同士の関わりをどうつくるかです。今回は、マインクラフトというゲームの特徴を入り口に、実際の授業やワークショップでは何を意識しているのか、「遊び」を「学び」につなぐための考え方をお話しします。（解説＝タツナミシュウイチ／文＝JMP総合プロデューサー 長谷川浩和）

【連載一覧】タツナミシュウイチが読み解く マインクラフト教育の新潮流
▼「挑戦」を生むトレンドニュースを毎日掲載！
挑戦者のためのビジネスメディア『JapanStep』






教えてくれたのは&#8230;

Japan Crafters Union 代表／東京大学大学院 客員研究員／常葉大学 客員教授／JAXA応援団アンバサダー
タツナミシュウイチさん
2018年1月、統合版マインクラフトのマーケットプレイスでアジア初、日本初となるコンテンツ作品をリリース。その後、ゲーム教育を軸に制作や研究開発に取り組む。2021年9月、日本人で7人目となるMicrosoft Innovative Educator FELLOWの称号を授与された。『情熱大陸』（毎日放送）、『マツコの知らない世界』（TBS）、『有吉ぃぃeeeee!』（テレビ東京）など数々の地上波番組に、ゲームや教育に関する有識者として出演。教育関連書籍や子ども向け書籍の執筆・監修も多数手がける。現在も、デジタル空間をプラットフォームとした教育の研究・実践、教材開発などに取り組んでいる。




「何をするか」が決まっていない。サンドボックスが生む余白



マインクラフトを教育という視点から見ると、特徴的なのは「何をするか」が一つに決められていないことです。 ゲームにはさまざまなジャンルがあります。RPGであれば、物語に沿って冒険を進め、目標を達成していく。パズルゲームであれば、目の前に提示された課題を解いていく。多くの場合、プレイヤーには何らかの目的や進む道筋が示されています。 マインクラフトは、「サンドボックスゲーム」と呼ばれています。サンドボックスとは、文字通り「砂場」です。砂場では、遊び方が一つに決められていません。山をつくる子もいれば、穴を掘る子もいる。誰かと一緒につくることも、一人で夢中になることもできます。 マインクラフトにも、これとよく似たところがあります。最初から一つのストーリーや目的に沿って進むのではなく、その世界で何をするのかを自分で考えられる。それがサンドボックスというゲームの特徴です。 初めてマインクラフトに触れた大人からは、「何をすればいいのか分からない」と言われることがあります。目的があらかじめ示されていないことに、戸惑う方も少なくありません。 一方、私が子どもたちと接していると、目に入ったものが気になれば近づき、掘ったり、集めたり、何かをつくったりしながら、自分なりの楽しみ方を見つけていく姿をよく見ます。もちろん、すべての子どもが同じではありません。それでも、最初からやることが細かく決められていないからこそ、自分で考えて動く余地が残されています。 「何をすればいいか」を教えるところからではなく、「何をしてみたいか」から始められる。私は、この構造に教育活用の意味を感じています。 「東京ゲームショウ2024」でゲーム教育の講演に出演した際のタツナミさん（引用：タツナミシュウイチ公式Webサイト） 



「つくりたい」が、「調べたい」に変わる




では、自由に遊べることが、どう学びへつながっていくのでしょうか。

例えば、数人で一つの建物をつくる場面を考えてみます。どんな建物にするのかを考え、設計する。誰がどこを担当するのかを話し合い、限られた時間の中で形にしていく。意見が違えば調整が必要になりますし、完成した後には、なぜそのようにつくったのかを人に説明することもできます。

建築そのものはゲーム内の活動ですが、その過程では、計画を立て、役割を決め、相談し、形にし、自分たちの考えを伝える場面が生まれます。私は、こうした一連の過程そのものが、プロジェクトを進める経験になると考えています。さらに、マインクラフトの世界は教科の学びともつながっています。

マインクラフトに登場する岩石をきっかけに地質を調べる。レッドストーンという仕組みから論理回路に関心を広げる。教育向けの機能では元素を扱うこともできます。歴史的な建築物などを再現したワールドで、その土地や時代について調べることもできますし、コマンドを使う中で英語に触れる場面もあります。

私が注目しているのは、自分がやりたいことを実現するために、必要な知識を自分から探しにいく場面が生まれることです。より本物らしく再現したい、仕組みを動かしたいと思えば、知らないことを調べる必要が出てきます。

前回、私自身が子どもの頃、テストで点を取るためではなく、「知りたい」から百科事典を読み、「やってみたい」から実験していたとお話ししました。

マインクラフトでは、「やりたいこと」が先にあり、その実現に必要なことを自分から調べる場面をつくることができます。私は、この順序を大切にしています。





ゲームをそのまま、教室に持ち込むわけではない




ここまでの話だけでは、「普段遊んでいるマインクラフトを、そのまま学校で使うのか」と思われるかもしれません。

教育現場での利用を考えるうえで、その前提になるのが『Minecraft Education（教育版マインクラフト）』です。マインクラフトには複数のエディションがあり、その中には教育現場での利用を想定した『Minecraft Education』があります。家庭用として広く遊ばれているマインクラフトとは異なり、授業での運用を支える機能や教材が用意されています。

家庭でゲームとして遊ぶことと、授業で使うことでは、求められる環境が違います。教室で利用するのであれば、誰がその場に参加できるのかを管理する必要がありますし、教員が授業を進めるための機能も必要になります。Minecraft Educationには、こうした授業運営を支える仕組みが用意されているほか、教育に利用できる教材ワールドも提供されています。

私が考えるマインクラフト教育は、ゲームを教室で使うこと自体を目的にするものではありません。ゲームとしての魅力を生かしながら、何を学ぶのか、そのためにどんな環境を用意するのかまで考える。Minecraft Educationは、そのための選択肢の一つです。ただし、こうした機能や教材を用意するだけで、教育として成立するわけではありません。





目的は示す。でも、答えまでは決めない



私は、マインクラフトを教育に活用するとき、ファシリテーションをとても重視しています。マインクラフトは、教育に使う場面でもゲームであることに変わりはありません。授業中でも、その日のテーマから離れて、自分の興味のある場所へ行ったり、別のものをつくり始めたりすることがあります。 千葉大学附属小学校６年生の生徒たちと実施したオンライン特別授業の様子（引用：タツナミシュウイチ公式Webサイト） でも、それはマインクラフトの特徴を考えれば不思議なことではありません。自由に動けること自体が、マインクラフトの面白さでもあります。行動を細かく制限しすぎれば、その特徴を教育に生かすことも難しくなります。 一方で、授業には授業の目的があります。そこで私が意識しているのは、「自由にさせるか、管理するか」という二者択一にしないことです。最初に「今日は何について考えるのか」という目的は示しますが、そこから何を考え、どう形にするかまでは決めません。 目指す方向は共有する。ただし、そこへどうたどり着くかまでは決めない。私は、そのくらいの距離感を大切にしています。学習目的を優先するあまり自由さを失えば、マインクラフトを使う意味は薄れてしまいます。一方で、楽しさだけが前に出れば、授業としての目的から離れてしまいます。 自由度の高い環境の中に、子どもたちが考えるためのテーマや問いをどう置くのか。そこまで含めて、私は教材設計だと考えています。 



それぞれの「得意」を、チームの役割にする




授業やワークショップでは、マインクラフトに触れてきた経験も子どもによって異なります。普段からマインクラフトで遊んでいる子もいれば、その日初めて触れる子もいます。私は、その違いを授業の中で生かすようにしています。

例えば最初に、「建築が好きな人？」「レッドストーンが得意な人？」「プログラミングをやったことがある人？」と尋ねます。手を挙げた子には、「今日は建築リーダーをお願いしよう」「レッドストーンのことは君に聞こう」と、その子が持っている知識を役割に変えていきます。

分からない子がいたら、大人がすぐにすべてを教えるのではなく、「それなら、あの子に聞いてみよう」とつなぐこともあります。すると、普段は大人から教えてもらうことの多い子が、誰かに教える側になります。しかも、得意なことは一つではありません。

建築に詳しい子がいれば、レッドストーンが得意な子もいる。操作はそれほど得意でなくても、面白いアイデアを出す子もいれば、みんなの意見を整理するのが上手な子もいます。

それぞれの得意を役割にすると、子どもたちが異なる形でチームに関わり、お互いに教えたり、頼ったりする関係が生まれます。自分が知っていることを人に説明することで、自分自身の理解が深まることもあります。役割をつくることで、子ども同士が教え合う。私は、そうした関係性も大切にしています。
2022年7～8月には全国13カ所を巡り、ゲームを教育に活用する全国大会の全国キャラバンを実施（引用：タツナミシュウイチ公式Webサイト）






評価したいのは、完成度だけではない




もう一つ、私が意識しているのが、何を評価するかです。例えば、決められた時間の中で作品を完成できなかったチームがあったとします。

完成には届かなくても、制作の過程では、きちんと設計図を描いていたかもしれません。意見が分かれて、何度も話し合っていたかもしれない。予定通りに進まず、途中で役割やつくり方を変えていたかもしれません。

私は、そうした過程を見るようにしています。「ここまでしっかり設計できたね」「よく話し合っていたね」と声をかけることもあります。

一方、役割を分担し、限られた時間の中で完成までたどり着いたチームには、「時間を意識して、みんなでここまで進められたね。これはプロジェクトマネジメントだよ」と伝えることもあります。

完成した作品の出来栄えだけではなく、その作品にたどり着くまでに何を考え、誰とどう関わったのかを見る。そこには、調べる、相談する、人に教える、役割を分ける、途中で計画を見直す、自分たちの考えを説明するといった、さまざまな行動があります。

私が見たいのは、作品の完成度だけではなく、こうしたプロセスです。創造力や協働する力につなげるためにも、ゲームを使うだけで終わらせない設計が必要です。どんなテーマを設定し、どこまで自由を残すのか。それぞれの得意をどう生かし、制作の過程のどこに学びを見いだすのか。そこまで考えて初めて、マインクラフトを教育の場で生かすことができると考えています。

私が教育の場で見ているのは、マインクラフトそのものではなく、その中で子どもたちが何を考え、どう行動するかです。「つくりたい」「試してみたい」「もっと知りたい」という気持ちを、どんな問いや体験につなげていくのか。マインクラフトは、そのための環境の一つだと捉えています。

実際、海外に目を向けると、マインクラフトを使って化学や生物、気候変動、宇宙、AIなどを学ぶ、さまざまな教材がつくられています。マインクラフトという同じ空間を使いながら、世界ではどんな授業が行われ、子どもたちはそこで何を学んでいるのか。

次回は、海外で実際に使われている教材を取り上げながら、世界ではマインクラフトで何を、どのように学んでいるのかを具体的に見ていきます。
▼「挑戦」を生むトレンドニュースを毎日掲載！
挑戦者のためのビジネスメディア『JapanStep』




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<p style="text-align: left;"><a href="https://japanstep.jp/learn/category/238/" rel="otherurl" style="text-decoration: none;"><img src="/images/popularity/images20261005074358.webp" width="1280" height="376" alt="" /></a></p>
<p style="text-align: left;">皆さん、こんにちは。タツナミシュウイチです。<a href="https://japanstep.jp/learn/2026/09/2454/">前回</a>は、私自身の「知りたい」「つくりたい」という気持ちが、マインクラフトとの出会いを経て、現在の教育活動につながっていった経緯をお話ししました。では、ゲームで遊ぶことと、学ぶことは、どこでつながるのでしょうか。</p>
<p></p>
<p>マインクラフトには、自分で目的を見つけ、つくり、試し、ときには誰かと相談しながら進めていく自由があります。ただ、自由に遊べる環境を用意すれば、それだけで学びになるわけではありません。私が重視しているのは、マインクラフトの面白さを損なわずに、どんな問いを置き、どこまで自由を残し、子どもたち同士の関わりをどうつくるかです。今回は、マインクラフトというゲームの特徴を入り口に、実際の授業やワークショップでは何を意識しているのか、「遊び」を「学び」につなぐための考え方をお話しします。（解説＝タツナミシュウイチ／文＝JMP総合プロデューサー 長谷川浩和）</p>
<div></div>
<p><a href="https://japanstep.jp/learn/category/238/">【連載一覧】タツナミシュウイチが読み解く マインクラフト教育の新潮流</a></p>
<p><span style="font-weight: bolder;">▼「挑戦」を生むトレンドニュースを毎日掲載！</span><br />
<a href="https://japanstep.jp/" style="text-decoration: none;">挑戦者のためのビジネスメディア『JapanStep』</a></p>
<p></p>
</div>
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<p style="text-align: center;"><strong>教えてくれたのは&#8230;</strong></p>
<p style="text-align: center;"><img src="/images/learn/2609_Release/260925_tatsunami/images20260925103132.webp" width="400" height="400" alt="" /></p>
<p style="text-align: center;"><strong>Japan Crafters Union 代表／東京大学大学院 客員研究員／常葉大学 客員教授／JAXA応援団アンバサダー<br />
タツナミシュウイチさん</strong></p>
<p style="text-align: center;">2018年1月、統合版マインクラフトのマーケットプレイスでアジア初、日本初となるコンテンツ作品をリリース。その後、ゲーム教育を軸に制作や研究開発に取り組む。2021年9月、日本人で7人目となるMicrosoft Innovative Educator FELLOWの称号を授与された。『情熱大陸』（毎日放送）、『マツコの知らない世界』（TBS）、『有吉ぃぃeeeee!』（テレビ東京）など数々の地上波番組に、ゲームや教育に関する有識者として出演。教育関連書籍や子ども向け書籍の執筆・監修も多数手がける。現在も、デジタル空間をプラットフォームとした教育の研究・実践、教材開発などに取り組んでいる。</p>
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<h2 class="cms-content-parts-sin179030004787146400 cparts-editsite--mainttl cparts-id002" id="cms-editor-textarea-sin179030004787154600">「何をするか」が決まっていない。サンドボックスが生む余白</h2>
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<div class="cparts-editsite--txt cparts-txt-block lay-reset-child" id="cms-editor-minieditor-sin179091351561417600"><p>マインクラフトを教育という視点から見ると、特徴的なのは「何をするか」が一つに決められていないことです。</p> <p></p> <p>ゲームにはさまざまなジャンルがあります。RPGであれば、物語に沿って冒険を進め、目標を達成していく。パズルゲームであれば、目の前に提示された課題を解いていく。多くの場合、プレイヤーには何らかの目的や進む道筋が示されています。</p> <p></p> <p>マインクラフトは、「サンドボックスゲーム」と呼ばれています。サンドボックスとは、文字通り「砂場」です。砂場では、遊び方が一つに決められていません。山をつくる子もいれば、穴を掘る子もいる。誰かと一緒につくることも、一人で夢中になることもできます。</p> <p></p> <p>マインクラフトにも、これとよく似たところがあります。最初から一つのストーリーや目的に沿って進むのではなく、その世界で何をするのかを自分で考えられる。それがサンドボックスというゲームの特徴です。</p> <p></p> <p>初めてマインクラフトに触れた大人からは、「何をすればいいのか分からない」と言われることがあります。目的があらかじめ示されていないことに、戸惑う方も少なくありません。</p> <p></p> <p>一方、私が子どもたちと接していると、目に入ったものが気になれば近づき、掘ったり、集めたり、何かをつくったりしながら、自分なりの楽しみ方を見つけていく姿をよく見ます。もちろん、すべての子どもが同じではありません。それでも、最初からやることが細かく決められていないからこそ、自分で考えて動く余地が残されています。</p> <p></p> <p>「何をすればいいか」を教えるところからではなく、「何をしてみたいか」から始められる。私は、この構造に教育活用の意味を感じています。</p> <p style="text-align: left;"><img src="/images/learn/rensai_minecraft/2nd/TGS2.webp" width="900" height="507" alt="" /><br /> <span style="font-size: small;">「東京ゲームショウ2024」でゲーム教育の講演に出演した際のタツナミさん（引用：<a href="https://dannaman.wixsite.com/official">タツナミシュウイチ公式Webサイト</a>）</span></p> <p></p></div>
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<h2 class="cms-content-parts-sin179091353619150400 cparts-editsite--mainttl cparts-id002" id="cms-editor-textarea-sin179091353619157700">「つくりたい」が、「調べたい」に変わる</h2>
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<p>では、自由に遊べることが、どう学びへつながっていくのでしょうか。</p>
<p></p>
<p>例えば、数人で一つの建物をつくる場面を考えてみます。どんな建物にするのかを考え、設計する。誰がどこを担当するのかを話し合い、限られた時間の中で形にしていく。意見が違えば調整が必要になりますし、完成した後には、なぜそのようにつくったのかを人に説明することもできます。</p>
<p></p>
<p>建築そのものはゲーム内の活動ですが、その過程では、計画を立て、役割を決め、相談し、形にし、自分たちの考えを伝える場面が生まれます。私は、こうした一連の過程そのものが、プロジェクトを進める経験になると考えています。さらに、マインクラフトの世界は教科の学びともつながっています。</p>
<p></p>
<p>マインクラフトに登場する岩石をきっかけに地質を調べる。レッドストーンという仕組みから論理回路に関心を広げる。教育向けの機能では元素を扱うこともできます。歴史的な建築物などを再現したワールドで、その土地や時代について調べることもできますし、コマンドを使う中で英語に触れる場面もあります。</p>
<p></p>
<p>私が注目しているのは、自分がやりたいことを実現するために、必要な知識を自分から探しにいく場面が生まれることです。より本物らしく再現したい、仕組みを動かしたいと思えば、知らないことを調べる必要が出てきます。</p>
<p></p>
<p>前回、私自身が子どもの頃、テストで点を取るためではなく、「知りたい」から百科事典を読み、「やってみたい」から実験していたとお話ししました。</p>
<p></p>
<p>マインクラフトでは、「やりたいこと」が先にあり、その実現に必要なことを自分から調べる場面をつくることができます。私は、この順序を大切にしています。</p>
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<p>ここまでの話だけでは、「普段遊んでいるマインクラフトを、そのまま学校で使うのか」と思われるかもしれません。</p>
<p></p>
<p>教育現場での利用を考えるうえで、その前提になるのが『Minecraft Education（教育版マインクラフト）』です。マインクラフトには複数のエディションがあり、その中には教育現場での利用を想定した『Minecraft Education』があります。家庭用として広く遊ばれているマインクラフトとは異なり、授業での運用を支える機能や教材が用意されています。</p>
<p></p>
<p>家庭でゲームとして遊ぶことと、授業で使うことでは、求められる環境が違います。教室で利用するのであれば、誰がその場に参加できるのかを管理する必要がありますし、教員が授業を進めるための機能も必要になります。Minecraft Educationには、こうした授業運営を支える仕組みが用意されているほか、教育に利用できる教材ワールドも提供されています。</p>
<p></p>
<p>私が考えるマインクラフト教育は、ゲームを教室で使うこと自体を目的にするものではありません。ゲームとしての魅力を生かしながら、何を学ぶのか、そのためにどんな環境を用意するのかまで考える。Minecraft Educationは、そのための選択肢の一つです。ただし、こうした機能や教材を用意するだけで、教育として成立するわけではありません。</p>
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<div class="lay-col12-xs-12 lay-col12-md-12 lay-col12-lg-12">
<div class="cparts-editsite--txt cparts-txt-block lay-reset-child" id="cms-editor-minieditor-sin179091354559029400"><p>私は、マインクラフトを教育に活用するとき、ファシリテーションをとても重視しています。マインクラフトは、教育に使う場面でもゲームであることに変わりはありません。授業中でも、その日のテーマから離れて、自分の興味のある場所へ行ったり、別のものをつくり始めたりすることがあります。</p> <p style="text-align: left;"><img src="/images/learn/rensai_minecraft/2nd/91376EE5-AEC7-4309-BE39-0C9429F4A936__p.webp" width="900" height="633" alt="" /><br /> <span style="font-size: small;">千葉大学附属小学校６年生の生徒たちと実施したオンライン特別授業の様子（引用：<a href="https://dannaman.wixsite.com/official">タツナミシュウイチ公式Webサイト</a>）</span></p> <p></p> <p>でも、それはマインクラフトの特徴を考えれば不思議なことではありません。自由に動けること自体が、マインクラフトの面白さでもあります。行動を細かく制限しすぎれば、その特徴を教育に生かすことも難しくなります。</p> <p></p> <p>一方で、授業には授業の目的があります。そこで私が意識しているのは、「自由にさせるか、管理するか」という二者択一にしないことです。最初に「今日は何について考えるのか」という目的は示しますが、そこから何を考え、どう形にするかまでは決めません。</p> <p></p> <p>目指す方向は共有する。ただし、そこへどうたどり着くかまでは決めない。私は、そのくらいの距離感を大切にしています。学習目的を優先するあまり自由さを失えば、マインクラフトを使う意味は薄れてしまいます。一方で、楽しさだけが前に出れば、授業としての目的から離れてしまいます。</p> <p></p> <p>自由度の高い環境の中に、子どもたちが考えるためのテーマや問いをどう置くのか。そこまで含めて、私は教材設計だと考えています。</p> <div></div></div>
</div>
</div>
</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin179091352898243400 cparts-editsite--mainttl cparts-id002" id="cms-editor-textarea-sin179091352898251500">それぞれの「得意」を、チームの役割にする</h2>
<div class="cms-content-parts-sin179091354144775800 cparts-id119 lay-margin-b--3 box" data-selectable="cparts-animate cparts-animate--slideInUp:上へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInDown:下へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInLeft:左へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInRight:右へスライド">
<div class="lay-row">
<div class="lay-col12-xs-12 lay-col12-md-12 lay-col12-lg-12">
<div class="cparts-editsite--txt cparts-txt-block lay-reset-child" id="cms-editor-minieditor-sin179091354144745200">
<p>授業やワークショップでは、マインクラフトに触れてきた経験も子どもによって異なります。普段からマインクラフトで遊んでいる子もいれば、その日初めて触れる子もいます。私は、その違いを授業の中で生かすようにしています。</p>
<p></p>
<p>例えば最初に、「建築が好きな人？」「レッドストーンが得意な人？」「プログラミングをやったことがある人？」と尋ねます。手を挙げた子には、「今日は建築リーダーをお願いしよう」「レッドストーンのことは君に聞こう」と、その子が持っている知識を役割に変えていきます。</p>
<p></p>
<p>分からない子がいたら、大人がすぐにすべてを教えるのではなく、「それなら、あの子に聞いてみよう」とつなぐこともあります。すると、普段は大人から教えてもらうことの多い子が、誰かに教える側になります。しかも、得意なことは一つではありません。</p>
<p></p>
<p>建築に詳しい子がいれば、レッドストーンが得意な子もいる。操作はそれほど得意でなくても、面白いアイデアを出す子もいれば、みんなの意見を整理するのが上手な子もいます。</p>
<p></p>
<p>それぞれの得意を役割にすると、子どもたちが異なる形でチームに関わり、お互いに教えたり、頼ったりする関係が生まれます。自分が知っていることを人に説明することで、自分自身の理解が深まることもあります。役割をつくることで、子ども同士が教え合う。私は、そうした関係性も大切にしています。</p>
<p style="text-align: left;"><img src="/images/learn/rensai_minecraft/2nd/kyaraban.webp" width="900" height="372" alt="" /><span style="font-size: small;">2022年7～8月には全国13カ所を巡り、ゲームを教育に活用する全国大会の全国キャラバンを実施</span><span style="font-size: small;">（引用：</span><a href="https://dannaman.wixsite.com/official"><span style="font-size: small;">タツナミシュウイチ公式Webサイト</span></a><span style="font-size: small;">）</span></p>
<div></div>
<p></p>
</div>
</div>
</div>
</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin179091352715942500 cparts-editsite--mainttl cparts-id002" id="cms-editor-textarea-sin179091352715950400">評価したいのは、完成度だけではない</h2>
<div class="cms-content-parts-sin179091353874631200 cparts-id119 lay-margin-b--3 box" data-selectable="cparts-animate cparts-animate--slideInUp:上へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInDown:下へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInLeft:左へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInRight:右へスライド">
<div class="lay-row">
<div class="lay-col12-xs-12 lay-col12-md-12 lay-col12-lg-12">
<div class="cparts-editsite--txt cparts-txt-block lay-reset-child" id="cms-editor-minieditor-sin179091353874607200">
<p>もう一つ、私が意識しているのが、何を評価するかです。例えば、決められた時間の中で作品を完成できなかったチームがあったとします。</p>
<p></p>
<p>完成には届かなくても、制作の過程では、きちんと設計図を描いていたかもしれません。意見が分かれて、何度も話し合っていたかもしれない。予定通りに進まず、途中で役割やつくり方を変えていたかもしれません。</p>
<p></p>
<p>私は、そうした過程を見るようにしています。「ここまでしっかり設計できたね」「よく話し合っていたね」と声をかけることもあります。</p>
<p></p>
<p>一方、役割を分担し、限られた時間の中で完成までたどり着いたチームには、「時間を意識して、みんなでここまで進められたね。これはプロジェクトマネジメントだよ」と伝えることもあります。</p>
<p></p>
<p>完成した作品の出来栄えだけではなく、その作品にたどり着くまでに何を考え、誰とどう関わったのかを見る。そこには、調べる、相談する、人に教える、役割を分ける、途中で計画を見直す、自分たちの考えを説明するといった、さまざまな行動があります。</p>
<p></p>
<p>私が見たいのは、作品の完成度だけではなく、こうしたプロセスです。創造力や協働する力につなげるためにも、ゲームを使うだけで終わらせない設計が必要です。どんなテーマを設定し、どこまで自由を残すのか。それぞれの得意をどう生かし、制作の過程のどこに学びを見いだすのか。そこまで考えて初めて、マインクラフトを教育の場で生かすことができると考えています。</p>
<p></p>
<p>私が教育の場で見ているのは、マインクラフトそのものではなく、その中で子どもたちが何を考え、どう行動するかです。「つくりたい」「試してみたい」「もっと知りたい」という気持ちを、どんな問いや体験につなげていくのか。マインクラフトは、そのための環境の一つだと捉えています。</p>
<p></p>
<p>実際、海外に目を向けると、マインクラフトを使って化学や生物、気候変動、宇宙、AIなどを学ぶ、さまざまな教材がつくられています。マインクラフトという同じ空間を使いながら、世界ではどんな授業が行われ、子どもたちはそこで何を学んでいるのか。</p>
<p></p>
<p>次回は、海外で実際に使われている教材を取り上げながら、世界ではマインクラフトで何を、どのように学んでいるのかを具体的に見ていきます。</p>
<p><span style="background-color: rgb(255, 255, 255); font-weight: bolder;">▼「挑戦」を生むトレンドニュースを毎日掲載！</span><br style="background-color: rgb(255, 255, 255);" />
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<div></div>
</div>
</div>
</div>
</div>
]]></content:encoded>
</item>

<item rdf:about="https://japanstep.jp/learn/2026/10/2279/">
<title>「受け皿」から、地域を動かす事業体へ【連載】DMO進化論～今こそ観光を民主化せよ（第4回）</title>
<link>https://japanstep.jp/learn/2026/10/2279/</link>
<description>

皆さん、こんにちは。well f.m. 一般社団法人 創業者の善井靖です。前回は、沖縄県南城市での取り組みを振り返りながら、DMOづくりは「地域の納得」から始まるとお話ししました。地域の声を聞き、観光協会の役割を見える化し、行政、市民、事業者とともに合意をつくる。その土台がなければ、どれほど立派な組織図を描いても、DMOは動き出しません。では、地域の納得が生まれた後、DMOをどのように組織として形にしていけばよいのでしょうか。第4回となる今回は、南城市で新しいDMOを形にしていく過程を振り返りながら、組織づくり、財源づくり、事業計画、そしてPDCAを回す仕組みについてお話しします。（解説＝well f.m. 一般社団法人 創業者 善井靖／文＝JMPプロデューサー長谷川浩和）







教えてくれるのは&#8230;

well f.m. 一般社団法人 創業者／内閣府 地域活性化伝道師

善井 靖さん
佐渡島出身。ラジオ放送作家、イベント企画制作などを経て、2000年に起業。その後、観光マーケティング協会、ナイトタイムエコノミー株式会社、well f.m.一般社団法人を設立。内閣府「地域活性化伝道師」、観光庁「世界水準のDMO専門家」などを務め、全国各地で観光地域づくりやDMO支援に携わっている。




看板を替える前に、役割を定義する




地域の納得が生まれた後、次に向き合うべきは、組織の形です。

ただし、ここでも順番を間違えてはなりません。一般社団法人にするのか、株式会社にするのか。行政との関係をどう整理するのか。既存の観光協会をどう位置づけるのか。いずれも重要な論点です。

しかし、先に器だけを決めても、何を担う組織なのかが曖昧なままでは機能しません。南城市でまず整理したのは、これまで誰が何を担ってきたのか、そしてこれから誰が何を担うべきなのか、ということでした。

観光協会には、長年積み重ねてきた仕事があります。観光案内、イベント対応、地域事業者との関係づくり。現場で日々動いてきた人たちの経験もあります。その蓄積は、決して軽く扱ってよいものではありません。

一方で、これからのDMOに求められる役割は、それだけではありません。地域全体の観光戦略を描くこと。データを見ながら改善を続けること。地域資源を磨き、収益を生む事業へ育てること。人材を育て、地域内に資金が循環する仕組みをつくること。観光客の満足だけでなく、住民の幸福度や働く人の誇りにも目を向けること。

こうした機能を担うには、従来の観光協会の延長線上だけでは難しい場面もあります。だからこそ南城市では、既存の仕事を否定するのではなく、これまで担ってきた役割と、これから必要になる役割を分けて考えていきました。何を残すのか。何を変えるのか。何を新しく加えるのか。その整理がなければ、新しい組織をつくっても、結局、以前と同じ課題を抱えてしまいます。

組織を変えるとは、看板を掛け替えることではありません。地域の未来に必要な役割を定義し直すことです。
DMO支援での一コマ







観光協会の蓄積を、次の組織へつなぐ




新しいDMOを考えるとき、既存の観光協会をどう位置づけるかは、非常に繊細なテーマです。観光協会を解散すればよい。新しい組織を別につくればよい。外から見れば、そう考えたくなる場面もあるかもしれません。しかし、現場はそれほど簡単ではありません。

観光協会には、地域の事業者との関係があります。観光案内やイベント対応など、地域の観光を支えてきた日々の仕事があります。そこで働いてきた人たちの経験もあります。その蓄積を見ずに新しい組織をつくっても、地域に根づくDMOにはなりません。

一方で、これまでの延長だけでは、観光を地域経営につなげる組織へ進化することはできません。地域全体を見渡し、事業をつくり、財源を生み、人材を育て、成果を検証する。そうした機能を持たなければ、DMOは観光事業の受け皿にとどまってしまいます。

南城市では、観光協会が積み重ねてきたものを踏まえながら、新しい組織に必要な機能を考えていきました。

大切なのは、観光協会を否定することではありません。これまで担ってきた価値を認めたうえで、次の役割を明確にすることです。何を引き継ぐのか。何を見直すのか。何を新たに担うのか。それを地域で共有することで、組織変更は、制度上の手続きではなく、未来に向けた合意になります。

私は、この過程を丁寧に進めることが重要だと考えています。

地域の組織には、数字や制度だけでは測れないものがあります。人の思い、関係性、過去の積み重ね。そうしたものを軽く扱えば、組織は動きません。変えるべきものは変える。しかし、残すべき価値はきちんと残す。その見極めが、DMOづくりには欠かせません。







未来に投資するための財源をどうつくるか




DMOを機能させるためには、財源の問題を避けて通れません。

第2回でもお話ししたように、多くのDMOでは、「財源が足りない」「人材が足りない」という課題が繰り返し語られます。財源がないから人を雇えない。人材が足りないから事業をつくれない。事業が育たないから収益が生まれない。この循環を断ち切らなければ、DMOは地域の未来に投資できる組織にはなれません。

南城市でも、新しいDMOを考えるうえで、財源づくりは重要な論点でした。

行政からの委託事業や補助金だけに依存していては、組織の自立性は高まりません。もちろん、行政の支援は重要です。立ち上げ期には、行政が環境を整え、必要な資金を用意することも欠かせません。

ただ、それだけでは、DMOが自ら事業を育て、次の人材や取り組みに投資する力を持つことはできません。

では、何が必要なのか。必要なのは、地域の中で収益を生む事業をつくることです。観光客に地域ならではの体験を届ける。地域資源を磨き、商品やサービスとして成立させる。地域の事業者と連携し、消費が地域内に循環する仕組みをつくる。外から人を呼ぶだけでなく、地域の中に資金が残る設計をする。

財源づくりとは、単に資金を集めることではありません。地域の次の挑戦に投資する力をつくることです。人材を採用する。事業を試す。データを集める。改善する。次のプロジェクトに投資する。こうした循環をつくるためには、収益の裏づけが必要です。

DMOは、補助金の受け皿にとどまるための組織ではありません。地域に必要な事業をつくり、その成果を次の挑戦に回していく組織です。財源の設計ができて初めて、DMOは地域の未来に投資できる存在になります。







「やりっぱなし」にしない仕組みをつくる




南城市で重視したもう一つの論点が、PDCAを回す仕組みです。

地域観光の現場では、事業を実施すること自体が目的になってしまうことがあります。イベントを開く。パンフレットをつくる。プロモーションを行う。来場者数を数える。入場料を確認する。それで終わってしまう。

しかし、それだけでは観光が地域に何をもたらしたのかは分かりません。

大切なのは、実施した事業を検証し、次の改善につなげることです。誰が来たのか。どこで消費が生まれたのか。地域の事業者にどのような効果があったのか。働く人の負担はどうだったのか。住民は観光をどう受け止めたのか。観光客の満足は、地域の価値向上につながったのか。

こうした問いを持たなければ、観光は「やりっぱなし」になってしまいます。

南城市でも、これまでの事業を振り返りながら、何を見て、何を改善すべきなのかを整理していきました。単に数字を報告するだけでなく、地域にどのような変化が起きたのかを見る。そのための仕組みを整える必要がありました。

PDCAという言葉は、ビジネスの世界では広く使われています。しかし、地域観光の現場では、PとD、つまり計画と実行までは進んでも、CとA、検証と改善が弱くなりがちです。なぜうまくいったのか。なぜ成果につながらなかったのか。次に何を変えるのか。そこまで見なければ、地域観光の知見は積み上がっていきません。

DMOは、事業を実施するだけの組織ではありません。事業を検証し、地域の学びに変える組織です。

観光を一過性のにぎわいで終わらせないためには、実施したことを振り返り、次の一手につなげる仕組みが欠かせません。PDCAを回すことは、単なる管理手法ではなく、地域の未来に責任を持つための姿勢です。







観光の成果を、住民の幸福度で測る




DMOが見るべき成果は、来訪者数や消費額だけではありません。

もちろん、来訪者数や消費額は重要です。観光を産業として育てる以上、経済的な成果を見ることは欠かせません。地域内にどれだけ資金が循環したのか。事業者の売上につながったのか。雇用が生まれたのか。こうした指標も丁寧に見ていく必要があります。

しかし、それだけでは十分とは言えません。

観光客が増えても、住民の暮らしが豊かにならなければ、地域にとって良い観光とは言えません。現場が忙しくなるだけで、働く人の誇りや待遇につながらなければ、観光は持続しません。地域の自然や文化が消耗していくなら、それは本来あるべき観光地域づくりとは言えません。

私は、観光の成果を住民の幸福度や地域内経済循環の視点から見つめ直すことが重要だと考えています。

観光によって、地域の中にお金が循環しているか。働く人の誇りは高まっているか。住民が観光を前向きに受け止められているか。地域の自然や文化は守られているか。観光が地域の未来につながっているか。

こうした問いを持たなければ、観光は単なる集客で終わってしまいます。

南城市で目指したのも、観光客を増やすことだけではありませんでした。観光を通じて、地域の暮らしや仕事をどう豊かにするのか。地域の人たちが、自分たちのまちに誇りを持てるようになるのか。観光が住民にとっても意味のあるものになるのか。

そこまで見つめる姿勢が、これからのDMOには求められます。

DMOは、観光客のためだけの組織ではありません。地域の未来を考える組織です。だからこそ、成果を見るときにも、来訪者数だけでなく、住民の幸福度や地域内経済循環に目を向ける必要があります。







DMOは、地域の未来を動かす事業体である




南城市での取り組みを通じて、あらためて感じたことがあります。

DMOは、単なる観光プロモーション組織ではありません。イベントを実施するだけの組織でも、行政から委託された事業をこなすだけの受け皿でもありません。

DMOは、地域の未来を動かす事業体であるべきだと考えています。そのためには、役割を定義し、組織を整え、財源をつくり、事業を育て、成果を検証し、次の挑戦に投資していく。その積み重ねが欠かせません。観光協会が担ってきた価値を引き継ぎながら、これからの地域に必要な機能を加えていく。その積み重ねによって、DMOは地域にとって欠かせない存在になっていきます。

もちろん、簡単な道のりではありません。組織を変えるには、関係者の理解が必要です。財源をつくるには、事業を育てなければなりません。PDCAを回すには、数字だけでなく、現場の声や住民の実感にも向き合わなければなりません。時間もかかり、摩擦が生まれることもあります。

それでも、私はDMOには地域を変える力があると信じています。観光は、人を呼ぶためだけにあるのではありません。地域の仕事をつくり、誇りを育て、地域の外と内をつなぎ、次の挑戦に投資するための手段です。その観光を地域経営につなげる存在がDMOです。

「受け皿」から、地域を動かす事業体へ。DMOがその一歩を踏み出せるかどうかが、これからの地域観光の行方を左右します。

次回は、いよいよ最終回です。これまでの議論を踏まえながら、観光を通じて「旅する人も迎える人も幸せになる」地域をどうつくっていくのかを考えていきます。ウェルネスツーリズムや住民幸福度、地域内経済循環の視点から、これからのDMOが目指すべき姿についてお話しします。次回もぜひお楽しみに。





関連リンク

 well f.m.一般社団法人
</description>
<enclosure url="https://japanstep.jp/images/learn/DMO_shinkaron/images20260710182623.webp" type="image/jpeg" />
<dc:category rdf:resource="https://japanstep.jp/learn/category/43">ビジネス</dc:category>
<dc:creator></dc:creator>
<dc:subject></dc:subject>
<dc:date>2026-10-08T07:00:00+09:00</dc:date>
<content:encoded><![CDATA[
<div id="cms-editor-minieditor-sin178367548821954000" class="cms-content-parts-sin178367548821961800">
<p><a href="https://japanstep.jp/learn/category/233/" rel="otherurl" style="text-decoration: none;"><img src="/images/popularity/DM_L.webp" width="1280" height="376" alt="" /></a></p>
<p>皆さん、こんにちは。well f.m. 一般社団法人 創業者の善井靖です。<a href="https://japanstep.jp/learn/2026/09/2249/">前回</a>は、沖縄県南城市での取り組みを振り返りながら、DMOづくりは「地域の納得」から始まるとお話ししました。地域の声を聞き、観光協会の役割を見える化し、行政、市民、事業者とともに合意をつくる。その土台がなければ、どれほど立派な組織図を描いても、DMOは動き出しません。では、地域の納得が生まれた後、DMOをどのように組織として形にしていけばよいのでしょうか。第4回となる今回は、南城市で新しいDMOを形にしていく過程を振り返りながら、組織づくり、財源づくり、事業計画、そしてPDCAを回す仕組みについてお話しします。（解説＝well f.m. 一般社団法人 創業者 善井靖／文＝JMPプロデューサー長谷川浩和）</p>
<p class="MsoNormal"><span lang="EN-US"><o:p></o:p></span></p>
<p></p>
</div>
<div class="cms-content-parts-sin178367581168729200 box parts_text_type02 cparts-id120--01 lay-margin-b--3 lay-padding--2" data-selectable="cparts-animate cparts-animate--slideInUp:上へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInDown:下へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInLeft:左へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInRight:右へスライド">
<div class="lay-row lay-no-gutters">
<div class="lay-col12-12">
<div class="cparts-editsite--txt cparts-txt-block lay-reset-child" id="cms-editor-minieditor-sin178367581168736800">
<p style="text-align: center;"><strong>教えてくれるのは&#8230;</strong></p>
<p style="text-align: center;"><img src="/images/learn/DMO_shinkaron/prof.webp" width="600" height="338" alt="" /></p>
<p style="text-align: center;"><strong>well f.m. 一般社団法人 創業者／内閣府 地域活性化伝道師<br />
</strong></p>
<p style="text-align: center;"><strong>善井 靖さん</strong></p>
<p>佐渡島出身。ラジオ放送作家、イベント企画制作などを経て、2000年に起業。その後、観光マーケティング協会、ナイトタイムエコノミー株式会社、well f.m.一般社団法人を設立。内閣府「地域活性化伝道師」、観光庁「世界水準のDMO専門家」などを務め、全国各地で観光地域づくりやDMO支援に携わっている。</p>
</div>
</div>
</div>
</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin178416559712784600 cparts-editsite--mainttl" id="cms-editor-textarea-sin178416559712790700">看板を替える前に、役割を定義する</h2>
<div class="cms-content-parts-sin178416560591412900 cparts-id119 lay-margin-b--3 box" data-selectable="cparts-animate cparts-animate--slideInUp:上へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInDown:下へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInLeft:左へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInRight:右へスライド">
<div class="lay-row">
<div class="lay-col12-xs-12 lay-col12-md-12 lay-col12-lg-12">
<div class="cparts-editsite--txt cparts-txt-block lay-reset-child" id="cms-editor-minieditor-sin178416560591416900">
<p>地域の納得が生まれた後、次に向き合うべきは、組織の形です。</p>
<p></p>
<p>ただし、ここでも順番を間違えてはなりません。一般社団法人にするのか、株式会社にするのか。行政との関係をどう整理するのか。既存の観光協会をどう位置づけるのか。いずれも重要な論点です。</p>
<p></p>
<p>しかし、先に器だけを決めても、何を担う組織なのかが曖昧なままでは機能しません。南城市でまず整理したのは、これまで誰が何を担ってきたのか、そしてこれから誰が何を担うべきなのか、ということでした。</p>
<p></p>
<p>観光協会には、長年積み重ねてきた仕事があります。観光案内、イベント対応、地域事業者との関係づくり。現場で日々動いてきた人たちの経験もあります。その蓄積は、決して軽く扱ってよいものではありません。</p>
<p></p>
<p>一方で、これからのDMOに求められる役割は、それだけではありません。地域全体の観光戦略を描くこと。データを見ながら改善を続けること。地域資源を磨き、収益を生む事業へ育てること。人材を育て、地域内に資金が循環する仕組みをつくること。観光客の満足だけでなく、住民の幸福度や働く人の誇りにも目を向けること。</p>
<p></p>
<p>こうした機能を担うには、従来の観光協会の延長線上だけでは難しい場面もあります。だからこそ南城市では、既存の仕事を否定するのではなく、これまで担ってきた役割と、これから必要になる役割を分けて考えていきました。何を残すのか。何を変えるのか。何を新しく加えるのか。その整理がなければ、新しい組織をつくっても、結局、以前と同じ課題を抱えてしまいます。</p>
<p></p>
<p>組織を変えるとは、看板を掛け替えることではありません。地域の未来に必要な役割を定義し直すことです。</p>
<p><img src="/images/learn/DMO_shinkaron/4th/aa96e780-d3a1-4573-b829-616354128c0d.webp" width="900" height="675" alt="" /><span style="font-size: small;">DMO支援での一コマ</span></p>
<div></div>
<div></div>
<div></div>
</div>
</div>
</div>
</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin178416563063192800 cparts-editsite--mainttl" id="cms-editor-textarea-sin178416563063200100">観光協会の蓄積を、次の組織へつなぐ</h2>
<div class="cms-content-parts-sin178416564560590100 cparts-id119 lay-margin-b--3 box" data-selectable="cparts-animate cparts-animate--slideInUp:上へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInDown:下へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInLeft:左へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInRight:右へスライド">
<div class="lay-row">
<div class="lay-col12-xs-12 lay-col12-md-12 lay-col12-lg-12">
<div class="cparts-editsite--txt cparts-txt-block lay-reset-child" id="cms-editor-minieditor-sin178416564560558800">
<p>新しいDMOを考えるとき、既存の観光協会をどう位置づけるかは、非常に繊細なテーマです。観光協会を解散すればよい。新しい組織を別につくればよい。外から見れば、そう考えたくなる場面もあるかもしれません。しかし、現場はそれほど簡単ではありません。</p>
<p></p>
<p>観光協会には、地域の事業者との関係があります。観光案内やイベント対応など、地域の観光を支えてきた日々の仕事があります。そこで働いてきた人たちの経験もあります。その蓄積を見ずに新しい組織をつくっても、地域に根づくDMOにはなりません。</p>
<p></p>
<p>一方で、これまでの延長だけでは、観光を地域経営につなげる組織へ進化することはできません。地域全体を見渡し、事業をつくり、財源を生み、人材を育て、成果を検証する。そうした機能を持たなければ、DMOは観光事業の受け皿にとどまってしまいます。</p>
<p></p>
<p>南城市では、観光協会が積み重ねてきたものを踏まえながら、新しい組織に必要な機能を考えていきました。</p>
<p></p>
<p>大切なのは、観光協会を否定することではありません。これまで担ってきた価値を認めたうえで、次の役割を明確にすることです。何を引き継ぐのか。何を見直すのか。何を新たに担うのか。それを地域で共有することで、組織変更は、制度上の手続きではなく、未来に向けた合意になります。</p>
<p></p>
<p>私は、この過程を丁寧に進めることが重要だと考えています。</p>
<p></p>
<p>地域の組織には、数字や制度だけでは測れないものがあります。人の思い、関係性、過去の積み重ね。そうしたものを軽く扱えば、組織は動きません。変えるべきものは変える。しかし、残すべき価値はきちんと残す。その見極めが、DMOづくりには欠かせません。</p>
<div></div>
<div></div>
<p></p>
</div>
</div>
</div>
</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin178416562830389500 cparts-editsite--mainttl" id="cms-editor-textarea-sin178416562830398100">未来に投資するための財源をどうつくるか</h2>
<div class="cms-content-parts-sin178416564062956800 cparts-id119 lay-margin-b--3 box" data-selectable="cparts-animate cparts-animate--slideInUp:上へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInDown:下へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInLeft:左へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInRight:右へスライド">
<div class="lay-row">
<div class="lay-col12-xs-12 lay-col12-md-12 lay-col12-lg-12">
<div class="cparts-editsite--txt cparts-txt-block lay-reset-child" id="cms-editor-minieditor-sin178416564062821500">
<p>DMOを機能させるためには、財源の問題を避けて通れません。</p>
<p></p>
<p><a href="https://japanstep.jp/learn/2026/07/2227/">第2回</a>でもお話ししたように、多くのDMOでは、「財源が足りない」「人材が足りない」という課題が繰り返し語られます。財源がないから人を雇えない。人材が足りないから事業をつくれない。事業が育たないから収益が生まれない。この循環を断ち切らなければ、DMOは地域の未来に投資できる組織にはなれません。</p>
<p></p>
<p>南城市でも、新しいDMOを考えるうえで、財源づくりは重要な論点でした。</p>
<p></p>
<p>行政からの委託事業や補助金だけに依存していては、組織の自立性は高まりません。もちろん、行政の支援は重要です。立ち上げ期には、行政が環境を整え、必要な資金を用意することも欠かせません。</p>
<p></p>
<p>ただ、それだけでは、DMOが自ら事業を育て、次の人材や取り組みに投資する力を持つことはできません。</p>
<p></p>
<p>では、何が必要なのか。必要なのは、地域の中で収益を生む事業をつくることです。観光客に地域ならではの体験を届ける。地域資源を磨き、商品やサービスとして成立させる。地域の事業者と連携し、消費が地域内に循環する仕組みをつくる。外から人を呼ぶだけでなく、地域の中に資金が残る設計をする。</p>
<p></p>
<p>財源づくりとは、単に資金を集めることではありません。地域の次の挑戦に投資する力をつくることです。人材を採用する。事業を試す。データを集める。改善する。次のプロジェクトに投資する。こうした循環をつくるためには、収益の裏づけが必要です。</p>
<p></p>
<p>DMOは、補助金の受け皿にとどまるための組織ではありません。地域に必要な事業をつくり、その成果を次の挑戦に回していく組織です。財源の設計ができて初めて、DMOは地域の未来に投資できる存在になります。</p>
<div></div>
<div></div>
<div></div>
</div>
</div>
</div>
</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin178416562603181900 cparts-editsite--mainttl" id="cms-editor-textarea-sin178416562603190000">「やりっぱなし」にしない仕組みをつくる</h2>
<div class="cms-content-parts-sin178416563732147300 cparts-id119 lay-margin-b--3 box" data-selectable="cparts-animate cparts-animate--slideInUp:上へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInDown:下へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInLeft:左へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInRight:右へスライド">
<div class="lay-row">
<div class="lay-col12-xs-12 lay-col12-md-12 lay-col12-lg-12">
<div class="cparts-editsite--txt cparts-txt-block lay-reset-child" id="cms-editor-minieditor-sin178416563732120600">
<p>南城市で重視したもう一つの論点が、PDCAを回す仕組みです。</p>
<p></p>
<p>地域観光の現場では、事業を実施すること自体が目的になってしまうことがあります。イベントを開く。パンフレットをつくる。プロモーションを行う。来場者数を数える。入場料を確認する。それで終わってしまう。</p>
<p></p>
<p>しかし、それだけでは観光が地域に何をもたらしたのかは分かりません。</p>
<p></p>
<p>大切なのは、実施した事業を検証し、次の改善につなげることです。誰が来たのか。どこで消費が生まれたのか。地域の事業者にどのような効果があったのか。働く人の負担はどうだったのか。住民は観光をどう受け止めたのか。観光客の満足は、地域の価値向上につながったのか。</p>
<p></p>
<p>こうした問いを持たなければ、観光は「やりっぱなし」になってしまいます。</p>
<p></p>
<p>南城市でも、これまでの事業を振り返りながら、何を見て、何を改善すべきなのかを整理していきました。単に数字を報告するだけでなく、地域にどのような変化が起きたのかを見る。そのための仕組みを整える必要がありました。</p>
<p></p>
<p>PDCAという言葉は、ビジネスの世界では広く使われています。しかし、地域観光の現場では、PとD、つまり計画と実行までは進んでも、CとA、検証と改善が弱くなりがちです。なぜうまくいったのか。なぜ成果につながらなかったのか。次に何を変えるのか。そこまで見なければ、地域観光の知見は積み上がっていきません。</p>
<p></p>
<p>DMOは、事業を実施するだけの組織ではありません。事業を検証し、地域の学びに変える組織です。</p>
<p></p>
<p>観光を一過性のにぎわいで終わらせないためには、実施したことを振り返り、次の一手につなげる仕組みが欠かせません。PDCAを回すことは、単なる管理手法ではなく、地域の未来に責任を持つための姿勢です。</p>
<p></p>
<div></div>
<div></div>
</div>
</div>
</div>
</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin178416562385049800 cparts-editsite--mainttl" id="cms-editor-textarea-sin178416562385103900">観光の成果を、住民の幸福度で測る</h2>
<div class="cms-content-parts-sin178416563351739200 cparts-id119 lay-margin-b--3 box" data-selectable="cparts-animate cparts-animate--slideInUp:上へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInDown:下へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInLeft:左へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInRight:右へスライド">
<div class="lay-row">
<div class="lay-col12-xs-12 lay-col12-md-12 lay-col12-lg-12">
<div class="cparts-editsite--txt cparts-txt-block lay-reset-child" id="cms-editor-minieditor-sin178416563351711100">
<p>DMOが見るべき成果は、来訪者数や消費額だけではありません。</p>
<p></p>
<p>もちろん、来訪者数や消費額は重要です。観光を産業として育てる以上、経済的な成果を見ることは欠かせません。地域内にどれだけ資金が循環したのか。事業者の売上につながったのか。雇用が生まれたのか。こうした指標も丁寧に見ていく必要があります。</p>
<p></p>
<p>しかし、それだけでは十分とは言えません。</p>
<p></p>
<p>観光客が増えても、住民の暮らしが豊かにならなければ、地域にとって良い観光とは言えません。現場が忙しくなるだけで、働く人の誇りや待遇につながらなければ、観光は持続しません。地域の自然や文化が消耗していくなら、それは本来あるべき観光地域づくりとは言えません。</p>
<p></p>
<p>私は、観光の成果を住民の幸福度や地域内経済循環の視点から見つめ直すことが重要だと考えています。</p>
<p></p>
<p>観光によって、地域の中にお金が循環しているか。働く人の誇りは高まっているか。住民が観光を前向きに受け止められているか。地域の自然や文化は守られているか。観光が地域の未来につながっているか。</p>
<p></p>
<p>こうした問いを持たなければ、観光は単なる集客で終わってしまいます。</p>
<p></p>
<p>南城市で目指したのも、観光客を増やすことだけではありませんでした。観光を通じて、地域の暮らしや仕事をどう豊かにするのか。地域の人たちが、自分たちのまちに誇りを持てるようになるのか。観光が住民にとっても意味のあるものになるのか。</p>
<p></p>
<p>そこまで見つめる姿勢が、これからのDMOには求められます。</p>
<p></p>
<p>DMOは、観光客のためだけの組織ではありません。地域の未来を考える組織です。だからこそ、成果を見るときにも、来訪者数だけでなく、住民の幸福度や地域内経済循環に目を向ける必要があります。</p>
<div></div>
<div></div>
<div></div>
</div>
</div>
</div>
</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin178573508103465000 cparts-editsite--mainttl" id="cms-editor-textarea-sin178573508103468900">DMOは、地域の未来を動かす事業体である</h2>
<div class="cms-content-parts-sin178573509159789300 cparts-id119 lay-margin-b--3 box" data-selectable="cparts-animate cparts-animate--slideInUp:上へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInDown:下へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInLeft:左へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInRight:右へスライド">
<div class="lay-row">
<div class="lay-col12-xs-12 lay-col12-md-12 lay-col12-lg-12">
<div class="cparts-editsite--txt cparts-txt-block lay-reset-child" id="cms-editor-minieditor-sin178573509159793100">
<p>南城市での取り組みを通じて、あらためて感じたことがあります。</p>
<p></p>
<p>DMOは、単なる観光プロモーション組織ではありません。イベントを実施するだけの組織でも、行政から委託された事業をこなすだけの受け皿でもありません。</p>
<p></p>
<p>DMOは、地域の未来を動かす事業体であるべきだと考えています。そのためには、役割を定義し、組織を整え、財源をつくり、事業を育て、成果を検証し、次の挑戦に投資していく。その積み重ねが欠かせません。観光協会が担ってきた価値を引き継ぎながら、これからの地域に必要な機能を加えていく。その積み重ねによって、DMOは地域にとって欠かせない存在になっていきます。</p>
<p></p>
<p>もちろん、簡単な道のりではありません。組織を変えるには、関係者の理解が必要です。財源をつくるには、事業を育てなければなりません。PDCAを回すには、数字だけでなく、現場の声や住民の実感にも向き合わなければなりません。時間もかかり、摩擦が生まれることもあります。</p>
<p></p>
<p>それでも、私はDMOには地域を変える力があると信じています。観光は、人を呼ぶためだけにあるのではありません。地域の仕事をつくり、誇りを育て、地域の外と内をつなぎ、次の挑戦に投資するための手段です。その観光を地域経営につなげる存在がDMOです。</p>
<p></p>
<p>「受け皿」から、地域を動かす事業体へ。DMOがその一歩を踏み出せるかどうかが、これからの地域観光の行方を左右します。</p>
<p></p>
<p>次回は、いよいよ最終回です。これまでの議論を踏まえながら、観光を通じて「旅する人も迎える人も幸せになる」地域をどうつくっていくのかを考えていきます。ウェルネスツーリズムや住民幸福度、地域内経済循環の視点から、これからのDMOが目指すべき姿についてお話しします。次回もぜひお楽しみに。</p>
<div></div>
</div>
</div>
</div>
</div>
<h3 class="cms-content-parts-sin178367594855779700 cparts-editsite--mainttl" id="cms-editor-textarea-sin178367594855783500">関連リンク</h3>
<div id="cms-editor-minieditor-sin178367595948422800" class="cms-content-parts-sin178367595948433500">
<p><a href="https://wellfm.info/"> well f.m.一般社団法人</a></p>
</div>
]]></content:encoded>
</item>

<item rdf:about="https://japanstep.jp/learn/2026/10/2471/">
<title>AIと創るデザイン。作り手の不安を希望へ</title>
<link>https://japanstep.jp/learn/2026/10/2471/</link>
<description>
自然言語で指示を出すだけで、美しいUIデザインが一瞬で生成される時代。圧倒的な利便性が広がる一方で、現場のクリエイターたちは自らの存在意義を問い直す混乱の中にある。AIに仕事を奪われるのではないかと怯えるのか、それとも新たな相棒として共に価値を生み出すのか。急速な環境変化に戸惑う作り手たちをエンパワーメントし、次なるキャリアへと導くプロジェクトが始動した。（文＝JapanStep編集部）
▼「挑戦」を生むトレンドニュースを毎日掲載！
挑戦者のためのビジネスメディア『JapanStep』



デザイナーの現在地を確認。実践的な支援

2026年7月、デザインカンパニーの株式会社グッドパッチが運営するデザイナー特化型キャリア支援サービス「ReDesigner」は、AI時代におけるデザイナーのキャリアと可能性に向き合うプロジェクト「The Designers&#8217; Turn 2026」を開始した。
（引用元：PR TIMES）

近年、自然言語で指示を出すだけでUIデザインやプロトタイプが生成できるツールが相次いで登場し、制作の前提が劇的に変わりつつある。同サービスは2万5,000名を超えるデザイナーが登録する国内有数のプラットフォームだが、日々の面談の中で見えてきたのは、AIの進化を好機と捉える一方で、不安や戸惑い、疲労感を抱いている現場のリアルな姿だった。

この混乱期を乗り越える転機を提供するため、プロジェクトでは4つのアプローチが順次展開されている。第一に、登録者や企業へのアンケートに基づくデータレポートの公開。第二に、AI時代だからこそ大切にしたい感情や迷いを同業者同士で語り合うオフラインイベントの開催だ。

第三に、AI人材を積極採用する企業が登壇して視野を広げるオンラインイベント。そして第四に、企業が用意した課題にAIを活用して解決に挑む実践型プログラムである。本プログラムはすでにエントリーを締め切り、現在は参加者による課題提出期間へとフェーズを進めている。

これら多角的な視点を通じ、作り手たちが自らの現在地と未来の可能性を捉え直すための実践的な環境が整えられている。


作る作業から価値の定義へ。日本を牽引する力

新しいテクノロジーが急速に普及する過程において、現場の最前線で手を動かしてきたクリエイターたちが強い不安を抱くのは当然の反応である。これまで何年もかけて磨き上げてきた職人技とも言える「美しく作る」という工程が、AIによってわずか数秒で代替されてしまうからだ。

しかし、この環境の激変は、デザイナーという職業の価値が失われることを意味するのではない。むしろ、その役割がより上流へと拡張されるための決定的なチャンスと捉えるべきだ。画面のレイアウトを組み上げる作業から解放されたとき、作り手たちには「そもそも誰のために、どんな課題を解決する体験を創るべきか」という、ビジネスの根幹に関わる「価値の定義」に深くコミットする余白が生まれる。

だからこそ、不安や迷いといった生々しい感情に蓋をせず、仲間たちと共有し合う場が設けられたことの意義は計り知れない。自らの感情を整理し、客観的なデータで市場の現在地を把握したうえで、実際にAIをツールとして活用し、企業の課題解決に挑む。この一連のステップを踏むことで、得体の知れなかったAIという存在は「脅威」から「自らの思考を拡張する強力な武器」へと変わっていくだろう。

ビジネスとデザインを高度に融合させ、AIを自在に操る人材は、大企業だけでなく、リソース不足に悩む地方の中小企業にとっても喉から手が出るほど欲しい存在となる。作り手たちがこの転換期を力強く乗り越え、新しいテクノロジーとの共創体制を築き上げたとき、その研ぎ澄まされた創造力は日本中のあらゆるビジネスを根底からアップデートする力となる。変化を恐れず、自らのキャリアを再定義して突き進むその姿が、日本の産業全体を次なるステージへと引き上げていくはずだ。
▼「挑戦」を生むトレンドニュースを毎日掲載！
挑戦者のためのビジネスメディア『JapanStep』

</description>
<enclosure url="https://japanstep.jp/images/learn/2609_Release/260929_tsukuru/design.jpg" type="image/jpeg" />
<dc:category rdf:resource="https://japanstep.jp/learn/category/34">キャリア</dc:category>
<dc:creator></dc:creator>
<dc:subject></dc:subject>
<dc:date>2026-10-07T07:00:00+09:00</dc:date>
<content:encoded><![CDATA[
<div id="cms-editor-minieditor-sin179064362652920300" class="cms-content-parts-sin179064362652928600">
<p>自然言語で指示を出すだけで、美しいUIデザインが一瞬で生成される時代。圧倒的な利便性が広がる一方で、現場のクリエイターたちは自らの存在意義を問い直す混乱の中にある。AIに仕事を奪われるのではないかと怯えるのか、それとも新たな相棒として共に価値を生み出すのか。急速な環境変化に戸惑う作り手たちをエンパワーメントし、次なるキャリアへと導くプロジェクトが始動した。（文＝JapanStep編集部）</p>
<p><strong>▼「挑戦」を生むトレンドニュースを毎日掲載！</strong><br />
<a href="https://japanstep.jp/">挑戦者のためのビジネスメディア『JapanStep』</a></p>
<p></p>
<div></div>
</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin179064392991013200 cparts-editsite--mainttl cparts-id002" id="cms-editor-textarea-sin179064392991019100">デザイナーの現在地を確認。実践的な支援</h2>
<div id="cms-editor-minieditor-sin179064392060539800" class="cms-content-parts-sin179064392060548200">
<p>2026年7月、デザインカンパニーの株式会社グッドパッチが運営するデザイナー特化型キャリア支援サービス「ReDesigner」は、AI時代におけるデザイナーのキャリアと可能性に向き合うプロジェクト「The Designers&#8217; Turn 2026」を開始した。</p>
<p><img src="/images/learn/2609_Release/260929_tsukuru/1.webp" width="900" height="471" alt="" /><span style="font-size: small;">（引用元：</span><a href="https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000183.000008880.html"><span style="font-size: small;">PR TIMES</span></a><span style="font-size: small;">）</span></p>
<p></p>
<p>近年、自然言語で指示を出すだけでUIデザインやプロトタイプが生成できるツールが相次いで登場し、制作の前提が劇的に変わりつつある。同サービスは2万5,000名を超えるデザイナーが登録する国内有数のプラットフォームだが、日々の面談の中で見えてきたのは、AIの進化を好機と捉える一方で、不安や戸惑い、疲労感を抱いている現場のリアルな姿だった。</p>
<p></p>
<p>この混乱期を乗り越える転機を提供するため、プロジェクトでは4つのアプローチが順次展開されている。第一に、登録者や企業へのアンケートに基づくデータレポートの公開。第二に、AI時代だからこそ大切にしたい感情や迷いを同業者同士で語り合うオフラインイベントの開催だ。</p>
<p></p>
<p>第三に、AI人材を積極採用する企業が登壇して視野を広げるオンラインイベント。そして第四に、企業が用意した課題にAIを活用して解決に挑む実践型プログラムである。本プログラムはすでにエントリーを締め切り、現在は参加者による課題提出期間へとフェーズを進めている。</p>
<p></p>
<p>これら多角的な視点を通じ、作り手たちが自らの現在地と未来の可能性を捉え直すための実践的な環境が整えられている。</p>
<div></div>
</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin179064393588168300 cparts-editsite--mainttl cparts-id002" id="cms-editor-textarea-sin179064393588175700">作る作業から価値の定義へ。日本を牽引する力</h2>
<div id="cms-editor-minieditor-sin179064391703521500" class="cms-content-parts-sin179064391703530200">
<p>新しいテクノロジーが急速に普及する過程において、現場の最前線で手を動かしてきたクリエイターたちが強い不安を抱くのは当然の反応である。これまで何年もかけて磨き上げてきた職人技とも言える「美しく作る」という工程が、AIによってわずか数秒で代替されてしまうからだ。</p>
<p></p>
<p>しかし、この環境の激変は、デザイナーという職業の価値が失われることを意味するのではない。むしろ、その役割がより上流へと拡張されるための決定的なチャンスと捉えるべきだ。画面のレイアウトを組み上げる作業から解放されたとき、作り手たちには「そもそも誰のために、どんな課題を解決する体験を創るべきか」という、ビジネスの根幹に関わる「価値の定義」に深くコミットする余白が生まれる。</p>
<p></p>
<p>だからこそ、不安や迷いといった生々しい感情に蓋をせず、仲間たちと共有し合う場が設けられたことの意義は計り知れない。自らの感情を整理し、客観的なデータで市場の現在地を把握したうえで、実際にAIをツールとして活用し、企業の課題解決に挑む。この一連のステップを踏むことで、得体の知れなかったAIという存在は「脅威」から「自らの思考を拡張する強力な武器」へと変わっていくだろう。</p>
<p></p>
<p>ビジネスとデザインを高度に融合させ、AIを自在に操る人材は、大企業だけでなく、リソース不足に悩む地方の中小企業にとっても喉から手が出るほど欲しい存在となる。作り手たちがこの転換期を力強く乗り越え、新しいテクノロジーとの共創体制を築き上げたとき、その研ぎ澄まされた創造力は日本中のあらゆるビジネスを根底からアップデートする力となる。変化を恐れず、自らのキャリアを再定義して突き進むその姿が、日本の産業全体を次なるステージへと引き上げていくはずだ。</p>
<p><span style="font-weight: bolder;">▼「挑戦」を生むトレンドニュースを毎日掲載！</span><br />
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<div></div>
</div>
]]></content:encoded>
</item>

<item rdf:about="https://japanstep.jp/learn/2026/10/2445/">
<title>学生が挑む。フィジカルAI開発コンテスト</title>
<link>https://japanstep.jp/learn/2026/10/2445/</link>
<description>
AIがロボットのデバイス等を通じ、現実世界を認識・行動するフィジカルAIの時代。ロボット市場の急拡大が予測される一方で、それを担う人材不足は、深刻な課題となっている。この危機を乗り越えるため、次世代の若き開発者を育成する国家規模のプロジェクトが動き出した。膨大な計算資源と賞金を用意し、学生たちがチームで基盤モデルの開発に挑む。（文＝JapanStep編集部）
▼「挑戦」を生むトレンドニュースを毎日掲載！
挑戦者のためのビジネスメディア『JapanStep』



総額4億円の計算資源。学生向けAIコンテスト

2026年7月、東京大学の松尾・岩澤研究室は「GENIAC-PRIZE 2026 AI開発コンテスト」の参加メンバー募集を開始した（※）。このコンテストは、経済産業省とNEDOによるプログラムの一環であり、フィジカルAIの技術を担う若き開発者の発掘と育成を目的としている。
（※）現在はメンバー参加のみ8/31から9/30の昼12時までに延長。チームリーダー参加は7/31で締め切り
（引用元：PR TIMES）

政府が2026年3月に策定した「AIロボティクス戦略」では、多用途ロボット市場は2040年に60兆円規模へと急拡大する見通しだ。しかし一方で、それを開発・運用する人材が339万人も不足すると推計されており、次世代の人材育成は国家的な急務となっている。

コンテストに参加する学生たちは、LLM（大規模言語モデル）を用いて、言語指示と環境情報からロボットを動かす制御コードを生成する「ロボット操作エージェント」の開発に取り組む。「引き出しを開けてボウルを中に入れて」といった人間の自然な言葉をAIが理解し、ロボットの動作へと変換する高度な課題だ。

特筆すべきは、学生に用意された開発環境の圧倒的なスケールである。個人では利用が困難な最新鋭のGPUなど、総額4億円相当の計算資源が惜しみなく提供される。全国から最大500名の学生が集い、約20名のチームを組んで開発に挑む。優秀な成果を収めたチームや個人には、総額約3,000万円の賞金が授与される予定だ。シミュレータ環境で開発から評価までが完結するため、実機ロボットの経験がない学生であっても、最先端の技術開発に実践的に挑戦できる手厚い仕組みが整えられている。


若き知性が現場を変える。日本再興の起爆剤

今回のコンテストが示唆しているのは、次世代のAI人材を育成するためのアプローチが、単なる「座学」から「圧倒的な実戦経験の場」へとシフトしたという事実である。

日本はこれまで、製造業における産業用ロボットのハードウエア技術で世界を牽引してきた。しかし、ロボットの頭脳となるソフトウエアやAIとの融合においては、海外のテック企業に主導権を握られかねないという強い危機感がある。物理空間とデジタル空間の交差点であるフィジカルAIの領域で勝ち残ることは、日本の産業競争力を維持・発展させるための絶対条件と言える。

この未開拓の領域を切り拓くには、LLMの開発経験とロボティクスの知識を掛け合わせ、複雑なシステムを構築できる高度なエンジニアが不可欠となる。そのような人材は、教科書を読むだけでは決して育たない。今回のような国家規模のコンテストは、学生たちに「実社会の課題をAIでどう解決するか」を構想させ、役割分担をしながらチームで実装までこぎつけるという、実務的な経験を積ませるための戦略的な投資である。

学生時代から世界最高峰の計算資源に触れ、全国の優秀な同世代と切磋琢磨する経験は、若き開発者たちの視座を劇的に引き上げる。失敗を恐れずにシミュレータ上で試行錯誤を繰り返す中で磨かれた知見とチームワークは、彼らが社会の最前線へ出たとき、硬直化した日本の産業構造を打ち破る強靭な力となるだろう。

産学官が一体となって若者の情熱と好奇心を後押しし、世界に通用する才能を育て上げる。この大きなうねりが、停滞する日本経済に新たな活力を与え、未来へ向けて力強く前進していくための原動力となっていくはずだ。
▼「挑戦」を生むトレンドニュースを毎日掲載！
挑戦者のためのビジネスメディア『JapanStep』

</description>
<enclosure url="https://japanstep.jp/images/learn/2609_Release/260918_gakusei/main.webp" type="image/jpeg" />
<dc:category rdf:resource="https://japanstep.jp/learn/category/33">スタートアップ</dc:category>
<dc:creator></dc:creator>
<dc:subject></dc:subject>
<dc:date>2026-10-06T07:00:00+09:00</dc:date>
<content:encoded><![CDATA[
<div id="cms-editor-minieditor-sin178969790381553100" class="cms-content-parts-sin178969790381561000">
<p>AIがロボットのデバイス等を通じ、現実世界を認識・行動するフィジカルAIの時代。ロボット市場の急拡大が予測される一方で、それを担う人材不足は、深刻な課題となっている。この危機を乗り越えるため、次世代の若き開発者を育成する国家規模のプロジェクトが動き出した。膨大な計算資源と賞金を用意し、学生たちがチームで基盤モデルの開発に挑む。（文＝JapanStep編集部）</p>
<p><strong>▼「挑戦」を生むトレンドニュースを毎日掲載！</strong><br />
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<p></p>
<div></div>
</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin178969792213615400 cparts-editsite--mainttl cparts-id002" id="cms-editor-textarea-sin178969792213619300">総額4億円の計算資源。学生向けAIコンテスト</h2>
<div id="cms-editor-minieditor-sin178969791394269200" class="cms-content-parts-sin178969791394276500">
<p>2026年7月、東京大学の松尾・岩澤研究室は「GENIAC-PRIZE 2026 AI開発コンテスト」の参加メンバー募集を開始した<span style="font-size: small;">（※）</span>。このコンテストは、経済産業省とNEDOによるプログラムの一環であり、フィジカルAIの技術を担う若き開発者の発掘と育成を目的としている。</p>
<p><span style="font-size: small;">（※）現在はメンバー参加のみ8/31から9/30の昼12時までに延長。チームリーダー参加は7/31で締め切り</span></p>
<p><img src="/images/learn/2609_Release/260918_gakusei/1.webp" width="900" height="506" alt="" /><span style="font-size: small;">（引用元：</span><a href="https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000012.000169166.html"><span style="font-size: small;">PR TIMES</span></a><span style="font-size: small;">）</span></p>
<p></p>
<p>政府が2026年3月に策定した「AIロボティクス戦略」では、多用途ロボット市場は2040年に60兆円規模へと急拡大する見通しだ。しかし一方で、それを開発・運用する人材が339万人も不足すると推計されており、次世代の人材育成は国家的な急務となっている。</p>
<p></p>
<p>コンテストに参加する学生たちは、LLM（大規模言語モデル）を用いて、言語指示と環境情報からロボットを動かす制御コードを生成する「ロボット操作エージェント」の開発に取り組む。「引き出しを開けてボウルを中に入れて」といった人間の自然な言葉をAIが理解し、ロボットの動作へと変換する高度な課題だ。</p>
<p></p>
<p>特筆すべきは、学生に用意された開発環境の圧倒的なスケールである。個人では利用が困難な最新鋭のGPUなど、総額4億円相当の計算資源が惜しみなく提供される。全国から最大500名の学生が集い、約20名のチームを組んで開発に挑む。優秀な成果を収めたチームや個人には、総額約3,000万円の賞金が授与される予定だ。シミュレータ環境で開発から評価までが完結するため、実機ロボットの経験がない学生であっても、最先端の技術開発に実践的に挑戦できる手厚い仕組みが整えられている。</p>
<div></div>
</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin178969792547018600 cparts-editsite--mainttl cparts-id002" id="cms-editor-textarea-sin178969792547026900">若き知性が現場を変える。日本再興の起爆剤</h2>
<div id="cms-editor-minieditor-sin178969791189156900" class="cms-content-parts-sin178969791189165500">
<p>今回のコンテストが示唆しているのは、次世代のAI人材を育成するためのアプローチが、単なる「座学」から「圧倒的な実戦経験の場」へとシフトしたという事実である。</p>
<p></p>
<p>日本はこれまで、製造業における産業用ロボットのハードウエア技術で世界を牽引してきた。しかし、ロボットの頭脳となるソフトウエアやAIとの融合においては、海外のテック企業に主導権を握られかねないという強い危機感がある。物理空間とデジタル空間の交差点であるフィジカルAIの領域で勝ち残ることは、日本の産業競争力を維持・発展させるための絶対条件と言える。</p>
<p></p>
<p>この未開拓の領域を切り拓くには、LLMの開発経験とロボティクスの知識を掛け合わせ、複雑なシステムを構築できる高度なエンジニアが不可欠となる。そのような人材は、教科書を読むだけでは決して育たない。今回のような国家規模のコンテストは、学生たちに「実社会の課題をAIでどう解決するか」を構想させ、役割分担をしながらチームで実装までこぎつけるという、実務的な経験を積ませるための戦略的な投資である。</p>
<p></p>
<p>学生時代から世界最高峰の計算資源に触れ、全国の優秀な同世代と切磋琢磨する経験は、若き開発者たちの視座を劇的に引き上げる。失敗を恐れずにシミュレータ上で試行錯誤を繰り返す中で磨かれた知見とチームワークは、彼らが社会の最前線へ出たとき、硬直化した日本の産業構造を打ち破る強靭な力となるだろう。</p>
<p></p>
<p>産学官が一体となって若者の情熱と好奇心を後押しし、世界に通用する才能を育て上げる。この大きなうねりが、停滞する日本経済に新たな活力を与え、未来へ向けて力強く前進していくための原動力となっていくはずだ。</p>
<p><span style="font-weight: bolder;">▼「挑戦」を生むトレンドニュースを毎日掲載！</span><br />
<a href="https://japanstep.jp/">挑戦者のためのビジネスメディア『JapanStep』</a></p>
<div></div>
</div>
]]></content:encoded>
</item>

<item rdf:about="https://japanstep.jp/learn/2026/10/2478/">
<title>採用で求められる、企業の「B面」とは【連載】音声メディアは企業の「声」をどう届けるのか</title>
<link>https://japanstep.jp/learn/2026/10/2478/</link>
<description>

採用、社内コミュニケーション、顧客との関係づくりなど、企業が音声をどこで、どう生かせるのかを考える本連載。第1回では、音声の聴かれ方の変化とともに、繰り返し聴かれることや、話し手の人柄まで伝わるといった特性を取り上げた。今回は、音声を採用広報にどう生かすかを考える。採用サイトや動画など、候補者が企業を知る手段は増えた。しかし、企業が伝えている姿と、候補者が知りたい姿が一致するとは限らない。採用サイトだけでは見えにくい、企業の等身大の姿――いわば「B面」をどう伝えるか。実際の企業の取り組みから、音声を採用プロセスのどこに組み込めるのかを見ていく。（文＝JMP総合プロデューサー長谷川浩和）
【連載一覧】音声メディアは企業の「声」をどう届けるのか
▼「挑戦」を生むトレンドニュースを毎日掲載！
挑戦者のためのビジネスメディア『JapanStep』






お話を聞いたのは&#8230;

株式会社Voicy 
新規事業開発 マネージャー 
石川 泉さん（写真右）
2001年に株式会社エフエム東京へ入社。20年以上にわたり営業部門に在籍し、広告主への提案や番組企画、ラジオとデジタルサービスを組み合わせた広告商品の開発などに携わる。2026年1月に株式会社Voicyへ参画。現在は、広告・ブランディング領域を中心とした新規事業開発を担当。

株式会社Voicy 
法人ソリューション事業部 事業責任者&#160; &#160; &#160; 
土井 遼平さん（写真左）
2012年にディップ株式会社へ入社。法人営業やマネジメント、新規事業など、約13年間にわたりHR領域で経験を積む。退職後、約8カ月にわたる海外滞在を経て株式会社Voicyへ参画。現在は、採用広報や社内コミュニケーションなど、HR領域を中心とした音声活用に取り組む。





候補者が知りたい、企業の「B面」

石川さんは、選考前の企業理解に音声を使う価値があると話す。

「採用広報で音声を使うのであれば、単純に再生数を稼ぐことが目的ではありません。採用サイトなどから企業のチャンネルを聴けるようにしておけば、候補者は社長や社員の声を聴いたうえで選考に進めます。ある程度会社を理解した状態で来てもらえるので、『イメージしていた会社と違った』ということも起こりにくくなります」（石川さん）

採用サイトには事業内容や募集要項があり、社員インタビューや動画を用意する企業も珍しくない。それでも候補者は、公式情報とは別の角度から会社を知ろうと、口コミサイトなどにも目を向ける。

HR領域を長く見てきた土井さんは、企業が公式に見せる姿を「A面」、候補者が知りたい等身大の姿を「B面」と表現する。

「候補者や学生は、その会社の本当の姿を知りたいと思っています。一方で、企業側はどうしても良いところを中心に発信する。採用サイトを見比べても違いが分かりにくくなって、候補者はB面を求めて口コミサイトなど別の情報源を探す。そこで得た情報が、会社を判断する材料になることもあります」（土井さん）

「B面」とは、ネガティブな情報のことではない。経営者の意思決定の背景や事業の今後、社員が感じている仕事の面白さや難しさ、そこで働く人たちの考え方など、採用向けに整理された情報だけでは見えにくい企業の日常を指す。企業自身が語らなければ、候補者は別の情報源から会社像を組み立てることになる。音声は、等身大の姿まで自社から伝える手段の一つになる。



情報を増やす前に、「何を声で伝えるか」

候補者への情報を増やせば、企業理解もその分だけ深まるとは限らない。土井さんは、音声単体ではなく、採用活動全体から考えることが大切だと話す。テキスト、動画、音声にはそれぞれ得意な役割があり、採用プロセスの中で使い分けることが重要だという。

「僕たちも『音声だけでやりましょう』とはお話ししていません。最初に認知してもらったり、基本的な情報を知ってもらったりするのであれば、テキストや動画の方が適している場面もあります。採用全体を設計したうえで、伝える内容に合った手段を選ぶことが大切です」（土井さん）

土井さんは、候補者に提供したい情報を11項目に整理し、「企業の方向性」「働く場所と人」「仕事と評価」「選考・条件」の四つの領域に分けて捉えている。そのなかでも「企業の方向性」と「働く人や場所」は候補者の関心が高く、企業ごとの差が表れやすいという。選考フローや条件面など、正確さが求められる情報は、文字で一覧できる方が確認しやすい。

一方、経営者が業界をどう見ているのか、どのような意思決定をしているのか、事業をこれからどうしていきたいのか。一緒に働く社員は何を考えているのか。こうした情報は、項目として並べるだけでは企業ごとの違いが見えにくい。

「企業の方向性でいえば、経営者がどんな意思決定をしているのか、事業をこれからどうしていきたいのか、社風をどう考えているのか。そうした内容は、トップ自身の言葉で語ってもらう意味があります」（土井さん）

例えば「挑戦できる会社」という言葉も、企業によって意味は異なる。実際にどんな挑戦があり、そこで経営者が何を判断し、社員がどう動いたのかまで語れば、同じ「挑戦」という言葉でも、その中身は違ってくる。

採用で音声を始めるなら、番組名や出演者を考えるより先に、候補者に何を知ってほしいのかを整理したい。文字で伝えるもの、映像で見せるもの、本人の声で聴いてもらうものを分け、既存の採用コンテンツで伝え切れていない情報がどこにあるのかを確認する。その情報を声で届ける意味があるかどうかが、導入を判断する一つの基準になる。



応募する前に、会社を「聴く」

この考え方を採用活動に組み込んでいるのが、関電不動産開発である。

同社は現在、Voicyで二つの番組を運営している。一つは「デべで働く、わたしたちの話。」。採用担当者を中心に、関電不動産開発の魅力や就職活動などをテーマとして、採用イベントだけでは話し切れない内容を発信したり、様々な社員をゲストに招き、採用サイトだけでは知り得ない業務内容やプライベートな一面も発信している。
関電不動産開発が配信する『デべで働く、わたしたちの話。』

もう一つが「ビル開発女子の働くとオフィスの話」である。ビル開発に携わる社員が、どのようなオフィスで働きたいのか、これからどんなオフィスビルが求められるのかといったテーマについて、日々の仕事で感じたことや発見を語る。自社が開発するオフィスビルの計画段階から竣工まで、そして運用中の裏側についても発信している。
関電不動産開発が配信する『ビル開発女子の働くとオフィスの話』


二つの番組は、届ける相手と役割が異なる。

「デベで働く、わたしたちの話。」は採用候補者に会社を知ってもらうことを主眼とする。一方、「ビル開発女子の働くとオフィスの話。」は、デベロッパーとしてどんな仕事をしているのか、社員がオフィスや働き方をどう捉えているのかを発信する。前者は採用候補者に、後者はクライアントにも聴いてもらうことを想定している。関電不動産開発では、届ける相手と目的に応じて二つのチャンネルを使い分けている。

同社では、音声を採用プロセスにも組み込んでいる。土井さんによれば、会社説明会や冊子、インターンシップなどからVoicyへ誘導し、候補者がエントリーする前から選考中にも、社員のリアルな声に触れられるようにした。この運用に変えた後、カルチャーフィットした候補者からの応募が増え、新卒採用では多くの学生に入社を決めてもらえているという。&#160; &#160; &#160;



エントリー数は、採用施策の成果を測る分かりやすい指標の一つである。同社の運用では、応募前から&#160; &#160; &#160;会社を深く知ってもらい、候補者自身が「自分はこの会社に合うか」を考えられるようにしている。音声を、応募を促すためだけではなく、応募するかどうか、入社するかどうかを判断するための情報として使っているのである。



会社は、人事だけでは語りきれない

採用広報の発信者といえば、社長や人事担当者を思い浮かべることが多い。しかし、候補者が入社後に長い時間を共にするのは、採用担当者だけではない。上司になる人、同じチームで働く人、他部署で関わる人。実際の職場を知るには、そこで働く社員の姿も欠かせない。

関電不動産開発の番組では、複数の社員がパーソナリティを務める。事業部の責任者から新入社員まで、現場で働く様々な社員がゲストで登場し、それぞれの仕事ややりがいについて語っている。社員それぞれが、普段の仕事やそこで感じていることを毎週発信しているという。

サンマーク出版でも、発信を社長や人事だけに限定していない。同社は2023年7月から「VoicyPro」を始めた。社長だけでなく、編集者やPR、営業などの社員が日替わりで登場し、本のことや、会社のこと、コンテンツに対する考え方などを発信している。2025年時点では約50人の社員のうち半数以上が放送を経験し、 2026年の現在では、採用面接を受けに来てくれる方のほとんどがVoicyを聴いてから来てくれるので、目線があった状態でお話しができるのだそう。
サンマーク出版が配信する『SUNMARK VOICE』

部署も職種もキャリアも異なれば、会社の見え方も少しずつ違う。候補者にとっては、その違いも会社を知る材料になる。

「最後に会社を選ぶ段階では、『どんな人が働いているのか』『この人たちと一緒に働いて楽しそうか』ということが判断材料になっています」（土井さん）

社員紹介の記事なら経歴や考え方を整理して伝えられ、動画なら表情や職場の様子まで見せられる。音声では、話す速度や間、言葉の選び方、声の調子が伝わる。第1回でも触れたように、声には話し手の人柄が表れやすい。候補者が知りたい「誰と働くのか」を伝えるには、人事からの説明に加えて、実際に働いている社員自身の声を届ける方法もある。誰に話してもらうかによって、候補者に見える会社の姿は変わる。



「いい会社」より、「合う会社」を伝える

採用広報で音声を使うなら、成果の見方も再生数だけでは足りない。どれだけ多くの人に聴いてもらったかだけではなく、どんな候補者に聴かれ、その後の応募や意思決定にどうつながったのかも、成果を考える材料になる。

石川さんは、採用広報を目的とした音声活用を提案するとき、企業側と最初に「何を成果とするか」をそろえることが重要だと話す。

「大きなリーチを取りたいのであれば、ほかの媒体を使った方がいいケースもあります。採用広報を目的に音声を使うのであれば、単純に再生数を稼ぐものではないということは最初にお話ししています。数よりも、企業や人のことを深く理解してもらいたい場合に使う。その目的を最初に共有しておくことが大切です」（石川さん）

できるだけ多くの人に「いい会社だ」と思ってもらうことと、自社に合う人から「ここで働きたい」と思ってもらうことは同じではない。土井さんは、採用において「価値観のマッチング」が重要だと話す。

「今は価値観が多様になっています。全体に向けて同じ広報をするだけではなく、誰に来てほしいのか、その人に何を知ってほしいのかを考える必要がある。候補者側にも、その会社を選ぶ基準が必要だからです」（土井さん）

「挑戦できる会社」「風通しのよい職場」「若手が活躍する組織」。どれも採用広報では珍しくない言葉だ。同じ言葉でも、自社にとって何を意味するのかまで語れば、企業ごとの違いが見えてくる。経営者や社員が具体的な経験を語るほど、その会社が何を大切にし、どんな人が働いているのかも伝わりやすくなる。

そこに惹かれる人もいれば、「自分とは少し違う」と感じる人もいる。企業と候補者が選考の早い段階から互いを知ることは、ミスマッチを減らすうえでも意味を持つ。

採用で音声を使うなら、再生数だけを見るのではなく、候補者の企業理解や選考での対話にどんな変化を期待するのかまで考えておきたい。



音声は、採用導線のどこに置くか

番組の内容や話し手を決める前に、候補者が企業を知ってから意思決定するまでの流れを整理したい。会社を知り、関心を持ち、採用サイトや社員情報を調べ、応募を検討する。その後、選考を経て入社先を決める。

石川さんは、音声にリーチも求めるのであれば、VoicyだけでなくSpotifyやradiko（ラジコ）など他の配信先、広告などを組み合わせる方法もあると話す。一方、採用広報で企業への理解を深めてもらうことが目的なら、再生数とは異なる考え方が必要になる。

認知の獲得、応募前の企業理解、選考中の相互理解、内定後の意思決定支援。採用プロセスのどこで音声を使うかによって、番組の内容も評価の仕方も変わる。

関電不動産開発のように、応募前や選考中に会社や社員への理解を深めてもらうこともできる。サンマーク出版のように、多様な社員が継続的に語ることで、採用サイトとは違う角度からカルチャーを伝える方法もある。Voicyでは、採用に関わったメンバーが内定者に音声メッセージを届ける「声のオファーレター」といった活用方法も提案している。

既存の採用導線を見直し、候補者への情報が不足している段階や、会社の人柄が伝わりにくい場面に音声を組み込む。先に考えたいのは番組そのものではなく、候補者にどの段階で、何を知ってもらいたいのかである。

そのうえで、話し手やテーマ、配信頻度、評価指標を決めていく。実際、現場社員への情報伝達に課題を抱え、音声による社内発信を取り入れた企業もある。経営者自身の言葉や、普段接点のない拠点・部署の仕事を声で届ける。こうした社内コミュニケーションの一つの形が、「声の社内報」である。

次回は「『声の社内報』は組織をどう変えるのか」。PCを日常的に使わない現場社員を抱える企業や、従来の社内報が十分に読まれていなかった企業は、なぜ音声を選んだのか。「伝えた」と「伝わった」の間を、音声はどう埋めるのか。次回、実際の企業の取り組みから考える。
▼「挑戦」を生むトレンドニュースを毎日掲載！
挑戦者のためのビジネスメディア『JapanStep』


</description>
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<dc:category rdf:resource="https://japanstep.jp/learn/category/35">カルチャー</dc:category>
<dc:creator></dc:creator>
<dc:subject></dc:subject>
<dc:date>2026-10-05T07:00:00+09:00</dc:date>
<content:encoded><![CDATA[
<div id="cms-editor-minieditor-sin179022809951520100" class="cms-content-parts-sin179022809951527300">
<p><a href="https://japanstep.jp/learn/category/237/" rel="otherurl" style="text-decoration: none;"><img src="/images/popularity/podcast_L.webp" width="1280" height="377" alt="" /></a></p>
<p>採用、社内コミュニケーション、顧客との関係づくりなど、企業が音声をどこで、どう生かせるのかを考える本連載。<a href="https://japanstep.jp/learn/2026/09/2451/">第1回</a>では、音声の聴かれ方の変化とともに、繰り返し聴かれることや、話し手の人柄まで伝わるといった特性を取り上げた。今回は、音声を採用広報にどう生かすかを考える。採用サイトや動画など、候補者が企業を知る手段は増えた。しかし、企業が伝えている姿と、候補者が知りたい姿が一致するとは限らない。採用サイトだけでは見えにくい、企業の等身大の姿――いわば「B面」をどう伝えるか。実際の企業の取り組みから、音声を採用プロセスのどこに組み込めるのかを見ていく。（文＝JMP総合プロデューサー長谷川浩和）</p>
<p><a href="https://japanstep.jp/learn/category/237/">【連載一覧】音声メディアは企業の「声」をどう届けるのか</a></p>
<p><strong>▼「挑戦」を生むトレンドニュースを毎日掲載！</strong><br />
<a href="https://japanstep.jp/">挑戦者のためのビジネスメディア『JapanStep』</a></p>
<p></p>
</div>
<div class="cms-content-parts-sin179022816396356900 box parts_text_type02 cparts-id120--01 lay-margin-b--3 lay-padding--2" data-selectable="cparts-animate cparts-animate--slideInUp:上へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInDown:下へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInLeft:左へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInRight:右へスライド">
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<p style="text-align: center;"><strong>お話を聞いたのは&#8230;</strong></p>
<p style="text-align: center;"><img src="/images/learn/2609_Release/260924_onsei/images20260924143445.webp" width="900" height="599" alt="" /></p>
<p style="text-align: center;"><strong>株式会社Voicy <br />
新規事業開発 マネージャー <br />
石川 泉さん（写真右）</strong></p>
<p style="text-align: center;">2001年に株式会社エフエム東京へ入社。20年以上にわたり営業部門に在籍し、広告主への提案や番組企画、ラジオとデジタルサービスを組み合わせた広告商品の開発などに携わる。2026年1月に株式会社Voicyへ参画。現在は、広告・ブランディング領域を中心とした新規事業開発を担当。</p>
<p style="text-align: center;"></p>
<p style="text-align: center;"><strong>株式会社Voicy <br />
法人ソリューション事業部 事業責任者&#160; &#160; &#160; <br />
土井 遼平さん（写真左）</strong></p>
<p style="text-align: center;">2012年にディップ株式会社へ入社。法人営業やマネジメント、新規事業など、約13年間にわたりHR領域で経験を積む。退職後、約8カ月にわたる海外滞在を経て株式会社Voicyへ参画。現在は、採用広報や社内コミュニケーションなど、HR領域を中心とした音声活用に取り組む。</p>
<div style="text-align: center;"></div>
</div>
</div>
</div>
</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin179022812581651400 cparts-editsite--mainttl cparts-id002" id="cms-editor-textarea-sin179022812581656100">候補者が知りたい、企業の「B面」</h2>
<div id="cms-editor-minieditor-sin179022811124716000" class="cms-content-parts-sin179022811124724400">
<p>石川さんは、選考前の企業理解に音声を使う価値があると話す。</p>
<p></p>
<p>「採用広報で音声を使うのであれば、単純に再生数を稼ぐことが目的ではありません。採用サイトなどから企業のチャンネルを聴けるようにしておけば、候補者は社長や社員の声を聴いたうえで選考に進めます。ある程度会社を理解した状態で来てもらえるので、『イメージしていた会社と違った』ということも起こりにくくなります」（石川さん）</p>
<p></p>
<p>採用サイトには事業内容や募集要項があり、社員インタビューや動画を用意する企業も珍しくない。それでも候補者は、公式情報とは別の角度から会社を知ろうと、口コミサイトなどにも目を向ける。</p>
<p></p>
<p>HR領域を長く見てきた土井さんは、企業が公式に見せる姿を「A面」、候補者が知りたい等身大の姿を「B面」と表現する。</p>
<p></p>
<p>「候補者や学生は、その会社の本当の姿を知りたいと思っています。一方で、企業側はどうしても良いところを中心に発信する。採用サイトを見比べても違いが分かりにくくなって、候補者はB面を求めて口コミサイトなど別の情報源を探す。そこで得た情報が、会社を判断する材料になることもあります」（土井さん）</p>
<p></p>
<p>「B面」とは、ネガティブな情報のことではない。経営者の意思決定の背景や事業の今後、社員が感じている仕事の面白さや難しさ、そこで働く人たちの考え方など、採用向けに整理された情報だけでは見えにくい企業の日常を指す。企業自身が語らなければ、候補者は別の情報源から会社像を組み立てることになる。音声は、等身大の姿まで自社から伝える手段の一つになる。</p>
<div></div>
<div></div>
</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin179072532774737600 cparts-editsite--mainttl cparts-id002" id="cms-editor-textarea-sin179072532774745800">情報を増やす前に、「何を声で伝えるか」</h2>
<div id="cms-editor-minieditor-sin179072535289269900" class="cms-content-parts-sin179072535289278300">
<p>候補者への情報を増やせば、企業理解もその分だけ深まるとは限らない。土井さんは、音声単体ではなく、採用活動全体から考えることが大切だと話す。テキスト、動画、音声にはそれぞれ得意な役割があり、採用プロセスの中で使い分けることが重要だという。</p>
<p></p>
<p>「僕たちも『音声だけでやりましょう』とはお話ししていません。最初に認知してもらったり、基本的な情報を知ってもらったりするのであれば、テキストや動画の方が適している場面もあります。採用全体を設計したうえで、伝える内容に合った手段を選ぶことが大切です」（土井さん）</p>
<p><img src="/images/learn/rensai_voicy/2nd/images20260930083805.webp" width="900" height="600" alt="" /></p>
<p>土井さんは、候補者に提供したい情報を11項目に整理し、「企業の方向性」「働く場所と人」「仕事と評価」「選考・条件」の四つの領域に分けて捉えている。そのなかでも「企業の方向性」と「働く人や場所」は候補者の関心が高く、企業ごとの差が表れやすいという。選考フローや条件面など、正確さが求められる情報は、文字で一覧できる方が確認しやすい。</p>
<p></p>
<p>一方、経営者が業界をどう見ているのか、どのような意思決定をしているのか、事業をこれからどうしていきたいのか。一緒に働く社員は何を考えているのか。こうした情報は、項目として並べるだけでは企業ごとの違いが見えにくい。</p>
<p></p>
<p>「企業の方向性でいえば、経営者がどんな意思決定をしているのか、事業をこれからどうしていきたいのか、社風をどう考えているのか。そうした内容は、トップ自身の言葉で語ってもらう意味があります」（土井さん）</p>
<p></p>
<p>例えば「挑戦できる会社」という言葉も、企業によって意味は異なる。実際にどんな挑戦があり、そこで経営者が何を判断し、社員がどう動いたのかまで語れば、同じ「挑戦」という言葉でも、その中身は違ってくる。</p>
<p></p>
<p>採用で音声を始めるなら、番組名や出演者を考えるより先に、候補者に何を知ってほしいのかを整理したい。文字で伝えるもの、映像で見せるもの、本人の声で聴いてもらうものを分け、既存の採用コンテンツで伝え切れていない情報がどこにあるのかを確認する。その情報を声で届ける意味があるかどうかが、導入を判断する一つの基準になる。</p>
<div></div>
<div></div>
</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin179072533200770900 cparts-editsite--mainttl cparts-id002" id="cms-editor-textarea-sin179072533200778200">応募する前に、会社を「聴く」</h2>
<div id="cms-editor-minieditor-sin179072534843619900" class="cms-content-parts-sin179072534843627300">
<p>この考え方を採用活動に組み込んでいるのが、関電不動産開発である。</p>
<p></p>
<p>同社は現在、Voicyで二つの番組を運営している。一つは「デべで働く、わたしたちの話。」。採用担当者を中心に、関電不動産開発の魅力や就職活動などをテーマとして、採用イベントだけでは話し切れない内容を発信したり、様々な社員をゲストに招き、採用サイトだけでは知り得ない業務内容やプライベートな一面も発信している。</p>
<p><img src="/images/learn/rensai_voicy/2nd/SnapCrab_NoName_2026-9-3_15-55-16_No-00.webp" width="900" height="593" alt="" /><span style="font-size: small;">関電不動産開発が配信する『<a href="https://voicy.jp/channel/3296">デべで働く、わたしたちの話。</a>』</span></p>
<p></p>
<p>もう一つが「ビル開発女子の働くとオフィスの話」である。ビル開発に携わる社員が、どのようなオフィスで働きたいのか、これからどんなオフィスビルが求められるのかといったテーマについて、日々の仕事で感じたことや発見を語る。自社が開発するオフィスビルの計画段階から竣工まで、そして運用中の裏側についても発信している。</p>
<p><img src="/images/learn/rensai_voicy/2nd/SnapCrab_NoName_2026-9-3_15-56-21_No-00.webp" width="900" height="605" alt="" /><span style="font-size: small;">関電不動産開発が配信する『<a href="https://voicy.jp/channel/2302">ビル開発女子の働くとオフィスの話</a>』</span></p>
<p></p>
<p></p>
<p>二つの番組は、届ける相手と役割が異なる。</p>
<p></p>
<p>「デベで働く、わたしたちの話。」は採用候補者に会社を知ってもらうことを主眼とする。一方、「ビル開発女子の働くとオフィスの話。」は、デベロッパーとしてどんな仕事をしているのか、社員がオフィスや働き方をどう捉えているのかを発信する。前者は採用候補者に、後者はクライアントにも聴いてもらうことを想定している。関電不動産開発では、届ける相手と目的に応じて二つのチャンネルを使い分けている。</p>
<p></p>
<p>同社では、音声を採用プロセスにも組み込んでいる。土井さんによれば、会社説明会や冊子、インターンシップなどからVoicyへ誘導し、候補者がエントリーする前から選考中にも、社員のリアルな声に触れられるようにした。この運用に変えた後、カルチャーフィットした候補者からの応募が増え、新卒採用では多くの学生に入社を決めてもらえているという。&#160; &#160; &#160;</p>
<p></p>
<p></p>
<p></p>
<p>エントリー数は、採用施策の成果を測る分かりやすい指標の一つである。同社の運用では、応募前から&#160; &#160; &#160;会社を深く知ってもらい、候補者自身が「自分はこの会社に合うか」を考えられるようにしている。音声を、応募を促すためだけではなく、応募するかどうか、入社するかどうかを判断するための情報として使っているのである。</p>
<div></div>
<div></div>
</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin179072533480951000 cparts-editsite--mainttl cparts-id002" id="cms-editor-textarea-sin179072533480958300">会社は、人事だけでは語りきれない</h2>
<div id="cms-editor-minieditor-sin179072534528937900" class="cms-content-parts-sin179072534528946100">
<p>採用広報の発信者といえば、社長や人事担当者を思い浮かべることが多い。しかし、候補者が入社後に長い時間を共にするのは、採用担当者だけではない。上司になる人、同じチームで働く人、他部署で関わる人。実際の職場を知るには、そこで働く社員の姿も欠かせない。</p>
<p></p>
<p>関電不動産開発の番組では、複数の社員がパーソナリティを務める。事業部の責任者から新入社員まで、現場で働く様々な社員がゲストで登場し、それぞれの仕事ややりがいについて語っている。社員それぞれが、普段の仕事やそこで感じていることを毎週発信しているという。</p>
<p></p>
<p>サンマーク出版でも、発信を社長や人事だけに限定していない。同社は2023年7月から「VoicyPro」を始めた。社長だけでなく、編集者やPR、営業などの社員が日替わりで登場し、本のことや、会社のこと、コンテンツに対する考え方などを発信している。2025年時点では約50人の社員のうち半数以上が放送を経験し、 2026年の現在では、採用面接を受けに来てくれる方のほとんどがVoicyを聴いてから来てくれるので、目線があった状態でお話しができるのだそう。</p>
<p><img src="/images/learn/rensai_voicy/2nd/images20260930085541.webp" width="900" height="653" alt="" /><span style="font-size: small;">サンマーク出版が配信する『<a href="https://voicy.jp/channel/3801">SUNMARK VOICE</a>』</span></p>
<p></p>
<p>部署も職種もキャリアも異なれば、会社の見え方も少しずつ違う。候補者にとっては、その違いも会社を知る材料になる。</p>
<p></p>
<p>「最後に会社を選ぶ段階では、『どんな人が働いているのか』『この人たちと一緒に働いて楽しそうか』ということが判断材料になっています」（土井さん）</p>
<p></p>
<p>社員紹介の記事なら経歴や考え方を整理して伝えられ、動画なら表情や職場の様子まで見せられる。音声では、話す速度や間、言葉の選び方、声の調子が伝わる。第1回でも触れたように、声には話し手の人柄が表れやすい。候補者が知りたい「誰と働くのか」を伝えるには、人事からの説明に加えて、実際に働いている社員自身の声を届ける方法もある。誰に話してもらうかによって、候補者に見える会社の姿は変わる。</p>
<div></div>
<div></div>
</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin179072532464269100 cparts-editsite--mainttl cparts-id002" id="cms-editor-textarea-sin179072532464277300">「いい会社」より、「合う会社」を伝える</h2>
<div id="cms-editor-minieditor-sin179072534112163700" class="cms-content-parts-sin179072534112171000">
<p>採用広報で音声を使うなら、成果の見方も再生数だけでは足りない。どれだけ多くの人に聴いてもらったかだけではなく、どんな候補者に聴かれ、その後の応募や意思決定にどうつながったのかも、成果を考える材料になる。</p>
<p></p>
<p>石川さんは、採用広報を目的とした音声活用を提案するとき、企業側と最初に「何を成果とするか」をそろえることが重要だと話す。</p>
<p></p>
<p>「大きなリーチを取りたいのであれば、ほかの媒体を使った方がいいケースもあります。採用広報を目的に音声を使うのであれば、単純に再生数を稼ぐものではないということは最初にお話ししています。数よりも、企業や人のことを深く理解してもらいたい場合に使う。その目的を最初に共有しておくことが大切です」（石川さん）</p>
<p><img src="/images/learn/rensai_voicy/2nd/images20260930083800.webp" width="900" height="600" alt="" /></p>
<p>できるだけ多くの人に「いい会社だ」と思ってもらうことと、自社に合う人から「ここで働きたい」と思ってもらうことは同じではない。土井さんは、採用において「価値観のマッチング」が重要だと話す。</p>
<p></p>
<p>「今は価値観が多様になっています。全体に向けて同じ広報をするだけではなく、誰に来てほしいのか、その人に何を知ってほしいのかを考える必要がある。候補者側にも、その会社を選ぶ基準が必要だからです」（土井さん）</p>
<p></p>
<p>「挑戦できる会社」「風通しのよい職場」「若手が活躍する組織」。どれも採用広報では珍しくない言葉だ。同じ言葉でも、自社にとって何を意味するのかまで語れば、企業ごとの違いが見えてくる。経営者や社員が具体的な経験を語るほど、その会社が何を大切にし、どんな人が働いているのかも伝わりやすくなる。</p>
<p></p>
<p>そこに惹かれる人もいれば、「自分とは少し違う」と感じる人もいる。企業と候補者が選考の早い段階から互いを知ることは、ミスマッチを減らすうえでも意味を持つ。</p>
<p></p>
<p>採用で音声を使うなら、再生数だけを見るのではなく、候補者の企業理解や選考での対話にどんな変化を期待するのかまで考えておきたい。</p>
<div></div>
<div></div>
</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin179072532151138900 cparts-editsite--mainttl cparts-id002" id="cms-editor-textarea-sin179072532151147700">音声は、採用導線のどこに置くか</h2>
<div id="cms-editor-minieditor-sin179072533734636800" class="cms-content-parts-sin179072533734644900">
<p>番組の内容や話し手を決める前に、候補者が企業を知ってから意思決定するまでの流れを整理したい。会社を知り、関心を持ち、採用サイトや社員情報を調べ、応募を検討する。その後、選考を経て入社先を決める。</p>
<p></p>
<p>石川さんは、音声にリーチも求めるのであれば、VoicyだけでなくSpotifyやradiko（ラジコ）など他の配信先、広告などを組み合わせる方法もあると話す。一方、採用広報で企業への理解を深めてもらうことが目的なら、再生数とは異なる考え方が必要になる。</p>
<p></p>
<p>認知の獲得、応募前の企業理解、選考中の相互理解、内定後の意思決定支援。採用プロセスのどこで音声を使うかによって、番組の内容も評価の仕方も変わる。</p>
<p></p>
<p>関電不動産開発のように、応募前や選考中に会社や社員への理解を深めてもらうこともできる。サンマーク出版のように、多様な社員が継続的に語ることで、採用サイトとは違う角度からカルチャーを伝える方法もある。Voicyでは、採用に関わったメンバーが内定者に音声メッセージを届ける「声のオファーレター」といった活用方法も提案している。</p>
<p></p>
<p>既存の採用導線を見直し、候補者への情報が不足している段階や、会社の人柄が伝わりにくい場面に音声を組み込む。先に考えたいのは番組そのものではなく、候補者にどの段階で、何を知ってもらいたいのかである。</p>
<p></p>
<p>そのうえで、話し手やテーマ、配信頻度、評価指標を決めていく。実際、現場社員への情報伝達に課題を抱え、音声による社内発信を取り入れた企業もある。経営者自身の言葉や、普段接点のない拠点・部署の仕事を声で届ける。こうした社内コミュニケーションの一つの形が、「声の社内報」である。</p>
<p></p>
<p>次回は「『声の社内報』は組織をどう変えるのか」。PCを日常的に使わない現場社員を抱える企業や、従来の社内報が十分に読まれていなかった企業は、なぜ音声を選んだのか。「伝えた」と「伝わった」の間を、音声はどう埋めるのか。次回、実際の企業の取り組みから考える。</p>
<p><span style="font-weight: bolder; background-color: rgb(255, 255, 255);">▼「挑戦」を生むトレンドニュースを毎日掲載！</span><br style="background-color: rgb(255, 255, 255);" />
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<div></div>
<div></div>
</div>
]]></content:encoded>
</item>

<item rdf:about="https://japanstep.jp/learn/2026/10/2460/">
<title>「何をやらないか」を決める――トライズ代表・三木雄信、意思決定の原点【連載】社長の原点</title>
<link>https://japanstep.jp/learn/2026/10/2460/</link>
<description>

経営者や事業リーダーの原体験や転機をたどり、現在の意思決定を形づくった背景をひもとく連載「社長の原点」。今回お話を聞いたのは、トライズ株式会社 代表取締役社長の三木雄信さんだ。三菱地所を経てソフトバンクへ転じ、27歳で社長室長に就任。孫正義さんのもと、数々の大型プロジェクトを担った。独立後は自身の英語学習を事業へと発展させ、50代でExecutive MBAでUCLAアンダーソンスクール経営学修士、シンガポール国立大学（NUS）ビジネススクール経営学修士を修了した。受験、転職、起業、学び直し――異なる局面で、三木さんは何を基準に決断してきたのか。その判断の軸が、どのように培われてきたのかをたどる。（聞き手・文＝JMP総合プロデューサー長谷川浩和）
【連載一覧】社長の原点
▼「挑戦」を生むトレンドニュースを毎日掲載！
挑戦者のためのビジネスメディア『JapanStep』








お話を聞いたのは
&#160;
トライズ株式会社 代表取締役社長
三木 雄信さん
1972年、福岡県生まれ。久留米大学附設高等学校、東京大学経済学部を経て、1995年に三菱地所へ入社。1998年にソフトバンクへ転じ、2000年に社長室長に就任。孫正義さんのもと、ナスダック・ジャパンの設立、日本債券信用銀行（現・あおぞら銀行）の買収、Yahoo! BB事業などの大型プロジェクトに携わった。2006年に独立・起業。2015年から英語コーチングスクール「TORAIZ（トライズ）」を展開している。2026年、UCLA Anderson School of ManagementとNUS Business Schoolが共同で提供する「UCLA-NUS Executive MBA」でＵＣＬＡアンダーソンスクール経営学修士、シンガポール国立大学（ＮＵＳ）ビジネススクール経営学修士を修了した。





「和して同ぜず」。自分で選ぶ姿勢を育てた九州時代




三木さんは1972年、福岡県の筑豊に生まれ、幼稚園の頃に佐賀へ移った。城の堀や川で魚を捕り、鮒を釣って遊ぶ一方、本の虫でもあった。百科事典を3回通読し、内容の大半を覚えていたという。化石を掘りに出かけるなど、生物や進化論にも早くから関心を寄せていた。

「外国人を見たこともなかったですからね。将来、英語を使うような仕事をするなんて全く思っていませんでした。本当に田舎の子どもでした」（三木さん）

小学校高学年になる頃には、「将来は社長になる」と考えるようになっていた。祖父が会社を経営し、身近にも自営業者や商売を営む大人が多かったことから、「社長」は遠い存在ではなかった。

「祖父が楽しそうに仕事をしていたんですよ。焼き肉を食べさせてもらったりして（笑）。子ども心に、社長っていいなと思っていました。だから、自分も将来は社長になるんだろうなという感覚は、小さい頃からありました」（三木さん）

久留米大学附設には高校から入った。同級生には、後に起業家となる堀江貴文さんや、孫正義さんの弟・孫泰蔵さんがいた。当時の附設を象徴する言葉として、三木さんが挙げるのが「和して同ぜず」だ。

「仲は良いけれど、人と同じことはしない。周囲に流されず、自分の頭で選ぶという空気でした。この『人と同じことをしない』という価値観は、経営者になった今の意思決定の根っこにも残っています」（三木さん）

三木さんによれば、附設には難関大学への進学だけでなく、「東京に出て一旗揚げる」といった気風があり、社長や医師を将来像とする同級生も身近にいたという。高校3年には「高校生クイズ」に出場し、福岡代表として勝ち進んだ。





東大受験で身につけた、「何をやらないか」という戦略




三木さんは、自身を「受験が得意なタイプではなかった」と話す。

中学受験では不合格を経験し、久留米大学附設には高校から進学した。大学受験でも現役で合格した東大以外はすべて不合格だった。その理由を、三木さんは「戦略の勝利」と振り返る。東大を受験すると決めると、過去問を材料に各科目を分析した。

「頭の良し悪しというより、戦略の勝利だと思っています。今の言葉で言えばROIですね。どれだけ勉強したら、どれだけ点につながるのか。全部の科目について考えました」（三木さん）

例えば漢文は、覚えるべきパターンが限られ、学習時間に対する得点効果が高いと判断して重点的に勉強した。一方で、時間をかけても得点を伸ばしにくいと考えた領域には、必要以上に手を広げなかった。

「予備校の先生から言われたわけではないんです。自分で全部分析しました。『何をやらないかを決める』ことが、すごく大事だと思っていました」（三木さん）

久留米大学附設高校時代の三木さん（写真右）





「300年続く会社」を、進化論から考える




東京大学経済学部を卒業した三木さんは、1995年に三菱地所へ入社した。

父親が建設関連の仕事に携わっていたこともあり、以前から街づくりには関心があった。福岡・天神にあった商業施設「IMS」への憧れに加え、当時の三菱地所がロックフェラーグループ社に資本参加するなど、海外で不動産事業を展開していたことにも魅力を感じたという。
三菱地所時代の三木さん（写真右）

入社後は丸の内エリアの活性化プロジェクトに関わり、先輩とともに「オープン・24時間・グローバル」というコンセプトを掲げ、丸の内カフェなど、新たな街づくりの企画を進めた。一方、20代だった三木さんの中では、より短い時間軸で意思決定し、結果まで見届けられる仕事への関心が次第に強くなっていった。

「スケールの大きな仕事に関われる一方で、街づくりは成果が出るまでの時間軸が非常に長い。若い自分が『自分の判断で物事を動かしている』という手応えを得るには、時間がかかる世界でもありました」（三木さん）

1990年代後半、インターネットは急速に社会へ広がり始めていた。高校時代からの友人だった孫泰蔵さんにキャリアについて相談したことがきっかけとなり、兄の孫正義さんと会う機会を得た。

孫さんとの面談では、「300年続く会社をどうつくるか」と尋ねられた。三木さんが着目したのは、生物が環境変化に適応しながら存続してきた「多様性」だった。

「僕は化石を掘ることや、進化論や恐竜が好きだったんです。生物はいろいろな種類が存在するから、環境が変わっても、その中のどれかが適応して生き残ることができる。300年続く会社も同じではないかと思ったんですよね」（三木さん）

孫さんはその説明を聞くと、人事部長を呼び、三木さんに入社を勧めた。

「本当にその場で『入社するんだ』と言われました。『今日決めるんですか？』と思いましたけどね（笑）」（三木さん）

1998年、三木さんは三菱地所を離れ、ソフトバンクへ転職した。





27歳で社長室長に。孫正義さんのそばで学んだ「逆算」




ソフトバンク入社後、三木さんはすぐに孫さんのもとで働き始めた。本人の表現を借りれば、最初の仕事は「カバン持ち」だった。孫さんに同行して会議の議事を取り、アイデアが出れば自分なりの考えを返す。経営者の思考に日々向き合う役割だった。

「いわば経営の壁打ち相手ですよね。孫さんが何かを思いついたら、それに対して自分の考えを返す。この毎日が、結果的には一番の勉強になりました」（三木さん）

2000年、27歳で社長室長に就任した。その後は、ナスダック・ジャパン市場の創設、日本債券信用銀行（現・あおぞら銀行）の買収、Yahoo! BBなど、ソフトバンクの事業を大きく動かす案件に、プロジェクトマネージャーとして次々と携わる。

「常識で考えれば『99％無理』と言われるようなプロジェクトに、どんどん放り込まれました」（三木さん）

三木さんがソフトバンク時代で最も厳しかったと振り返るのが、Yahoo! BBである。孫さんは先に発表日や期限を置き、そこから必要な準備を逆算することが多かったという。三木さんは、ソフトバンクで身につけた仕事の基本を三つに整理する。

「ゴールを決めて逆算する。それを数値化する。そして、実績と計画との差をものすごく細かく分析して、毎日その差を詰める。突き詰めると、この三つなんです」（三木さん）

実務と並行してプロジェクトマネジメントの標準的な方法論を学ぶ中で、東大受験時に自ら行っていた分析との共通性にも気づいたという。

日本債券信用銀行の買収プロジェクトでは、20代後半で預金保険機構との交渉にもあたった。案件をまとめた際、孫さんから「よくやった」と声をかけられ、寿司を食べに連れて行ってもらったことは、今でもよく覚えているという。
ソフトバンク時代、孫正義さんと三木さん

自ら経営者となった今、当時の孫さんの要求の見え方も変わったという。

「当時は理不尽だと思ったことでも、自分が経営する側になると、『あれは会社の未来を守るための判断だったのか』と腑に落ちることがあります。人を信じて任せることと、数字で厳しく見ることは矛盾しない。それは孫さんの背中から学んだことですね」（三木さん）





英語での挫折から、英語コーチング「TORAIZ」の原型が生まれた




後のTORAIZの原型となる英語学習も、ソフトバンク時代に始まった。入社時、三木さんは英語について「日常会話程度ならできる」と答えていた。しかし、孫さんと米国のYahoo!本社を訪れた際、会議でほとんど話すことができなかった。現地では孫さんがフォローしてくれたが、その配慮がかえって自身の力不足を痛感するきっかけになったという。

「あの時は本当に絶望的でしたね。三菱地所を辞めて転職してきたのに、大恥をかいてしまった。孫社長にも恥をかかせてしまったような気持ちになって、本当に穴があったら入りたいと思いました」（三木さん）

帰国後、本格的に英語を学び始める。学習を始めるにあたり、三木さんが最初に定めたのは、「どこまでできれば仕事で通用するのか」というゴールだった。

ネイティブのような発音や表現を身につけることではなく、ビジネスの現場で相手の話を理解し、自分が伝えるべきことを伝えられるようになる。その具体的なモデルに据えたのが、日々そばで聞いていた孫さんの英語だった。

「孫社長の英語を聞いていると、単語も文法もシンプルなんです。それでも相手はちゃんと理解している。それだったら、自分にもできると思いました」（三木さん）

必要な能力を、リスニング、頻繁に使う表現やパターンの習得、ネイティブとの実践などに分け、学習方法を組み立てていった。学習量についても、「1000時間」を一つの目標に据えた。1日3時間なら、どの程度の期間が必要になるのかを計算し、神田の語学学校にも通いながら取り組んだ。

「英語も、受験勉強も、ソフトバンクでやったプロジェクトマネジメントも、結局は全部同じなんですよ。ゴールを決めて逆算し、数値化して、計画と実績との差を詰めていく」（三木さん）

同じ語学学校に通っていた7人にもこの方法を試してもらったところ、全員が話せるようになったという。

「みんなでこの方法をやったら、話せるようになった。そこで、自分だけのやり方ではなく、再現性があるんじゃないかと思ったんです。自分の一番の挫折が、そのまま事業の種になったわけです」（三木さん）





プロジェクトを動かす力と、組織を育てる力は違う




2006年、三木さんはソフトバンクを離れ、独立した。

「孫さんのそばで大型プロジェクトを動かしているうちに、自分自身の判断で、ゼロから事業を立ち上げてみたいという思いが強くなっていきました」（三木さん）

創業後は、Yahoo!と連携したeラーニングのポータル事業などを展開した。約300の学習コンテンツを扱うなど事業を広げたが、日本ではeラーニング市場が思うように伸びず、次の事業を模索することになった。

その後もロボットを活用した事業や子ども向け英語教育など、さまざまな可能性を検討した。その中で、日本人の学習における課題と市場のニーズを見極め、英語へと領域を絞っていった。2015年にスタートしたのが、現在の英語コーチング「TORAIZ」である。TORAIZの事業が広がり、組織が大きくなると、人を育て、評価し、任せるという新たな課題が前面に出てきた。

「起業して、一番大きな壁は何だったかと言えば、やっぱり『人』ですよね」（三木さん）

ソフトバンクでは、Yahoo! BBをはじめ、多数の人員が関わるプロジェクトを率いてきた。しかし三木さんは、プロジェクトマネージャーとして組織を動かすことと、経営者として組織を育てることの間には大きな違いがあったと話す。

「プロジェクトマネージャーとしていろいろな仕事をしてきたから、会社もやれるだろうと思っていたんです。でも、実際には違いました。継続的に人を育てて、誰をどう評価し、どう昇進させていくのか。そういう組織づくりは、ほとんど経験していなかったんです」（三木さん）

創業時に思い描いていた会社像は、「社員が自発的にイキイキと働く海賊みたいな集団」だった。できる限り細かく管理せず、一人ひとりが主体的に動く。三木さん自身も、それが良い組織のあり方だと考えていたという。しかし、組織が大きくなるにつれ、社員の経験や習熟度によって任せ方を変える必要があると考えるようになった。

「まだ知識や経験がない人に『自由にやっていい』と言っても、できないんですよね。今振り返れば、それは自由ではなく、放置だった部分もあると思います」（三木さん）

現在、三木さんが経営で重視しているのが「シチュエーショナル・リーダーシップ」の考え方だ。相手の知識や経験に応じて、具体的な指示から始め、徐々にフィードバックや支援の仕方を変え、最終的には本人に委ねていく。

「リーダーシップは、その人の発展度合いに応じて個別に変えなければいけない。経営については、僕はいま、これに尽きると思っています」（三木さん）





50代で再び学生に。自社の経営を問い直した15カ月




2025年、50代となった三木さんは、UCLA Anderson School of ManagementとNUS Business Schoolが共同で提供する「UCLA-NUS Executive MBA」で学び始めた。

きっかけは、TORAIZの受講生とのやり取りだった。

「『いつかMBAを取りたい』という受講生がたくさんいらっしゃいます。僕はそういう方々に、『英語を身につけて、どんどん飛躍してください』と言ってきた。でも、そう言っている自分自身が留まっていていいのか、という思いが強くなったんです」（三木さん）

約15カ月にわたり、シンガポール、米国、中国、UAEなどを移動しながら、各国の経営者や管理職と学んだ。朝から夜まで講義を受け、その後もグループワークが続く日程は想像以上に厳しく、「ソフトバンク時代の地獄の会議を思い出した」と笑う。

取材を行った2026年9月は、プログラムを修了した直後だった。そこで得た学びは、すでにTORAIZの経営にも反映されている。
UCLA-NUS Executive MBA修了時の三木さん

「自分の会社をずっとケーススタディとして使っていたんです。経営戦略を発表すれば、クラスのメンバーからいろいろ言われるし、教授からもフィードバックを受ける。その結果、1年前と今では会社が全然違う。経営そのものがかなり変わっています」（三木さん）

EMBAで世界の経営を学ぶ中で、日本企業の見え方にも変化があった。

「意外だったのは、世界で教えられている経営の考え方が、日本企業がもともと持っていたものと結構つながっていることなんです」（三木さん）

組織全体で学び続けること、時間をかけて人材を育てること、継続的に改善を重ねること。ともすれば旧来型と見られる日本的な経営にも、世界で語られる経営の要諦と重なる部分が少なくないと感じたという。

「海外へ行って、日本企業には本当はかなりチャンスがあると思うようになりました。日本という国も、日本企業も、結構明るいなと思って帰ってきたんです」（三木さん）





挑戦を、誰かに委ねない




取材の終盤、日本からもっと挑戦が生まれるためには、何が必要かを尋ねた。三木さんが語ったのは、年齢や経歴にかかわらず、自ら挑戦する側に立つことだった。

「私は受験も苦手で、英語で大恥もかいた、決して天才型ではない人間です。それでも前に進めたのは、『何をやらないかを決めて、ゴールから逆算して本気でやる』ことを続けてきたから。50代になっても学びの場に飛び込めるのですから、年齢も経歴も、挑戦しない理由にはなりません」（三木さん）

三木さんは今後、これまで培ってきた教育の仕組みを、世界へ広げたいと考えている。

「僕は、教育って最高に素晴らしいと思っているんです。アジアの子どもたちをはじめ、世界中に教育を届けられるプラットフォームをつくりたい。よく『世界を変える』と言いますけど、僕は教育でしか世界は変わらないと思っています」（三木さん）

教育を重視する理由を尋ねると、三木さんは自らの歩みを振り返った。

「僕自身、九州の田舎から出てきて、東大に行って、ナスダック・ジャパンをつくったり、銀行の買収に携わったり、通信事業をつくったりした。自分でも信じられない人生ですよ。でも振り返ってみれば、学んできた結果、いろいろなことができたんですよね。人は学べば、いろいろなチャンスがあると思っています」（三木さん）

最後に、なぜ教育を事業として続けるのかを尋ねた。

「どうすれば効率的に学べるのかということなら、24時間、365日考えていても嫌じゃないんです。今もずっと考えています。自分が人生をかけるなら、教育なんだと思っています」（三木さん）






取材を終えて




三木さんの著書はこれまで何冊も読み、その仕事観をいつか直接伺いたいと思っていました。孫正義さんの側近として数々の大型プロジェクトを担った経験を、本人はいまどう捉えているのか。今回、「社長の原点」でその機会が実現したことを、うれしく思います。

取材では、少年時代からソフトバンク、英語学習、起業、Executive MBAまで話題が尽きず、あっという間でした。話題は大きく移っても、目標を定め、自ら方法を組み立てるという考え方は変わりませんでした。

また、一つひとつの経験を、その場限りの成功や失敗で終わらせていないことも印象的でした。進化論への関心は「多様性」という経営の視点に、東大受験で培った逆算思考は、プロジェクトマネジメントや英語学習へと形を変えて生かされてきました。三木さんは、経験から得たものを、その後の判断や行動に繰り返し生かしてきたのだと思います。

そして、Executive MBAを修了されたばかりの三木さんが語った、「年齢も経歴も、挑戦しない理由にはならない」という言葉は、私自身への問いとしても残りました。「日本から一つでも多くの挑戦を生みたい」と掲げる以上、JMP自身もまた、新しい場所へ踏み出し続ける存在でありたいと思います。

トライズさんには、JMPのパートナー企業として参画いただいています。これからも、学びや挑戦をテーマに、JMPとして新たな取り組みをご一緒できればと思います。三木さん、貴重なお話をありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。

▼「挑戦」を生むトレンドニュースを毎日掲載！
挑戦者のためのビジネスメディア『JapanStep』




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<dc:category rdf:resource="https://japanstep.jp/learn/category/34">キャリア</dc:category>
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<dc:date>2026-10-02T07:00:00+09:00</dc:date>
<content:encoded><![CDATA[
<div id="cms-editor-minieditor-sin177860029686742500" class="cms-content-parts-sin177860029686749600">
<p><a href="http://japanstep.jp/learn/category/216/" rel="otherurl"><img src="/images/learn/Shacho_genten/SpaceBD/images20260513005643.webp" width="1280" height="376" alt="" /></a></p>
<p>経営者や事業リーダーの原体験や転機をたどり、現在の意思決定を形づくった背景をひもとく連載「社長の原点」。今回お話を聞いたのは、トライズ株式会社 代表取締役社長の三木雄信さんだ。三菱地所を経てソフトバンクへ転じ、27歳で社長室長に就任。孫正義さんのもと、数々の大型プロジェクトを担った。独立後は自身の英語学習を事業へと発展させ、50代でExecutive MBAでUCLAアンダーソンスクール経営学修士、シンガポール国立大学（NUS）ビジネススクール経営学修士を修了した。受験、転職、起業、学び直し――異なる局面で、三木さんは何を基準に決断してきたのか。その判断の軸が、どのように培われてきたのかをたどる。（聞き手・文＝JMP総合プロデューサー長谷川浩和）</p>
<p><a href="https://japanstep.jp/learn/category/216/">【連載一覧】社長の原点</a></p>
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<p></p>
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<p></p>
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<div class="cms-content-parts-sin177860030630268900 box parts_text_type02 cparts-id120--01 lay-margin-b--3 lay-padding--2" data-selectable="cparts-animate cparts-animate--slideInUp:上へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInDown:下へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInLeft:左へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInRight:右へスライド">
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<div class="cparts-editsite--txt cparts-txt-block lay-reset-child" id="cms-editor-minieditor-sin177860030630272800">
<p style="text-align: center;"><strong>お話を聞いたのは</strong></p>
<p style="text-align: center;">&#160;<img src="/images/learn/2609_Release/260927_genten/images20260927161314.webp" width="600" height="400" alt="" /></p>
<p style="text-align: center;"><b>トライズ株式会社 代表取締役社長<br />
三木 雄信さん</b></p>
<p>1972年、福岡県生まれ。久留米大学附設高等学校、東京大学経済学部を経て、1995年に三菱地所へ入社。1998年にソフトバンクへ転じ、2000年に社長室長に就任。孫正義さんのもと、ナスダック・ジャパンの設立、日本債券信用銀行（現・あおぞら銀行）の買収、Yahoo! BB事業などの大型プロジェクトに携わった。2006年に独立・起業。2015年から英語コーチングスクール「TORAIZ（トライズ）」を展開している。2026年、UCLA Anderson School of ManagementとNUS Business Schoolが共同で提供する「UCLA-NUS Executive MBA」でＵＣＬＡアンダーソンスクール経営学修士、シンガポール国立大学（ＮＵＳ）ビジネススクール経営学修士を修了した。</p>
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<h2 class="cms-content-parts-sin178648893403624900 cparts-editsite--mainttl" id="cms-editor-textarea-sin178648893403630800">「和して同ぜず」。自分で選ぶ姿勢を育てた九州時代</h2>
<div class="cms-content-parts-sin179049456674612300 cparts-id119 lay-margin-b--3 box" data-selectable="cparts-animate cparts-animate--slideInUp:上へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInDown:下へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInLeft:左へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInRight:右へスライド">
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<div class="lay-col12-xs-12 lay-col12-md-12 lay-col12-lg-12">
<div class="cparts-editsite--txt cparts-txt-block lay-reset-child" id="cms-editor-minieditor-sin179049456674616300">
<p>三木さんは1972年、福岡県の筑豊に生まれ、幼稚園の頃に佐賀へ移った。城の堀や川で魚を捕り、鮒を釣って遊ぶ一方、本の虫でもあった。百科事典を3回通読し、内容の大半を覚えていたという。化石を掘りに出かけるなど、生物や進化論にも早くから関心を寄せていた。</p>
<p></p>
<p>「外国人を見たこともなかったですからね。将来、英語を使うような仕事をするなんて全く思っていませんでした。本当に田舎の子どもでした」（三木さん）</p>
<p></p>
<p>小学校高学年になる頃には、「将来は社長になる」と考えるようになっていた。祖父が会社を経営し、身近にも自営業者や商売を営む大人が多かったことから、「社長」は遠い存在ではなかった。</p>
<p></p>
<p>「祖父が楽しそうに仕事をしていたんですよ。焼き肉を食べさせてもらったりして（笑）。子ども心に、社長っていいなと思っていました。だから、自分も将来は社長になるんだろうなという感覚は、小さい頃からありました」（三木さん）</p>
<p></p>
<p>久留米大学附設には高校から入った。同級生には、後に起業家となる堀江貴文さんや、孫正義さんの弟・孫泰蔵さんがいた。当時の附設を象徴する言葉として、三木さんが挙げるのが「和して同ぜず」だ。</p>
<p></p>
<p>「仲は良いけれど、人と同じことはしない。周囲に流されず、自分の頭で選ぶという空気でした。この『人と同じことをしない』という価値観は、経営者になった今の意思決定の根っこにも残っています」（三木さん）</p>
<p><img src="/images/learn/2609_Release/260927_genten/images20260927161254.webp" width="900" height="600" alt="" /></p>
<p>三木さんによれば、附設には難関大学への進学だけでなく、「東京に出て一旗揚げる」といった気風があり、社長や医師を将来像とする同級生も身近にいたという。高校3年には「高校生クイズ」に出場し、福岡代表として勝ち進んだ。</p>
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<h2 class="cms-content-parts-sin179049461373039100 cparts-editsite--mainttl" id="cms-editor-textarea-sin179049461373046400">東大受験で身につけた、「何をやらないか」という戦略</h2>
<div class="cms-content-parts-sin179049462272289200 cparts-id119 lay-margin-b--3 box" data-selectable="cparts-animate cparts-animate--slideInUp:上へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInDown:下へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInLeft:左へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInRight:右へスライド">
<div class="lay-row">
<div class="lay-col12-xs-12 lay-col12-md-12 lay-col12-lg-12">
<div class="cparts-editsite--txt cparts-txt-block lay-reset-child" id="cms-editor-minieditor-sin179049462272264500">
<p>三木さんは、自身を「受験が得意なタイプではなかった」と話す。</p>
<p></p>
<p>中学受験では不合格を経験し、久留米大学附設には高校から進学した。大学受験でも現役で合格した東大以外はすべて不合格だった。その理由を、三木さんは「戦略の勝利」と振り返る。東大を受験すると決めると、過去問を材料に各科目を分析した。</p>
<p></p>
<p>「頭の良し悪しというより、戦略の勝利だと思っています。今の言葉で言えばROIですね。どれだけ勉強したら、どれだけ点につながるのか。全部の科目について考えました」（三木さん）</p>
<p></p>
<p>例えば漢文は、覚えるべきパターンが限られ、学習時間に対する得点効果が高いと判断して重点的に勉強した。一方で、時間をかけても得点を伸ばしにくいと考えた領域には、必要以上に手を広げなかった。</p>
<p></p>
<p>「予備校の先生から言われたわけではないんです。自分で全部分析しました。『何をやらないかを決める』ことが、すごく大事だと思っていました」（三木さん）</p>
<p style="text-align: center;"><img src="/images/learn/2609_Release/260927_genten/SnapCrab_NoName_2026-9-10_13-31-45_No-00.webp" width="400" height="593" alt="" /><br />
<span style="font-size: small;">久留米大学附設高校時代の三木さん（写真右）</span></p>
<div></div>
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</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin179049461721931700 cparts-editsite--mainttl" id="cms-editor-textarea-sin179049461721943100">「300年続く会社」を、進化論から考える</h2>
<div class="cms-content-parts-sin179049461964193100 cparts-id119 lay-margin-b--3 box" data-selectable="cparts-animate cparts-animate--slideInUp:上へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInDown:下へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInLeft:左へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInRight:右へスライド">
<div class="lay-row">
<div class="lay-col12-xs-12 lay-col12-md-12 lay-col12-lg-12">
<div class="cparts-editsite--txt cparts-txt-block lay-reset-child" id="cms-editor-minieditor-sin179049461964183300">
<p>東京大学経済学部を卒業した三木さんは、1995年に三菱地所へ入社した。</p>
<p></p>
<p>父親が建設関連の仕事に携わっていたこともあり、以前から街づくりには関心があった。福岡・天神にあった商業施設「IMS」への憧れに加え、当時の三菱地所がロックフェラーグループ社に資本参加するなど、海外で不動産事業を展開していたことにも魅力を感じたという。</p>
<p><img src="/images/learn/2609_Release/260927_genten/SnapCrab_NoName_2026-9-10_13-33-42_No-00.webp" width="900" height="638" alt="" /><span style="font-size: small;">三菱地所時代の三木さん（写真右）</span></p>
<p></p>
<p>入社後は丸の内エリアの活性化プロジェクトに関わり、先輩とともに「オープン・24時間・グローバル」というコンセプトを掲げ、丸の内カフェなど、新たな街づくりの企画を進めた。一方、20代だった三木さんの中では、より短い時間軸で意思決定し、結果まで見届けられる仕事への関心が次第に強くなっていった。</p>
<p></p>
<p>「スケールの大きな仕事に関われる一方で、街づくりは成果が出るまでの時間軸が非常に長い。若い自分が『自分の判断で物事を動かしている』という手応えを得るには、時間がかかる世界でもありました」（三木さん）</p>
<p></p>
<p>1990年代後半、インターネットは急速に社会へ広がり始めていた。高校時代からの友人だった孫泰蔵さんにキャリアについて相談したことがきっかけとなり、兄の孫正義さんと会う機会を得た。</p>
<p></p>
<p>孫さんとの面談では、「300年続く会社をどうつくるか」と尋ねられた。三木さんが着目したのは、生物が環境変化に適応しながら存続してきた「多様性」だった。</p>
<p></p>
<p>「僕は化石を掘ることや、進化論や恐竜が好きだったんです。生物はいろいろな種類が存在するから、環境が変わっても、その中のどれかが適応して生き残ることができる。300年続く会社も同じではないかと思ったんですよね」（三木さん）</p>
<p></p>
<p>孫さんはその説明を聞くと、人事部長を呼び、三木さんに入社を勧めた。</p>
<p></p>
<p>「本当にその場で『入社するんだ』と言われました。『今日決めるんですか？』と思いましたけどね（笑）」（三木さん）</p>
<p></p>
<p>1998年、三木さんは三菱地所を離れ、ソフトバンクへ転職した。</p>
<div></div>
</div>
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</div>
</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin179049459571462600 cparts-editsite--mainttl" id="cms-editor-textarea-sin179049459571470500">27歳で社長室長に。孫正義さんのそばで学んだ「逆算」</h2>
<div class="cms-content-parts-sin179049460448145300 cparts-id119 lay-margin-b--3 box" data-selectable="cparts-animate cparts-animate--slideInUp:上へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInDown:下へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInLeft:左へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInRight:右へスライド">
<div class="lay-row">
<div class="lay-col12-xs-12 lay-col12-md-12 lay-col12-lg-12">
<div class="cparts-editsite--txt cparts-txt-block lay-reset-child" id="cms-editor-minieditor-sin179049460448114400">
<p>ソフトバンク入社後、三木さんはすぐに孫さんのもとで働き始めた。本人の表現を借りれば、最初の仕事は「カバン持ち」だった。孫さんに同行して会議の議事を取り、アイデアが出れば自分なりの考えを返す。経営者の思考に日々向き合う役割だった。</p>
<p></p>
<p>「いわば経営の壁打ち相手ですよね。孫さんが何かを思いついたら、それに対して自分の考えを返す。この毎日が、結果的には一番の勉強になりました」（三木さん）</p>
<p></p>
<p>2000年、27歳で社長室長に就任した。その後は、ナスダック・ジャパン市場の創設、日本債券信用銀行（現・あおぞら銀行）の買収、Yahoo! BBなど、ソフトバンクの事業を大きく動かす案件に、プロジェクトマネージャーとして次々と携わる。</p>
<p></p>
<p>「常識で考えれば『99％無理』と言われるようなプロジェクトに、どんどん放り込まれました」（三木さん）</p>
<p></p>
<p>三木さんがソフトバンク時代で最も厳しかったと振り返るのが、Yahoo! BBである。孫さんは先に発表日や期限を置き、そこから必要な準備を逆算することが多かったという。三木さんは、ソフトバンクで身につけた仕事の基本を三つに整理する。</p>
<p></p>
<p>「ゴールを決めて逆算する。それを数値化する。そして、実績と計画との差をものすごく細かく分析して、毎日その差を詰める。突き詰めると、この三つなんです」（三木さん）</p>
<p></p>
<p>実務と並行してプロジェクトマネジメントの標準的な方法論を学ぶ中で、東大受験時に自ら行っていた分析との共通性にも気づいたという。</p>
<p></p>
<p>日本債券信用銀行の買収プロジェクトでは、20代後半で預金保険機構との交渉にもあたった。案件をまとめた際、孫さんから「よくやった」と声をかけられ、寿司を食べに連れて行ってもらったことは、今でもよく覚えているという。</p>
<p><img src="/images/learn/2609_Release/260927_genten/SnapCrab_NoName_2026-9-10_13-34-55_No-00.webp" width="900" height="630" alt="" /><span style="font-size: small;">ソフトバンク時代、孫正義さんと三木さん</span></p>
<p></p>
<p>自ら経営者となった今、当時の孫さんの要求の見え方も変わったという。</p>
<p></p>
<p>「当時は理不尽だと思ったことでも、自分が経営する側になると、『あれは会社の未来を守るための判断だったのか』と腑に落ちることがあります。人を信じて任せることと、数字で厳しく見ることは矛盾しない。それは孫さんの背中から学んだことですね」（三木さん）</p>
<div></div>
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<h2 class="cms-content-parts-sin179049460197741500 cparts-editsite--mainttl" id="cms-editor-textarea-sin179049460197748700">英語での挫折から、英語コーチング「TORAIZ」の原型が生まれた</h2>
<div class="cms-content-parts-sin179049459974057000 cparts-id119 lay-margin-b--3 box" data-selectable="cparts-animate cparts-animate--slideInUp:上へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInDown:下へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInLeft:左へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInRight:右へスライド">
<div class="lay-row">
<div class="lay-col12-xs-12 lay-col12-md-12 lay-col12-lg-12">
<div class="cparts-editsite--txt cparts-txt-block lay-reset-child" id="cms-editor-minieditor-sin179049459974031800">
<p>後のTORAIZの原型となる英語学習も、ソフトバンク時代に始まった。入社時、三木さんは英語について「日常会話程度ならできる」と答えていた。しかし、孫さんと米国のYahoo!本社を訪れた際、会議でほとんど話すことができなかった。現地では孫さんがフォローしてくれたが、その配慮がかえって自身の力不足を痛感するきっかけになったという。</p>
<p></p>
<p>「あの時は本当に絶望的でしたね。三菱地所を辞めて転職してきたのに、大恥をかいてしまった。孫社長にも恥をかかせてしまったような気持ちになって、本当に穴があったら入りたいと思いました」（三木さん）</p>
<p></p>
<p>帰国後、本格的に英語を学び始める。学習を始めるにあたり、三木さんが最初に定めたのは、「どこまでできれば仕事で通用するのか」というゴールだった。</p>
<p></p>
<p>ネイティブのような発音や表現を身につけることではなく、ビジネスの現場で相手の話を理解し、自分が伝えるべきことを伝えられるようになる。その具体的なモデルに据えたのが、日々そばで聞いていた孫さんの英語だった。</p>
<p></p>
<p>「孫社長の英語を聞いていると、単語も文法もシンプルなんです。それでも相手はちゃんと理解している。それだったら、自分にもできると思いました」（三木さん）</p>
<p><img src="/images/learn/2609_Release/260927_genten/images20260927161248.webp" width="900" height="600" alt="" /></p>
<p>必要な能力を、リスニング、頻繁に使う表現やパターンの習得、ネイティブとの実践などに分け、学習方法を組み立てていった。学習量についても、「1000時間」を一つの目標に据えた。1日3時間なら、どの程度の期間が必要になるのかを計算し、神田の語学学校にも通いながら取り組んだ。</p>
<p></p>
<p>「英語も、受験勉強も、ソフトバンクでやったプロジェクトマネジメントも、結局は全部同じなんですよ。ゴールを決めて逆算し、数値化して、計画と実績との差を詰めていく」（三木さん）</p>
<p></p>
<p>同じ語学学校に通っていた7人にもこの方法を試してもらったところ、全員が話せるようになったという。</p>
<p></p>
<p>「みんなでこの方法をやったら、話せるようになった。そこで、自分だけのやり方ではなく、再現性があるんじゃないかと思ったんです。自分の一番の挫折が、そのまま事業の種になったわけです」（三木さん）</p>
<div></div>
</div>
</div>
</div>
</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin179049475517612500 cparts-editsite--mainttl" id="cms-editor-textarea-sin179049475517621300">プロジェクトを動かす力と、組織を育てる力は違う</h2>
<div class="cms-content-parts-sin179049480158223900 cparts-id119 lay-margin-b--3 box" data-selectable="cparts-animate cparts-animate--slideInUp:上へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInDown:下へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInLeft:左へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInRight:右へスライド">
<div class="lay-row">
<div class="lay-col12-xs-12 lay-col12-md-12 lay-col12-lg-12">
<div class="cparts-editsite--txt cparts-txt-block lay-reset-child" id="cms-editor-minieditor-sin179049480158229400">
<p>2006年、三木さんはソフトバンクを離れ、独立した。</p>
<p></p>
<p>「孫さんのそばで大型プロジェクトを動かしているうちに、自分自身の判断で、ゼロから事業を立ち上げてみたいという思いが強くなっていきました」（三木さん）</p>
<p></p>
<p>創業後は、Yahoo!と連携したeラーニングのポータル事業などを展開した。約300の学習コンテンツを扱うなど事業を広げたが、日本ではeラーニング市場が思うように伸びず、次の事業を模索することになった。</p>
<p></p>
<p>その後もロボットを活用した事業や子ども向け英語教育など、さまざまな可能性を検討した。その中で、日本人の学習における課題と市場のニーズを見極め、英語へと領域を絞っていった。2015年にスタートしたのが、現在の英語コーチング「TORAIZ」である。TORAIZの事業が広がり、組織が大きくなると、人を育て、評価し、任せるという新たな課題が前面に出てきた。</p>
<p></p>
<p>「起業して、一番大きな壁は何だったかと言えば、やっぱり『人』ですよね」（三木さん）</p>
<p></p>
<p>ソフトバンクでは、Yahoo! BBをはじめ、多数の人員が関わるプロジェクトを率いてきた。しかし三木さんは、プロジェクトマネージャーとして組織を動かすことと、経営者として組織を育てることの間には大きな違いがあったと話す。</p>
<p></p>
<p>「プロジェクトマネージャーとしていろいろな仕事をしてきたから、会社もやれるだろうと思っていたんです。でも、実際には違いました。継続的に人を育てて、誰をどう評価し、どう昇進させていくのか。そういう組織づくりは、ほとんど経験していなかったんです」（三木さん）</p>
<p><img src="/images/learn/2609_Release/260927_genten/images20260927161258.webp" width="900" height="600" alt="" /></p>
<p>創業時に思い描いていた会社像は、「社員が自発的にイキイキと働く海賊みたいな集団」だった。できる限り細かく管理せず、一人ひとりが主体的に動く。三木さん自身も、それが良い組織のあり方だと考えていたという。しかし、組織が大きくなるにつれ、社員の経験や習熟度によって任せ方を変える必要があると考えるようになった。</p>
<p></p>
<p>「まだ知識や経験がない人に『自由にやっていい』と言っても、できないんですよね。今振り返れば、それは自由ではなく、放置だった部分もあると思います」（三木さん）</p>
<p></p>
<p>現在、三木さんが経営で重視しているのが「シチュエーショナル・リーダーシップ」の考え方だ。相手の知識や経験に応じて、具体的な指示から始め、徐々にフィードバックや支援の仕方を変え、最終的には本人に委ねていく。</p>
<p></p>
<p>「リーダーシップは、その人の発展度合いに応じて個別に変えなければいけない。経営については、僕はいま、これに尽きると思っています」（三木さん）</p>
<div></div>
</div>
</div>
</div>
</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin179049484721791000 cparts-editsite--mainttl" id="cms-editor-textarea-sin179049484721803300">50代で再び学生に。自社の経営を問い直した15カ月</h2>
<div class="cms-content-parts-sin179049484934644200 cparts-id119 lay-margin-b--3 box" data-selectable="cparts-animate cparts-animate--slideInUp:上へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInDown:下へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInLeft:左へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInRight:右へスライド">
<div class="lay-row">
<div class="lay-col12-xs-12 lay-col12-md-12 lay-col12-lg-12">
<div class="cparts-editsite--txt cparts-txt-block lay-reset-child" id="cms-editor-minieditor-sin179049484934612500">
<p>2025年、50代となった三木さんは、UCLA Anderson School of ManagementとNUS Business Schoolが共同で提供する「UCLA-NUS Executive MBA」で学び始めた。</p>
<p></p>
<p>きっかけは、TORAIZの受講生とのやり取りだった。</p>
<p></p>
<p>「『いつかMBAを取りたい』という受講生がたくさんいらっしゃいます。僕はそういう方々に、『英語を身につけて、どんどん飛躍してください』と言ってきた。でも、そう言っている自分自身が留まっていていいのか、という思いが強くなったんです」（三木さん）</p>
<p></p>
<p>約15カ月にわたり、シンガポール、米国、中国、UAEなどを移動しながら、各国の経営者や管理職と学んだ。朝から夜まで講義を受け、その後もグループワークが続く日程は想像以上に厳しく、「ソフトバンク時代の地獄の会議を思い出した」と笑う。</p>
<p></p>
<p>取材を行った2026年9月は、プログラムを修了した直後だった。そこで得た学びは、すでにTORAIZの経営にも反映されている。</p>
<p><img src="/images/learn/2609_Release/260927_genten/images20260927161327.webp" width="275" height="367" alt="" /><img src="/images/learn/2609_Release/260927_genten/images20260927161333.webp" width="550" height="366" alt="" />UC<span style="font-size: small;">LA-NUS Executive MBA修了時の三木さん</span></p>
<p></p>
<p>「自分の会社をずっとケーススタディとして使っていたんです。経営戦略を発表すれば、クラスのメンバーからいろいろ言われるし、教授からもフィードバックを受ける。その結果、1年前と今では会社が全然違う。経営そのものがかなり変わっています」（三木さん）</p>
<p></p>
<p>EMBAで世界の経営を学ぶ中で、日本企業の見え方にも変化があった。</p>
<p></p>
<p>「意外だったのは、世界で教えられている経営の考え方が、日本企業がもともと持っていたものと結構つながっていることなんです」（三木さん）</p>
<p></p>
<p>組織全体で学び続けること、時間をかけて人材を育てること、継続的に改善を重ねること。ともすれば旧来型と見られる日本的な経営にも、世界で語られる経営の要諦と重なる部分が少なくないと感じたという。</p>
<p></p>
<p>「海外へ行って、日本企業には本当はかなりチャンスがあると思うようになりました。日本という国も、日本企業も、結構明るいなと思って帰ってきたんです」（三木さん）</p>
<div></div>
</div>
</div>
</div>
</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin179049480967084700 cparts-editsite--mainttl" id="cms-editor-textarea-sin179049480967093700">挑戦を、誰かに委ねない</h2>
<div class="cms-content-parts-sin179049481253351400 cparts-id119 lay-margin-b--3 box" data-selectable="cparts-animate cparts-animate--slideInUp:上へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInDown:下へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInLeft:左へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInRight:右へスライド">
<div class="lay-row">
<div class="lay-col12-xs-12 lay-col12-md-12 lay-col12-lg-12">
<div class="cparts-editsite--txt cparts-txt-block lay-reset-child" id="cms-editor-minieditor-sin179049481253320600">
<p>取材の終盤、日本からもっと挑戦が生まれるためには、何が必要かを尋ねた。三木さんが語ったのは、年齢や経歴にかかわらず、自ら挑戦する側に立つことだった。</p>
<p></p>
<p>「私は受験も苦手で、英語で大恥もかいた、決して天才型ではない人間です。それでも前に進めたのは、『何をやらないかを決めて、ゴールから逆算して本気でやる』ことを続けてきたから。50代になっても学びの場に飛び込めるのですから、年齢も経歴も、挑戦しない理由にはなりません」（三木さん）</p>
<p></p>
<p>三木さんは今後、これまで培ってきた教育の仕組みを、世界へ広げたいと考えている。</p>
<p></p>
<p>「僕は、教育って最高に素晴らしいと思っているんです。アジアの子どもたちをはじめ、世界中に教育を届けられるプラットフォームをつくりたい。よく『世界を変える』と言いますけど、僕は教育でしか世界は変わらないと思っています」（三木さん）</p>
<p><img src="/images/learn/2609_Release/260927_genten/images20260927161309.webp" width="900" height="600" alt="" /></p>
<p>教育を重視する理由を尋ねると、三木さんは自らの歩みを振り返った。</p>
<p></p>
<p>「僕自身、九州の田舎から出てきて、東大に行って、ナスダック・ジャパンをつくったり、銀行の買収に携わったり、通信事業をつくったりした。自分でも信じられない人生ですよ。でも振り返ってみれば、学んできた結果、いろいろなことができたんですよね。人は学べば、いろいろなチャンスがあると思っています」（三木さん）</p>
<p></p>
<p>最後に、なぜ教育を事業として続けるのかを尋ねた。</p>
<p></p>
<p>「どうすれば効率的に学べるのかということなら、24時間、365日考えていても嫌じゃないんです。今もずっと考えています。自分が人生をかけるなら、教育なんだと思っています」（三木さん）</p>
<p><img src="/images/learn/2609_Release/260927_genten/images20260927161318.webp" width="900" height="600" alt="" /></p>
<div></div>
</div>
</div>
</div>
</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin178648917670397500 cparts-editsite--mainttl" id="cms-editor-textarea-sin178648917670412100">取材を終えて</h2>
<div class="cms-content-parts-sin179049480460153100 cparts-id119 lay-margin-b--3 box" data-selectable="cparts-animate cparts-animate--slideInUp:上へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInDown:下へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInLeft:左へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInRight:右へスライド">
<div class="lay-row">
<div class="lay-col12-xs-12 lay-col12-md-12 lay-col12-lg-12">
<div class="cparts-editsite--txt cparts-txt-block lay-reset-child" id="cms-editor-minieditor-sin179049480460124500">
<p>三木さんの著書はこれまで何冊も読み、その仕事観をいつか直接伺いたいと思っていました。孫正義さんの側近として数々の大型プロジェクトを担った経験を、本人はいまどう捉えているのか。今回、「社長の原点」でその機会が実現したことを、うれしく思います。</p>
<p></p>
<p>取材では、少年時代からソフトバンク、英語学習、起業、Executive MBAまで話題が尽きず、あっという間でした。話題は大きく移っても、目標を定め、自ら方法を組み立てるという考え方は変わりませんでした。</p>
<p></p>
<p>また、一つひとつの経験を、その場限りの成功や失敗で終わらせていないことも印象的でした。進化論への関心は「多様性」という経営の視点に、東大受験で培った逆算思考は、プロジェクトマネジメントや英語学習へと形を変えて生かされてきました。三木さんは、経験から得たものを、その後の判断や行動に繰り返し生かしてきたのだと思います。</p>
<p></p>
<p>そして、Executive MBAを修了されたばかりの三木さんが語った、「年齢も経歴も、挑戦しない理由にはならない」という言葉は、私自身への問いとしても残りました。「日本から一つでも多くの挑戦を生みたい」と掲げる以上、JMP自身もまた、新しい場所へ踏み出し続ける存在でありたいと思います。</p>
<p></p>
<p>トライズさんには、JMPのパートナー企業として参画いただいています。これからも、学びや挑戦をテーマに、JMPとして新たな取り組みをご一緒できればと思います。三木さん、貴重なお話をありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。</p>
<p><img src="/images/learn/2609_Release/260927_genten/images20260927161322.webp" width="900" height="600" alt="" /></p>
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<div></div>
</div>
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</div>
]]></content:encoded>
</item>

<item rdf:about="https://japanstep.jp/learn/2026/10/2484/">
<title>半導体の「履歴書」とは？ AIの頭脳を守る日本の特許</title>
<link>https://japanstep.jp/learn/2026/10/2484/</link>
<description>
どんなに高度なアルゴリズムを開発しても、その土台となる物理的なチップが偽物であれば、AIはある日突然狂い、乗っ取られる危険性をはらんでいる。社会の根幹を揺るがす「半導体の模造品」という脅威を、企業間のデータ連携によって封じ込める画期的な特許が日本で権利化された。いかにして、機密情報の壁を越えて部品の来歴を証明し、安全なデジタルインフラを構築していくのか。（文＝JapanStep編集部）
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既存システムを繋ぎ、模造品を検知・遮断

2026年9月、ブロックチェーンなどを活用した真正性証明システムを展開するcycaltrust（サイカルトラスト）株式会社は半導体1個ごとに「履歴書」を持たせ、企業を跨いで真贋を証明する技術について、特許庁より特許査定を受領。権利化が確定したと発表した。
（引用元：PR TIMES）

生成AIや自律型ロボットなど、社会を動かすあらゆるAIは半導体の上で動くソフトウエアである。しかし、人間には経歴を示す履歴書があるのに、半導体には「どこで作られ、誰の手を経てきたか」を個別に証明する仕組みがなかった。従来の流通管理は箱（ロット）単位が基本であり、箱の中身を1個だけすり替えられると検知できない。さらに製造元や商社、組立工場が持つ履歴データは機密保持のために分断され、異常に気づいても原因を追跡できないという構造的な欠陥が存在した。
（引用元：PR TIMES）

この特許技術は、半導体のサプライチェーンにおける物理的な死角を埋めるものだ。半導体1個ごとに固有のIDを付与し、各社が使っている既存のシステムを一切置き換えることなくデータを1本につなぐ。その際、原価などの機密情報は開示せず、検証済みの結果だけを共有する仕組みを採用した。もし履歴のデータに少しでも矛盾が生じれば、システムが原因の候補と確認先を自動で提示し、正しい証拠が揃うまでは出荷を確実にストップさせる。これにより、巧妙な模造品の混入を未然に防ぎ、AIの暴走やシステムダウンといった重大な危機を回避する。


企業間の壁を越える共創。信頼という新たなインフラ

本技術の登場が示しているのは、AI社会における安全保障とは、ソフトウエアの統制だけでなく、それを物理的に支えるハードウエアの完全性を証明して初めて成立するという重要な事実だ。

世界中の企業や国家が、より賢いAIモデルの開発やデータセンターの拡張に熱狂している。しかし、その足元にある半導体が偽物であり、悪意のある裏口が仕掛けられていたとすればどうなるだろうか。金融システムが停止し、自動運転車が誤作動を起こし、国家の防衛網が機能不全に陥る。半導体の真贋を自国で検証できないということは、国のインフラや人命を他国に預けてしまうことと同義である。

この課題に対し、日本のスタートアップが導き出したアプローチは実務的で優れたものと言える。企業間に横たわる「機密情報を見せられない」という壁に対し、すべてを強引に一元化してオープンにするのではなく、守るべき情報を守りながら安全性を担保する仕組みを組み込んだ。既存の業務プロセスを壊さず、異なる企業同士が信頼という糸で緩やかに、しかし強固に繋がる共創の形を見事に実現したのだ。

「履歴書のない半導体は流通できない」という新たなルールが世界のサプライチェーンの常識となれば、日本はAI時代における最も重要な「信頼のインフラ」を握ることになる。特定のシステムに依存せず、オープンとクローズの戦略を使い分けて世界と繋がる。この日本発の堅牢なテクノロジー基盤が、激化するグローバル競争の中で確かな優位性を生み出し、世界のAI社会を主導する競争力の源泉となっていくはずだ。
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</description>
<enclosure url="https://japanstep.jp/images/learn/2609_Release/260930_handoutai/main.webp" type="image/jpeg" />
<dc:category rdf:resource="https://japanstep.jp/learn/category/32">テクノロジー</dc:category>
<dc:creator></dc:creator>
<dc:subject></dc:subject>
<dc:date>2026-10-01T07:00:00+09:00</dc:date>
<content:encoded><![CDATA[
<div id="cms-editor-minieditor-sin179073114407158200" class="cms-content-parts-sin179073114407168000">
<p>どんなに高度なアルゴリズムを開発しても、その土台となる物理的なチップが偽物であれば、AIはある日突然狂い、乗っ取られる危険性をはらんでいる。社会の根幹を揺るがす「半導体の模造品」という脅威を、企業間のデータ連携によって封じ込める画期的な特許が日本で権利化された。いかにして、機密情報の壁を越えて部品の来歴を証明し、安全なデジタルインフラを構築していくのか。（文＝JapanStep編集部）</p>
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<p></p>
</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin179073116810189200 cparts-editsite--mainttl cparts-id002" id="cms-editor-textarea-sin179073116810192900">既存システムを繋ぎ、模造品を検知・遮断</h2>
<div id="cms-editor-minieditor-sin179073116041444400" class="cms-content-parts-sin179073116041453600">
<p>2026年9月、ブロックチェーンなどを活用した真正性証明システムを展開するcycaltrust（サイカルトラスト）株式会社は半導体1個ごとに「履歴書」を持たせ、企業を跨いで真贋を証明する技術について、特許庁より特許査定を受領。権利化が確定したと発表した。</p>
<p><img src="/images/learn/2609_Release/260930_handoutai/1.webp" width="900" height="676" alt="" /><span style="font-size: small;">（引用元：</span><a href="https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000176.000044818.html" style="font-size: 1.6rem; text-decoration: none;"><span style="font-size: small;">PR TIMES</span></a><span style="font-size: small;">）</span></p>
<p></p>
<p>生成AIや自律型ロボットなど、社会を動かすあらゆるAIは半導体の上で動くソフトウエアである。しかし、人間には経歴を示す履歴書があるのに、半導体には「どこで作られ、誰の手を経てきたか」を個別に証明する仕組みがなかった。従来の流通管理は箱（ロット）単位が基本であり、箱の中身を1個だけすり替えられると検知できない。さらに製造元や商社、組立工場が持つ履歴データは機密保持のために分断され、異常に気づいても原因を追跡できないという構造的な欠陥が存在した。</p>
<p><img src="/images/learn/2609_Release/260930_handoutai/2.webp" width="900" height="600" alt="" /><span style="font-size: small;">（引用元：</span><a href="https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000176.000044818.html"><span style="font-size: small;">PR TIMES</span></a><span style="font-size: small;">）</span></p>
<p></p>
<p>この特許技術は、半導体のサプライチェーンにおける物理的な死角を埋めるものだ。半導体1個ごとに固有のIDを付与し、各社が使っている既存のシステムを一切置き換えることなくデータを1本につなぐ。その際、原価などの機密情報は開示せず、検証済みの結果だけを共有する仕組みを採用した。もし履歴のデータに少しでも矛盾が生じれば、システムが原因の候補と確認先を自動で提示し、正しい証拠が揃うまでは出荷を確実にストップさせる。これにより、巧妙な模造品の混入を未然に防ぎ、AIの暴走やシステムダウンといった重大な危機を回避する。</p>
<div></div>
</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin179073117080405000 cparts-editsite--mainttl cparts-id002" id="cms-editor-textarea-sin179073117080413300">企業間の壁を越える共創。信頼という新たなインフラ</h2>
<div id="cms-editor-minieditor-sin179073115812295000" class="cms-content-parts-sin179073115812303400">
<p>本技術の登場が示しているのは、AI社会における安全保障とは、ソフトウエアの統制だけでなく、それを物理的に支えるハードウエアの完全性を証明して初めて成立するという重要な事実だ。</p>
<p></p>
<p>世界中の企業や国家が、より賢いAIモデルの開発やデータセンターの拡張に熱狂している。しかし、その足元にある半導体が偽物であり、悪意のある裏口が仕掛けられていたとすればどうなるだろうか。金融システムが停止し、自動運転車が誤作動を起こし、国家の防衛網が機能不全に陥る。半導体の真贋を自国で検証できないということは、国のインフラや人命を他国に預けてしまうことと同義である。</p>
<p></p>
<p>この課題に対し、日本のスタートアップが導き出したアプローチは実務的で優れたものと言える。企業間に横たわる「機密情報を見せられない」という壁に対し、すべてを強引に一元化してオープンにするのではなく、守るべき情報を守りながら安全性を担保する仕組みを組み込んだ。既存の業務プロセスを壊さず、異なる企業同士が信頼という糸で緩やかに、しかし強固に繋がる共創の形を見事に実現したのだ。</p>
<p></p>
<p>「履歴書のない半導体は流通できない」という新たなルールが世界のサプライチェーンの常識となれば、日本はAI時代における最も重要な「信頼のインフラ」を握ることになる。特定のシステムに依存せず、オープンとクローズの戦略を使い分けて世界と繋がる。この日本発の堅牢なテクノロジー基盤が、激化するグローバル競争の中で確かな優位性を生み出し、世界のAI社会を主導する競争力の源泉となっていくはずだ。</p>
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<div></div>
</div>
]]></content:encoded>
</item>

<item rdf:about="https://japanstep.jp/learn/2026/09/2454/">
<title>子どもの「知りたい」は、どう学びにつながるのか。マインクラフト教育の原点【連載】タツナミシュウイチが読み解く マインクラフト教育の新潮流（第1回）</title>
<link>https://japanstep.jp/learn/2026/09/2454/</link>
<description>皆さん、はじめまして。タツナミシュウイチです。私は現在、マインクラフトをはじめとするデジタル空間を活用し、教材・カリキュラムの開発や教育プログラムの設計、ゲーム教育の研究などに取り組んでいます。 マインクラフトの教育活用についてお話しすると、「ゲームがなぜ学びになるのか」と聞かれることがあります。私自身、最初からマインクラフトを教育に使おうと考えていたわけではありません。振り返れば、その原点には、科学や表現に夢中になった子ども時代と、「知りたい」と思ったことを自分で調べ、試してきた経験がありました。 本連載では、マインクラフトがなぜ子どもたちの学びにつながるのか、世界の教育現場ではどのように活用され、日本ではどんな実践が生まれているのかを、具体的な事例とともにお話ししていきます。初回は、私自身の原点から始めます。マインクラフトとの出会いが、どのように現在の教育活動へつながっていったのかを振り返ります。（解説＝タツナミシュウイチ／文＝JMP総合プロデューサー 長谷川浩和） 【連載一覧】タツナミシュウイチが読み解く マインクラフト教育の新潮流 ▼「挑戦」を生むトレンドニュースを毎日掲載！ 挑戦者のためのビジネスメディア『JapanStep』 




教えてくれたのは&#8230;

Japan Crafters Union 代表／東京大学大学院 客員研究員／常葉大学 客員教授／JAXA応援団アンバサダー
タツナミシュウイチさん
2018年1月、統合版マインクラフトのマーケットプレイスでアジア初、日本初となるコンテンツ作品をリリース。その後、ゲーム教育を軸に制作や研究開発に取り組む。2021年9月、日本人で7人目となるMicrosoft Innovative Educator FELLOWの称号を授与された。『情熱大陸』（毎日放送）、『マツコの知らない世界』（TBS）、『有吉ぃぃeeeee!』（テレビ東京）など数々の地上波番組に、ゲームや教育に関する有識者として出演。教育関連書籍や子ども向け書籍の執筆・監修も多数手がける。現在も、デジタル空間をプラットフォームとした教育の研究・実践、教材開発などに取り組んでいる。




科学と表現。二つの「好き」を追いかけてきた

子どもの頃の私には、二つの夢がありました。理科の先生になることと、映画の役者になることです。一見、まったく異なるようですが、私の中では自然につながっていました。科学が大好きで、それと同じくらい映画が好きだったからです。

小学生、中学生の頃には、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』や『ロボコップ』、『スタートレック』といったSF作品を何度も見ていました。特に惹かれたのが、宇宙や地質、天文の世界です。「面白い」「不思議だ」「もっと知りたい」。科学に触れるたびに、そんな気持ちが湧いてきました。

同時に、SFが描く未来にも強く惹かれていました。空想であることは分かっていても、まだ存在していない世界を思い描くこと自体に、面白さを感じていました。学生時代も、演劇に取り組みながら、理科室で実験をしたり、天体観測をしたりしていました。科学をもっと知りたいという気持ちと、まだないものを自分でつくりたいという気持ち。その二つは、今の私にも変わらず続いています。

やがて仕事として選んだのは、クリエイターの道です。20代には、映像、音楽、舞台、デジタルコンテンツなどの制作に携わりました。自分でパソコンを組み、ウェブサイトをつくり、映像を編集する。シナリオを書き、音を収録してラジオドラマをつくることもありました。

会社員として働いていた時期も、自分の時間の多くをものづくりに使っていました。それが少しずつ仕事の中心へと移っていった、というのが私の20代です。


インターネットに感じた可能性は、「人とつながること」だった

1990年代半ば、Windows 95の登場とともに、インターネットが一般にも広がり始めました。当時の私がインターネットに感じていた大きな可能性は、新しい技術そのものではありませんでした。「向こう側に人がいる」ということです。

好きなアニメのファンが集まるウェブサイトを自分で立ち上げ、運営していたのですが、特に大切にしていたのは掲示板とチャットでした。完成した作品を一方的に見せるというより、そこに人が集まり、会話が生まれることの方に面白さを感じていたんです。

全国各地の人とチャットで話すうちに、「今度一緒に何かやろうよ」「こんなものをつくろうよ」と、新しい企画やコンテンツが生まれていきました。振り返ってみると、SNSやYouTube、マインクラフトのマルチプレイ、VRと、使う媒体は変わってきましたが、私がそこに感じている面白さの根っこは変わっていません。

私にとって、ものづくりとコミュニケーションは切り離せないものでした。誰かと話し、考え、ときには一緒につくる。その感覚は、インターネットに触れ始めた頃から今も変わっていません。


レゴではできなかった「続き」が、マインクラフトで始まった

ここで、マインクラフトそのものについて少し触れておきたいと思います。ご存じの方も多いかもしれませんが、マインクラフトは、ブロックで構成された3D空間を探索し、建築やものづくりなどを自由に楽しめるゲームです。

ただ、「ブロックを積んで遊ぶゲーム」と捉えるだけでは、その特徴を十分には説明できません。大きな特徴の一つは、何をするかをプレイヤー自身が決められることです。何をつくるのか、どこへ行くのか、そこで何をするのか。遊び方そのものに、大きな余白があります。

私がマインクラフトに出会ったのは、登場して間もない頃でした。ゲーム実況の動画を見て、「これはすごいな」と感じたことを覚えています。そして実際に触れたとき、子どもの頃のレゴブロックの記憶がよみがえってきました。
タツナミさんがプロデュースした現実そのままの月面が再現され、月面基地や月面世界独特のブロックやアイテムが存在するワールド「LUNARCRAFT」（引用：タツナミシュウイチ 公式Webサイト）


私はレゴが大好きでした。ただ、自分の家にあったわけではなく、児童館に置いてある共有のブロックで遊んでいたんです。夢中になって何かをつくっても、帰る時間になれば壊して片付けなければなりません。「まだ続きをつくりたい」という思いが、ずっと残っていました。

だから、大人になってマインクラフトに触れたとき、最初に浮かんだのが、「これは、続きができる」ということでした。今日つくったものを残しておき、明日またその先をつくることができる。頭の中で思い描いたものを、時間をかけて少しずつ形にしていける。そのことが、本当にうれしかったんです。そこから「もっとつくりたい」という気持ちが一気にあふれ、マインクラフトでさまざまなものをつくるようになりました。


時間も、空間も、立場も越える。マインクラフトの「自由」

「マインクラフトは、何がそんなに面白いんですか」今でもよく聞かれます。

そのとき、私は「自由があるからです」と答えています。マインクラフトには、現実世界とは異なるいくつもの自由があります。

一つは、時間からの自由です。現実世界にあるものは、年月とともに風化したり、壊れたりします。一方、デジタル空間につくったものはデータとして残すことができます。私自身、十数年前につくったワールドに今でも入り、当時つくったものを見ることができます。

空間や物理的な制約も、現実とは大きく異なります。現実では大きな制約を伴う建築や空間表現にも挑戦でき、空を飛ぶこともできます。そして教育という視点から見ても興味深いのが、年齢や立場からの自由です。

マインクラフトの中では、子どもも大人も同じ大きさのアバターとして存在します。そして、操作や遊び方については、子どもの方が大人より詳しいことも珍しくありません。

普段は教えてもらう側の子どもが「それはこうやるんだよ」と、父親や母親に教える。現実の世界では固定されがちな「教える側」と「教えられる側」が、デジタル空間では自然に入れ替わることがあります。

もう一つ面白いのが、マインクラフト独特の低解像度の表現です。今はCG技術が進み、現実と見分けがつかないほど精細な映像をつくれる時代です。それに対してマインクラフトは、あえてシンプルなブロック表現で世界が構成されています。

だからこそ、そこに「見立て」の余地が生まれます。

例えば階段として用意されたブロックを、置き方を変えて建物の別の部分として表現する。精巧につくられた部品ほど、本来の用途に見えやすくなりますが、抽象度が高いからこそ、使う人が別のものに見立てる余地が残されています。少なくとも表現という点では、解像度が高ければ自由度も高まるとは限らないと、私は考えています。

むしろ、少し曖昧だからこそ、そこに自分なりの発想を重ねることができる。私は、この「見立てられる余白」も、マインクラフトならではの面白さだと考えています。


「勉強」ではなく、「知りたい」から学んでいた

では、なぜ私がマインクラフトを教育と結びつけるようになったのか。その原点は、もう一度、子どもの頃までさかのぼります。実は私は、小学生の頃、勉強が大嫌いでした。特に夏休みのドリルは、本当に苦手でした。「なぜ学校の宿題以外に、休みまでこんなことをしなければならないのか」と、本気で思っていました。

ところが、理科の成績だけは例外で、テストはほぼ100点、成績もずっと5でした。その後も理科や化学の分野は得意でした。ただ、自分では「勉強した」という記憶がほとんどありません。振り返ると、学校の勉強とは別に、百科事典や図鑑を夢中で読んでいました。特に覚えているのが、1,000ページを超えるような科学百科事典です。漫画を読むような感覚で、毎日のようにページをめくっていました。

「これは面白い」
「前に読んだあの話と、ここはつながっているんじゃないか」

そんなことを考える時間そのものが楽しかったんですね。さらに原点をたどると、藤子・F・不二雄先生の『キテレツ大百科』に行き着きます。主人公が科学の知識を使ってさまざまなものを発明していく。それを見て、「科学ってすごい」「発明って面白い」と感じました。

そこから「もっと知りたい」と思うようになり、百科事典や図鑑を読むようになった。やがて読むだけでは足りなくなり、親に頼み込んでアルコールランプや試験管、ビーカーを買ってもらい、自分の部屋で実験までしていました。

学校のテストで100点を取ることが目的だったわけではありません。知りたいから調べる。面白いから試してみる。結果として、学校で学ぶ内容をすでに知っていることも多かったんです。この経験は、現在の教材づくりにもそのままつながっています。

私が教材やカリキュラムを考えるときに最も重視しているのは、「いかに子どもの好奇心を刺激できるか」ということです。「知りたい」「やってみたい」と思えれば、子どもは自分から動き始める。これは後から身につけた教育理論というより、私自身の原体験に根ざした考え方です。


わが子の未来を考えることが、教育と向き合う転機になった

現在の活動につながる、もう一つの大きな転機がありました。私自身が親になったことです。

子どもたちは、これからどんな教育を受け、どんな力を身につけ、どんな人生を歩んでいくのだろう。そんなことを考えるようになると、自然と、自分自身がどのように学んできたのかを振り返るようになりました。

同じ頃、学校の先生方と交流するコミュニティに参加し、教育現場の声を聞く機会も増えていきました。先生方が日々さまざまな工夫を重ねていることを知る一方で、教育を取り巻く仕組みの中には、自分が子どもだった頃から続いている課題もあるのではないか、と感じるようになりました。

その中で、学校の外にいる自分だからこそ、別の角度から教育に関われることもあるのではないか。そう考え始めたことが、教育に本格的に関わっていくきっかけの一つになりました。


学びの「土台」の上に、何をつくるのか

学校教育が担う基礎学力の重要性は、私自身も強く感じています。四則演算や九九、漢字、英単語など、この先の学びを支える基礎は欠かせません。私は、それを学びの「土台」だと捉えています。

ただ、土台ができた後、その上に何をつくるのかも同じように大切です。科学、スポーツ、数学、建築など、心を動かされる対象は一人ひとり違います。「これは面白い」「もっと知りたい」と思えるものに出会い、自分で問いを持ち、掘り下げていく。その力をどう育てていくのかまで含めて、私は教育を考えたいと思っています。

近年、日本でも探究学習が重視されるようになりました。自ら問いを立て、調べ、考え、自分なりの答えを形にしていく。そうした学びのあり方は、私が大切にしてきた学び方とも重なります。こうした考えを実践する方法を探す中で、私が長く向き合ってきたマインクラフトと、教育というテーマが少しずつ重なっていきました。

多くの子どもたちが親しんでいるマインクラフトなら、「知りたい」「つくりたい」という気持ちと、学びをつなぐ接点をつくれるのではないか。自分自身が子どもの頃に経験した、好奇心から始まる学びを、デジタル空間を通じて支えることもできるのではないか。そう考えるようになりました。
タツナミさんが公私・運営アドバイザーを務めた「ナガノ スーパーサイエンス プロジェクト2026」。信州大学で、小学4年生～中学3年生を対象とした「マインクラフト教室」を開催した（引用：タツナミシュウイチ 公式Webサイト）
ただ、マインクラフトを教育に使うと聞けば、やはりこんな疑問が残ると思います。

「それでも、マインクラフトはゲームですよね？」

私自身、これはとても大切な問いだと思っています。一般的なゲームとマインクラフトは、そもそも何が違うのか。そして、マインクラフトの中で生まれる「つくる」「試す」「誰かと相談する」といった行動を、どうすれば学びにつなげることができるのか。

次回は、マインクラフトが「サンドボックスゲーム」と呼ばれる理由や、教育現場向けの『Minecraft Education（教育版マインクラフト）』の特徴にも触れながら、「遊び」がどのような条件で「学び」へつながるのかを具体的にお話しします。ゲームと教育の組み合わせに疑問を感じている方にも、なぜマインクラフトが学びの場で使われているのか、その理由を知っていただければと思います。
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<dc:category rdf:resource="https://japanstep.jp/learn/category/35">カルチャー</dc:category>
<dc:creator></dc:creator>
<dc:subject></dc:subject>
<dc:date>2026-09-30T07:00:00+09:00</dc:date>
<content:encoded><![CDATA[
<div id="cms-editor-minieditor-sin179029990351668100" class="cms-content-parts-sin179029990351676000"><p style="text-align: left;"><a href="https://japanstep.jp/learn/category/238/" rel="otherurl"><img src="/images/popularity/images20261005074358.webp" width="1280" height="376" alt="" /></a></p><p style="text-align: left;">皆さん、はじめまして。タツナミシュウイチです。私は現在、マインクラフトをはじめとするデジタル空間を活用し、教材・カリキュラムの開発や教育プログラムの設計、ゲーム教育の研究などに取り組んでいます。</p> <p></p> <p>マインクラフトの教育活用についてお話しすると、「ゲームがなぜ学びになるのか」と聞かれることがあります。私自身、最初からマインクラフトを教育に使おうと考えていたわけではありません。振り返れば、その原点には、科学や表現に夢中になった子ども時代と、「知りたい」と思ったことを自分で調べ、試してきた経験がありました。</p> <p></p> <p>本連載では、マインクラフトがなぜ子どもたちの学びにつながるのか、世界の教育現場ではどのように活用され、日本ではどんな実践が生まれているのかを、具体的な事例とともにお話ししていきます。初回は、私自身の原点から始めます。マインクラフトとの出会いが、どのように現在の教育活動へつながっていったのかを振り返ります。（解説＝タツナミシュウイチ／文＝JMP総合プロデューサー 長谷川浩和）</p> <p><a href="https://japanstep.jp/learn/category/238/">【連載一覧】タツナミシュウイチが読み解く マインクラフト教育の新潮流</a></p> <p><span style="font-weight: bolder;">▼「挑戦」を生むトレンドニュースを毎日掲載！</span><br /> <a href="https://japanstep.jp/" style="text-decoration: none;">挑戦者のためのビジネスメディア『JapanStep』</a></p> <p></p></div>
<div class="cms-content-parts-sin179029995473377600 box parts_text_type02 cparts-id120--01 lay-margin-b--3 lay-padding--2" data-selectable="cparts-animate cparts-animate--slideInUp:上へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInDown:下へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInLeft:左へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInRight:右へスライド">
<div class="lay-row lay-no-gutters">
<div class="lay-col12-12">
<div class="cparts-editsite--txt cparts-txt-block lay-reset-child" id="cms-editor-minieditor-sin179029995473384100">
<p style="text-align: center;"><strong>教えてくれたのは&#8230;</strong></p>
<p style="text-align: center;"><img src="/images/learn/2609_Release/260925_tatsunami/images20260925103132.webp" width="400" height="400" alt="" /></p>
<p style="text-align: center;"><strong>Japan Crafters Union 代表／東京大学大学院 客員研究員／常葉大学 客員教授／JAXA応援団アンバサダー<br />
タツナミシュウイチさん</strong></p>
<p style="text-align: center;">2018年1月、統合版マインクラフトのマーケットプレイスでアジア初、日本初となるコンテンツ作品をリリース。その後、ゲーム教育を軸に制作や研究開発に取り組む。2021年9月、日本人で7人目となるMicrosoft Innovative Educator FELLOWの称号を授与された。『情熱大陸』（毎日放送）、『マツコの知らない世界』（TBS）、『有吉ぃぃeeeee!』（テレビ東京）など数々の地上波番組に、ゲームや教育に関する有識者として出演。教育関連書籍や子ども向け書籍の執筆・監修も多数手がける。現在も、デジタル空間をプラットフォームとした教育の研究・実践、教材開発などに取り組んでいる。</p>
</div>
</div>
</div>
</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin179030004787146400 cparts-editsite--mainttl cparts-id002" id="cms-editor-textarea-sin179030004787154600">科学と表現。二つの「好き」を追いかけてきた</h2>
<div id="cms-editor-minieditor-sin179029994292550800" class="cms-content-parts-sin179029994292559600">
<p>子どもの頃の私には、二つの夢がありました。理科の先生になることと、映画の役者になることです。一見、まったく異なるようですが、私の中では自然につながっていました。科学が大好きで、それと同じくらい映画が好きだったからです。</p>
<p></p>
<p>小学生、中学生の頃には、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』や『ロボコップ』、『スタートレック』といったSF作品を何度も見ていました。特に惹かれたのが、宇宙や地質、天文の世界です。「面白い」「不思議だ」「もっと知りたい」。科学に触れるたびに、そんな気持ちが湧いてきました。</p>
<p></p>
<p>同時に、SFが描く未来にも強く惹かれていました。空想であることは分かっていても、まだ存在していない世界を思い描くこと自体に、面白さを感じていました。学生時代も、演劇に取り組みながら、理科室で実験をしたり、天体観測をしたりしていました。科学をもっと知りたいという気持ちと、まだないものを自分でつくりたいという気持ち。その二つは、今の私にも変わらず続いています。</p>
<p></p>
<p>やがて仕事として選んだのは、クリエイターの道です。20代には、映像、音楽、舞台、デジタルコンテンツなどの制作に携わりました。自分でパソコンを組み、ウェブサイトをつくり、映像を編集する。シナリオを書き、音を収録してラジオドラマをつくることもありました。</p>
<p></p>
<p>会社員として働いていた時期も、自分の時間の多くをものづくりに使っていました。それが少しずつ仕事の中心へと移っていった、というのが私の20代です。</p>
<div></div>
</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin179030006218748800 cparts-editsite--mainttl cparts-id002" id="cms-editor-textarea-sin179030006218757000">インターネットに感じた可能性は、「人とつながること」だった</h2>
<div id="cms-editor-minieditor-sin179030007352315800" class="cms-content-parts-sin179030007352323700">
<p>1990年代半ば、Windows 95の登場とともに、インターネットが一般にも広がり始めました。当時の私がインターネットに感じていた大きな可能性は、新しい技術そのものではありませんでした。「向こう側に人がいる」ということです。</p>
<p></p>
<p>好きなアニメのファンが集まるウェブサイトを自分で立ち上げ、運営していたのですが、特に大切にしていたのは掲示板とチャットでした。完成した作品を一方的に見せるというより、そこに人が集まり、会話が生まれることの方に面白さを感じていたんです。</p>
<p></p>
<p>全国各地の人とチャットで話すうちに、「今度一緒に何かやろうよ」「こんなものをつくろうよ」と、新しい企画やコンテンツが生まれていきました。振り返ってみると、SNSやYouTube、マインクラフトのマルチプレイ、VRと、使う媒体は変わってきましたが、私がそこに感じている面白さの根っこは変わっていません。</p>
<p></p>
<p>私にとって、ものづくりとコミュニケーションは切り離せないものでした。誰かと話し、考え、ときには一緒につくる。その感覚は、インターネットに触れ始めた頃から今も変わっていません。</p>
<div></div>
</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin179030005243323100 cparts-editsite--mainttl cparts-id002" id="cms-editor-textarea-sin179030005243330500">レゴではできなかった「続き」が、マインクラフトで始まった</h2>
<div id="cms-editor-minieditor-sin179030007834325600" class="cms-content-parts-sin179030007834332800">
<p>ここで、マインクラフトそのものについて少し触れておきたいと思います。ご存じの方も多いかもしれませんが、マインクラフトは、ブロックで構成された3D空間を探索し、建築やものづくりなどを自由に楽しめるゲームです。</p>
<p></p>
<p>ただ、「ブロックを積んで遊ぶゲーム」と捉えるだけでは、その特徴を十分には説明できません。大きな特徴の一つは、何をするかをプレイヤー自身が決められることです。何をつくるのか、どこへ行くのか、そこで何をするのか。遊び方そのものに、大きな余白があります。</p>
<p></p>
<p>私がマインクラフトに出会ったのは、登場して間もない頃でした。ゲーム実況の動画を見て、「これはすごいな」と感じたことを覚えています。そして実際に触れたとき、子どもの頃のレゴブロックの記憶がよみがえってきました。</p>
<p><img src="/images/learn/2609_Release/260925_tatsunami/world_icon.webp" width="900" height="505" alt="" /><span style="font-size: small;">タツナミさんがプロデュースした現実そのままの月面が再現され、月面基地や月面世界独特のブロックやアイテムが存在するワールド「LUNARCRAFT」（引用：<a href="https://dannaman.wixsite.com/official">タツナミシュウイチ 公式Webサイト</a>）</span></p>
<p></p>
<p></p>
<p>私はレゴが大好きでした。ただ、自分の家にあったわけではなく、児童館に置いてある共有のブロックで遊んでいたんです。夢中になって何かをつくっても、帰る時間になれば壊して片付けなければなりません。「まだ続きをつくりたい」という思いが、ずっと残っていました。</p>
<p></p>
<p>だから、大人になってマインクラフトに触れたとき、最初に浮かんだのが、「これは、続きができる」ということでした。今日つくったものを残しておき、明日またその先をつくることができる。頭の中で思い描いたものを、時間をかけて少しずつ形にしていける。そのことが、本当にうれしかったんです。そこから「もっとつくりたい」という気持ちが一気にあふれ、マインクラフトでさまざまなものをつくるようになりました。</p>
<div></div>
</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin179030005646067900 cparts-editsite--mainttl cparts-id002" id="cms-editor-textarea-sin179030005646076200">時間も、空間も、立場も越える。マインクラフトの「自由」</h2>
<div id="cms-editor-minieditor-sin179030008303168800" class="cms-content-parts-sin179030008303177000">
<p>「マインクラフトは、何がそんなに面白いんですか」今でもよく聞かれます。</p>
<p></p>
<p>そのとき、私は「自由があるからです」と答えています。マインクラフトには、現実世界とは異なるいくつもの自由があります。</p>
<p></p>
<p>一つは、時間からの自由です。現実世界にあるものは、年月とともに風化したり、壊れたりします。一方、デジタル空間につくったものはデータとして残すことができます。私自身、十数年前につくったワールドに今でも入り、当時つくったものを見ることができます。</p>
<p></p>
<p>空間や物理的な制約も、現実とは大きく異なります。現実では大きな制約を伴う建築や空間表現にも挑戦でき、空を飛ぶこともできます。そして教育という視点から見ても興味深いのが、年齢や立場からの自由です。</p>
<p></p>
<p>マインクラフトの中では、子どもも大人も同じ大きさのアバターとして存在します。そして、操作や遊び方については、子どもの方が大人より詳しいことも珍しくありません。</p>
<p></p>
<p>普段は教えてもらう側の子どもが「それはこうやるんだよ」と、父親や母親に教える。現実の世界では固定されがちな「教える側」と「教えられる側」が、デジタル空間では自然に入れ替わることがあります。</p>
<p></p>
<p>もう一つ面白いのが、マインクラフト独特の低解像度の表現です。今はCG技術が進み、現実と見分けがつかないほど精細な映像をつくれる時代です。それに対してマインクラフトは、あえてシンプルなブロック表現で世界が構成されています。</p>
<p></p>
<p>だからこそ、そこに「見立て」の余地が生まれます。</p>
<p></p>
<p>例えば階段として用意されたブロックを、置き方を変えて建物の別の部分として表現する。精巧につくられた部品ほど、本来の用途に見えやすくなりますが、抽象度が高いからこそ、使う人が別のものに見立てる余地が残されています。少なくとも表現という点では、解像度が高ければ自由度も高まるとは限らないと、私は考えています。</p>
<p></p>
<p>むしろ、少し曖昧だからこそ、そこに自分なりの発想を重ねることができる。私は、この「見立てられる余白」も、マインクラフトならではの面白さだと考えています。</p>
<div></div>
</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin179030005448158400 cparts-editsite--mainttl cparts-id002" id="cms-editor-textarea-sin179030005448165800">「勉強」ではなく、「知りたい」から学んでいた</h2>
<div id="cms-editor-minieditor-sin179030008740684500" class="cms-content-parts-sin179030008740691700">
<p>では、なぜ私がマインクラフトを教育と結びつけるようになったのか。その原点は、もう一度、子どもの頃までさかのぼります。実は私は、小学生の頃、勉強が大嫌いでした。特に夏休みのドリルは、本当に苦手でした。「なぜ学校の宿題以外に、休みまでこんなことをしなければならないのか」と、本気で思っていました。</p>
<p></p>
<p>ところが、理科の成績だけは例外で、テストはほぼ100点、成績もずっと5でした。その後も理科や化学の分野は得意でした。ただ、自分では「勉強した」という記憶がほとんどありません。振り返ると、学校の勉強とは別に、百科事典や図鑑を夢中で読んでいました。特に覚えているのが、1,000ページを超えるような科学百科事典です。漫画を読むような感覚で、毎日のようにページをめくっていました。</p>
<p></p>
<p>「これは面白い」<br />
「前に読んだあの話と、ここはつながっているんじゃないか」</p>
<p></p>
<p>そんなことを考える時間そのものが楽しかったんですね。さらに原点をたどると、藤子・F・不二雄先生の『キテレツ大百科』に行き着きます。主人公が科学の知識を使ってさまざまなものを発明していく。それを見て、「科学ってすごい」「発明って面白い」と感じました。</p>
<p></p>
<p>そこから「もっと知りたい」と思うようになり、百科事典や図鑑を読むようになった。やがて読むだけでは足りなくなり、親に頼み込んでアルコールランプや試験管、ビーカーを買ってもらい、自分の部屋で実験までしていました。</p>
<p></p>
<p>学校のテストで100点を取ることが目的だったわけではありません。知りたいから調べる。面白いから試してみる。結果として、学校で学ぶ内容をすでに知っていることも多かったんです。この経験は、現在の教材づくりにもそのままつながっています。</p>
<p></p>
<p>私が教材やカリキュラムを考えるときに最も重視しているのは、「いかに子どもの好奇心を刺激できるか」ということです。「知りたい」「やってみたい」と思えれば、子どもは自分から動き始める。これは後から身につけた教育理論というより、私自身の原体験に根ざした考え方です。</p>
<div></div>
</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin179030005893939600 cparts-editsite--mainttl cparts-id002" id="cms-editor-textarea-sin179030005893950600">わが子の未来を考えることが、教育と向き合う転機になった</h2>
<div id="cms-editor-minieditor-sin179030009255117600" class="cms-content-parts-sin179030009255125100">
<p>現在の活動につながる、もう一つの大きな転機がありました。私自身が親になったことです。</p>
<p></p>
<p>子どもたちは、これからどんな教育を受け、どんな力を身につけ、どんな人生を歩んでいくのだろう。そんなことを考えるようになると、自然と、自分自身がどのように学んできたのかを振り返るようになりました。</p>
<p></p>
<p>同じ頃、学校の先生方と交流するコミュニティに参加し、教育現場の声を聞く機会も増えていきました。先生方が日々さまざまな工夫を重ねていることを知る一方で、教育を取り巻く仕組みの中には、自分が子どもだった頃から続いている課題もあるのではないか、と感じるようになりました。</p>
<p></p>
<p>その中で、学校の外にいる自分だからこそ、別の角度から教育に関われることもあるのではないか。そう考え始めたことが、教育に本格的に関わっていくきっかけの一つになりました。</p>
<div></div>
</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin179030005065366800 cparts-editsite--mainttl cparts-id002" id="cms-editor-textarea-sin179030005065375500">学びの「土台」の上に、何をつくるのか</h2>
<div id="cms-editor-minieditor-sin179030006794636900" class="cms-content-parts-sin179030006794645400">
<p>学校教育が担う基礎学力の重要性は、私自身も強く感じています。四則演算や九九、漢字、英単語など、この先の学びを支える基礎は欠かせません。私は、それを学びの「土台」だと捉えています。</p>
<p></p>
<p>ただ、土台ができた後、その上に何をつくるのかも同じように大切です。科学、スポーツ、数学、建築など、心を動かされる対象は一人ひとり違います。「これは面白い」「もっと知りたい」と思えるものに出会い、自分で問いを持ち、掘り下げていく。その力をどう育てていくのかまで含めて、私は教育を考えたいと思っています。</p>
<p></p>
<p>近年、日本でも探究学習が重視されるようになりました。自ら問いを立て、調べ、考え、自分なりの答えを形にしていく。そうした学びのあり方は、私が大切にしてきた学び方とも重なります。こうした考えを実践する方法を探す中で、私が長く向き合ってきたマインクラフトと、教育というテーマが少しずつ重なっていきました。</p>
<p></p>
<p>多くの子どもたちが親しんでいるマインクラフトなら、「知りたい」「つくりたい」という気持ちと、学びをつなぐ接点をつくれるのではないか。自分自身が子どもの頃に経験した、好奇心から始まる学びを、デジタル空間を通じて支えることもできるのではないか。そう考えるようになりました。</p>
<p><img src="/images/learn/2609_Release/260925_tatsunami/images20260925103141.webp" width="900" height="502" alt="" /><span style="font-size: small;">タツナミさんが公私・運営アドバイザーを務めた「ナガノ スーパーサイエンス プロジェクト2026」。信州大学で、小学4年生～中学3年生を対象とした「マインクラフト教室」を開催した（引用：<a href="https://dannaman.wixsite.com/official">タツナミシュウイチ 公式Webサイト</a>）</span></p>
<p>ただ、マインクラフトを教育に使うと聞けば、やはりこんな疑問が残ると思います。</p>
<p></p>
<p>「それでも、マインクラフトはゲームですよね？」</p>
<p></p>
<p>私自身、これはとても大切な問いだと思っています。一般的なゲームとマインクラフトは、そもそも何が違うのか。そして、マインクラフトの中で生まれる「つくる」「試す」「誰かと相談する」といった行動を、どうすれば学びにつなげることができるのか。</p>
<p></p>
<p>次回は、マインクラフトが「サンドボックスゲーム」と呼ばれる理由や、教育現場向けの『Minecraft Education（教育版マインクラフト）』の特徴にも触れながら、「遊び」がどのような条件で「学び」へつながるのかを具体的にお話しします。ゲームと教育の組み合わせに疑問を感じている方にも、なぜマインクラフトが学びの場で使われているのか、その理由を知っていただければと思います。</p>
<p><strong>▼「挑戦」を生むトレンドニュースを毎日掲載！</strong><br />
<a href="https://japanstep.jp/">挑戦者のためのビジネスメディア『JapanStep』</a></p>
<p></p>
<div></div>
</div>
]]></content:encoded>
</item>

<item rdf:about="https://japanstep.jp/learn/2026/09/2447/">
<title>東京都、高校生と考える「AIで社会課題をいかに解決するか？」</title>
<link>https://japanstep.jp/learn/2026/09/2447/</link>
<description>
生成AIが急速に普及し、あらゆる産業の前提が塗り替わろうとしている。これからの時代を生き抜くためには、単に技術を使うだけでなく、自らの手で課題を見つけ出し、解決策を形にする力が求められる。こうした中、現役の高校生たちがプロのエンジニアと肩を並べ、AIを駆使したアプリ開発に挑むプロジェクトが東京都教育委員会手動により、本格始動した。若き才能が社会のリアルな課題と向き合う実践的な学びの場から、次世代人材を育む教育の形を紐解く。（文＝JapanStep編集部）
▼「挑戦」を生むトレンドニュースを毎日掲載！
挑戦者のためのビジネスメディア『JapanStep』



専門家が伴走支援。都立高校生対象「ハッカソンプログラム」始動

2026年7月、東京都教育委員会は、都立学校の生徒が生成AIなどを活用して社会課題の解決に挑戦するプロジェクト「都立学校AI Lab」の上級コースとして、「ハッカソンプログラム」の参加受付を実施した。8月までに募集期間を終え、高校生の参加者たちは約5カ月間にわたる実践的な開発プロセスへと歩みを進めている。
（引用元：PR TIMES）

本プログラムは、高校生4人で1チームを組み、対面とオンラインを組み合わせて継続的にアプリ開発を進めるのが特徴だ。技術の習得から始まり、チームでの課題設定、アイデアの具体化、機能のブラッシュアップを経て、最終日には成果発表と審査、そして表彰式が行われる予定だ。
特筆すべきは、第一線で活躍するプロフェッショナルが強力にバックアップする体制である。株式会社MIXIやマイクロソフト株式会社などの有識者がスーパーバイザーとして特別講義や審査を行うだけでなく、システム開発やUXデザインの分野で活躍する社会人メンターが伴走支援する。生徒たちは直接指導を受けながら、自分たちのアイデアを実際のアプリとして形にしていく。







 （引用元：PR TIMES）
 
 
 上級
 ハッカソンプログラム
 メンターの伴走支援で、高度なアプリ開発に挑戦
 
 
 中級
 ワークショップ
 スキルを活用してアプリの開発を体験
 
 
 初級
 オンラインプログラム
 基礎的なスキルを習得
 
 









初級・中級プログラムで基礎を学んだ生徒たちが、より高度な開発に挑戦する本プログラム。完成したアプリの発表や審査は、東京都が運営するスタートアップ支援拠点「Tokyo Innovation Base」で行われる予定だ。行政が主導し民間が支援するこの強固な育成の枠組みは、テクノロジーを活用できる次世代のデジタル人材を生み出す重要な基盤となっている。




試行錯誤が育む構想力。産官学の共創教育

これまでの日本のIT教育には、あらかじめ用意された正解のコードをなぞり、ツールの使い方を覚えることに終始するというイメージもあった。しかし、生成AIが日常的なプログラミングさえも代替しつつある現代において、そうした学習方法の訴求力は急速に薄れている。真に必要とされるのは、社会の中に潜む課題を自ら発見し、テクノロジーをどう組み合わせれば解決できるか、構想する力だ。
本プログラムは、そうした本質的な能力を育む実践的なアプローチと言える。高校生という多感な時期に、プロと同じ目線で開発の現場に立つ意味は大きい。学校という閉じた空間の中だけでは得られない、社会のリアルな手ざわりを感じながら、チームで議論を重ねてプロダクトを作り上げる。この試行錯誤の過程こそが、不確実な時代を生き抜くための強靭な知肉となる。
また、行政が民間企業と深く連携して教育の場を提供している点も見逃せない。大企業の第一線で活躍するエンジニアがメンターとして伴走することで、生徒たちは最先端の開発手法やビジネスの視点に直接触れることができる。こうした産官学の共創体制が確立されることで、教育の質は飛躍的に高まり、社会全体で若者を育てる機運が醸成されていく。
社会の課題を見つけ出し、テクノロジーで解決の道筋を描く。このハッカソンを通じて得た経験は、彼らが大学や社会へと進んだとき、既存の枠組みを打ち破る確かな力となるはずだ。若きイノベーターたちの挑戦が、停滞する日本社会に新しい風を吹き込み、国全体を力強くステップアップさせる原動力となっていくことに期待したい。
▼「挑戦」を生むトレンドニュースを毎日掲載！
挑戦者のためのビジネスメディア『JapanStep』

</description>
<enclosure url="https://japanstep.jp/images/learn/2609_Release/260918_syakaikadai/images20260929130131.png" type="image/jpeg" />
<dc:category rdf:resource="https://japanstep.jp/learn/category/33">スタートアップ</dc:category>
<dc:creator></dc:creator>
<dc:subject></dc:subject>
<dc:date>2026-09-29T07:00:00+09:00</dc:date>
<content:encoded><![CDATA[
<div id="cms-editor-minieditor-sin178969969719731600" class="cms-content-parts-sin178969969719740600">
<p>生成AIが急速に普及し、あらゆる産業の前提が塗り替わろうとしている。これからの時代を生き抜くためには、単に技術を使うだけでなく、自らの手で課題を見つけ出し、解決策を形にする力が求められる。こうした中、現役の高校生たちがプロのエンジニアと肩を並べ、AIを駆使したアプリ開発に挑むプロジェクトが東京都教育委員会手動により、本格始動した。若き才能が社会のリアルな課題と向き合う実践的な学びの場から、次世代人材を育む教育の形を紐解く。（文＝JapanStep編集部）</p>
<p><strong>▼「挑戦」を生むトレンドニュースを毎日掲載！</strong><br />
<a href="https://japanstep.jp/">挑戦者のためのビジネスメディア『JapanStep』</a></p>
<p></p>
<div></div>
</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin178969972246448300 cparts-editsite--mainttl cparts-id002" id="cms-editor-textarea-sin178969972246450500">専門家が伴走支援。都立高校生対象「ハッカソンプログラム」始動</h2>
<div id="cms-editor-minieditor-sin178969971354568000" class="cms-content-parts-sin178969971354575800">
<p>2026年7月、東京都教育委員会は、都立学校の生徒が生成AIなどを活用して社会課題の解決に挑戦するプロジェクト「都立学校AI Lab」の上級コースとして、「ハッカソンプログラム」の参加受付を実施した。8月までに募集期間を終え、高校生の参加者たちは約5カ月間にわたる実践的な開発プロセスへと歩みを進めている。</p>
<p><img src="/images/learn/2609_Release/260918_syakaikadai/1.webp" width="900" height="281" alt="" /><span style="font-size: small;">（引用元：</span><a href="https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000006728.000052467.html"><span style="font-size: small;">PR TIMES</span></a><span style="font-size: small;">）</span></p>
<p></p>
<p>本プログラムは、高校生4人で1チームを組み、対面とオンラインを組み合わせて継続的にアプリ開発を進めるのが特徴だ。技術の習得から始まり、チームでの課題設定、アイデアの具体化、機能のブラッシュアップを経て、最終日には成果発表と審査、そして表彰式が行われる予定だ。<br />
特筆すべきは、第一線で活躍するプロフェッショナルが強力にバックアップする体制である。株式会社MIXIやマイクロソフト株式会社などの有識者がスーパーバイザーとして特別講義や審査を行うだけでなく、システム開発やUXデザインの分野で活躍する社会人メンターが伴走支援する。生徒たちは直接指導を受けながら、自分たちのアイデアを実際のアプリとして形にしていく。</p>
<div></div>
</div>
<div class="cms-content-parts-sin178970027474133800 cparts-id96--02 box lay-margin-b--3" data-selectable="cparts-animate cparts-animate--slideInUp:上へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInDown:下へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInLeft:左へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInRight:右へスライド">
<div class="lay-row">
<div class="lay-col12-xs-12 lay-col12-md-12 lay-col12-lg-12">
<div class="cparts-editsite--table cparts-table-block lay-reset-child" id="cms-editor-minieditor-sin178970027474138800">
<table>
    <caption class="lay-margin-t--1"><span style="font-size: small;">（引用元：<a href="https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000006728.000052467.html">PR TIMES</a>）</span></caption>
    <tbody>
        <tr>
            <th>上級</th>
            <td>ハッカソンプログラム</td>
            <td>メンターの伴走支援で、高度なアプリ開発に挑戦</td>
        </tr>
        <tr>
            <th>中級</th>
            <td>ワークショップ</td>
            <td>スキルを活用してアプリの開発を体験</td>
        </tr>
        <tr>
            <th>初級</th>
            <td>オンラインプログラム</td>
            <td>基礎的なスキルを習得</td>
        </tr>
    </tbody>
</table>
</div>
</div>
</div>
</div>
<div class="cms-content-parts-sin178969985119471600 cparts-id119 lay-margin-b--3 box" data-selectable="cparts-animate cparts-animate--slideInUp:上へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInDown:下へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInLeft:左へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInRight:右へスライド">
<div class="lay-row">
<div class="lay-col12-xs-12 lay-col12-md-12 lay-col12-lg-12">
<div class="cparts-editsite--txt cparts-txt-block lay-reset-child" id="cms-editor-minieditor-sin178969985119475300">
<p>初級・中級プログラムで基礎を学んだ生徒たちが、より高度な開発に挑戦する本プログラム。完成したアプリの発表や審査は、東京都が運営するスタートアップ支援拠点「Tokyo Innovation Base」で行われる予定だ。行政が主導し民間が支援するこの強固な育成の枠組みは、テクノロジーを活用できる次世代のデジタル人材を生み出す重要な基盤となっている。</p>
</div>
</div>
</div>
</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin178969972472793100 cparts-editsite--mainttl cparts-id002" id="cms-editor-textarea-sin178969972472800400">試行錯誤が育む構想力。産官学の共創教育</h2>
<div id="cms-editor-minieditor-sin178969971100112300" class="cms-content-parts-sin178969971100119900">
<p>これまでの日本のIT教育には、あらかじめ用意された正解のコードをなぞり、ツールの使い方を覚えることに終始するというイメージもあった。しかし、生成AIが日常的なプログラミングさえも代替しつつある現代において、そうした学習方法の訴求力は急速に薄れている。真に必要とされるのは、社会の中に潜む課題を自ら発見し、テクノロジーをどう組み合わせれば解決できるか、構想する力だ。<br />
本プログラムは、そうした本質的な能力を育む実践的なアプローチと言える。高校生という多感な時期に、プロと同じ目線で開発の現場に立つ意味は大きい。学校という閉じた空間の中だけでは得られない、社会のリアルな手ざわりを感じながら、チームで議論を重ねてプロダクトを作り上げる。この試行錯誤の過程こそが、不確実な時代を生き抜くための強靭な知肉となる。<br />
また、行政が民間企業と深く連携して教育の場を提供している点も見逃せない。大企業の第一線で活躍するエンジニアがメンターとして伴走することで、生徒たちは最先端の開発手法やビジネスの視点に直接触れることができる。こうした産官学の共創体制が確立されることで、教育の質は飛躍的に高まり、社会全体で若者を育てる機運が醸成されていく。<br />
社会の課題を見つけ出し、テクノロジーで解決の道筋を描く。このハッカソンを通じて得た経験は、彼らが大学や社会へと進んだとき、既存の枠組みを打ち破る確かな力となるはずだ。若きイノベーターたちの挑戦が、停滞する日本社会に新しい風を吹き込み、国全体を力強くステップアップさせる原動力となっていくことに期待したい。</p>
<p><span style="font-weight: bolder;">▼「挑戦」を生むトレンドニュースを毎日掲載！</span><br />
<a href="https://japanstep.jp/">挑戦者のためのビジネスメディア『JapanStep』</a></p>
<div></div>
</div>
]]></content:encoded>
</item>

<item rdf:about="https://japanstep.jp/learn/2026/09/2451/">
<title>動画全盛のいま、なぜ「音声」が企業に注目されるのか【連載】音声メディアは企業の「声」をどう届けるのか</title>
<link>https://japanstep.jp/learn/2026/09/2451/</link>
<description>Podcastや音声配信サービスの浸透によって、音声の聴かれ方は変わった。決まった時間に放送を聴くだけでなく、好きな番組を、好きな時間に選んで聴くスタイルが定着しつつある。企業による活用も、広告だけではない。採用広報や社内コミュニケーション、顧客との継続的な関係づくりなどへと用途が広がっている。一方、自社で取り組むとなれば、動画やSNSとどう使い分けるのか、どのような課題に向き、何を成果指標とするのか。導入時に判断すべきことは少なくない。本連載では、株式会社Voicyで法人向け事業に携わる石川泉さんと土井遼平さんに、企業による音声活用の考え方から、設計・運用の要点までを全5回で聞く。第1回では、音声メディアの現在地をたどりながら、企業はその特性をどう捉え、どのような場面で生かせるのかを考える。（文＝JMP総合プロデューサー長谷川浩和）【連載一覧】音声メディアは企業の「声」をどう届けるのか ▼「挑戦」を生むトレンドニュースを毎日掲載！ 挑戦者のためのビジネスメディア『JapanStep』 



お話を聞いたのは&#8230; 株式会社Voicy 新規事業開発 マネージャー 石川 泉さん（写真右） 2001年に株式会社エフエム東京へ入社。20年以上にわたり営業部門に在籍し、広告主への提案や番組企画、ラジオとデジタルサービスを組み合わせた広告商品の開発などに携わる。2026年1月に株式会社Voicyへ参画。現在は、広告・ブランディング領域を中心とした新規事業開発を担当。 株式会社Voicy 法人ソリューション事業部 事業責任者&#160; &#160; &#160; 土井 遼平さん（写真左） 2012年にディップ株式会社へ入社。法人営業やマネジメント、新規事業など、約13年間にわたりHR領域で経験を積む。退職後、約8カ月にわたる海外滞在を経て株式会社Voicyへ参画。現在は、採用広報や社内コミュニケーションなど、HR領域を中心とした音声活用に取り組む。 



ラジオ、Podcast、ボイスメディア――広がる「音声」の選択肢

Voicyは音声プラットフォーム「Voicy」を運営する音声テクノロジー企業だ。取材時点の会員登録者数は約280万人。ビジネス、ニュース、教育、子育てなど2000を超えるチャンネルがあり、個人に加えてメディアや企業も番組を持つ。個人パーソナリティには審査制を採用している。

法人領域では、石川さんが広告・ブランディングを、土井さんが採用広報や社内ラジオなどHR分野を中心に手掛けている。

石川さんがTOKYO FMで営業を担った20年余りは、radikoやタイムフリーの登場によって、ラジオの聴取環境が大きく変わった時期と重なる。

「20年以上ラジオの営業に携わってきましたが、その間にradikoやタイムフリーが登場し、聴取環境も広告のあり方も大きく変わりました。環境が変われば、当然、企業への提案も変わります。その時代の環境に照らしながら、音声だからできることは何かを考え続けてきました」（石川さん）

音声コンテンツの形も多様になった。制作チームがフォーマットに沿ってつくるラジオ番組、構成や演出を練り込むPodcast、話し手自身の語りを生かしてタイムリーに発信するボイスメディア。それぞれ、制作の思想も聴かれ方も異なる。

決められた時間にラジオをつけるだけでなく、自分で番組を選び、好きな時間に再生し、気になれば過去回まで遡る。コメントなどを介して話し手と交流することもできる。「放送を聴く」から、「自ら選び、継続して聴く」へ。音声の聴かれ方が変わったことで、企業が生活者や社員に働きかけられる時間帯も広がっている。


動画全盛だからこそ、「耳」が空いている

企業の情報発信において、動画活用はすでに特別な施策ではない。YouTubeやInstagram、TikTokなどを通じて、商品紹介から採用、企業ブランディングまで幅広く定着している。その状況を踏まえたうえで、石川さんは、むしろ動画が増えたからこそ音声に余地が生まれていると見る。

「企業の情報発信では、動画活用が当たり前になりました。ただ、動画が増えれば『動画疲れ』も出てきますし、一日の中で画面を見られる時間には限りがあります。一方で、耳にはまだ空いている時間がある。企業や広告会社が音声に目を向ける理由の一つは、そこだと思います」（石川さん）

通勤や移動、車の運転、料理や洗濯、散歩や運動。画面を見ることが難しい時間でも、音声なら情報に触れられる。実際、Voicyでは20～40代のビジネスパーソンが多く、「ながら聴き」を情報収集に取り入れている。

ディップで約13年間HR領域に携わった土井さんは、退職後にヨーロッパや米国などを巡り、日本とは異なる音声の浸透ぶりに驚いたという。

「海外では、レストランやホテルがSpotifyで番組を持っていたり、試合後に選手がPodcastで発信していたりする。観客が片耳でPodcastを聴きながらスポーツを観ている姿もありました。音声や&#8220;ながら聴き&#8221;が、特別なものではなく、日常の習慣として根づいている。そのことが強く印象に残りました」（土井さん）

企業から見れば、動画やテキストとは異なる生活時間にも情報を届けられることになる。音声への関心の高まりは、こうした聴取習慣の変化とも重なっている。


音声は、再生数だけでは測れない

企業による音声活用を考える際、再生数やリーチだけでは捉えにくい側面がある。Voicyは、こうした音声の価値を「共感深度」という言葉で捉えている。何人に接触したかだけでなく、継続聴取や再訪といった行動にも目を向ける考え方だ。

音声では、同じ話し手の声に繰り返し触れることができる。短期間のリーチとは異なり、考え方や人柄を、時間をかけて知ってもらえる点に特徴がある。メディアによって得意とする役割は異なる。

石川さんも、企業へ音声を提案する際には、この違いを最初に確認するという。

「単純に大きなリーチを取りたいのであれば、ほかの媒体を選んだ方がいいケースもあります。音声を選ぶ意味が出てくるのは、リーチの大きさだけではなく、企業や人への理解を、時間をかけて深めてもらいたい場合です」（石川さん）

デジタル音声では、再生数以外の行動も把握できる。どれだけ継続して聴かれているか、フォロワーがどう推移しているか、新しく聴き始めた人が再び訪れているか、といったデータである。例えばVoicyProでは、リスナー数や聴取時間帯、属性に加え、継続率やフォロワー推移、新規リスナーの再訪率なども確認できる。

石川さんが注目している指標の一つに、「バックカタログ再生率」がある。番組を知った人が最新回にとどまらず、過去の放送まで遡って聴いているかを見る指標で、番組への関心を捉える一つの材料になる。

再生数だけを追っていては、こうした聴取行動は見えてこない。継続聴取や再訪、過去回の再生まで見ることで、番組への関心を別の角度から捉えられる。企業が音声の成果を考える際には、こうした時間軸も一つの手掛かりになる。


映像がないから、聴き手が考える

音声と動画の違いは、情報量の多寡だけではない。石川さんが着目するのは、映像を持たないことによって生まれる「想像の余地」だ。

「テレビや動画では、発信する側が映像を見せます。一方、音声では、聴き手自身が頭の中でイメージをつくることになります。自分で一度考える過程が入る分、記憶にも残りやすいと思います」（石川さん）

商品の形や使い方を一目で示したいのであれば、映像の方が適している。しかし、音声には完成された「画」がない。言葉を聞きながら、自分なりに場面を思い描き、過去の経験や価値観と重ねる。視覚情報がない分、聴き手自身が解釈する余地が残されている。

経営者の判断の背景、社員が仕事に向き合う姿勢、会社が大切にする価値観。こうした目に見えにくい情報ほど、話し手自身の言葉で語る意味が出てくる。動画をそのまま音声に置き換えるのではない。どんなテーマなら、声で語る意味があるのか。そこから企画を組み立てることで、音声を選ぶ理由も明確になる。


企業の印象は、「誰が話すか」で変わる

音声では、「何を話すか」と同じくらい、「誰が話すか」が印象を左右する。石川さんは、長年のラジオ経験からそのことを実感してきた。

「テレビでは遠い存在に感じる人でも、日常的に声を聴いていると身近に感じるようになります。しかも、身近に感じるのはリスナー側だけではありません。パーソナリティも、お便りや反応を通じてリスナーを近い存在として感じるようになります」（石川さん）

声には、文字に置き換えきれない要素がある。話す速度、間の取り方、抑揚、笑い方。少し言葉を探す時間にも、その人らしさが表れる。Voicyでも、過度に整えすぎず、話し手らしさを残すことを重視している。

「営業のプレゼンでも、よどみなく整っているのに、なぜか心に残らないことがあります。一方で、本当に伝えたいことを自分の言葉で話している人の言葉は、多少言葉が整っていなくても耳に残る。Voicyでも、そうした話し手らしさを損なわないことを大切にしています」（石川さん）

企業の公式な情報に正確性が求められるのは当然である。しかし、整えられた言葉だけでは見えにくいものもある。肩書や企業名だけでは分からない、考え方や人柄が声には表れる。採用や社内コミュニケーションで音声が使われ始めている理由の一つが、ここにある。


先に決めるのは、「番組」ではなく「目的」

企業が音声を使うなら、番組の形式を考える前に目的を定めたい。採用なのか、社内コミュニケーションなのか、顧客との関係づくりなのか。目的によって、音声に担わせる役割は変わる。土井さんは、企業による音声活用を「採用ブランディング」「インナーブランディング」「サービスブランディング」の三つに整理する。

「企業での活用を整理すると、大きくは採用ブランディング、インナーブランディング、サービスブランディングの三つです。最近は特に、採用とインナーコミュニケーションの領域で相談が増えています。目的によって、番組の設計も変わります」（土井さん）

活用の形も、経営者や社員が語る採用広報、通勤や休憩時間に聴ける社内向け放送、顧客向けの企業チャンネルなどさまざまだ。それぞれ目的が異なる以上、話す人も、テーマも、配信頻度も、見るべき数字も変わる。話す人も、テーマも、配信頻度も、見るべき数字も変わる。音声を始めること自体が目的ではない。自社の課題に合わせて、話し手やテーマ、運用方法を設計する必要がある。

次回は「採用」を取り上げる。採用サイトや動画をはじめ、企業が候補者に提供する情報はかつてなく増えている。それでも、企業と候補者の間からミスマッチは消えていない。足りないのは、情報の「量」なのだろうか。次回、その問いを音声メディアの側から考える。
▼「挑戦」を生むトレンドニュースを毎日掲載！
挑戦者のためのビジネスメディア『JapanStep』


</description>
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<dc:category rdf:resource="https://japanstep.jp/learn/category/35">カルチャー</dc:category>
<dc:creator></dc:creator>
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<dc:date>2026-09-28T07:00:00+09:00</dc:date>
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<div id="cms-editor-minieditor-sin179022809951520100" class="cms-content-parts-sin179022809951527300"><p><a href="https://japanstep.jp/learn/category/237/" rel="otherurl"><img src="/images/popularity/podcast_L.webp" width="1280" height="377" alt="" /></a></p><p>Podcastや音声配信サービスの浸透によって、音声の聴かれ方は変わった。決まった時間に放送を聴くだけでなく、好きな番組を、好きな時間に選んで聴くスタイルが定着しつつある。企業による活用も、広告だけではない。採用広報や社内コミュニケーション、顧客との継続的な関係づくりなどへと用途が広がっている。一方、自社で取り組むとなれば、動画やSNSとどう使い分けるのか、どのような課題に向き、何を成果指標とするのか。導入時に判断すべきことは少なくない。本連載では、株式会社Voicyで法人向け事業に携わる石川泉さんと土井遼平さんに、企業による音声活用の考え方から、設計・運用の要点までを全5回で聞く。第1回では、音声メディアの現在地をたどりながら、企業はその特性をどう捉え、どのような場面で生かせるのかを考える。（文＝JMP総合プロデューサー長谷川浩和）</p><p><a href="https://japanstep.jp/learn/category/237/">【連載一覧】音声メディアは企業の「声」をどう届けるのか</a></p> <p><strong>▼「挑戦」を生むトレンドニュースを毎日掲載！</strong><br /> <a href="https://japanstep.jp/">挑戦者のためのビジネスメディア『JapanStep』</a></p> <p></p></div>
<div class="cms-content-parts-sin179022816396356900 box parts_text_type02 cparts-id120--01 lay-margin-b--3 lay-padding--2" data-selectable="cparts-animate cparts-animate--slideInUp:上へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInDown:下へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInLeft:左へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInRight:右へスライド">
<div class="lay-row lay-no-gutters">
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<div class="cparts-editsite--txt cparts-txt-block lay-reset-child" id="cms-editor-minieditor-sin179022816396362300"><p style="text-align: center;"><strong>お話を聞いたのは&#8230;</strong></p> <p style="text-align: center;"><img src="/images/learn/2609_Release/260924_onsei/images20260924143445.webp" width="900" height="599" alt="" /></p> <p style="text-align: center;"><strong>株式会社Voicy <br />新規事業開発 マネージャー <br />石川 泉さん（写真右）</strong></p> <p style="text-align: center;">2001年に株式会社エフエム東京へ入社。20年以上にわたり営業部門に在籍し、広告主への提案や番組企画、ラジオとデジタルサービスを組み合わせた広告商品の開発などに携わる。2026年1月に株式会社Voicyへ参画。現在は、広告・ブランディング領域を中心とした新規事業開発を担当。</p> <p style="text-align: center;"></p> <p style="text-align: center;"><strong>株式会社Voicy <br />法人ソリューション事業部 事業責任者&#160; &#160; &#160; <br />土井 遼平さん（写真左）</strong></p> <p style="text-align: center;">2012年にディップ株式会社へ入社。法人営業やマネジメント、新規事業など、約13年間にわたりHR領域で経験を積む。退職後、約8カ月にわたる海外滞在を経て株式会社Voicyへ参画。現在は、採用広報や社内コミュニケーションなど、HR領域を中心とした音声活用に取り組む。</p> <div style="text-align: center;"></div></div>
</div>
</div>
</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin179022812581651400 cparts-editsite--mainttl cparts-id002" id="cms-editor-textarea-sin179022812581656100">ラジオ、Podcast、ボイスメディア――広がる「音声」の選択肢</h2>
<div id="cms-editor-minieditor-sin179022811124716000" class="cms-content-parts-sin179022811124724400">
<p>Voicyは音声プラットフォーム「Voicy」を運営する音声テクノロジー企業だ。取材時点の会員登録者数は約280万人。ビジネス、ニュース、教育、子育てなど2000を超えるチャンネルがあり、個人に加えてメディアや企業も番組を持つ。個人パーソナリティには審査制を採用している。</p>
<p></p>
<p>法人領域では、石川さんが広告・ブランディングを、土井さんが採用広報や社内ラジオなどHR分野を中心に手掛けている。</p>
<p></p>
<p>石川さんがTOKYO FMで営業を担った20年余りは、radikoやタイムフリーの登場によって、ラジオの聴取環境が大きく変わった時期と重なる。</p>
<p></p>
<p>「20年以上ラジオの営業に携わってきましたが、その間にradikoやタイムフリーが登場し、聴取環境も広告のあり方も大きく変わりました。環境が変われば、当然、企業への提案も変わります。その時代の環境に照らしながら、音声だからできることは何かを考え続けてきました」（石川さん）</p>
<p></p>
<p>音声コンテンツの形も多様になった。制作チームがフォーマットに沿ってつくるラジオ番組、構成や演出を練り込むPodcast、話し手自身の語りを生かしてタイムリーに発信するボイスメディア。それぞれ、制作の思想も聴かれ方も異なる。</p>
<p></p>
<p>決められた時間にラジオをつけるだけでなく、自分で番組を選び、好きな時間に再生し、気になれば過去回まで遡る。コメントなどを介して話し手と交流することもできる。「放送を聴く」から、「自ら選び、継続して聴く」へ。音声の聴かれ方が変わったことで、企業が生活者や社員に働きかけられる時間帯も広がっている。</p>
<div></div>
</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin179022829330138900 cparts-editsite--mainttl cparts-id002" id="cms-editor-textarea-sin179022829330147200">動画全盛だからこそ、「耳」が空いている</h2>
<div id="cms-editor-minieditor-sin179022831143004200" class="cms-content-parts-sin179022831143013100">
<p>企業の情報発信において、動画活用はすでに特別な施策ではない。YouTubeやInstagram、TikTokなどを通じて、商品紹介から採用、企業ブランディングまで幅広く定着している。その状況を踏まえたうえで、石川さんは、むしろ動画が増えたからこそ音声に余地が生まれていると見る。</p>
<p></p>
<p>「企業の情報発信では、動画活用が当たり前になりました。ただ、動画が増えれば『動画疲れ』も出てきますし、一日の中で画面を見られる時間には限りがあります。一方で、耳にはまだ空いている時間がある。企業や広告会社が音声に目を向ける理由の一つは、そこだと思います」（石川さん）</p>
<p><img src="/images/learn/2609_Release/260924_onsei/images20260924143436.webp" width="900" height="600" alt="" /></p>
<p>通勤や移動、車の運転、料理や洗濯、散歩や運動。画面を見ることが難しい時間でも、音声なら情報に触れられる。実際、Voicyでは20～40代のビジネスパーソンが多く、「ながら聴き」を情報収集に取り入れている。</p>
<p></p>
<p>ディップで約13年間HR領域に携わった土井さんは、退職後にヨーロッパや米国などを巡り、日本とは異なる音声の浸透ぶりに驚いたという。</p>
<p></p>
<p>「海外では、レストランやホテルがSpotifyで番組を持っていたり、試合後に選手がPodcastで発信していたりする。観客が片耳でPodcastを聴きながらスポーツを観ている姿もありました。音声や&#8220;ながら聴き&#8221;が、特別なものではなく、日常の習慣として根づいている。そのことが強く印象に残りました」（土井さん）</p>
<p></p>
<p>企業から見れば、動画やテキストとは異なる生活時間にも情報を届けられることになる。音声への関心の高まりは、こうした聴取習慣の変化とも重なっている。</p>
<div></div>
</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin179022829683126300 cparts-editsite--mainttl cparts-id002" id="cms-editor-textarea-sin179022829683133500">音声は、再生数だけでは測れない</h2>
<div id="cms-editor-minieditor-sin179022830703223100" class="cms-content-parts-sin179022830703231000">
<p>企業による音声活用を考える際、再生数やリーチだけでは捉えにくい側面がある。Voicyは、こうした音声の価値を「共感深度」という言葉で捉えている。何人に接触したかだけでなく、継続聴取や再訪といった行動にも目を向ける考え方だ。</p>
<p></p>
<p>音声では、同じ話し手の声に繰り返し触れることができる。短期間のリーチとは異なり、考え方や人柄を、時間をかけて知ってもらえる点に特徴がある。メディアによって得意とする役割は異なる。</p>
<p></p>
<p>石川さんも、企業へ音声を提案する際には、この違いを最初に確認するという。</p>
<p></p>
<p>「単純に大きなリーチを取りたいのであれば、ほかの媒体を選んだ方がいいケースもあります。音声を選ぶ意味が出てくるのは、リーチの大きさだけではなく、企業や人への理解を、時間をかけて深めてもらいたい場合です」（石川さん）</p>
<p></p>
<p>デジタル音声では、再生数以外の行動も把握できる。どれだけ継続して聴かれているか、フォロワーがどう推移しているか、新しく聴き始めた人が再び訪れているか、といったデータである。例えばVoicyProでは、リスナー数や聴取時間帯、属性に加え、継続率やフォロワー推移、新規リスナーの再訪率なども確認できる。</p>
<p></p>
<p>石川さんが注目している指標の一つに、「バックカタログ再生率」がある。番組を知った人が最新回にとどまらず、過去の放送まで遡って聴いているかを見る指標で、番組への関心を捉える一つの材料になる。</p>
<p></p>
<p>再生数だけを追っていては、こうした聴取行動は見えてこない。継続聴取や再訪、過去回の再生まで見ることで、番組への関心を別の角度から捉えられる。企業が音声の成果を考える際には、こうした時間軸も一つの手掛かりになる。</p>
<div></div>
</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin179022829025411500 cparts-editsite--mainttl cparts-id002" id="cms-editor-textarea-sin179022829025418800">映像がないから、聴き手が考える</h2>
<div id="cms-editor-minieditor-sin179022830269403200" class="cms-content-parts-sin179022830269411500">
<p>音声と動画の違いは、情報量の多寡だけではない。石川さんが着目するのは、映像を持たないことによって生まれる「想像の余地」だ。</p>
<p></p>
<p>「テレビや動画では、発信する側が映像を見せます。一方、音声では、聴き手自身が頭の中でイメージをつくることになります。自分で一度考える過程が入る分、記憶にも残りやすいと思います」（石川さん）</p>
<p></p>
<p>商品の形や使い方を一目で示したいのであれば、映像の方が適している。しかし、音声には完成された「画」がない。言葉を聞きながら、自分なりに場面を思い描き、過去の経験や価値観と重ねる。視覚情報がない分、聴き手自身が解釈する余地が残されている。</p>
<p></p>
<p>経営者の判断の背景、社員が仕事に向き合う姿勢、会社が大切にする価値観。こうした目に見えにくい情報ほど、話し手自身の言葉で語る意味が出てくる。動画をそのまま音声に置き換えるのではない。どんなテーマなら、声で語る意味があるのか。そこから企画を組み立てることで、音声を選ぶ理由も明確になる。</p>
<div></div>
</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin179022828836123900 cparts-editsite--mainttl cparts-id002" id="cms-editor-textarea-sin179022828836131700">企業の印象は、「誰が話すか」で変わる</h2>
<div id="cms-editor-minieditor-sin179022829950160200" class="cms-content-parts-sin179022829950168400">
<p>音声では、「何を話すか」と同じくらい、「誰が話すか」が印象を左右する。石川さんは、長年のラジオ経験からそのことを実感してきた。</p>
<p></p>
<p>「テレビでは遠い存在に感じる人でも、日常的に声を聴いていると身近に感じるようになります。しかも、身近に感じるのはリスナー側だけではありません。パーソナリティも、お便りや反応を通じてリスナーを近い存在として感じるようになります」（石川さん）</p>
<p></p>
<p>声には、文字に置き換えきれない要素がある。話す速度、間の取り方、抑揚、笑い方。少し言葉を探す時間にも、その人らしさが表れる。Voicyでも、過度に整えすぎず、話し手らしさを残すことを重視している。</p>
<p></p>
<p>「営業のプレゼンでも、よどみなく整っているのに、なぜか心に残らないことがあります。一方で、本当に伝えたいことを自分の言葉で話している人の言葉は、多少言葉が整っていなくても耳に残る。Voicyでも、そうした話し手らしさを損なわないことを大切にしています」（石川さん）</p>
<p></p>
<p>企業の公式な情報に正確性が求められるのは当然である。しかし、整えられた言葉だけでは見えにくいものもある。肩書や企業名だけでは分からない、考え方や人柄が声には表れる。採用や社内コミュニケーションで音声が使われ始めている理由の一つが、ここにある。</p>
<div></div>
</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin179022812886550600 cparts-editsite--mainttl cparts-id002" id="cms-editor-textarea-sin179022812886557900">先に決めるのは、「番組」ではなく「目的」</h2>
<div id="cms-editor-minieditor-sin179022810463780000" class="cms-content-parts-sin179022810463787900">
<p>企業が音声を使うなら、番組の形式を考える前に目的を定めたい。採用なのか、社内コミュニケーションなのか、顧客との関係づくりなのか。目的によって、音声に担わせる役割は変わる。土井さんは、企業による音声活用を「採用ブランディング」「インナーブランディング」「サービスブランディング」の三つに整理する。</p>
<p></p>
<p>「企業での活用を整理すると、大きくは採用ブランディング、インナーブランディング、サービスブランディングの三つです。最近は特に、採用とインナーコミュニケーションの領域で相談が増えています。目的によって、番組の設計も変わります」（土井さん）</p>
<p><img src="/images/learn/2609_Release/260924_onsei/images20260924143440.webp" width="900" height="600" alt="" /></p>
<p>活用の形も、経営者や社員が語る採用広報、通勤や休憩時間に聴ける社内向け放送、顧客向けの企業チャンネルなどさまざまだ。それぞれ目的が異なる以上、話す人も、テーマも、配信頻度も、見るべき数字も変わる。話す人も、テーマも、配信頻度も、見るべき数字も変わる。音声を始めること自体が目的ではない。自社の課題に合わせて、話し手やテーマ、運用方法を設計する必要がある。</p>
<p></p>
<p>次回は「採用」を取り上げる。採用サイトや動画をはじめ、企業が候補者に提供する情報はかつてなく増えている。それでも、企業と候補者の間からミスマッチは消えていない。足りないのは、情報の「量」なのだろうか。次回、その問いを音声メディアの側から考える。</p>
<p><span style="font-weight: bolder;">▼「挑戦」を生むトレンドニュースを毎日掲載！</span><br />
<a href="https://japanstep.jp/">挑戦者のためのビジネスメディア『JapanStep』</a></p>
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<item rdf:about="https://japanstep.jp/learn/2026/09/2428/">
<title>事業の成長に、ブランドを追いつかせる。Hacobuが挑んだブランド変革【連載】Branding Shift ～変わる時代に、ブランドの本質を問う</title>
<link>https://japanstep.jp/learn/2026/09/2428/</link>
<description>




プロダクトの認知が先行する一方、企業としての思想や目指す姿が、事業の成長に比して十分に伝わらなくなる。成長の過程では、事業の実態と企業ブランドとの間に、そうしたずれが生じることがある。物流DXを手掛けるHacobuも、その課題に向き合った一社だ。2023年に実施したリブランディングは、半年ほどで終えるはずが約1年を要し、一時はプロジェクトそのものを見直すところまで議論が及んだ。議論を前へ進めたのは、目の前のロゴや言葉ではなく、「2035年にどんな会社でありたいか」という未来から考え直すことだった。変えるべきものと、守るべきものをどう見極めるのか。そして、ブランドをいかに事業の成長へ接続していくのか。変革を主導した執行役員CMOの森山美帆さんに、そのプロセスと現在地を聞いた。（文＝JMP総合プロデューサー 長谷川浩和）【連載一覧】Branding Shift ～変わる時代に、ブランドの本質を問う ▼「挑戦」を生むトレンドニュースを毎日掲載！ 挑戦者のためのビジネスメディア『JapanStep』 




お話を伺ったのは &#8230;

株式会社Hacobu 
執行役員CMOマーケティング・コミュニケーション本部 本部長
森山 美帆さん
学習院大学文学部英米文学科卒業後、出版社に入社。マーケティング、広告営業、経営企画、新規事業企画、コンサルティングなど幅広い業務を経験。2022年6月にHacobuへ参画し、PR担当として2023年のコーポレート・アイデンティティ刷新を含むリブランディングを推進。その後、マーケティング・広報の責任者などを経て、2026年6月より現職。現在はCMOとしてマーケティングとコミュニケーション領域を統括し、事業成長と企業ブランドの両面から、物流が抱える社会課題の解決に取り組む。




MOVOの成長が浮かび上がらせた、企業ブランドの課題




株式会社Hacobuは2015年創業。「運ぶを最適化する」をミッションに掲げ、企業間物流のDXに取り組んでいる。

事業の中核を担うのが、クラウド物流管理ソリューション「MOVO（ムーボ）」シリーズだ。トラック予約受付サービス「MOVO Berth」をはじめ、輸配送や車両、物流資材など、物流現場の生産性向上を支える複数のサービスを展開している。現在はSaaSに加え、コンサルティングやシステムインテグレーションも手掛けている。

Hacobuが向き合うのは、日本の物流に残る構造的な非効率だ。たとえば、ドライバーが物流拠点に到着してから荷役作業に入るまでの「荷待ち」。2022年当時は平均1時間34分で、その後改善は進んだものの、現在も約1時間の荷待ち時間が生じている。加えて、トラックの平均積載率は4割程度。深刻な人手不足に直面しながら、人や車両を十分に生かし切れていないという構造がある。

「ドライバーさんは荷物を積み込み・下ろすために長時間待っている一方で、トラックには空きが多い。限られた人員や車両をどう有効に使うかは、物流を持続可能なものにしていくうえで大きな課題です」（森山さん）

2026年4月には物流効率化法が全面施行され、一定規模以上の「特定荷主」には、中長期計画の作成・提出や物流統括管理者（CLO）の選任などが義務付けられた。物流は、現場だけの課題ではなく、経営が向き合うテーマへと位置づけを変えつつある。

Hacobuもまた、SaaSによる現場改善を起点に、物流戦略の策定やAI駆動型のシステムインテグレーションまで、支援領域を広げてきた。一方、森山さんが入社した2022年当時、その事業の広がりと企業ブランドの見え方は必ずしも一致していなかった。創業者で代表取締役社長CEOを務める佐々木太郎さんも、企業ブランドのあり方に課題意識を持っていたという。

「象徴的だったのが、会社名ではなく『MOVOさん』と呼ばれていたことです。プロダクトとしてのMOVOは認知され始めていた一方で、その背景にあるHacobuという会社や、私たちが目指していることまでは十分に伝わっていませんでした」（森山さん）

MOVOの認知が先行する一方、そのプロダクトを生み出したHacobuが、なぜ物流の社会課題に向き合い、どんな社会を実現しようとしているのかは見えにくかった。森山さんも入社前から、そこにコミュニケーション上の大きな課題と可能性を感じていたという。

「入社前の面接で佐々木から聞いたのは、企業間物流が抱える課題と、データを蓄積しながら新しい物流プラットフォームをつくり、社会課題の解決につなげていくという構想でした。その思いには強く共感した一方で、当時のホームページからは十分に伝わってこなかった。これだけ明確な大義があるのに、マーケティング・コミュニケーションに生かし切れていないことを、非常にもったいないと感じました」（森山さん）

事業の根底にある問題意識や大義は、すでに社内に存在していた。課題は、それを企業としての一貫したメッセージへ落とし込み、社外に伝わる形にすることだった。2022年に参画した森山さんは、その再設計を担うことになる。









ブランドの議論を動かした、2035年の「ありたい姿」




リブランディングの経緯を尋ねると、森山さんは、まずプロジェクトが停滞した過程から振り返った。当初は半年程度で完了する計画だったが、実際にはキックオフから約1年を要した。論点は、HacobuとMOVOの関係性から、企業として打ち出す革新性、物流現場で築いてきた親しみやすさ、さらにはロゴや言葉にまで及んだ。難しかったのは、どの論点にも数字だけで判断できる明快な正解がなかったことだ。

「デザインやコピーには唯一の正解がありません。合理性だけでなく、感性も含めて意思決定しなければならない。そこに最も時間をかけました」（森山さん）

議論を重ねるほど論点は複雑になり、プロジェクトは次第に停滞していった。一時は、リブランディングそのものを続けるべきか、改めて問い直すところまで至ったという。状況を変えたのは、経営陣が一度ブランドの議論から離れ、会社の未来そのものを考えるために設けた1日の合宿だった。

合宿には、現在Hacobuの社外取締役を務めるアスクル創業者の岩田彰一郎さんも参加した。
「岩田さんから『Hacobuは2035年にどんな会社になっていたいのか』と問われました。ロゴやコピーの細部を詰めていた私たちにとって、それは一度立ち止まるための問いでした」（森山さん）

議論の起点は、ロゴやデザインから経営の未来へと置き直された。2035年の「ありたい姿」を起点に、2030年、2025年へと時間軸を戻しながら、事業とブランドのあるべき姿を整理していった。

それまでの議論では、Hacobuという一つのブランドに、業界を変えていく「革新性」と、物流現場に寄り添う「現場感」の双方を盛り込もうとしていた。しかし、あらゆる価値を一つに集約しようとするほど、Hacobuらしさの焦点は定まりにくくなっていった。

「Hacobuには業界を変えていく革新性を持たせたい。一方で、MOVOが培ってきた現場への近さや顧客第一の姿勢も失いたくない。当初はそれを一つのブランドで表現しようとして、議論が複雑になっていました。2035年のありたい姿から事業を捉え直したことで、それぞれが担うべき役割が明確になりました」（森山さん）

合宿を行ったのは2023年1月。そこから5月の発表までは一気に進んだという。半年以上続いた議論は、ブランドの表現から経営の未来へと視点を移したことで、ようやく動き始めた。何をどう見せるかを決める前に、経営として目指す場所を定める。その合意が、HacobuとMOVOそれぞれのブランドを設計する基準になった。









企業の志と、プロダクトの価値を分けて育てる




2035年の姿から事業を捉え直すなかで、HacobuとMOVOの関係も整理された。企業ブランドであるHacobuには、業界を変え、社会課題の解決を目指す「イノベーター」としての役割を持たせる。

一方、プロダクトブランドであるMOVOが担うのは、物流現場に寄り添い、顧客の課題を解決すること。「現場第一」「顧客第一」という、これまで培ってきた価値はMOVOに残した。

「Hacobuは、業界変革や社会課題の解決に向かう企業ブランド。一方のMOVOは、物流現場に寄り添い、お客様の課題を解決するプロダクトブランド。それぞれが担う価値を明確に分けたことで、ブランド全体を整理できるようになりました」（森山さん）

役割を分ける一方で、両者を貫く軸は変えなかった。創業以来のミッションである「運ぶを最適化する」だ。リブランディングでHacobuが先に明確にしたのは、新しく何を加えるかではなく、何を変えないかだった。その軸が定まったことで、事業の成長に合わせて変えるべきものと、守るべきものを切り分けられるようになった。

社内のValuesも、その考え方の中でつくり直した。現在掲げる「7 Values」は、経営陣が完成品を提示したものではない。社員とのワークショップを重ね、「Hacobuらしい価値観とは何か」を一緒に言語化していった。

「大切にしたのは、ブランドの主語を&#8220;I&#8221;ではなく&#8220;We&#8221;にすることです。経営側が決めた価値観を一方的に浸透させるのではなく、社員自身が『これがHacobuらしい』と語れるものにしたい。そのため、Valuesは社員とのワークショップを通じて再定義しました」（森山さん）

もっとも、社員とともにつくるプロセスを踏んでも、長く親しんできたブランドへの愛着がなくなるわけではない。以前のHacobuには、親しみやすいキャラクターを中心としたブランドイメージが根づいており、その刷新に戸惑う声もあったという。

さらに当時はリモートワークが中心だった。森山さんは、社内に変革の機運をつくるという点では、「もっとできることがあった」と振り返っている。

「社員と一緒につくるプロセスは大切です。一方で、ブランドには全員が完全に納得する一つの正解があるわけではありません。十分に議論したうえで、最後は経営として意思決定する。その重要性も学びました」（森山さん）

社員との対話を尽くすことと、経営として意思決定することは両立する。とりわけブランドのように唯一の正解がないテーマでは、その最後の判断を誰が引き受けるのかまで含めて、経営の仕事になる。









経営の意志を、すべての接点へ




2023年5月、Hacobuはコーポレート・アイデンティティを刷新した。対象はロゴやWebサイトに限らない。Belief、Vision、Valuesを整理し、キービジュアル、オウンドメディア、広報、広告、採用サイトまで、会社から発信される情報を横断的に見直していった。森山さんが重視したのは、ブランドを個々の制作物ではなく、企業が発する情報全体として設計することだった。

「リブランディングをロゴやWebサイトの刷新で終わらせず、MissionやVisionから広報、広告、採用まで、あらゆる接点でHacobuの大義が一貫して伝わる状態をつくることを重視しました」（森山さん）

新たなBeliefとして掲げたのは、「Data-Driven Logistics&#174;が社会課題を解決する」。Hacobuの強みである「現場力」「データ活用」「コンサルティング力」を軸に、物流の社会課題と企業課題の双方に向き合う姿勢を明確にした。

ビジュアルでも課題は同じだった。トラックや倉庫といった物流現場のイメージに寄せすぎれば、Hacobuが目指す変革性は伝わりにくい。一方で、先進性を強調しすぎれば現場との距離が生まれる。そのバランスを、言葉だけでなくビジュアルの細部にも反映した。

CI刷新の直後、物流を取り巻く社会環境も大きく動いた。2023年6月、政府は「物流革新に向けた政策パッケージ」を取りまとめた。「2024年問題」が広く語られるようになり、物流は現場や物流部門だけでなく、経営課題としても認識されるようになっていく。

Hacobuはこの機を捉え、「物流を経営アジェンダに」というメッセージを積極的に発信していく。象徴的だったのが、「物流2024年問題」をテーマにした企業広告である。

「まだ、『空気』を運んでいるの？」
「1時間34分。ドライバーが待つ時間。」

特徴的なのは、MOVOの機能を訴求するのではなく、物流が抱える社会課題そのものを広告の主題に据えたことだ。まず物流の現実を可視化し、それを企業や社会が向き合うべきテーマとして提示する。リブランディングで定めた「社会課題を解決する企業」というHacobuの立ち位置が、広告表現にもそのまま貫かれている。
&#160;　&#160;
「物流を社会アジェンダ化することで、山積する物流課題を解決したい」。Hacobuがそう位置づけた広告シリーズは、「第10回（2024年）日経BP Marketing Awards」で金賞を受賞。さらに「第66回 日本雑誌広告賞」でもシリーズ広告部門の金賞に選ばれた。森山さんがブランド浸透の手応えとして挙げるのは、むしろ顧客の言葉の変化だ。

「データドリブンロジスティクス」や「物流を経営アジェンダ化する」といった言葉を、顧客が使う場面も増えてきたという。企業が発信してきた言葉が、相手の語彙として使われ始める。森山さんが感じているのは、認知率だけでは測れないブランドの浸透である。

その変化は、ビジネスの指標にも表れている。

「私が入社し、リブランディングを進めて以降、Webのセッション数や商談につながるリードは数倍に増えています。ただ、これはブランドだけの成果ではありません。法改正という社会環境の変化や、営業をはじめとする各部門の取り組みが重なった結果です。そのうえで、リブランディングには事業を加速させる力があると実感しています」（森山さん）

物流への社会的関心が急速に高まる前に、Hacobuは企業としての立ち位置と言葉を整えていた。広報、広告、営業、採用が共通の軸を持った状態で、社会環境の変化を迎えられたことは、その後の事業展開にとっても大きかった。

採用活動でも、書籍や交通広告、採用サイトなどを通じて企業の考え方に触れる機会が増え、スタートアップにとって大きな壁となる「知られていない」という状態の改善につながっているという。

もっとも、リブランディングから約3年を経た現在も、ブランドを「完成したもの」とは捉えていない。一般層におけるHacobuの認知と、顧客が抱くブランドイメージ。その双方を定点で調査し続けている。目指すのは、「SaaSの現場改善ツールを持つ会社」という認知にとどまらない。Hacobuは経営者やCLO、物流部門の変革に伴走するパートナーへ、MOVOはドライバーをはじめとする物流現場を支えるブランドへ。それぞれの役割に即した認知を、今後さらに広げていく考えだ。

「目指す認知には、まだ距離があります。だからこそ、定点で調査しながら、どこまで変化しているのかを見続けています」（森山さん）









機能が似る時代に、ブランドは何を担うのか



企業間物流のブランドづくりを難しくするのは、ステークホルダーの多さでもある。メーカー、卸、小売、物流事業者に加え、経営層、CLO、物流部門、現場のセンター長やドライバーまで、Hacobuが向き合う相手は幅広い。それぞれに課題も関心も異なり、単一のメッセージですべてを語ることはできない。多様な相手にブランドを浸透させるうえで、森山さんが重視するのは、一貫したメッセージを届け続けることだ。 「BtoBのブランドづくりは、一度の施策で大きく変わるものではありません。接点が変わっても、企業として伝えるべきメッセージを一貫させ、それを継続して届けていくことが重要だと思っています」（森山さん） 広告、オウンドメディア、顧客事例と接点は変わっても、その根底にあるメッセージは揃える。その重要性は、AIによって機能的な差が見えにくくなるほど増していくと森山さんは考えている。 製品やサービスの機能は比較しやすくなり、類似した機能を持つサービスも増える。情報収集から比較、推薦までをAIが担うようになれば、企業は人への訴求だけでなく、AIによる評価や推薦も意識する必要が出てくる。同時に、機能的価値だけで差をつくることは一段と難しくなる。 「AIに選ばれ、推薦されることは、これからますます重要になると思います。一方で、機能的な価値がコモディティ化していくほど、最後に人の意思決定を動かすのは、その企業が何を信じ、どんな社会を実現しようとしているのかという思いではないでしょうか。だからこそ、企業が持つ熱量まで伝わるコミュニケーションが重要になると考えています」（森山さん） AIの影響は、広報やマーケティングの仕事そのものにも及ぶ。プレスリリースの作成をはじめ、定型的な業務をAIが担う場面は今後さらに増えるだろう。その変化を、森山さんは必ずしもネガティブには捉えていない。 「AIが定型的な仕事を担ってくれるなら、その分、お客様、メディアやパートナーの方に会い、一次情報を取りに行くことに時間を使える。むしろ、人にしかできない仕事へ集中できるようになると捉えています」（森山さん） 森山さんが、人に残る仕事として重視するのは、一次情報に触れ、人と人との関係を築き、異なる立場をつなぎながら周囲を巻き込んでいくことだ。前職の出版社時代から培ってきた、複数の論点を整理して一つのメッセージへ編み上げる思考も、現在のCMOとしての仕事に生きている。 Hacobu自身も、物流領域でのAI活用をすでに進めている。10年にわたり蓄積してきた物流データや現場の知見を活用し、配車や入出荷、計画策定などをAIで支援する。物流効率化法で特定荷主に求められる中長期計画の策定を支援するAIエージェントも提供している。 ただし、AIの機能を用意するだけで物流現場が変わるわけではない。デジタル化の過程でも、新しい仕組みを受け入れるまでには心理的な壁があった。AIでも、技術を導入する側が「自分の仕事にどんな意味があるのか」を理解できなければ、定着は難しい。 「AIを使うことで仕事がどう変わり、現場がどう良くなるのか。その未来を、自分の仕事に引きつけてイメージしてもらうことも、マーケティングの役割だと思っています」（森山さん） AIによって、物流の現場も、マーケティングの仕事も大きく変わろうとしている。そのなかでも、Hacobuが創業以来掲げてきた「運ぶを最適化する」というミッションは変わらない。 「マーケティングは、ともすればリードをどう獲得するかという話になりがちです。もちろん、それも重要です。ただ、その前提には、物流の現場をどう良くしたいのか、社会にどんな変化をつくりたいのかという私たちの意志がある。そこは、これからも外さずにいたいと思っています」（森山さん） 2035年の「ありたい姿」から逆算し、変えるものと残すものを見定めたHacobu。2023年5月のCI刷新を経ても、そのブランドづくりは続いている。 ▼「挑戦」を生むトレンドニュースを毎日掲載！ 挑戦者のためのビジネスメディア『JapanStep』 



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<dc:category rdf:resource="https://japanstep.jp/learn/category/43">ビジネス</dc:category>
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<dc:date>2026-09-25T07:00:00+09:00</dc:date>
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<div class="cms-content-parts-sin177991852759300400 box cparts-id403--01 lay-margin-b--3" data-selectable="cparts-animate cparts-animate--slideInUp:上へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInDown:下へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInLeft:左へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInRight:右へスライド">
<div class="lay-row">
<div class="cparts-img-block lay-img-width--max lay-col12-xs-12"><a href="https://japanstep.jp/learn/category/221/" rel="otherurl" title="" style="text-decoration: none;"><img id="cms-editor-image-sin177991852759306900" class="cparts-editsite--img cms-easy-edit" alt="" src="/images/popularity/BrandingShift_JMP.webp" width="675" title="" name="" /></a></div>
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<div id="cms-editor-minieditor-sin177984857715836700" class="cms-content-parts-sin177984857715844500"><p>プロダクトの認知が先行する一方、企業としての思想や目指す姿が、事業の成長に比して十分に伝わらなくなる。成長の過程では、事業の実態と企業ブランドとの間に、そうしたずれが生じることがある。物流DXを手掛けるHacobuも、その課題に向き合った一社だ。2023年に実施したリブランディングは、半年ほどで終えるはずが約1年を要し、一時はプロジェクトそのものを見直すところまで議論が及んだ。議論を前へ進めたのは、目の前のロゴや言葉ではなく、「2035年にどんな会社でありたいか」という未来から考え直すことだった。変えるべきものと、守るべきものをどう見極めるのか。そして、ブランドをいかに事業の成長へ接続していくのか。変革を主導した執行役員CMOの森山美帆さんに、そのプロセスと現在地を聞いた。（文＝JMP総合プロデューサー 長谷川浩和）</p><p><a href="https://japanstep.jp/learn/category/221/">【連載一覧】Branding Shift ～変わる時代に、ブランドの本質を問う</a></p> <p><strong>▼「挑戦」を生むトレンドニュースを毎日掲載！</strong><br /> <a href="https://japanstep.jp/">挑戦者のためのビジネスメディア『JapanStep』</a></p> <p></p> <div></div></div>
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<p style="text-align: center;">お話を伺ったのは &#8230;</p>
<p style="text-align: center;"><img src="/images/learn/2609_Release/260914_hacobu/images20260914103506.webp" width="900" height="600" alt="" /></p>
<p style="text-align: center;"><b>株式会社Hacobu <br />
執行役員CMOマーケティング・コミュニケーション本部 本部長</b><br />
<b>森山 美帆さん</b></p>
<div style="text-align: center;">学習院大学文学部英米文学科卒業後、出版社に入社。マーケティング、広告営業、経営企画、新規事業企画、コンサルティングなど幅広い業務を経験。2022年6月にHacobuへ参画し、PR担当として2023年のコーポレート・アイデンティティ刷新を含むリブランディングを推進。その後、マーケティング・広報の責任者などを経て、2026年6月より現職。現在はCMOとしてマーケティングとコミュニケーション領域を統括し、事業成長と企業ブランドの両面から、物流が抱える社会課題の解決に取り組む。</div>
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<h2 class="cms-content-parts-sin178304523104023100 cparts-editsite--mainttl" id="cms-editor-textarea-sin178304523104028800">MOVOの成長が浮かび上がらせた、企業ブランドの課題</h2>
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<p>株式会社Hacobuは2015年創業。「運ぶを最適化する」をミッションに掲げ、企業間物流のDXに取り組んでいる。</p>
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<p>事業の中核を担うのが、クラウド物流管理ソリューション「MOVO（ムーボ）」シリーズだ。トラック予約受付サービス「MOVO Berth」をはじめ、輸配送や車両、物流資材など、物流現場の生産性向上を支える複数のサービスを展開している。現在はSaaSに加え、コンサルティングやシステムインテグレーションも手掛けている。</p>
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<p>Hacobuが向き合うのは、日本の物流に残る構造的な非効率だ。たとえば、ドライバーが物流拠点に到着してから荷役作業に入るまでの「荷待ち」。2022年当時は平均1時間34分で、その後改善は進んだものの、現在も約1時間の荷待ち時間が生じている。加えて、トラックの平均積載率は4割程度。深刻な人手不足に直面しながら、人や車両を十分に生かし切れていないという構造がある。</p>
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<p>「ドライバーさんは荷物を積み込み・下ろすために長時間待っている一方で、トラックには空きが多い。限られた人員や車両をどう有効に使うかは、物流を持続可能なものにしていくうえで大きな課題です」（森山さん）</p>
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<p>2026年4月には物流効率化法が全面施行され、一定規模以上の「特定荷主」には、中長期計画の作成・提出や物流統括管理者（CLO）の選任などが義務付けられた。物流は、現場だけの課題ではなく、経営が向き合うテーマへと位置づけを変えつつある。</p>
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<p>Hacobuもまた、SaaSによる現場改善を起点に、物流戦略の策定やAI駆動型のシステムインテグレーションまで、支援領域を広げてきた。一方、森山さんが入社した2022年当時、その事業の広がりと企業ブランドの見え方は必ずしも一致していなかった。創業者で代表取締役社長CEOを務める佐々木太郎さんも、企業ブランドのあり方に課題意識を持っていたという。</p>
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<p>「象徴的だったのが、会社名ではなく『MOVOさん』と呼ばれていたことです。プロダクトとしてのMOVOは認知され始めていた一方で、その背景にあるHacobuという会社や、私たちが目指していることまでは十分に伝わっていませんでした」（森山さん）</p>
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<p>MOVOの認知が先行する一方、そのプロダクトを生み出したHacobuが、なぜ物流の社会課題に向き合い、どんな社会を実現しようとしているのかは見えにくかった。森山さんも入社前から、そこにコミュニケーション上の大きな課題と可能性を感じていたという。</p>
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<p>「入社前の面接で佐々木から聞いたのは、企業間物流が抱える課題と、データを蓄積しながら新しい物流プラットフォームをつくり、社会課題の解決につなげていくという構想でした。その思いには強く共感した一方で、当時のホームページからは十分に伝わってこなかった。これだけ明確な大義があるのに、マーケティング・コミュニケーションに生かし切れていないことを、非常にもったいないと感じました」（森山さん）</p>
<p><img src="/images/learn/2609_Release/260914_hacobu/images20260914103458.webp" width="900" height="600" alt="" /></p>
<p>事業の根底にある問題意識や大義は、すでに社内に存在していた。課題は、それを企業としての一貫したメッセージへ落とし込み、社外に伝わる形にすることだった。2022年に参画した森山さんは、その再設計を担うことになる。</p>
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<div class="lay-col12-xs-12 lay-col12-md-12 lay-col12-lg-12">
<div class="cparts-editsite--txt cparts-txt-block lay-reset-child" id="cms-editor-minieditor-sin178935003703018500">
<p>リブランディングの経緯を尋ねると、森山さんは、まずプロジェクトが停滞した過程から振り返った。当初は半年程度で完了する計画だったが、実際にはキックオフから約1年を要した。論点は、HacobuとMOVOの関係性から、企業として打ち出す革新性、物流現場で築いてきた親しみやすさ、さらにはロゴや言葉にまで及んだ。難しかったのは、どの論点にも数字だけで判断できる明快な正解がなかったことだ。</p>
<p></p>
<p>「デザインやコピーには唯一の正解がありません。合理性だけでなく、感性も含めて意思決定しなければならない。そこに最も時間をかけました」（森山さん）</p>
<p></p>
<p>議論を重ねるほど論点は複雑になり、プロジェクトは次第に停滞していった。一時は、リブランディングそのものを続けるべきか、改めて問い直すところまで至ったという。状況を変えたのは、経営陣が一度ブランドの議論から離れ、会社の未来そのものを考えるために設けた1日の合宿だった。</p>
<p></p>
<p>合宿には、現在Hacobuの社外取締役を務めるアスクル創業者の岩田彰一郎さんも参加した。</p>
<p>「岩田さんから『Hacobuは2035年にどんな会社になっていたいのか』と問われました。ロゴやコピーの細部を詰めていた私たちにとって、それは一度立ち止まるための問いでした」（森山さん）</p>
<p></p>
<p>議論の起点は、ロゴやデザインから経営の未来へと置き直された。2035年の「ありたい姿」を起点に、2030年、2025年へと時間軸を戻しながら、事業とブランドのあるべき姿を整理していった。</p>
<p></p>
<p>それまでの議論では、Hacobuという一つのブランドに、業界を変えていく「革新性」と、物流現場に寄り添う「現場感」の双方を盛り込もうとしていた。しかし、あらゆる価値を一つに集約しようとするほど、Hacobuらしさの焦点は定まりにくくなっていった。</p>
<p></p>
<p>「Hacobuには業界を変えていく革新性を持たせたい。一方で、MOVOが培ってきた現場への近さや顧客第一の姿勢も失いたくない。当初はそれを一つのブランドで表現しようとして、議論が複雑になっていました。2035年のありたい姿から事業を捉え直したことで、それぞれが担うべき役割が明確になりました」（森山さん）</p>
<p></p>
<p>合宿を行ったのは2023年1月。そこから5月の発表までは一気に進んだという。半年以上続いた議論は、ブランドの表現から経営の未来へと視点を移したことで、ようやく動き始めた。何をどう見せるかを決める前に、経営として目指す場所を定める。その合意が、HacobuとMOVOそれぞれのブランドを設計する基準になった。</p>
<div></div>
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<p></p>
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</div>
</div>
</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin178304536456998500 cparts-editsite--mainttl" id="cms-editor-textarea-sin178304536457003700">企業の志と、プロダクトの価値を分けて育てる</h2>
<div class="cms-content-parts-sin178935003185098600 cparts-id119 lay-margin-b--3 box" data-selectable="cparts-animate cparts-animate--slideInUp:上へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInDown:下へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInLeft:左へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInRight:右へスライド">
<div class="lay-row">
<div class="lay-col12-xs-12 lay-col12-md-12 lay-col12-lg-12">
<div class="cparts-editsite--txt cparts-txt-block lay-reset-child" id="cms-editor-minieditor-sin178935003185075700">
<p>2035年の姿から事業を捉え直すなかで、HacobuとMOVOの関係も整理された。企業ブランドであるHacobuには、業界を変え、社会課題の解決を目指す「イノベーター」としての役割を持たせる。</p>
<p></p>
<p>一方、プロダクトブランドであるMOVOが担うのは、物流現場に寄り添い、顧客の課題を解決すること。「現場第一」「顧客第一」という、これまで培ってきた価値はMOVOに残した。</p>
<p></p>
<p>「Hacobuは、業界変革や社会課題の解決に向かう企業ブランド。一方のMOVOは、物流現場に寄り添い、お客様の課題を解決するプロダクトブランド。それぞれが担う価値を明確に分けたことで、ブランド全体を整理できるようになりました」（森山さん）</p>
<p><img src="/images/learn/2609_Release/260914_hacobu/images20260914103502.webp" width="900" height="600" alt="" /></p>
<p>役割を分ける一方で、両者を貫く軸は変えなかった。創業以来のミッションである「運ぶを最適化する」だ。リブランディングでHacobuが先に明確にしたのは、新しく何を加えるかではなく、何を変えないかだった。その軸が定まったことで、事業の成長に合わせて変えるべきものと、守るべきものを切り分けられるようになった。</p>
<p></p>
<p>社内のValuesも、その考え方の中でつくり直した。現在掲げる「7 Values」は、経営陣が完成品を提示したものではない。社員とのワークショップを重ね、「Hacobuらしい価値観とは何か」を一緒に言語化していった。</p>
<p></p>
<p>「大切にしたのは、ブランドの主語を&#8220;I&#8221;ではなく&#8220;We&#8221;にすることです。経営側が決めた価値観を一方的に浸透させるのではなく、社員自身が『これがHacobuらしい』と語れるものにしたい。そのため、Valuesは社員とのワークショップを通じて再定義しました」（森山さん）</p>
<p></p>
<p>もっとも、社員とともにつくるプロセスを踏んでも、長く親しんできたブランドへの愛着がなくなるわけではない。以前のHacobuには、親しみやすいキャラクターを中心としたブランドイメージが根づいており、その刷新に戸惑う声もあったという。</p>
<p></p>
<p>さらに当時はリモートワークが中心だった。森山さんは、社内に変革の機運をつくるという点では、「もっとできることがあった」と振り返っている。</p>
<p></p>
<p>「社員と一緒につくるプロセスは大切です。一方で、ブランドには全員が完全に納得する一つの正解があるわけではありません。十分に議論したうえで、最後は経営として意思決定する。その重要性も学びました」（森山さん）</p>
<p></p>
<p>社員との対話を尽くすことと、経営として意思決定することは両立する。とりわけブランドのように唯一の正解がないテーマでは、その最後の判断を誰が引き受けるのかまで含めて、経営の仕事になる。</p>
<div></div>
<div></div>
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<p></p>
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</div>
</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin178935010340543400 cparts-editsite--mainttl" id="cms-editor-textarea-sin178935010340550900">経営の意志を、すべての接点へ</h2>
<div class="cms-content-parts-sin178935010576622000 cparts-id119 lay-margin-b--3 box" data-selectable="cparts-animate cparts-animate--slideInUp:上へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInDown:下へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInLeft:左へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInRight:右へスライド">
<div class="lay-row">
<div class="lay-col12-xs-12 lay-col12-md-12 lay-col12-lg-12">
<div class="cparts-editsite--txt cparts-txt-block lay-reset-child" id="cms-editor-minieditor-sin178935010576599200">
<p>2023年5月、Hacobuはコーポレート・アイデンティティを刷新した。対象はロゴやWebサイトに限らない。Belief、Vision、Valuesを整理し、キービジュアル、オウンドメディア、広報、広告、採用サイトまで、会社から発信される情報を横断的に見直していった。森山さんが重視したのは、ブランドを個々の制作物ではなく、企業が発する情報全体として設計することだった。</p>
<p></p>
<p>「リブランディングをロゴやWebサイトの刷新で終わらせず、MissionやVisionから広報、広告、採用まで、あらゆる接点でHacobuの大義が一貫して伝わる状態をつくることを重視しました」（森山さん）</p>
<p></p>
<p>新たなBeliefとして掲げたのは、「Data-Driven Logistics&#174;が社会課題を解決する」。Hacobuの強みである「現場力」「データ活用」「コンサルティング力」を軸に、物流の社会課題と企業課題の双方に向き合う姿勢を明確にした。</p>
<p></p>
<p>ビジュアルでも課題は同じだった。トラックや倉庫といった物流現場のイメージに寄せすぎれば、Hacobuが目指す変革性は伝わりにくい。一方で、先進性を強調しすぎれば現場との距離が生まれる。そのバランスを、言葉だけでなくビジュアルの細部にも反映した。</p>
<p></p>
<p>CI刷新の直後、物流を取り巻く社会環境も大きく動いた。2023年6月、政府は「物流革新に向けた政策パッケージ」を取りまとめた。「2024年問題」が広く語られるようになり、物流は現場や物流部門だけでなく、経営課題としても認識されるようになっていく。</p>
<p></p>
<p>Hacobuはこの機を捉え、「物流を経営アジェンダに」というメッセージを積極的に発信していく。象徴的だったのが、「物流2024年問題」をテーマにした企業広告である。</p>
<p></p>
<p>「まだ、『空気』を運んでいるの？」<br />
「1時間34分。ドライバーが待つ時間。」</p>
<p></p>
<p>特徴的なのは、MOVOの機能を訴求するのではなく、物流が抱える社会課題そのものを広告の主題に据えたことだ。まず物流の現実を可視化し、それを企業や社会が向き合うべきテーマとして提示する。リブランディングで定めた「社会課題を解決する企業」というHacobuの立ち位置が、広告表現にもそのまま貫かれている。</p>
<p style="text-align: center;"><img src="/images/learn/2609_Release/260914_hacobu/Untitled-2-4.webp" width="400" height="537" alt="" /><img src="/images/learn/2609_Release/260914_hacobu/Untitled-3-2.webp" width="400" height="537" alt="" />&#160;　&#160;</p>
<p>「物流を社会アジェンダ化することで、山積する物流課題を解決したい」。Hacobuがそう位置づけた広告シリーズは、「第10回（2024年）日経BP Marketing Awards」で金賞を受賞。さらに「第66回 日本雑誌広告賞」でもシリーズ広告部門の金賞に選ばれた。森山さんがブランド浸透の手応えとして挙げるのは、むしろ顧客の言葉の変化だ。</p>
<p></p>
<p>「データドリブンロジスティクス」や「物流を経営アジェンダ化する」といった言葉を、顧客が使う場面も増えてきたという。企業が発信してきた言葉が、相手の語彙として使われ始める。森山さんが感じているのは、認知率だけでは測れないブランドの浸透である。</p>
<p></p>
<p>その変化は、ビジネスの指標にも表れている。</p>
<p></p>
<p>「私が入社し、リブランディングを進めて以降、Webのセッション数や商談につながるリードは数倍に増えています。ただ、これはブランドだけの成果ではありません。法改正という社会環境の変化や、営業をはじめとする各部門の取り組みが重なった結果です。そのうえで、リブランディングには事業を加速させる力があると実感しています」（森山さん）</p>
<p><img src="/images/learn/2609_Release/260914_hacobu/images20260914103451.webp" width="900" height="600" alt="" /></p>
<p>物流への社会的関心が急速に高まる前に、Hacobuは企業としての立ち位置と言葉を整えていた。広報、広告、営業、採用が共通の軸を持った状態で、社会環境の変化を迎えられたことは、その後の事業展開にとっても大きかった。</p>
<p></p>
<p>採用活動でも、書籍や交通広告、採用サイトなどを通じて企業の考え方に触れる機会が増え、スタートアップにとって大きな壁となる「知られていない」という状態の改善につながっているという。</p>
<p></p>
<p>もっとも、リブランディングから約3年を経た現在も、ブランドを「完成したもの」とは捉えていない。一般層におけるHacobuの認知と、顧客が抱くブランドイメージ。その双方を定点で調査し続けている。目指すのは、「SaaSの現場改善ツールを持つ会社」という認知にとどまらない。Hacobuは経営者やCLO、物流部門の変革に伴走するパートナーへ、MOVOはドライバーをはじめとする物流現場を支えるブランドへ。それぞれの役割に即した認知を、今後さらに広げていく考えだ。</p>
<p></p>
<p>「目指す認知には、まだ距離があります。だからこそ、定点で調査しながら、どこまで変化しているのかを見続けています」（森山さん）</p>
<div></div>
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<p></p>
</div>
</div>
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</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin178935014302174700 cparts-editsite--mainttl" id="cms-editor-textarea-sin178935014302182400">機能が似る時代に、ブランドは何を担うのか</h2>
<div class="cms-content-parts-sin178935014609519800 cparts-id119 lay-margin-b--3 box" data-selectable="cparts-animate cparts-animate--slideInUp:上へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInDown:下へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInLeft:左へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInRight:右へスライド">
<div class="lay-row">
<div class="lay-col12-xs-12 lay-col12-md-12 lay-col12-lg-12">
<div class="cparts-editsite--txt cparts-txt-block lay-reset-child" id="cms-editor-minieditor-sin178935014609495900"><p>企業間物流のブランドづくりを難しくするのは、ステークホルダーの多さでもある。メーカー、卸、小売、物流事業者に加え、経営層、CLO、物流部門、現場のセンター長やドライバーまで、Hacobuが向き合う相手は幅広い。それぞれに課題も関心も異なり、単一のメッセージですべてを語ることはできない。多様な相手にブランドを浸透させるうえで、森山さんが重視するのは、一貫したメッセージを届け続けることだ。</p> <p></p> <p>「BtoBのブランドづくりは、一度の施策で大きく変わるものではありません。接点が変わっても、企業として伝えるべきメッセージを一貫させ、それを継続して届けていくことが重要だと思っています」（森山さん）</p> <p></p> <p>広告、オウンドメディア、顧客事例と接点は変わっても、その根底にあるメッセージは揃える。その重要性は、AIによって機能的な差が見えにくくなるほど増していくと森山さんは考えている。</p> <p></p> <p>製品やサービスの機能は比較しやすくなり、類似した機能を持つサービスも増える。情報収集から比較、推薦までをAIが担うようになれば、企業は人への訴求だけでなく、AIによる評価や推薦も意識する必要が出てくる。同時に、機能的価値だけで差をつくることは一段と難しくなる。</p> <p></p> <p>「AIに選ばれ、推薦されることは、これからますます重要になると思います。一方で、機能的な価値がコモディティ化していくほど、最後に人の意思決定を動かすのは、その企業が何を信じ、どんな社会を実現しようとしているのかという思いではないでしょうか。だからこそ、企業が持つ熱量まで伝わるコミュニケーションが重要になると考えています」（森山さん）</p> <p></p> <p>AIの影響は、広報やマーケティングの仕事そのものにも及ぶ。プレスリリースの作成をはじめ、定型的な業務をAIが担う場面は今後さらに増えるだろう。その変化を、森山さんは必ずしもネガティブには捉えていない。</p> <p></p> <p>「AIが定型的な仕事を担ってくれるなら、その分、お客様、メディアやパートナーの方に会い、一次情報を取りに行くことに時間を使える。むしろ、人にしかできない仕事へ集中できるようになると捉えています」（森山さん）</p> <p></p> <p>森山さんが、人に残る仕事として重視するのは、一次情報に触れ、人と人との関係を築き、異なる立場をつなぎながら周囲を巻き込んでいくことだ。前職の出版社時代から培ってきた、複数の論点を整理して一つのメッセージへ編み上げる思考も、現在のCMOとしての仕事に生きている。</p> <p></p> <p>Hacobu自身も、物流領域でのAI活用をすでに進めている。10年にわたり蓄積してきた物流データや現場の知見を活用し、配車や入出荷、計画策定などをAIで支援する。物流効率化法で特定荷主に求められる中長期計画の策定を支援するAIエージェントも提供している。</p> <p></p> <p>ただし、AIの機能を用意するだけで物流現場が変わるわけではない。デジタル化の過程でも、新しい仕組みを受け入れるまでには心理的な壁があった。AIでも、技術を導入する側が「自分の仕事にどんな意味があるのか」を理解できなければ、定着は難しい。</p> <p></p> <p>「AIを使うことで仕事がどう変わり、現場がどう良くなるのか。その未来を、自分の仕事に引きつけてイメージしてもらうことも、マーケティングの役割だと思っています」（森山さん）</p> <p></p> <p>AIによって、物流の現場も、マーケティングの仕事も大きく変わろうとしている。そのなかでも、Hacobuが創業以来掲げてきた「運ぶを最適化する」というミッションは変わらない。</p> <p></p> <p>「マーケティングは、ともすればリードをどう獲得するかという話になりがちです。もちろん、それも重要です。ただ、その前提には、物流の現場をどう良くしたいのか、社会にどんな変化をつくりたいのかという私たちの意志がある。そこは、これからも外さずにいたいと思っています」（森山さん）</p> <p></p> <p>2035年の「ありたい姿」から逆算し、変えるものと残すものを見定めたHacobu。2023年5月のCI刷新を経ても、そのブランドづくりは続いている。</p> <p><img src="/images/learn/2609_Release/260914_hacobu/images20260914103510.webp" width="900" height="599" alt="" /></p> <p><span style="font-weight: bolder;">▼「挑戦」を生むトレンドニュースを毎日掲載！</span><br /> <a href="https://japanstep.jp/">挑戦者のためのビジネスメディア『JapanStep』</a></p><div id="cms-editor-minieditor-sin177991835184007900" class="cms-content-parts-sin177991835184018300"></div> <div></div> <div></div> <div></div> <div></div> <p></p></div>
</div>
</div>
</div>
<div id="cms-editor-minieditor-sin177984859572129900" class="cms-content-parts-sin177984859572138800"></div>
]]></content:encoded>
</item>

<item rdf:about="https://japanstep.jp/learn/2026/09/2249/">
<title>地域の納得なくして、DMOは動かない【連載】DMO進化論～今こそ観光を民主化せよ（第3回）</title>
<link>https://japanstep.jp/learn/2026/09/2249/</link>
<description>

皆さん、こんにちは。well f.m. 一般社団法人創業者の善井靖です。前回は、DMOが本来の力を発揮しきれていない背景として、財源や人材の不足、行政との関係、観光協会との役割分担、若い世代が入りにくい組織構造などについてお話ししました。では、そうした課題を抱える地域で、DMOを進化させるには、何から始めればよいのでしょうか。私は、まず必要なのは、「地域の納得」をつくることだと考えています。外から理想形を持ち込むだけでは、地域の人たちは動き出せません。第3回となる今回は、沖縄県南城市での取り組みを振り返りながら、地域の合意形成をどう進め、DMOが動き出す土台をどうつくっていくのかをお話しします。（解説＝well f.m. 一般社団法人 創業者 善井靖／文＝JMP総合プロデューサー&#160;長谷川浩和）







教えてくれるのは&#8230;

well f.m. 一般社団法人 創業者／内閣府 地域活性化伝道師

善井 靖さん
佐渡島出身。ラジオ放送作家、イベント企画制作などを経て、2000年に起業。その後、観光マーケティング協会、ナイトタイムエコノミー株式会社、well f.m.一般社団法人を設立。内閣府「地域活性化伝道師」、観光庁「世界水準のDMO専門家」などを務め、全国各地で観光地域づくりやDMO支援に携わっている。




正解を示す前に、地域の声を聞く




DMOを進化させるうえで、私がまず大切にしているのは、地域の声を聞くことです。もちろん、専門家として地域に入る以上、制度や事例への理解、組織づくり、財源づくり、観光マーケティングの知見は欠かせません。ただし、それをそのまま地域に当てはめても、うまくいくとは限りません。

地域には、それぞれの歴史があります。行政と観光協会の関係、事業者同士のつながり、住民の思いもあります。これまで積み重ねてきたものを見ずに、「これが正しい形です」と示しても、地域の人たちは納得しません。

DMOは、制度として設ければ動き出すものではありません。地域の人たちが「自分たちに必要な組織だ」と思えるかどうか。そこが重要です。

南城市での取り組みでも、最初から「こういうDMOをつくりましょう」と決めて入ったわけではありませんでした。まず行ったのは、地域の現状を見える化することでした。南城市にとって観光はどのような意味を持つのか。既存の観光協会はどのような役割を担ってきたのか。行政は何を期待しているのか。地域の事業者や市民は何を感じているのか。こうした問いを、市の担当者や地域の関係者と一つずつ確認しました。

地域の組織を動かすには、まず地域の現実を知らなければなりません。数字だけを見るのではなく、人の声を聞く。制度だけを見るのではなく、現場の実感に触れる。外から見た理想と、内側にある現実。その両方を見なければ、組織は変わりません。

DMOづくりは、組織図を描くことから始まるのではありません。地域の人たちが、自分たちの観光の現在地を見つめ直すことから始まります。






「つくる前提」から始めない




私が南城市に関わるようになった際、観光振興計画にはDMOの検討が位置づけられていました。

ただし、計画に書かれているからといって、すぐに組織をつくればよいわけではありません。私はまず、市の担当者とともに、県内のDMOの状況を見て回りました。実際に動いている組織は何をしているのか。どこに課題があるのか。行政とはどのような関係にあるのか。財源や人材をどう確保しているのか。現場に足を運んで初めて、見えてくるものがあります。

名称はDMOでも、実態としては行政からの委託事業が中心になっている組織があります。指定管理やイベント対応に追われ、観光地域づくりの戦略に十分な時間を割けていない組織もあります。若い人材が入っても、給与やキャリアの見通しが十分ではなく、長く働き続けることが難しいケースもあります。

こうした現実を踏まえ、南城市ではあらためて問いを立てました。そもそも南城市にとって、DMOは本当に必要なのか。

私は、この問いを曖昧にしてはいけないと考えています。国が推進しているからつくる。計画に書いてあるからつくる。補助金があるからつくる。それだけでは、地域の組織にはなりません。

必要なのは、南城市の観光をこれからどうしていきたいのかを議論することです。地域の自然や文化、歴史、暮らしをどう生かすのか。観光によって、どのような仕事を生み、どのように地域内にお金を循環させるのか。住民にとって、観光はどのような意味を持つのか。

DMOは、その問いに向き合うための手段です。だからこそ、「DMOをつくるかどうか」の前に、「何のためにDMOが必要なのか」を地域で考える必要がありました。






地域の声が立ち上がるまで、急がない




南城市で大切にしたのは、市民や地域の関係者がともに考える場をつくることでした。行政の中だけで話を進めるのではなく、地域の人たちに参加してもらう。観光に直接関わる事業者だけでなく、地域の未来に関心を持つ市民にも加わってもらう。そこで、南城市にとって観光とは何か、DMOは必要なのかを話し合っていきました。

このプロセスに、近道はありません。会議を開けば、すぐに結論が出るわけではありません。意見は分かれます。観光に期待する人もいれば、不安を持つ人もいます。そもそも、DMOという言葉自体が分かりにくい。なぜ新しい組織が必要なのか、既存の観光協会と何が違うのか、行政がやればよいのではないか。そうした疑問が出るのは当然です。

だからこそ、丁寧に言葉を重ねなければなりません。

DMOとは何をする組織なのか。行政や観光協会とはどのように役割が違うのか。南城市の観光には、いま何が足りていないのか。観光を通じて地域にどのような価値を生みたいのか。言葉にしていくことで、少しずつ共通認識が生まれていきました。

私が大切にしていたのは、結論を急がないことでした。市民や関係者が「必要だ」と思えていない段階で組織をつくっても、形だけになってしまいます。一方で、時間をかけて議論し、「南城市にはDMOが必要だ」という声が地域の側から出てくれば、その後の動きは変わります。地域の納得があって初めて、組織は動き出します。

DMOづくりにおいて、合意形成は時間のかかる作業に見えるかもしれません。しかし私は、ここを飛ばしてはいけないと思っています。遠回りに見える合意形成こそが、結果的には地域を動かす近道になります。






観光協会を否定せず、次の役割を見える化する




南城市には、既存の観光協会がありました。新しいDMOを考えるとき、既存の観光協会をどう位置づけるのかは、重要な論点になります。観光協会には、長年担ってきた役割があります。現場で積み重ねてきた仕事があり、地域の事業者との関係もあります。

一方で、行政が観光協会に期待していた役割と、実際に担えていたことの間に差がある場合もあります。たとえば、観光マーケティング、人材育成、地域全体の戦略づくり、事業者を巻き込んだ商品造成。こうした領域は、従来型の観光協会だけでは担いきれないこともあります。

ここで大切なのは、誰かを責めることではありません。「できていない」と指摘するだけでは、組織は前に進みません。なぜ担いきれなかったのか。人材が足りなかったのか。財源が足りなかったのか。役割が曖昧だったのか。評価の仕組みがなかったのか。そもそも、何を期待されているのかが共有されていなかったのか。そこを見える化することが必要です。

南城市でも、観光協会が担ってきた仕事を整理し、行政が期待してきた役割との違いを確認していきました。現場で日々動いている人たちは、決して何もしていなかったわけではありません。むしろ、限られた人員と予算の中で、多くの業務を担っていました。

ただ、観光を地域経営につなげる組織へ進化するには、それだけでは足りません。これまでの観光協会の延長線上でよいのか。新しいDMOとして、どのような機能を持つべきなのか。どの事業を伸ばし、どの役割を見直すのか。その問いを、地域で共有しなければなりませんでした。

役割を見える化すると、感情論ではなく、次に何を変えるべきかが見えてきます。観光協会を否定するのではなく、これまで担ってきた価値を踏まえたうえで、次の組織に必要な機能を考える。私は、この順番が大切だと考えています。
「Tourism&#215;Web3 Summit 2026 in 沖縄南城市」でのトークセッションの様子






合意形成は、意見をそろえることではない




南城市では、議論を重ねた先に、新しいDMOのあり方を考える段階へ進んでいきました。既存の観光協会をどう位置づけるのか。新しい組織をどのような形にするのか。行政との役割分担をどう整理するのか。地域の事業者や市民とどうつながるのか。事業をどうつくり、財源をどう確保していくのか。どれも、簡単に答えの出る論点ではありません。

組織を変えるということは、これまでの関係性を見直すことでもあります。役割が変わる人もいます。仕事の進め方が変わることもあります。これまで曖昧にしてきたことを、言葉にしなければならない場面もあります。だからこそ、合意形成には、覚悟が求められます。

ただ集まって話すだけでは、合意形成にはなりません。地域の未来をどう描くのか。そのために、何を変え、何を残すのか。誰がどの役割を担うのか。そこまで踏み込んで話し合わなければ、地域の納得は生まれません。

私は、合意形成とは、全員が同じ意見になることではないと考えています。意見が違うのは当然です。立場が違えば、見えている景色も違います。大切なのは、違いを抱えたまま、地域としてどこへ向かうのかを共有することです。

南城市での取り組みでも、行政、市民、観光協会、地域の事業者が、それぞれの立場から議論を重ねました。その過程で、少しずつ「南城市には、観光を地域経営につなぐ組織が必要だ」という認識が共有されていきました。

地域の人たちが納得し、覚悟を持つ。その土台があって初めて、DMOは動き出します。

組織を変えることは、目的ではありません。大切なのは、観光を通じて地域の未来をどうつくるかです。DMOは、そのための器です。器をつくること自体が目的ではありません。何を入れるのか、何のために使うのかを地域で考える。そこに、合意形成の意味があります。

次回は、南城市で新しいDMOをどのように形にしていったのかを、さらに具体的に見ていきます。組織形態、財源づくり、事業計画、そしてPDCAをどう回していくのか。観光を一過性のにぎわいで終わらせず、住民の幸福度や地域内経済循環につなげるための実践についてお話しします。次回もぜひお楽しみに。






関連リンク

 well f.m.一般社団法人
</description>
<enclosure url="https://japanstep.jp/images/learn/DMO_shinkaron/images20260710182620.webp" type="image/jpeg" />
<dc:category rdf:resource="https://japanstep.jp/learn/category/43">ビジネス</dc:category>
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<dc:date>2026-09-24T09:00:00+09:00</dc:date>
<content:encoded><![CDATA[
<div id="cms-editor-minieditor-sin178367548821954000" class="cms-content-parts-sin178367548821961800">
<p><a href="https://japanstep.jp/learn/category/233/" rel="otherurl" style="text-decoration: none;"><img src="/images/popularity/DM_L.webp" width="1280" height="376" alt="" /></a></p>
<p><span style="font-size: 1.6rem;">皆さん、こんにちは。</span><span lang="EN-US" style="font-size: 1.6rem;">well f.m. </span><span style="font-size: 1.6rem;">一般社団法人創業者の善井靖です。<a href="https://japanstep.jp/learn/2026/07/2227/">前回</a>は、</span><span lang="EN-US" style="font-size: 1.6rem;">DMO</span><span style="font-size: 1.6rem;">が本来の力を発揮しきれていない背景として、財源や人材の不足、行政との関係、観光協会との役割分担、若い世代が入りにくい組織構造などについてお話ししました。では、そうした課題を抱える地域で、</span><span lang="EN-US" style="font-size: 1.6rem;">DMO</span><span style="font-size: 1.6rem;">を進化させるには、何から始めればよいのでしょうか。私は、まず必要なのは、「地域の納得」をつくることだと考えています。外から理想形を持ち込むだけでは、地域の人たちは動き出せません。第</span><span lang="EN-US" style="font-size: 1.6rem;">3</span><span style="font-size: 1.6rem;">回となる今回は、沖縄県南城市での取り組みを振り返りながら、地域の合意形成をどう進め、</span><span lang="EN-US" style="font-size: 1.6rem;">DMO</span><span style="font-size: 1.6rem;">が動き出す土台をどうつくっていくのかをお話しします。（解説＝</span><span lang="EN-US" style="font-size: 1.6rem;">well f.m. </span><span style="font-size: 1.6rem;">一般社団法人 創業者 善井靖／文＝</span>JMP総合プロデューサー&#160;<span style="font-size: 1.6rem;">長谷川浩和）</span></p>
<p class="MsoNormal"><span lang="EN-US"><o:p></o:p></span></p>
<p></p>
</div>
<div class="cms-content-parts-sin178367581168729200 box parts_text_type02 cparts-id120--01 lay-margin-b--3 lay-padding--2" data-selectable="cparts-animate cparts-animate--slideInUp:上へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInDown:下へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInLeft:左へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInRight:右へスライド">
<div class="lay-row lay-no-gutters">
<div class="lay-col12-12">
<div class="cparts-editsite--txt cparts-txt-block lay-reset-child" id="cms-editor-minieditor-sin178367581168736800">
<p style="text-align: center;"><strong>教えてくれるのは&#8230;</strong></p>
<p style="text-align: center;"><img src="/images/learn/DMO_shinkaron/prof.webp" width="600" height="338" alt="" /></p>
<p style="text-align: center;"><strong>well f.m. 一般社団法人 創業者／内閣府 地域活性化伝道師<br />
</strong></p>
<p style="text-align: center;"><strong>善井 靖さん</strong></p>
<p>佐渡島出身。ラジオ放送作家、イベント企画制作などを経て、2000年に起業。その後、観光マーケティング協会、ナイトタイムエコノミー株式会社、well f.m.一般社団法人を設立。内閣府「地域活性化伝道師」、観光庁「世界水準のDMO専門家」などを務め、全国各地で観光地域づくりやDMO支援に携わっている。</p>
</div>
</div>
</div>
</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin178416559712784600 cparts-editsite--mainttl" id="cms-editor-textarea-sin178416559712790700">正解を示す前に、地域の声を聞く</h2>
<div class="cms-content-parts-sin178416560591412900 cparts-id119 lay-margin-b--3 box" data-selectable="cparts-animate cparts-animate--slideInUp:上へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInDown:下へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInLeft:左へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInRight:右へスライド">
<div class="lay-row">
<div class="lay-col12-xs-12 lay-col12-md-12 lay-col12-lg-12">
<div class="cparts-editsite--txt cparts-txt-block lay-reset-child" id="cms-editor-minieditor-sin178416560591416900">
<p>DMOを進化させるうえで、私がまず大切にしているのは、地域の声を聞くことです。もちろん、専門家として地域に入る以上、制度や事例への理解、組織づくり、財源づくり、観光マーケティングの知見は欠かせません。ただし、それをそのまま地域に当てはめても、うまくいくとは限りません。</p>
<p></p>
<p>地域には、それぞれの歴史があります。行政と観光協会の関係、事業者同士のつながり、住民の思いもあります。これまで積み重ねてきたものを見ずに、「これが正しい形です」と示しても、地域の人たちは納得しません。</p>
<p></p>
<p>DMOは、制度として設ければ動き出すものではありません。地域の人たちが「自分たちに必要な組織だ」と思えるかどうか。そこが重要です。</p>
<p></p>
<p>南城市での取り組みでも、最初から「こういうDMOをつくりましょう」と決めて入ったわけではありませんでした。まず行ったのは、地域の現状を見える化することでした。南城市にとって観光はどのような意味を持つのか。既存の観光協会はどのような役割を担ってきたのか。行政は何を期待しているのか。地域の事業者や市民は何を感じているのか。こうした問いを、市の担当者や地域の関係者と一つずつ確認しました。</p>
<p></p>
<p>地域の組織を動かすには、まず地域の現実を知らなければなりません。数字だけを見るのではなく、人の声を聞く。制度だけを見るのではなく、現場の実感に触れる。外から見た理想と、内側にある現実。その両方を見なければ、組織は変わりません。</p>
<p></p>
<p>DMOづくりは、組織図を描くことから始まるのではありません。地域の人たちが、自分たちの観光の現在地を見つめ直すことから始まります。</p>
<div></div>
<div></div>
</div>
</div>
</div>
</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin178416563063192800 cparts-editsite--mainttl" id="cms-editor-textarea-sin178416563063200100">「つくる前提」から始めない</h2>
<div class="cms-content-parts-sin178416564560590100 cparts-id119 lay-margin-b--3 box" data-selectable="cparts-animate cparts-animate--slideInUp:上へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInDown:下へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInLeft:左へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInRight:右へスライド">
<div class="lay-row">
<div class="lay-col12-xs-12 lay-col12-md-12 lay-col12-lg-12">
<div class="cparts-editsite--txt cparts-txt-block lay-reset-child" id="cms-editor-minieditor-sin178416564560558800">
<p>私が南城市に関わるようになった際、観光振興計画にはDMOの検討が位置づけられていました。</p>
<p></p>
<p>ただし、計画に書かれているからといって、すぐに組織をつくればよいわけではありません。私はまず、市の担当者とともに、県内のDMOの状況を見て回りました。実際に動いている組織は何をしているのか。どこに課題があるのか。行政とはどのような関係にあるのか。財源や人材をどう確保しているのか。現場に足を運んで初めて、見えてくるものがあります。</p>
<p></p>
<p>名称はDMOでも、実態としては行政からの委託事業が中心になっている組織があります。指定管理やイベント対応に追われ、観光地域づくりの戦略に十分な時間を割けていない組織もあります。若い人材が入っても、給与やキャリアの見通しが十分ではなく、長く働き続けることが難しいケースもあります。</p>
<p></p>
<p>こうした現実を踏まえ、南城市ではあらためて問いを立てました。そもそも南城市にとって、DMOは本当に必要なのか。</p>
<p></p>
<p>私は、この問いを曖昧にしてはいけないと考えています。国が推進しているからつくる。計画に書いてあるからつくる。補助金があるからつくる。それだけでは、地域の組織にはなりません。</p>
<p></p>
<p>必要なのは、南城市の観光をこれからどうしていきたいのかを議論することです。地域の自然や文化、歴史、暮らしをどう生かすのか。観光によって、どのような仕事を生み、どのように地域内にお金を循環させるのか。住民にとって、観光はどのような意味を持つのか。</p>
<p></p>
<p>DMOは、その問いに向き合うための手段です。だからこそ、「DMOをつくるかどうか」の前に、「何のためにDMOが必要なのか」を地域で考える必要がありました。</p>
<div></div>
<p></p>
</div>
</div>
</div>
</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin178416562830389500 cparts-editsite--mainttl" id="cms-editor-textarea-sin178416562830398100">地域の声が立ち上がるまで、急がない</h2>
<div class="cms-content-parts-sin178416564062956800 cparts-id119 lay-margin-b--3 box" data-selectable="cparts-animate cparts-animate--slideInUp:上へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInDown:下へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInLeft:左へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInRight:右へスライド">
<div class="lay-row">
<div class="lay-col12-xs-12 lay-col12-md-12 lay-col12-lg-12">
<div class="cparts-editsite--txt cparts-txt-block lay-reset-child" id="cms-editor-minieditor-sin178416564062821500">
<p>南城市で大切にしたのは、市民や地域の関係者がともに考える場をつくることでした。行政の中だけで話を進めるのではなく、地域の人たちに参加してもらう。観光に直接関わる事業者だけでなく、地域の未来に関心を持つ市民にも加わってもらう。そこで、南城市にとって観光とは何か、DMOは必要なのかを話し合っていきました。</p>
<p></p>
<p>このプロセスに、近道はありません。会議を開けば、すぐに結論が出るわけではありません。意見は分かれます。観光に期待する人もいれば、不安を持つ人もいます。そもそも、DMOという言葉自体が分かりにくい。なぜ新しい組織が必要なのか、既存の観光協会と何が違うのか、行政がやればよいのではないか。そうした疑問が出るのは当然です。</p>
<p></p>
<p>だからこそ、丁寧に言葉を重ねなければなりません。</p>
<p></p>
<p>DMOとは何をする組織なのか。行政や観光協会とはどのように役割が違うのか。南城市の観光には、いま何が足りていないのか。観光を通じて地域にどのような価値を生みたいのか。言葉にしていくことで、少しずつ共通認識が生まれていきました。</p>
<p></p>
<p>私が大切にしていたのは、結論を急がないことでした。市民や関係者が「必要だ」と思えていない段階で組織をつくっても、形だけになってしまいます。一方で、時間をかけて議論し、「南城市にはDMOが必要だ」という声が地域の側から出てくれば、その後の動きは変わります。地域の納得があって初めて、組織は動き出します。</p>
<p></p>
<p>DMOづくりにおいて、合意形成は時間のかかる作業に見えるかもしれません。しかし私は、ここを飛ばしてはいけないと思っています。遠回りに見える合意形成こそが、結果的には地域を動かす近道になります。</p>
<div></div>
<div></div>
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</div>
</div>
</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin178416562603181900 cparts-editsite--mainttl" id="cms-editor-textarea-sin178416562603190000">観光協会を否定せず、次の役割を見える化する</h2>
<div class="cms-content-parts-sin178416563732147300 cparts-id119 lay-margin-b--3 box" data-selectable="cparts-animate cparts-animate--slideInUp:上へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInDown:下へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInLeft:左へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInRight:右へスライド">
<div class="lay-row">
<div class="lay-col12-xs-12 lay-col12-md-12 lay-col12-lg-12">
<div class="cparts-editsite--txt cparts-txt-block lay-reset-child" id="cms-editor-minieditor-sin178416563732120600">
<p>南城市には、既存の観光協会がありました。新しいDMOを考えるとき、既存の観光協会をどう位置づけるのかは、重要な論点になります。観光協会には、長年担ってきた役割があります。現場で積み重ねてきた仕事があり、地域の事業者との関係もあります。</p>
<p></p>
<p>一方で、行政が観光協会に期待していた役割と、実際に担えていたことの間に差がある場合もあります。たとえば、観光マーケティング、人材育成、地域全体の戦略づくり、事業者を巻き込んだ商品造成。こうした領域は、従来型の観光協会だけでは担いきれないこともあります。</p>
<p></p>
<p>ここで大切なのは、誰かを責めることではありません。「できていない」と指摘するだけでは、組織は前に進みません。なぜ担いきれなかったのか。人材が足りなかったのか。財源が足りなかったのか。役割が曖昧だったのか。評価の仕組みがなかったのか。そもそも、何を期待されているのかが共有されていなかったのか。そこを見える化することが必要です。</p>
<p></p>
<p>南城市でも、観光協会が担ってきた仕事を整理し、行政が期待してきた役割との違いを確認していきました。現場で日々動いている人たちは、決して何もしていなかったわけではありません。むしろ、限られた人員と予算の中で、多くの業務を担っていました。</p>
<p></p>
<p>ただ、観光を地域経営につなげる組織へ進化するには、それだけでは足りません。これまでの観光協会の延長線上でよいのか。新しいDMOとして、どのような機能を持つべきなのか。どの事業を伸ばし、どの役割を見直すのか。その問いを、地域で共有しなければなりませんでした。</p>
<p></p>
<p>役割を見える化すると、感情論ではなく、次に何を変えるべきかが見えてきます。観光協会を否定するのではなく、これまで担ってきた価値を踏まえたうえで、次の組織に必要な機能を考える。私は、この順番が大切だと考えています。</p>
<p><img src="/images/learn/DMO_shinkaron/3rd/DSC02058_marked.webp" width="900" height="600" alt="" /><span style="font-size: small;">「Tourism&#215;Web3 Summit 2026 in 沖縄南城市」でのトークセッションの様子</span></p>
<div></div>
<div></div>
</div>
</div>
</div>
</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin178416562385049800 cparts-editsite--mainttl" id="cms-editor-textarea-sin178416562385103900">合意形成は、意見をそろえることではない</h2>
<div class="cms-content-parts-sin178416563351739200 cparts-id119 lay-margin-b--3 box" data-selectable="cparts-animate cparts-animate--slideInUp:上へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInDown:下へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInLeft:左へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInRight:右へスライド">
<div class="lay-row">
<div class="lay-col12-xs-12 lay-col12-md-12 lay-col12-lg-12">
<div class="cparts-editsite--txt cparts-txt-block lay-reset-child" id="cms-editor-minieditor-sin178416563351711100">
<p>南城市では、議論を重ねた先に、新しいDMOのあり方を考える段階へ進んでいきました。既存の観光協会をどう位置づけるのか。新しい組織をどのような形にするのか。行政との役割分担をどう整理するのか。地域の事業者や市民とどうつながるのか。事業をどうつくり、財源をどう確保していくのか。どれも、簡単に答えの出る論点ではありません。</p>
<p></p>
<p>組織を変えるということは、これまでの関係性を見直すことでもあります。役割が変わる人もいます。仕事の進め方が変わることもあります。これまで曖昧にしてきたことを、言葉にしなければならない場面もあります。だからこそ、合意形成には、覚悟が求められます。</p>
<p></p>
<p>ただ集まって話すだけでは、合意形成にはなりません。地域の未来をどう描くのか。そのために、何を変え、何を残すのか。誰がどの役割を担うのか。そこまで踏み込んで話し合わなければ、地域の納得は生まれません。</p>
<p></p>
<p>私は、合意形成とは、全員が同じ意見になることではないと考えています。意見が違うのは当然です。立場が違えば、見えている景色も違います。大切なのは、違いを抱えたまま、地域としてどこへ向かうのかを共有することです。</p>
<p></p>
<p>南城市での取り組みでも、行政、市民、観光協会、地域の事業者が、それぞれの立場から議論を重ねました。その過程で、少しずつ「南城市には、観光を地域経営につなぐ組織が必要だ」という認識が共有されていきました。</p>
<p></p>
<p>地域の人たちが納得し、覚悟を持つ。その土台があって初めて、DMOは動き出します。</p>
<p></p>
<p>組織を変えることは、目的ではありません。大切なのは、観光を通じて地域の未来をどうつくるかです。DMOは、そのための器です。器をつくること自体が目的ではありません。何を入れるのか、何のために使うのかを地域で考える。そこに、合意形成の意味があります。</p>
<p></p>
<p>次回は、南城市で新しいDMOをどのように形にしていったのかを、さらに具体的に見ていきます。組織形態、財源づくり、事業計画、そしてPDCAをどう回していくのか。観光を一過性のにぎわいで終わらせず、住民の幸福度や地域内経済循環につなげるための実践についてお話しします。次回もぜひお楽しみに。</p>
<div></div>
<div></div>
</div>
</div>
</div>
</div>
<h3 class="cms-content-parts-sin178367594855779700 cparts-editsite--mainttl" id="cms-editor-textarea-sin178367594855783500">関連リンク</h3>
<div id="cms-editor-minieditor-sin178367595948422800" class="cms-content-parts-sin178367595948433500">
<p><a href="https://wellfm.info/"> well f.m.一般社団法人</a></p>
</div>
]]></content:encoded>
</item>

<item rdf:about="https://japanstep.jp/learn/2026/09/2443/">
<title>AI業務支援士とは？ 非エンジニアの「AI現場実務力」を高める</title>
<link>https://japanstep.jp/learn/2026/09/2443/</link>
<description>
生成AIの導入が進む一方で、現場からは「何に使えばいいか分からない」という戸惑いの声が消えない。システム部門がツールを用意しても、経理や総務といったバックオフィスの現場が使いこなせなければ真の業務効率化は実現しない。このテクノロジーと実務の間にある溝を埋めるため、AIを現場の業務プロセスに組み込む人材を認定する新たな資格が誕生した。非エンジニアの実務力を高め、日本企業を底上げするリスキリングの現在地を探る。（文＝JapanStep編集部）
▼「挑戦」を生むトレンドニュースを毎日掲載！
挑戦者のためのビジネスメディア『JapanStep』



研修＋試験の二段階で、AIを実務で回せる人材を認定

特定非営利活動法人IT整備士協会は、生成AIをバックオフィスの実務で安全かつ効果的に活用できる人材を育成・認定する新資格「AI業務支援士」を創設した。2026年7月より、認定試験の実施を始めている。
生成AIの企業導入は急速に進んでいるが、現場では「導入効果が見えない」「リスク管理が不安」といった課題が山積している。特にリテラシーやスキルの不足から、せっかくのテクノロジーが十分に活用されていないケースは多い。同協会はこうした状況を受け、単純な知識の習得ではなく、実践的なAI活用スキルの向上を目指して本資格を設立したという。
（引用元：PR TIMES）

「AI業務支援士」は、AIを知る人ではなく「成果につなげる人材」の育成を目的としている。システムを構築するエンジニア向けや、導入を決定する経営層向けの資格とは明確に異なり、総務や経理、営業といった「現場でAIを動かす実務者（非エンジニア）」にターゲットを絞っているのが最大の特徴だ。
学習領域は、AIの基礎知識を学ぶ技術領域から、プロンプト活用や文章作成といった実務領域、業務プロセスの整理を学ぶマネジメント領域、そして著作権や情報漏洩対策といったリスク管理まで多岐にわたる。
認定研修の修了と資格認定試験の合格を必須とする、二段階方式を採用。正式に「AI業務支援士」と登録されれば、単にツールを使えるだけでなく、自らの業務フローにAIを組み込み、継続的に運用・改善できる即戦力の人材であると認定される。


業務プロセスの再構築へ。AIを成果につなげる人材を生み出す

この新資格の登場によって、日本企業におけるAI活用のフェーズが、「とりあえず使ってみる」段階から「現場の業務プロセスを設計し直す」段階へと移行したという事実が示されたと言える。
多くの企業がAI導入の失敗に直面している。これはツールを導入すること自体が目的化し、現場の具体的な課題と結びついていないことに起因する。どんなに優れた生成AIであっても、それを自社の煩雑な経理処理や、日々の営業報告のフォーマットにどう当てはめるかを考え、ルール化する人間がいなければ、単なる高性能なチャットツールで終わってしまう。
必要なのは、AIのアルゴリズムを理解しているプログラマーだけではない。求められるのは自部署の業務フローを知り尽くし、どこにAIを挟めば最も効率化できるかを判断できる「現場の人間」だ。本資格は、そうした現場の担当者に対して「AIを安全に業務に組み込むための実践的な知識」という強力なスキルを授ける。
担当者がAIの特性とリスクを正しく理解し、自ら業務プロセスを再構築できるようになれば、組織全体の生産性は飛躍的に高まる。また、非エンジニア職にとって「AI業務支援士」の取得という明確な目標が設定されることは、リスキリングへの意欲を高め、個人のキャリアアップを後押しする重要なステップとなるだろう。
テクノロジーは、それを使いこなす人間の実務力と結びついて初めて真の価値を発揮する。現場の最前線でAIを回す実務者の育成が、日本のバックオフィスを変革し、企業全体の競争力を一段階上のステージへと押し上げていくはずだ。
▼「挑戦」を生むトレンドニュースを毎日掲載！
挑戦者のためのビジネスメディア『JapanStep』

</description>
<enclosure url="https://japanstep.jp/images/learn/2609_Release/260918_gyoumushienshi/45.webp" type="image/jpeg" />
<dc:category rdf:resource="https://japanstep.jp/learn/category/43">ビジネス</dc:category>
<dc:creator></dc:creator>
<dc:subject></dc:subject>
<dc:date>2026-09-24T07:00:00+09:00</dc:date>
<content:encoded><![CDATA[
<div id="cms-editor-minieditor-sin178969690591291000" class="cms-content-parts-sin178969690591299000">
<p>生成AIの導入が進む一方で、現場からは「何に使えばいいか分からない」という戸惑いの声が消えない。システム部門がツールを用意しても、経理や総務といったバックオフィスの現場が使いこなせなければ真の業務効率化は実現しない。このテクノロジーと実務の間にある溝を埋めるため、AIを現場の業務プロセスに組み込む人材を認定する新たな資格が誕生した。非エンジニアの実務力を高め、日本企業を底上げするリスキリングの現在地を探る。（文＝JapanStep編集部）</p>
<p><strong>▼「挑戦」を生むトレンドニュースを毎日掲載！</strong><br />
<a href="https://japanstep.jp/">挑戦者のためのビジネスメディア『JapanStep』</a></p>
<p></p>
<div></div>
</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin178969695845574000 cparts-editsite--mainttl cparts-id002" id="cms-editor-textarea-sin178969695845579400">研修＋試験の二段階で、AIを実務で回せる人材を認定</h2>
<div id="cms-editor-minieditor-sin178969694193145200" class="cms-content-parts-sin178969694193152700">
<p>特定非営利活動法人IT整備士協会は、生成AIをバックオフィスの実務で安全かつ効果的に活用できる人材を育成・認定する新資格「AI業務支援士」を創設した。2026年7月より、認定試験の実施を始めている。<br />
生成AIの企業導入は急速に進んでいるが、現場では「導入効果が見えない」「リスク管理が不安」といった課題が山積している。特にリテラシーやスキルの不足から、せっかくのテクノロジーが十分に活用されていないケースは多い。同協会はこうした状況を受け、単純な知識の習得ではなく、実践的なAI活用スキルの向上を目指して本資格を設立したという。</p>
<p><img src="/images/learn/2609_Release/260918_gyoumushienshi/1.webp" width="900" height="506" alt="" /><span style="font-size: small;">（引用元：</span><a href="https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000007.000127575.html"><span style="font-size: small;">PR TIMES</span></a><span style="font-size: small;">）</span></p>
<p></p>
<p>「AI業務支援士」は、AIを知る人ではなく「成果につなげる人材」の育成を目的としている。システムを構築するエンジニア向けや、導入を決定する経営層向けの資格とは明確に異なり、総務や経理、営業といった「現場でAIを動かす実務者（非エンジニア）」にターゲットを絞っているのが最大の特徴だ。<br />
学習領域は、AIの基礎知識を学ぶ技術領域から、プロンプト活用や文章作成といった実務領域、業務プロセスの整理を学ぶマネジメント領域、そして著作権や情報漏洩対策といったリスク管理まで多岐にわたる。<br />
認定研修の修了と資格認定試験の合格を必須とする、二段階方式を採用。正式に「AI業務支援士」と登録されれば、単にツールを使えるだけでなく、自らの業務フローにAIを組み込み、継続的に運用・改善できる即戦力の人材であると認定される。</p>
<div></div>
</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin178969696073045600 cparts-editsite--mainttl cparts-id002" id="cms-editor-textarea-sin178969696073053500">業務プロセスの再構築へ。AIを成果につなげる人材を生み出す</h2>
<div id="cms-editor-minieditor-sin178969693998735500" class="cms-content-parts-sin178969693998744200">
<p>この新資格の登場によって、日本企業におけるAI活用のフェーズが、「とりあえず使ってみる」段階から「現場の業務プロセスを設計し直す」段階へと移行したという事実が示されたと言える。<br />
多くの企業がAI導入の失敗に直面している。これはツールを導入すること自体が目的化し、現場の具体的な課題と結びついていないことに起因する。どんなに優れた生成AIであっても、それを自社の煩雑な経理処理や、日々の営業報告のフォーマットにどう当てはめるかを考え、ルール化する人間がいなければ、単なる高性能なチャットツールで終わってしまう。<br />
必要なのは、AIのアルゴリズムを理解しているプログラマーだけではない。求められるのは自部署の業務フローを知り尽くし、どこにAIを挟めば最も効率化できるかを判断できる「現場の人間」だ。本資格は、そうした現場の担当者に対して「AIを安全に業務に組み込むための実践的な知識」という強力なスキルを授ける。<br />
担当者がAIの特性とリスクを正しく理解し、自ら業務プロセスを再構築できるようになれば、組織全体の生産性は飛躍的に高まる。また、非エンジニア職にとって「AI業務支援士」の取得という明確な目標が設定されることは、リスキリングへの意欲を高め、個人のキャリアアップを後押しする重要なステップとなるだろう。<br />
テクノロジーは、それを使いこなす人間の実務力と結びついて初めて真の価値を発揮する。現場の最前線でAIを回す実務者の育成が、日本のバックオフィスを変革し、企業全体の競争力を一段階上のステージへと押し上げていくはずだ。</p>
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</item>

<item rdf:about="https://japanstep.jp/learn/2026/09/2383/">
<title>生成AIはARGをどう変えるのか。変わる体験と、“現実との境界”の設計【連載】ARGの基礎知識（最終回）</title>
<link>https://japanstep.jp/learn/2026/09/2383/</link>
<description>

現実世界に物語への入口をつくり、参加者自身がその当事者となるARG（Alternate Reality Game／代替現実ゲーム）。本連載ではこれまで、ARGの基本的な特徴や国内外での広がり、人を自ら動かす体験設計、企業コミュニケーションへの活用について紹介してきた。最終回では、生成AIが参加者と物語との関係や制作環境をどう変えつつあるのかを取り上げる。同時に、現実とフィクションが交わるARGにおいて、その境界をどう設計するのかを考える。（文＝JMP総合プロデューサー長谷川浩和）
▼「ARGの基礎知識」連載一覧
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挑戦者のためのビジネスメディア『JapanStep』
お話を聞いたのは&#8230;






環境ミステリーレーベル MARGINE
合同会社 未来アクセラレート 代表　吉野 渉さん
地域とARGの連携を掲げ、ARGの企画・制作に取り組む。『Project:;COLD』との出会いをきっかけにARGに魅了され、自らもARG制作に乗り出す。現在はARGレーベル「MARGINE」を通じて、地域とARGをつなぐ取り組みを進めている。JapanStepにてコラム「ARGが紡ぐ、新しいPRのカタチ」を連載中。





ARGウォッチャー・謎解き制作者
リー猫さん
MARGINE全作品の謎解きを手がける。自ら作るだけでなく、noteやXで国内ARG作品のレビューや定期的な動向分析を発信し続けている。「ARGコンテスト2026」（虚構界隈主催）特別審査員。




生成AIが変える、ARGの体験と制作




生成AIの導入によって、参加者と物語とのやり取りも変わり始めている。MARGINEではすでに、一部のやり取りにAIによる応答を取り入れているという。

「MARGINEでは、すでに一部の応答にAIを使っています。あらかじめ決められた回答ではなく、プレイヤーの働きかけに応じた反応を返せるため、物語をより&#8220;自分ごと&#8221;として感じてもらいやすい。生成AIは、そうしたARGの体験を深める使い方ができると感じています」（吉野さん）

これまでのARGでは、作り手が用意した文章や映像、Webサイトなどを参加者が探し、読み解きながら物語を進める作品が多かった。生成AIを組み込めば、問いかけ方に応じて返答を変えるなど、参加者ごとに異なるやり取りも設計できる。

ARGにとって意味があるのは、AIと会話できること自体ではなく、自分の働きかけに物語から応答が返ってくることだ。従来の「物語を追う」体験に、プレイヤーから物語へ働きかける要素を加えることができる。

プレイヤーへの応答に加え、生成AIは制作の現場でも使われ始めている。複数のWebサイトやSNS、画像、システムなどを組み合わせるARGでは、発想があっても、それを形にする技術が壁になることがある。吉野さん自身、生成AIによって手掛けられる範囲が広がったという。

「Webサイトの制作経験はありましたが、プログラミングを専門にしてきたわけではありません。生成AIを使うようになり、今ではシステムまで含めて自分で試せる範囲が広がりました。アイデアを思いついてから形にするまでの距離が、以前よりかなり短くなったと感じています」（吉野さん）

生成AIによって、これまで技術的な理由で実現が難しかったアイデアを、まず自分で試せる場面も増えている。






AIを使う理由まで設計する




生成AIを制作に取り入れる際には、作品のどこで使うのかを見極める必要がある。リー猫さんは、実際には撮影しにくいビジュアルの制作を一例に挙げる。

「ARGでは、架空の事件や事故など、実際には撮影しにくい場面を扱うことがあります。そうしたビジュアルをつくるうえで、生成AIは有効だと思います。ただ、AIによる表現そのものに抵抗を感じる方もいます。生成AIを前面に出しすぎず、作品の中でどこに、どの程度使うのか。そのバランスは見極める必要があると思っています」（リー猫さん）

ARGでは、手掛かり一つにも「なぜ、それがそこにあるのか」という必然性が求められる。生成AIについても同様である。登場人物との会話に使うのか、ビジュアルの制作に使うのか、あるいは表には出さず制作工程を支えるために使うのか。技術そのものではなく、その技術が体験の中でどのような役割を担うのかまで設計する必要がある。

生成AIを前面に出すことで、作品そのものより技術に注意が向く場合もある。生成AIによる表現への受け止め方も一様ではない。作品の世界観や想定する参加者によって、その使いどころは変わってくる。

「何に使うか」だけではなく、「どこでは使わないか」も制作上の判断になる。生成AIありきではなく、参加者に届けたい体験を起点に、AIを使う場所を考える。






没入を支える、&#8220;現実との境界&#8221;




ARGは、WebサイトやSNS、実在する場所など、私たちが日常的に接する環境にフィクションを織り込む表現である。生成AIによって現実らしい画像や文章を制作しやすくなった今、作品と現実社会との境界をどこに置くかは、より慎重に考える必要がある。

現実らしさはARGの体験を支える要素の一つだが、その演出によって作品に参加していない人を巻き込むことは避けなければならない。実在する施設や組織を扱う場合も同様である。リー猫さんがまず挙げるのは、作品に参加していない第三者への配慮である。

「ARGでまず守るべきなのは、プレイヤー以外の方に迷惑をかけないことだと思います。実在する施設や第三者を無断で物語に巻き込めば、作品とは関係のない方にまで影響が及びます。現実世界を使う以上、そこは越えてはいけない線だと思っています」（リー猫さん）

加えて、リー猫さんは、必要なときにフィクションであることを確認できるようにしておくべきだと話す。

「第四境界では、作品用のWebサイトにも、フィクションであることが分かる表記を入れています。多少現実感を損なう面はあっても、それによって作品を楽しめなくなるわけではありません。企業・個人を問わず、ARGを制作するなら、フィクションであることを確認できる手段は用意しておくべきだと思います」（リー猫さん）

第2回で紹介した第四境界の作品では、ARGであると理解したうえで購入しても、物語への没入は成立している。

少なくとも第四境界の事例を見る限り、フィクションであることを確認できる仕組みそのものが、没入を妨げるわけではない。吉野さんも、現実を舞台にする以上、最初に守るべき前提があると話す。

「リー猫さんがおっしゃった通り、ARGは現実世界とつながる表現ですから、プレイヤー以外の方に迷惑をかけたり、不快な思いをさせたりしない。それが大前提です」（吉野さん）

生成AIによって現実らしい表現をつくりやすくなった今、作り手には「どこまで現実へ踏み込むか」という判断が問われる。没入感を高めることと、現実社会との境界を曖昧にすることは同義ではない。どこに線を引くのかまでが、ARGの設計である。
どこに線を引くかまでが「ARG設計」






プレイヤーから、次のつくり手へ




最後に、これからARGに触れる人へ向けた言葉を二人に聞いた。

「まずはARGを一つ体験してみてほしいですね。説明だけでは伝わりにくい部分も、実際に遊んでみれば実感できると思います」（吉野さん）

リー猫さんは、体験するだけでなく、その先にある「つくる」という楽しみ方にも目を向けてほしいと話す。

「吉野さんと同じで、まずは遊んでみてほしいです。そこで面白いと感じたら、今度はぜひつくる側にも挑戦してほしい。ARGは、必ずしも大掛かりなものから始める必要はありません。新しいつくり手が加わることで、これまでとは違う作品が生まれてくるのも面白いと思います」（リー猫さん）

ARGを体験した人が、次はつくる側に立つ。生成AIは、アイデアを形にする際の技術面を補う手段の一つにもなり得る。表現や制作の手段が増えても、参加者がなぜ物語に関わりたくなるのか、現実との境界をどこに置くのかを決めるのは、つくり手である。参加者自身が「この先を知りたい」と感じ、自ら情報を探し、行動し始める。その体験をどうつくるかが、ARGの中心にある。






取材を終えて




本連載を企画したきっかけは、吉野さんがJapanStepで執筆されている『「ARG」が紡ぐ、新たなPRのカタチ』への反響でした。個別の活用事例だけでなく、ARGとは何か、なぜ人が自ら動くのか、企業が活用する際に何を考えるべきなのか。ARGをビジネスに生かすための基礎から、読者の皆さまに届けたいと考えたからです。

取材を通じて、私がARGに最も強く惹かれたのは、「情報をどう伝えるか」に加えて、その情報を「なぜ知りたくなるのか」まで設計できる点でした。受け手が自ら調べ、情報を読み、ときには現実の場所へ足を運ぶ。そうした行動を促す「理由」まで物語の中に組み込める。PRや採用、地域活性化にARGを生かす意味の一つは、そこにあると感じました。

お二人の話を聞くなかで、実際に企業や地域が抱える課題に、ARGをどう生かせるのかまで考えてみたいと思うようになりました。私がJMPを通じて実現したいのは、挑戦を記事にして届けることだけではありません。記事をきっかけに人や企業がつながり、それぞれの知見を持ち寄ることで、次の挑戦が始まる。そこまでメディアとして関わっていきたいと考えています。今回、その一つの実践として、吉野さん、リー猫さんとも連携し、PR・採用・地域活性化などでARGの活用を検討する企業・自治体に向け、ARGの企画・制作を支援するプロジェクトをJMPで立ち上げます。

ARGの活用に関心はあるものの、具体的な企画までは見えていないというご相談も歓迎します。自社の商品や理念をもっと深く知ってもらいたい、採用候補者に企業の考え方を伝えたい、地域に足を運ぶきっかけをつくりたい――そんな思いがあれば、JMPとして企画から一緒に考えていければと思います。ご関心のある企業・自治体のご担当者さまは、ぜひJapanStepのお問い合わせフォームからお声がけください。
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挑戦者のためのビジネスメディア『JapanStep』






参考文献

『ARGガイド2024 ～過去の名作から『Project:;COLD』まで～』（エレメンツ工房、2024年）
</description>
<enclosure url="https://japanstep.jp/images/learn/2609_Release/260903_ARG/AGR-2_05.webp" type="image/jpeg" />
<dc:category rdf:resource="https://japanstep.jp/learn/category/35">カルチャー</dc:category>
<dc:creator></dc:creator>
<dc:subject></dc:subject>
<dc:date>2026-09-18T07:00:00+09:00</dc:date>
<content:encoded><![CDATA[
<div id="cms-editor-minieditor-sin178701477802785100" class="cms-content-parts-sin178701477802793000">
<p><img src="/images/learn/2609_Release/260903_ARG/AGR-2_05.webp" width="1200" height="744" alt="" /></p>
<p>現実世界に物語への入口をつくり、参加者自身がその当事者となるARG（Alternate Reality Game／代替現実ゲーム）。<a href="https://japanstep.jp/learn/search/result/-/">本連載</a>ではこれまで、ARGの基本的な特徴や国内外での広がり、人を自ら動かす体験設計、企業コミュニケーションへの活用について紹介してきた。最終回では、生成AIが参加者と物語との関係や制作環境をどう変えつつあるのかを取り上げる。同時に、現実とフィクションが交わるARGにおいて、その境界をどう設計するのかを考える。（文＝JMP総合プロデューサー長谷川浩和）</p>
<p><span style="font-size: 1.6rem; background-color: rgb(255, 255, 255);">▼</span><a href="https://japanstep.jp/learn/category/234/" target="_self" style="background-color: rgb(255, 255, 255); font-size: 1.6rem;">「ARGの基礎知識」連載一覧</a></p>
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<p style="text-align: center;"><strong>お話を聞いたのは&#8230;</strong></p>
</div>
<div class="cms-content-parts-sin178701488397927300 box cparts-id411--01 lay-margin-b--3" col-flex="1-2" data-selectable="cparts-animate cparts-animate--slideInUp:上へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInDown:下へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInLeft:左へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInRight:右へスライド">
<div class="lay-row">
<div class="lay-col12-xs-12 lay-col12-md-6 lay-col12-lg-6">
<div class="cparts-img-block lay-img-width--max lay-margin-b--1"><img id="cms-editor-image-sin178701488397933300" class="cparts-editsite--img cms-easy-edit" alt="" src="/images/learn/2608_Release/260818_ARG/yoshino.webp" width="330" /></div>
<div class="cparts-editsite--txt cparts-txt-block lay-reset-child cms-easy-edit" id="cms-editor-minieditor-sin178701488397933800">
<p style="text-align: center;"><strong>環境ミステリーレーベル MARGINE<br />
合同会社 未来アクセラレート 代表　吉野 渉さん</strong></p>
<p class="MsoNormal">地域と<span lang="EN">ARG</span>の連携を掲げ、<span lang="EN">ARG</span>の企画・制作に取り組む。『<span lang="EN">Project:;COLD</span>』との出会いをきっかけに<span lang="EN">ARG</span>に魅了され、自らも<span lang="EN">ARG</span>制作に乗り出す。現在は<span lang="EN"><w:sdt sdttag="goog_rdk_0" id="-209643526"><w:sdt sdttag="goog_rdk_1" id="-570179261">ARG</w:sdt></w:sdt></span>レーベル「<span lang="EN">MARGINE</span>」を通じて、地域と<span lang="EN">ARG</span>をつなぐ取り組みを進めている。JapanStepにてコラム<a href="https://japanstep.jp/learn/category/223/">「ARGが紡ぐ、新しいPRのカタチ」</a>を連載中。</p>
</div>
</div>
<div class="lay-col12-xs-12 lay-col12-md-6 lay-col12-lg-6">
<div class="cparts-img-block lay-img-width--max lay-margin-b--1"><img id="cms-editor-image-sin178701488397933900" class="cparts-editsite--img cms-easy-edit" alt="リー猫さんプロフィール" src="/images/learn/2608_Release/260818_ARG/images20260818095927.webp" width="330" /></div>
<div class="cparts-editsite--txt cparts-txt-block lay-reset-child cms-easy-edit" id="cms-editor-minieditor-sin178701488397934200">
<p style="text-align: center;"><strong>ARGウォッチャー・謎解き制作者</strong><strong><br />
リー猫さん</strong></p>
<p style="text-align: left;">MARGINE全作品の謎解きを手がける。自ら作るだけでなく、noteやXで国内ARG作品のレビューや定期的な動向分析を発信し続けている。「ARGコンテスト2026」（虚構界隈主催）特別審査員。</p>
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</div>
</div>
</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin178702176145829000 cparts-editsite--mainttl" id="cms-editor-textarea-sin178702176145837600">生成AIが変える、ARGの体験と制作</h2>
<div class="cms-content-parts-sin178814129828166800 cparts-id119 lay-margin-b--3 box" data-selectable="cparts-animate cparts-animate--slideInUp:上へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInDown:下へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInLeft:左へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInRight:右へスライド">
<div class="lay-row">
<div class="lay-col12-xs-12 lay-col12-md-12 lay-col12-lg-12">
<div class="cparts-editsite--txt cparts-txt-block lay-reset-child" id="cms-editor-minieditor-sin178814129828170700">
<p>生成AIの導入によって、参加者と物語とのやり取りも変わり始めている。MARGINEではすでに、一部のやり取りにAIによる応答を取り入れているという。</p>
<p></p>
<p>「MARGINEでは、すでに一部の応答にAIを使っています。あらかじめ決められた回答ではなく、プレイヤーの働きかけに応じた反応を返せるため、物語をより&#8220;自分ごと&#8221;として感じてもらいやすい。生成AIは、そうしたARGの体験を深める使い方ができると感じています」（吉野さん）</p>
<p></p>
<p>これまでのARGでは、作り手が用意した文章や映像、Webサイトなどを参加者が探し、読み解きながら物語を進める作品が多かった。生成AIを組み込めば、問いかけ方に応じて返答を変えるなど、参加者ごとに異なるやり取りも設計できる。</p>
<p></p>
<p>ARGにとって意味があるのは、AIと会話できること自体ではなく、自分の働きかけに物語から応答が返ってくることだ。従来の「物語を追う」体験に、プレイヤーから物語へ働きかける要素を加えることができる。</p>
<p></p>
<p>プレイヤーへの応答に加え、生成AIは制作の現場でも使われ始めている。複数のWebサイトやSNS、画像、システムなどを組み合わせるARGでは、発想があっても、それを形にする技術が壁になることがある。吉野さん自身、生成AIによって手掛けられる範囲が広がったという。</p>
<p></p>
<p>「Webサイトの制作経験はありましたが、プログラミングを専門にしてきたわけではありません。生成AIを使うようになり、今ではシステムまで含めて自分で試せる範囲が広がりました。アイデアを思いついてから形にするまでの距離が、以前よりかなり短くなったと感じています」（吉野さん）</p>
<p></p>
<p>生成AIによって、これまで技術的な理由で実現が難しかったアイデアを、まず自分で試せる場面も増えている。</p>
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<div></div>
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</div>
</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin178839562118422300 cparts-editsite--mainttl" id="cms-editor-textarea-sin178839562118429400">AIを使う理由まで設計する</h2>
<div class="cms-content-parts-sin178839561240194800 cparts-id119 lay-margin-b--3 box" data-selectable="cparts-animate cparts-animate--slideInUp:上へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInDown:下へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInLeft:左へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInRight:右へスライド">
<div class="lay-row">
<div class="lay-col12-xs-12 lay-col12-md-12 lay-col12-lg-12">
<div class="cparts-editsite--txt cparts-txt-block lay-reset-child" id="cms-editor-minieditor-sin178839561240173200">
<p>生成AIを制作に取り入れる際には、作品のどこで使うのかを見極める必要がある。リー猫さんは、実際には撮影しにくいビジュアルの制作を一例に挙げる。</p>
<p></p>
<p>「ARGでは、架空の事件や事故など、実際には撮影しにくい場面を扱うことがあります。そうしたビジュアルをつくるうえで、生成AIは有効だと思います。ただ、AIによる表現そのものに抵抗を感じる方もいます。生成AIを前面に出しすぎず、作品の中でどこに、どの程度使うのか。そのバランスは見極める必要があると思っています」（リー猫さん）</p>
<p></p>
<p>ARGでは、手掛かり一つにも「なぜ、それがそこにあるのか」という必然性が求められる。生成AIについても同様である。登場人物との会話に使うのか、ビジュアルの制作に使うのか、あるいは表には出さず制作工程を支えるために使うのか。技術そのものではなく、その技術が体験の中でどのような役割を担うのかまで設計する必要がある。</p>
<p></p>
<p>生成AIを前面に出すことで、作品そのものより技術に注意が向く場合もある。生成AIによる表現への受け止め方も一様ではない。作品の世界観や想定する参加者によって、その使いどころは変わってくる。</p>
<p></p>
<p>「何に使うか」だけではなく、「どこでは使わないか」も制作上の判断になる。生成AIありきではなく、参加者に届けたい体験を起点に、AIを使う場所を考える。</p>
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<div class="cms-content-parts-sin178839561507041500 cparts-id119 lay-margin-b--3 box" data-selectable="cparts-animate cparts-animate--slideInUp:上へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInDown:下へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInLeft:左へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInRight:右へスライド">
<div class="lay-row">
<div class="lay-col12-xs-12 lay-col12-md-12 lay-col12-lg-12">
<div class="cparts-editsite--txt cparts-txt-block lay-reset-child" id="cms-editor-minieditor-sin178839561507020600">
<p>ARGは、WebサイトやSNS、実在する場所など、私たちが日常的に接する環境にフィクションを織り込む表現である。生成AIによって現実らしい画像や文章を制作しやすくなった今、作品と現実社会との境界をどこに置くかは、より慎重に考える必要がある。</p>
<p></p>
<p>現実らしさはARGの体験を支える要素の一つだが、その演出によって作品に参加していない人を巻き込むことは避けなければならない。実在する施設や組織を扱う場合も同様である。リー猫さんがまず挙げるのは、作品に参加していない第三者への配慮である。</p>
<p></p>
<p>「ARGでまず守るべきなのは、プレイヤー以外の方に迷惑をかけないことだと思います。実在する施設や第三者を無断で物語に巻き込めば、作品とは関係のない方にまで影響が及びます。現実世界を使う以上、そこは越えてはいけない線だと思っています」（リー猫さん）</p>
<p></p>
<p>加えて、リー猫さんは、必要なときにフィクションであることを確認できるようにしておくべきだと話す。</p>
<p></p>
<p>「第四境界では、作品用のWebサイトにも、フィクションであることが分かる表記を入れています。多少現実感を損なう面はあっても、それによって作品を楽しめなくなるわけではありません。企業・個人を問わず、ARGを制作するなら、フィクションであることを確認できる手段は用意しておくべきだと思います」（リー猫さん）</p>
<p></p>
<p><a href="https://japanstep.jp/learn/2026/08/2342/">第2回</a>で紹介した第四境界の作品では、ARGであると理解したうえで購入しても、物語への没入は成立している。</p>
<p></p>
<p>少なくとも第四境界の事例を見る限り、フィクションであることを確認できる仕組みそのものが、没入を妨げるわけではない。吉野さんも、現実を舞台にする以上、最初に守るべき前提があると話す。</p>
<p></p>
<p>「リー猫さんがおっしゃった通り、ARGは現実世界とつながる表現ですから、プレイヤー以外の方に迷惑をかけたり、不快な思いをさせたりしない。それが大前提です」（吉野さん）</p>
<p></p>
<p>生成AIによって現実らしい表現をつくりやすくなった今、作り手には「どこまで現実へ踏み込むか」という判断が問われる。没入感を高めることと、現実社会との境界を曖昧にすることは同義ではない。どこに線を引くのかまでが、ARGの設計である。</p>
<p><img src="/images/learn/2609_Release/260903_ARG/images20260903094631.webp" width="900" height="600" alt="" /><span style="font-size: small;">どこに線を引くかまでが「ARG設計」</span></p>
<div></div>
<div></div>
</div>
</div>
</div>
</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin178839621851411900 cparts-editsite--mainttl" id="cms-editor-textarea-sin178839621851420500">プレイヤーから、次のつくり手へ</h2>
<div class="cms-content-parts-sin178839622318573900 cparts-id119 lay-margin-b--3 box" data-selectable="cparts-animate cparts-animate--slideInUp:上へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInDown:下へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInLeft:左へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInRight:右へスライド">
<div class="lay-row">
<div class="lay-col12-xs-12 lay-col12-md-12 lay-col12-lg-12">
<div class="cparts-editsite--txt cparts-txt-block lay-reset-child" id="cms-editor-minieditor-sin178839622318545000">
<p>最後に、これからARGに触れる人へ向けた言葉を二人に聞いた。</p>
<p></p>
<p>「まずはARGを一つ体験してみてほしいですね。説明だけでは伝わりにくい部分も、実際に遊んでみれば実感できると思います」（吉野さん）</p>
<p></p>
<p>リー猫さんは、体験するだけでなく、その先にある「つくる」という楽しみ方にも目を向けてほしいと話す。</p>
<p></p>
<p>「吉野さんと同じで、まずは遊んでみてほしいです。そこで面白いと感じたら、今度はぜひつくる側にも挑戦してほしい。ARGは、必ずしも大掛かりなものから始める必要はありません。新しいつくり手が加わることで、これまでとは違う作品が生まれてくるのも面白いと思います」（リー猫さん）</p>
<p></p>
<p>ARGを体験した人が、次はつくる側に立つ。生成AIは、アイデアを形にする際の技術面を補う手段の一つにもなり得る。表現や制作の手段が増えても、参加者がなぜ物語に関わりたくなるのか、現実との境界をどこに置くのかを決めるのは、つくり手である。参加者自身が「この先を知りたい」と感じ、自ら情報を探し、行動し始める。その体験をどうつくるかが、ARGの中心にある。</p>
<div></div>
<div></div>
</div>
</div>
</div>
</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin178839644740148000 cparts-editsite--mainttl" id="cms-editor-textarea-sin178839644740155500">取材を終えて</h2>
<div class="cms-content-parts-sin178839644212149700 cparts-id119 lay-margin-b--3 box" data-selectable="cparts-animate cparts-animate--slideInUp:上へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInDown:下へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInLeft:左へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInRight:右へスライド">
<div class="lay-row">
<div class="lay-col12-xs-12 lay-col12-md-12 lay-col12-lg-12">
<div class="cparts-editsite--txt cparts-txt-block lay-reset-child" id="cms-editor-minieditor-sin178839644212126700">
<p>本連載を企画したきっかけは、吉野さんがJapanStepで執筆されている<a href="https://japanstep.jp/learn/category/223/">『「ARG」が紡ぐ、新たなPRのカタチ』</a>への反響でした。個別の活用事例だけでなく、ARGとは何か、なぜ人が自ら動くのか、企業が活用する際に何を考えるべきなのか。ARGをビジネスに生かすための基礎から、読者の皆さまに届けたいと考えたからです。</p>
<p></p>
<p>取材を通じて、私がARGに最も強く惹かれたのは、「情報をどう伝えるか」に加えて、その情報を「なぜ知りたくなるのか」まで設計できる点でした。受け手が自ら調べ、情報を読み、ときには現実の場所へ足を運ぶ。そうした行動を促す「理由」まで物語の中に組み込める。PRや採用、地域活性化にARGを生かす意味の一つは、そこにあると感じました。</p>
<p></p>
<p>お二人の話を聞くなかで、実際に企業や地域が抱える課題に、ARGをどう生かせるのかまで考えてみたいと思うようになりました。私がJMPを通じて実現したいのは、挑戦を記事にして届けることだけではありません。記事をきっかけに人や企業がつながり、それぞれの知見を持ち寄ることで、次の挑戦が始まる。そこまでメディアとして関わっていきたいと考えています。今回、その一つの実践として、吉野さん、リー猫さんとも連携し、<strong>PR・採用・地域活性化などでARGの活用を検討する企業・自治体に向け、ARGの企画・制作を支援するプロジェクト</strong>をJMPで立ち上げます。</p>
<p></p>
<p>ARGの活用に関心はあるものの、具体的な企画までは見えていないというご相談も歓迎します。自社の商品や理念をもっと深く知ってもらいたい、採用候補者に企業の考え方を伝えたい、地域に足を運ぶきっかけをつくりたい――そんな思いがあれば、JMPとして企画から一緒に考えていければと思います。ご関心のある企業・自治体のご担当者さまは、ぜひJapanStepの<a href="https://japanstep.jp/contact/">お問い合わせフォーム</a>からお声がけください。</p>
<p><span style="background-color: rgb(255, 255, 255); font-weight: bolder;">▼「挑戦」を生むトレンドニュースを毎日掲載！</span><br style="background-color: rgb(255, 255, 255);" />
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<h3 class="cms-content-parts-sin178702203739759800 cparts-editsite--mainttl" id="cms-editor-textarea-sin178702203739763600">参考文献</h3>
<div id="cms-editor-minieditor-sin178702200670694000" class="cms-content-parts-sin178702200670703000">
<p>『ARGガイド2024 ～過去の名作から『Project:;COLD』まで～』（エレメンツ工房、2024年）</p>
</div>
]]></content:encoded>
</item>

<item rdf:about="https://japanstep.jp/learn/2026/09/2431/">
<title>生活者の行動差を可視化。AI向け新データ提供開始</title>
<link>https://japanstep.jp/learn/2026/09/2431/</link>
<description>
社内業務やマーケティング、商圏分析など、生成AIやRAG（検索拡張生成）の実務活用が急速に広がる一方で、AIが参照できる情報源の偏りが新たな課題として浮上している。現在のAIはインターネット上のテキストや社内文書への依存度が高く、生活者が現実空間でどう移動し、どんな施設に触れているかという「オフラインの行動実態」の把握は難しい。そのため、地域施策や出店判断でAIを活用しても、一般論にとどまりやすいという限界があった。
こうした現実とデータの乖離を解消すべく、生活者の行動統計をAIの判断基準として提供する新たなアプローチが動き出している。2026年7月、株式会社ジェーエムエーシステムズ（JMAS）は、全国1,741市区町村の生活者行動差を比較できる「現実世界アンカーデータ」の提供を開始した。基地局データと施設情報を統合し、AIに現実世界のファクトを読み込ませる試みが、地域ビジネスや施策立案の精度を根本から引き上げようとしている。（文＝JapanStep編集部）
▼「挑戦」を生むトレンドニュースを毎日掲載！
挑戦者のためのビジネスメディア『JapanStep』




基地局統計を行動特徴量へ。全国1,741市区町村の差を可視化

日本能率協会グループのシステムインテグレーターであるJMASが、株式会社ピース企画と共同開発した「LOGIO（ロヂオ）」を通じて提供を開始した「現実世界アンカーデータ」は、生成AIやRAG、フィジカルAI、AIエージェント向けの外部参照データだ。
（引用元：PR TIMES）

LOGIOは、ドコモ・インサイトマーケティングが保有するドコモの会員属性や位置情報（別途同意済み）とNTTタウンページ株式会社が保有する全国のスポットデータを掛け合わせ、特許技術により多様な生活者グループの価値観・ライフスタイルに関するデータを生成し分析する基盤だ。具体的には、全国47都道府県・1,741市区町村を対象とし、性別や年代別に細分化した42,936グループごとの行動特徴量を提供するAI向けの統計データだ。

最大の特徴は、位置情報を単なる座標としてではなく、生活者が普段どのような施設に触れているかを示す「1,000種の施設ジャンルに対する接触機会の特徴を相対化スコア」へと意味化している点にある。地域・属性・施設ジャンル・月次を軸にしたデータキューブ型で構成され、月間4,000万件を超えるデータ項目が継続的に更新される。
（引用元：PR TIMES）

提供形式はCSV納品やAPI連携、RAG向け加工データなど柔軟に対応しており、既存のAIシステムへ大規模な改修を伴わずに組み込むことが可能だ。主な活用領域としては、広告運用のターゲット設計や商圏分析、出店判断、観光・自治体施策など、幅広い分野でのPoCや実務活用を想定している。


行動データで精度向上。AIが拓く&#8220;ファクトベース&#8221;の推論

JMASによる現実世界アンカーデータの提供が示唆するのは、生成AIの実務活用における競争軸が「モデル自体の性能」から「現実世界を捉えた参照データの質」へ移行し始めたという事実だ。

テキスト情報のみを学習したAIは、一般的な知識を論理的にまとめる能力に優れているものの、地域ごとの細かな生活実態や時期による行動の変化までは把握できない。そこに基地局由来のマクロ行動統計という「客観的な基準（アンカー）」を掛け合わせることで、ハルシネーションを抑え、「この地域では実際にどのような行動差が観測されているか」というファクトに基づいた推論が可能になるのだ。

さらに、本取り組みがもたらす価値は、地域ビジネスや自治体施策における意思決定の高度化にある。「全国平均と比べた地域の特性」や「前月比での施設接触の変化」といった差分を全国同一基準で客観比較できるため、従来は担当者の勘や経験に依存していた施策立案を、データに裏打ちされた再現性の高い戦略へと転換できる環境が整うだろう。

生成AIが真に社会へ根づくためには、現実世界の生活者動向とシームレスに接続することが欠かせない。JMASが提示した現実世界アンカーデータのモデルは、AIが地域や生活者の実態に寄り添い、確かな成果を生み出し続けるための重要な基盤となっていくはずだ。
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</description>
<enclosure url="https://japanstep.jp/images/learn/2609_Release/260915_seikatsusya/main.webp" type="image/jpeg" />
<dc:category rdf:resource="https://japanstep.jp/learn/category/43">ビジネス</dc:category>
<dc:creator></dc:creator>
<dc:subject></dc:subject>
<dc:date>2026-09-17T07:00:00+09:00</dc:date>
<content:encoded><![CDATA[
<div id="cms-editor-minieditor-sin178944095160708500" class="cms-content-parts-sin178944095160716200">
<p>社内業務やマーケティング、商圏分析など、生成AIやRAG（検索拡張生成）の実務活用が急速に広がる一方で、AIが参照できる情報源の偏りが新たな課題として浮上している。現在のAIはインターネット上のテキストや社内文書への依存度が高く、生活者が現実空間でどう移動し、どんな施設に触れているかという「オフラインの行動実態」の把握は難しい。そのため、地域施策や出店判断でAIを活用しても、一般論にとどまりやすいという限界があった。<br />
こうした現実とデータの乖離を解消すべく、生活者の行動統計をAIの判断基準として提供する新たなアプローチが動き出している。2026年7月、株式会社ジェーエムエーシステムズ（JMAS）は、全国1,741市区町村の生活者行動差を比較できる「現実世界アンカーデータ」の提供を開始した。基地局データと施設情報を統合し、AIに現実世界のファクトを読み込ませる試みが、地域ビジネスや施策立案の精度を根本から引き上げようとしている。（文＝JapanStep編集部）</p>
<p><strong>▼「挑戦」を生むトレンドニュースを毎日掲載！</strong><br />
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<p></p>
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</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin178944098315318500 cparts-editsite--mainttl cparts-id002" id="cms-editor-textarea-sin178944098315322300">基地局統計を行動特徴量へ。全国1,741市区町村の差を可視化</h2>
<div id="cms-editor-minieditor-sin178944097016174400" class="cms-content-parts-sin178944097016183300">
<p>日本能率協会グループのシステムインテグレーターであるJMASが、株式会社ピース企画と共同開発した「LOGIO（ロヂオ）」を通じて提供を開始した「現実世界アンカーデータ」は、生成AIやRAG、フィジカルAI、AIエージェント向けの外部参照データだ。</p>
<p><img src="/images/learn/2609_Release/260915_seikatsusya/1.webp" width="900" height="539" alt="" /><span style="font-size: small;">（引用元：</span><a href="https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000057.000018623.html"><span style="font-size: small;">PR TIMES</span></a><span style="font-size: small;">）</span></p>
<p></p>
<p>LOGIOは、ドコモ・インサイトマーケティングが保有するドコモの会員属性や位置情報（別途同意済み）とNTTタウンページ株式会社が保有する全国のスポットデータを掛け合わせ、特許技術により多様な生活者グループの価値観・ライフスタイルに関するデータを生成し分析する基盤だ。具体的には、全国47都道府県・1,741市区町村を対象とし、性別や年代別に細分化した42,936グループごとの行動特徴量を提供するAI向けの統計データだ。</p>
<p></p>
<p>最大の特徴は、位置情報を単なる座標としてではなく、生活者が普段どのような施設に触れているかを示す「1,000種の施設ジャンルに対する接触機会の特徴を相対化スコア」へと意味化している点にある。地域・属性・施設ジャンル・月次を軸にしたデータキューブ型で構成され、月間4,000万件を超えるデータ項目が継続的に更新される。</p>
<p><img src="/images/learn/2609_Release/260915_seikatsusya/2.webp" width="900" height="530" alt="" /><span style="font-size: small;">（引用元：</span><a href="https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000057.000018623.html"><span style="font-size: small;">PR TIMES</span></a><span style="font-size: small;">）</span></p>
<p></p>
<p>提供形式はCSV納品やAPI連携、RAG向け加工データなど柔軟に対応しており、既存のAIシステムへ大規模な改修を伴わずに組み込むことが可能だ。主な活用領域としては、広告運用のターゲット設計や商圏分析、出店判断、観光・自治体施策など、幅広い分野でのPoCや実務活用を想定している。</p>
<div></div>
</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin178944098629009900 cparts-editsite--mainttl cparts-id002" id="cms-editor-textarea-sin178944098629017100">行動データで精度向上。AIが拓く&#8220;ファクトベース&#8221;の推論</h2>
<div id="cms-editor-minieditor-sin178944097258532500" class="cms-content-parts-sin178944097258543000">
<p>JMASによる現実世界アンカーデータの提供が示唆するのは、生成AIの実務活用における競争軸が「モデル自体の性能」から「現実世界を捉えた参照データの質」へ移行し始めたという事実だ。</p>
<p></p>
<p>テキスト情報のみを学習したAIは、一般的な知識を論理的にまとめる能力に優れているものの、地域ごとの細かな生活実態や時期による行動の変化までは把握できない。そこに基地局由来のマクロ行動統計という「客観的な基準（アンカー）」を掛け合わせることで、ハルシネーションを抑え、「この地域では実際にどのような行動差が観測されているか」というファクトに基づいた推論が可能になるのだ。</p>
<p></p>
<p>さらに、本取り組みがもたらす価値は、地域ビジネスや自治体施策における意思決定の高度化にある。「全国平均と比べた地域の特性」や「前月比での施設接触の変化」といった差分を全国同一基準で客観比較できるため、従来は担当者の勘や経験に依存していた施策立案を、データに裏打ちされた再現性の高い戦略へと転換できる環境が整うだろう。</p>
<p></p>
<p>生成AIが真に社会へ根づくためには、現実世界の生活者動向とシームレスに接続することが欠かせない。JMASが提示した現実世界アンカーデータのモデルは、AIが地域や生活者の実態に寄り添い、確かな成果を生み出し続けるための重要な基盤となっていくはずだ。</p>
<p><span style="font-weight: bolder; background-color: rgb(255, 255, 255);">▼「挑戦」を生むトレンドニュースを毎日掲載！</span><br style="background-color: rgb(255, 255, 255);" />
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<div></div>
</div>
]]></content:encoded>
</item>

<item rdf:about="https://japanstep.jp/learn/2026/09/2425/">
<title>AIで地方から課題を解く。長野発スマートシティが産官学金で進む</title>
<link>https://japanstep.jp/learn/2026/09/2425/</link>
<description>
地方都市が抱える若者の流出や産業の衰退。自治体の予算や人員だけでは、複雑化する社会課題に対処しきれないのが現実だ。この行き詰まりを解消するには、地元企業や大学、金融機関の知恵を結集する開かれた枠組みが欠かせない。長野市で進む、産学官金が連携し生成AIを駆使して新たなビジネスを創出する取り組みから、地方発のイノベーションを社会へ実装するための実践的なアプローチを考察する。（文＝JapanStep編集部）
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産学官金が連携。長野市の事業創出プログラム

2026年7月、新産業のエコシステムビルダーであるSUNDRED株式会社は、「NAGANOスマートシティコミッション（NASC）」の事務局運営支援業務を4年連続で受託したと発表した。
（引用元：PR TIMES）

NASCは長野市、長野商工会議所、信州大学工学部、株式会社八十二長野銀行の発起により2021年に設立された。デジタル技術などを活用した地域課題の解決と持続可能なまちづくりを推進する産学官金の連携組織である。同団体の設立趣旨に賛同する地域内外の企業や高等教育機関などが多数参画している。

（引用元：PR TIMES）

SUNDREDは共創の場づくりや実証プロジェクトの推進に尽力してきた。前年度には、スキーレンタルからリフト券販売、タクシー手配までをワンストップで提供する実証実験を実施し、エコシステム形成の強固な土台を築いている。

今年度はこれまでの成果を基盤に、事業化や持続可能なビジネス創出を見据えた新たな支援プログラムを展開する。大きな特徴は、複数年での伴走支援により持続可能なビジネスへの接続を強化する「2か年支援プラン」の新設だ。
（引用元：PR TIMES）

さらに、ワーキンググループでは生成AIを活用した事業計画の策定や、企業マッチングを実施する。長野市が運営する起業支援事業と連携して資金調達の機会を設けるなど、多様な主体が継続的に連携し、新たな産業や事業を創出するための環境を力強く整えていく構えだ。


枠組みを整え、熱量を形にする地方の共創

地方創生を掲げてコンソーシアムや協議会を立ち上げる自治体は数多く存在するが、実証実験の段階で予算が尽き、一過性のイベントで終わってしまうケースは少なくない。その最大の原因は、アイデアを具体的な事業として自走させるための「持続的な仕組み」が欠如している点にある。

長野市におけるこの取り組みが特筆すべきなのは、実証実験を&#8220;やりっぱなし&#8221;にせず、2年間の伴走支援プランを新設するなど、「事業化」に執着した骨太な構造を持っている点だ。さらに生成AIを活用した事業計画の策定をプログラムに組み込むことで、リソースの限られた地方企業であっても、高度な戦略立案やスピーディーな仮説検証が可能になる。AIが思考の壁打ち相手となり、地域の隠れた資産を新しいビジネスモデルへと変換するプロセスを強力に後押しするのだ。

大学の知見や金融機関の資金調達力を初期段階から巻き込んでいる点も、実務的なエコシステムの設計と言える。行政の号令だけでなく、民間企業やスタートアップ支援施設と積極的に交わり、異業種がフラットに議論できる交流の場が定期的に機能しているからこそ、地域全体に共創の熱量が波及していく。

テクノロジーは、それ単体で地方の過疎化や産業の衰退を救う魔法ではない。AIやデジタルの力を最大限に引き出すためには、多様な主体がフラットにつながり、互いのリソースを掛け合わせる盤石なコミュニティが不可欠だ。長野の地で育まれるオープンイノベーションの土壌は、地方都市が自立し、力強い経済の循環を生み出すためのモデルとなるだろう。地域の熱気をビジネスの形へと昇華させる着実な歩みが、日本全体を活気づける豊かな原動力となりうる。
▼「挑戦」を生むトレンドニュースを毎日掲載！
挑戦者のためのビジネスメディア『JapanStep』

</description>
<enclosure url="https://japanstep.jp/images/learn/2609_Release/260914_nagano/main.webp" type="image/jpeg" />
<dc:category rdf:resource="https://japanstep.jp/learn/category/43">ビジネス</dc:category>
<dc:creator></dc:creator>
<dc:subject></dc:subject>
<dc:date>2026-09-16T07:00:00+09:00</dc:date>
<content:encoded><![CDATA[
<div id="cms-editor-minieditor-sin178934764791181300" class="cms-content-parts-sin178934764791188400">
<p>地方都市が抱える若者の流出や産業の衰退。自治体の予算や人員だけでは、複雑化する社会課題に対処しきれないのが現実だ。この行き詰まりを解消するには、地元企業や大学、金融機関の知恵を結集する開かれた枠組みが欠かせない。長野市で進む、産学官金が連携し生成AIを駆使して新たなビジネスを創出する取り組みから、地方発のイノベーションを社会へ実装するための実践的なアプローチを考察する。（文＝JapanStep編集部）</p>
<p><strong>▼「挑戦」を生むトレンドニュースを毎日掲載！</strong><br />
<a href="https://japanstep.jp/">挑戦者のためのビジネスメディア『JapanStep』</a></p>
<p></p>
<div></div>
</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin178934769023071100 cparts-editsite--mainttl cparts-id002" id="cms-editor-textarea-sin178934769023075000">産学官金が連携。長野市の事業創出プログラム</h2>
<div id="cms-editor-minieditor-sin178934767860063100" class="cms-content-parts-sin178934767860071500">
<p>2026年7月、新産業のエコシステムビルダーであるSUNDRED株式会社は、「NAGANOスマートシティコミッション（NASC）」の事務局運営支援業務を4年連続で受託したと発表した。</p>
<p><img src="/images/learn/2609_Release/260914_nagano/1.webp" width="900" height="506" alt="" /><span style="font-size: small;">（引用元：</span><a href="https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000171.000046109.html"><span style="font-size: small;">PR TIMES</span></a><span style="font-size: small;">）</span></p>
<p></p>
<p>NASCは長野市、長野商工会議所、信州大学工学部、株式会社八十二長野銀行の発起により2021年に設立された。デジタル技術などを活用した地域課題の解決と持続可能なまちづくりを推進する産学官金の連携組織である。同団体の設立趣旨に賛同する地域内外の企業や高等教育機関などが多数参画している。</p>
<p style="text-align: center;"><img src="/images/learn/2609_Release/260914_nagano/2.webp" width="450" height="205" alt="" /><br />
<span style="font-size: small;">（引用元：</span><a href="https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000171.000046109.html" style="text-decoration: none;"><span style="font-size: small;">PR TIMES</span></a><span style="font-size: small;">）</span></p>
<p></p>
<p>SUNDREDは共創の場づくりや実証プロジェクトの推進に尽力してきた。前年度には、スキーレンタルからリフト券販売、タクシー手配までをワンストップで提供する実証実験を実施し、エコシステム形成の強固な土台を築いている。</p>
<p></p>
<p>今年度はこれまでの成果を基盤に、事業化や持続可能なビジネス創出を見据えた新たな支援プログラムを展開する。大きな特徴は、複数年での伴走支援により持続可能なビジネスへの接続を強化する「2か年支援プラン」の新設だ。</p>
<p><img src="/images/learn/2609_Release/260914_nagano/3.webp" width="900" height="675" alt="" /><span style="font-size: small;">（引用元：</span><a href="https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000171.000046109.html" style="text-decoration: none;"><span style="font-size: small;">PR TIMES</span></a><span style="font-size: small;">）</span></p>
<p></p>
<p>さらに、ワーキンググループでは生成AIを活用した事業計画の策定や、企業マッチングを実施する。長野市が運営する起業支援事業と連携して資金調達の機会を設けるなど、多様な主体が継続的に連携し、新たな産業や事業を創出するための環境を力強く整えていく構えだ。</p>
<div></div>
</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin178934769342915200 cparts-editsite--mainttl cparts-id002" id="cms-editor-textarea-sin178934769342923700">枠組みを整え、熱量を形にする地方の共創</h2>
<div id="cms-editor-minieditor-sin178934767619094000" class="cms-content-parts-sin178934767619103500">
<p>地方創生を掲げてコンソーシアムや協議会を立ち上げる自治体は数多く存在するが、実証実験の段階で予算が尽き、一過性のイベントで終わってしまうケースは少なくない。その最大の原因は、アイデアを具体的な事業として自走させるための「持続的な仕組み」が欠如している点にある。</p>
<p></p>
<p>長野市におけるこの取り組みが特筆すべきなのは、実証実験を&#8220;やりっぱなし&#8221;にせず、2年間の伴走支援プランを新設するなど、「事業化」に執着した骨太な構造を持っている点だ。さらに生成AIを活用した事業計画の策定をプログラムに組み込むことで、リソースの限られた地方企業であっても、高度な戦略立案やスピーディーな仮説検証が可能になる。AIが思考の壁打ち相手となり、地域の隠れた資産を新しいビジネスモデルへと変換するプロセスを強力に後押しするのだ。</p>
<p></p>
<p>大学の知見や金融機関の資金調達力を初期段階から巻き込んでいる点も、実務的なエコシステムの設計と言える。行政の号令だけでなく、民間企業やスタートアップ支援施設と積極的に交わり、異業種がフラットに議論できる交流の場が定期的に機能しているからこそ、地域全体に共創の熱量が波及していく。</p>
<p></p>
<p>テクノロジーは、それ単体で地方の過疎化や産業の衰退を救う魔法ではない。AIやデジタルの力を最大限に引き出すためには、多様な主体がフラットにつながり、互いのリソースを掛け合わせる盤石なコミュニティが不可欠だ。長野の地で育まれるオープンイノベーションの土壌は、地方都市が自立し、力強い経済の循環を生み出すためのモデルとなるだろう。地域の熱気をビジネスの形へと昇華させる着実な歩みが、日本全体を活気づける豊かな原動力となりうる。</p>
<p><span style="font-weight: bolder;">▼「挑戦」を生むトレンドニュースを毎日掲載！</span><br />
<a href="https://japanstep.jp/">挑戦者のためのビジネスメディア『JapanStep』</a></p>
<div></div>
</div>
]]></content:encoded>
</item>

<item rdf:about="https://japanstep.jp/learn/2026/09/2424/">
<title>患者の本音を可視化。AIが支える接遇</title>
<link>https://japanstep.jp/learn/2026/09/2424/</link>
<description>
患者一人ひとりの細やかな関心や希望に寄り添う姿勢が、顧客満足度や信頼に大きく影響する美容医療などの自由診療。しかし、電話やメール、LINE、来院時の会話など、コミュニケーション手段が多岐にわたる現場では、担当者や部門ごとに情報が分散し、患者が発した大切な関心や希望が埋もれてしまうことが少なくなかった。
こうした情報の分断という課題を解消すべく、過去のやり取りをデータ資産へと変えてスタッフを支援する新たなアプローチが動き出している。2026年7月、株式会社zapathは、自律実行型AIエージェント「CLINIC BOY（クリニックボーイ）」において、患者の潜在的な関心を整理して接遇をアシストする「AIインサイト機能」をリリースした。AI現場のスタッフを裏方として支える仕組みは、対人サービスにおけるAI活用の新たな可能性を示している。（文＝JapanStep編集部）
▼「挑戦」を生むトレンドニュースを毎日掲載！
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分散した情報を資産へ。AIが描く一貫した患者像


（引用元：PR TIMES）

自由診療クリニック向けAIエージェントCRM「ClinicHub（クリニックハブ）」を展開するzapathは、「ClinicHub」上で稼働する自律実行型AIエージェント「CLINIC BOY」に「AIインサイト機能」を実装した。同機能は、電話・メール・LINEなど複数チャネルにまたがる過去のやり取りをAIが横断的に整理・統合する仕組みだ。同社によると、自由診療向けCRMにおいて、患者インサイト情報をAIが提示する機能としては業界初という。

自由診療の現場では、受付やカウンセリング、施術、アフターフォローなど複数の部門が関わるため、患者の要望や会話の端々に現れる関心が共有されにくい課題が存在していた。本機能では、散らばっていた情報を一人の「患者像」として集約。さらに、過去の対話履歴から、患者自身もまだ明確に言葉にできていない関心や希望の兆しをAIが読み取り、接遇にあたるスタッフへ提示する。

これにより、スタッフは初回来院時のように一から要望を聞き直すことなく、過去の経緯を踏まえたカウンセリングやフォローを行えるようになる。また、電話やLINEでの問い合わせ時にも即座に患者像を参照できるため、担当者が変わっても一貫した応対が可能だ。さらに、経験の浅いスタッフであっても患者の背景を踏まえた接遇がしやすくなり、一歩踏み込んだ提案や細やかな気配りを生み出す環境の実現にもつながっている。


無人化から&#8220;接遇の補強&#8221;へ。AIが拓く、人に寄り添うDX

zapathによるAIインサイト機能の実装が示唆するのは、対人サービス業におけるAIが患者理解に必要な情報を整理し、現場スタッフの応対を支援する活用例といえる。

美容医療をはじめとする自由診療では、施術の技術だけでなく、患者との心理的な距離を縮めて不安を取り除くコミュニケーションをとることが、再来院や信頼の獲得に直結する。自費診療という特性上、患者が求めるのは「自分の希望を深く理解し、形にしてくれる体験」にほかならないからだ。こうした繊細な現場においては、AIが表に出て接客を代替するのではなく、現場のスタッフが質の高い対話を行うための「裏方」としてのAI活用こそが効果を発揮する。

また、本取り組みは、属人化しがちだった「患者の意図を汲み取る接遇」を組織全体で再現可能にする点にも大きな価値がある。ベテランスタッフの感覚や記憶に依存していた患者理解をデータとして可視化することで、組織全体の応対品質が底上げされ、スタッフの経験値に関わらず温かみのある接遇を提供できるようになるだろう。

テクノロジーの真価は、人を排除することではなく、人と人との対話を豊かにすることにある。zapathが提示した患者インサイトの活用モデルは、サービス業が対面コミュニケーションの価値を再定義し、持続的な信頼関係を築くための新たな一手となるはずだ。
▼「挑戦」を生むトレンドニュースを毎日掲載！
挑戦者のためのビジネスメディア『JapanStep』

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<dc:category rdf:resource="https://japanstep.jp/learn/category/32">テクノロジー</dc:category>
<dc:creator></dc:creator>
<dc:subject></dc:subject>
<dc:date>2026-09-15T07:00:00+09:00</dc:date>
<content:encoded><![CDATA[
<div id="cms-editor-minieditor-sin178934722686471000" class="cms-content-parts-sin178934722686479100">
<p>患者一人ひとりの細やかな関心や希望に寄り添う姿勢が、顧客満足度や信頼に大きく影響する美容医療などの自由診療。しかし、電話やメール、LINE、来院時の会話など、コミュニケーション手段が多岐にわたる現場では、担当者や部門ごとに情報が分散し、患者が発した大切な関心や希望が埋もれてしまうことが少なくなかった。<br />
こうした情報の分断という課題を解消すべく、過去のやり取りをデータ資産へと変えてスタッフを支援する新たなアプローチが動き出している。2026年7月、株式会社zapathは、自律実行型AIエージェント「CLINIC BOY（クリニックボーイ）」において、患者の潜在的な関心を整理して接遇をアシストする「AIインサイト機能」をリリースした。AI現場のスタッフを裏方として支える仕組みは、対人サービスにおけるAI活用の新たな可能性を示している。（文＝JapanStep編集部）</p>
<p><strong>▼「挑戦」を生むトレンドニュースを毎日掲載！</strong><br />
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<p></p>
<div></div>
<div></div>
</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin178934724222927500 cparts-editsite--mainttl cparts-id002" id="cms-editor-textarea-sin178934724222931400">分散した情報を資産へ。AIが描く一貫した患者像</h2>
<div id="cms-editor-minieditor-sin178934723201641400" class="cms-content-parts-sin178934723201649400">
<p><img src="/images/learn/2609_Release/260914_kanjya/1.webp" width="900" height="504" alt="" /><br />
<span style="font-size: small;">（引用元：</span><a href="https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000023.000158176.html"><span style="font-size: small;">PR TIMES</span></a><span style="font-size: small;">）</span></p>
<p></p>
<p>自由診療クリニック向けAIエージェントCRM「ClinicHub（クリニックハブ）」を展開するzapathは、「ClinicHub」上で稼働する自律実行型AIエージェント「CLINIC BOY」に「AIインサイト機能」を実装した。同機能は、電話・メール・LINEなど複数チャネルにまたがる過去のやり取りをAIが横断的に整理・統合する仕組みだ。同社によると、自由診療向けCRMにおいて、患者インサイト情報をAIが提示する機能としては業界初という。</p>
<p></p>
<p>自由診療の現場では、受付やカウンセリング、施術、アフターフォローなど複数の部門が関わるため、患者の要望や会話の端々に現れる関心が共有されにくい課題が存在していた。本機能では、散らばっていた情報を一人の「患者像」として集約。さらに、過去の対話履歴から、患者自身もまだ明確に言葉にできていない関心や希望の兆しをAIが読み取り、接遇にあたるスタッフへ提示する。</p>
<p></p>
<p>これにより、スタッフは初回来院時のように一から要望を聞き直すことなく、過去の経緯を踏まえたカウンセリングやフォローを行えるようになる。また、電話やLINEでの問い合わせ時にも即座に患者像を参照できるため、担当者が変わっても一貫した応対が可能だ。さらに、経験の浅いスタッフであっても患者の背景を踏まえた接遇がしやすくなり、一歩踏み込んだ提案や細やかな気配りを生み出す環境の実現にもつながっている。</p>
<div></div>
</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin178934724461970000 cparts-editsite--mainttl cparts-id002" id="cms-editor-textarea-sin178934724461977300">無人化から&#8220;接遇の補強&#8221;へ。AIが拓く、人に寄り添うDX</h2>
<div id="cms-editor-minieditor-sin178934722966628800" class="cms-content-parts-sin178934722966638400">
<p>zapathによるAIインサイト機能の実装が示唆するのは、対人サービス業におけるAIが患者理解に必要な情報を整理し、現場スタッフの応対を支援する活用例といえる。</p>
<p></p>
<p>美容医療をはじめとする自由診療では、施術の技術だけでなく、患者との心理的な距離を縮めて不安を取り除くコミュニケーションをとることが、再来院や信頼の獲得に直結する。自費診療という特性上、患者が求めるのは「自分の希望を深く理解し、形にしてくれる体験」にほかならないからだ。こうした繊細な現場においては、AIが表に出て接客を代替するのではなく、現場のスタッフが質の高い対話を行うための「裏方」としてのAI活用こそが効果を発揮する。</p>
<p></p>
<p>また、本取り組みは、属人化しがちだった「患者の意図を汲み取る接遇」を組織全体で再現可能にする点にも大きな価値がある。ベテランスタッフの感覚や記憶に依存していた患者理解をデータとして可視化することで、組織全体の応対品質が底上げされ、スタッフの経験値に関わらず温かみのある接遇を提供できるようになるだろう。</p>
<p></p>
<p>テクノロジーの真価は、人を排除することではなく、人と人との対話を豊かにすることにある。zapathが提示した患者インサイトの活用モデルは、サービス業が対面コミュニケーションの価値を再定義し、持続的な信頼関係を築くための新たな一手となるはずだ。</p>
<p><span style="font-weight: bolder;">▼「挑戦」を生むトレンドニュースを毎日掲載！</span><br />
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<div></div>
</div>
]]></content:encoded>
</item>

<item rdf:about="https://japanstep.jp/learn/2026/09/2374/">
<title>“伝える”から“知りたくなる”へ。ARGは企業コミュニケーションをどう変えるのか【連載】ARGの基礎知識（第4回）</title>
<link>https://japanstep.jp/learn/2026/09/2374/</link>
<description>

現実世界に物語への入口をつくり、参加者自身がその当事者となるARG（Alternate Reality Game／代替現実ゲーム）。本連載では、その仕組みと魅力を捉えながら、ビジネスへの応用を考える。第3回では、参加者の「もっと知りたい」を次の行動へつなげる体験設計を紹介した。では、この発想を企業が取り入れると、何ができるのか。第4回では、PR、採用、地域活性化などを切り口に、ARGを企業コミュニケーションにどう生かせるのかを考える。（文＝JMP総合プロデューサー長谷川浩和）
▼「ARGの基礎知識」連載一覧
▼「挑戦」を生むトレンドニュースを毎日掲載！
挑戦者のためのビジネスメディア『JapanStep』
お話を聞いたのは&#8230;






環境ミステリーレーベル MARGINE
合同会社 未来アクセラレート 代表　吉野 渉さん
地域とARGの連携を掲げ、ARGの企画・制作に取り組む。『Project:;COLD』との出会いをきっかけにARGに魅了され、自らもARG制作に乗り出す。現在はARGレーベル「MARGINE」を通じて、地域とARGをつなぐ取り組みを進めている。JapanStepにてコラム「ARGが紡ぐ、新しいPRのカタチ」を連載中。





ARGウォッチャー・謎解き制作者
リー猫さん
MARGINE全作品の謎解きを手がける。自ら作るだけでなく、noteやXで国内ARG作品のレビューや定期的な動向分析を発信し続けている。「ARGコンテスト2026」（虚構界隈主催）特別審査員。




&#8220;伝えたい情報&#8221;を、探したくなる情報へ




企業が発信したい情報のすべてが、受け手にとって読みたい情報とは限らない。商品の特徴や開発の背景、企業理念、創業からの歩みなど、大切な情報であっても、Webサイトや会社案内に掲載するだけで深く読んでもらえるとは限らない。

「企業のPRでARGを使う面白さは、プレイヤー自身が情報へたどり着くところにあると思います。自分で調べて見つけた情報や、仕掛けを解いた先で得た情報には、&#8220;自分で見つけた&#8221;という実感がある。ただ提示された情報を受け取るのとは、その情報との向き合い方も変わってきます。企業が伝えたいことを、自分から知りにいってもらえるところに、ARGならではの面白さがあると思います」（リー猫さん）

ARGでは、企業が伝えたい情報を物語の中に置き、参加者自身がそこへたどり着く流れをつくれる。リー猫さんがもう一つ挙げるのが、「普段は読まれにくい文章」とARGの組み合わせだ。

「ARGには、プレイヤーがさまざまな情報を集めながら物語を進めていく側面があります。どこに手掛かりがあるか分からなければ、普段なら読み流してしまう文章にも注意を向けるようになります。企業や地域で活用するなら、普段はなかなか読んでもらえない情報に触れてもらうきっかけをつくれると思います。例えば、地域の歴史や企業の理念を物語に組み込めば、物語を追う過程で自然に触れてもらうこともできます」（リー猫さん）

例えば、企業の歴史をまとめた文章も、そこに物語を進める手掛かりがあれば、読む理由が生まれる。創業時の出来事や過去の商品を自ら調べるうちに、企業についての理解も深まっていく。ARGが変えるのは、情報そのものではない。受け手がその情報を知りたくなる理由である。





会社の未来に、&#8220;自分&#8221;を重ねる




企業について深く知ってもらうという意味では、採用にもARGを生かす余地がある。吉野さんは、地域を題材にしたARGで得てきた経験から、企業への理解や共感にも同じ発想を応用できると考えている。

「地域を題材にした作品では、それまで土地の名前も知らなかった人が、体験をきっかけにその地域へ関心を持ち、好きになってくれることがあります。企業でも、その歴史や考え方を知り、共感につながるような体験がつくれれば、採用にも応用できるのではないかと思っています」（吉野さん）

リー猫さんが採用活用の例として挙げたのが、ストーリーノートが就活生向けに配布したノートである。ARGの仕掛けを解き進めると、Webサイト上に描かれた同社の「20年後の未来」へたどり着き、最後には、参加者自身もその未来をつくる一人になり得ることを意識させる構成になっていたという。

「ARGを通じて、その会社が大切にしている理念や、目指している未来に触れてもらう方法です。プレイヤーは自分自身として物語に参加するので、そこで触れた理念や未来像についても、自分との関わりを考えながら受け止めることができる。採用に限らず、企業が自分たちの考え方を伝える方法として応用できると思います」（リー猫さん）

採用サイトなどで将来像を伝えることに加え、ARGでは、自ら情報を探しながら会社の歴史や考え方に触れ、その未来と自分との関わりまで想像してもらうことができる。

採用にARGを生かす意味は、選考をゲームに置き換えることではない。企業を知る過程そのものに、候補者が主体的に参加できる点にある。





知らない土地が、&#8220;行ってみたい場所&#8221;になる




「もっと知りたい」という気持ちは、地域をテーマにすれば「行ってみたい」という関心へと広がることもある。地域とARGの連携に取り組む吉野さんは、MARGINEで手掛けた作品への反応について、次のように話す。

「地域を題材にした作品では、MARGINEが実施したアンケートで、95％以上の方が『その土地に行ってみたい』と回答した例があります。もちろん、『行ってみたい』という気持ちだけで、実際の来訪や継続的な関わりにつながったとは言えません。ただ、それまで知らなかった地域を好きになり、旅行をするときの選択肢に入るところまではつくれるのではないかと感じています」（吉野さん）
秋月の茶屋から始まる物語ARGキット

ARGでは、地域の魅力を説明するだけでなく、物語を追う中で少しずつ知ってもらうこともできる。物語を追ううちに地名を知り、その土地の歴史を調べ、登場人物と関わりのある場所を探す。そこで得た地域の情報は、観光案内として提示されたものではなく、物語を理解するために自分で見つけた情報として蓄積されていく。物語を通して土地への理解が深まり、「実際に見てみたい」という気持ちにつながることもある。

周遊型ARGでは、さらに物語そのものを現地へ足を運ぶきっかけにできる。続きを求めて街を歩けば、地域そのものが体験の舞台になる。

もちろん、「行ってみたい」という気持ちが、そのまま来訪につながるわけではない。それでも、知らなかった土地が旅行先の候補に変わることには意味がある。ARGでは、地域について知る機会だけでなく、「なぜそこへ行ってみたいのか」という理由まで物語の中につくることができる。
ARGのプロモーション構造





ARGを、企業の&#8220;資産&#8221;にするには




ARGを企業施策として検討するなら、企画の面白さとともに、制作費や継続性も考える必要がある。もちろん、必要な費用は作品の規模や仕掛けによって大きく変わる。そのうえで吉野さんは、企業がゲームコンテンツを制作する場合との比較から、ARGの制作費について次のように話す。

「企業向けのゲームコンテンツを一からつくる場合、内容や規模によっては1000万円以上、数千万円になることもあります。一方、ARGは設計次第で、数百万円規模で制作できるケースもあります。また、常設できる形にすれば、一度きりではなく、継続的に活用できるコンテンツとして残すこともできる。会社や商品への理解や関心を深める手段として、企業にも検討の余地はあると思っています」（吉野さん）

常設型であれば、公開後も新しい参加者が体験できる。企業サイトやSNS、商品、実店舗など、すでに持っている接点を物語に組み込むことも可能だ。

一方、制作費を抑えられる場合があるからといって、ARGの設計そのものが容易になるわけではない。吉野さんは、企業が取り組む際には、この領域の知見を持つ人と組むことが重要だと話す。

「ARGには特有の設計ノウハウがあります。企業が取り組むのであれば、まずはその点を理解し、この領域に知見のある人と一緒につくることが大切です。既存作品の形式をそのまま当てはめるのではなく、その企業だからこそ成立する物語や体験を考える必要があります」（吉野さん）
ARGは企業の「資産」になる

企業にとって、最初の問いは「どんなARGをつくるか」ではない。商品への理解を深めたいのか、企業の考え方に触れてほしいのか、採用候補者に自社の未来を想像してほしいのか、あるいは地域への来訪につなげたいのか。目的が違えば、物語の入口も、盛り込む情報も、参加者に期待する行動も変わる。

企業コミュニケーションでは、「何を、どう伝えるか」が重要になる。ARGはそこに、「なぜ受け手が自ら知りたくなるのか」という視点を加える。企業の歴史を調べ、その未来に自分を重ね、知らなかった土地へ行ってみたいと思う。ARGが企業コミュニケーションに加えるのは、受け手自身の「知りたい」を次の行動へつなげる発想である。

最終回となる第5回では、生成AIによってARGの制作と体験はどう変わるのか。表現の可能性が広がる一方で、現実世界を舞台にするからこそ欠かせない倫理や安全面への配慮も含め、ARGのこれからを取り上げる。
▼吉野さんによるARGコラムも連載中！
【連載】ARGが紡ぐ、新しいPRのカタチ
▼「挑戦」を生むトレンドニュースを毎日掲載！
挑戦者のためのビジネスメディア『JapanStep』





参考文献

『ARGガイド2024 ～過去の名作から『Project:;COLD』まで～』（エレメンツ工房、2024年）
</description>
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<dc:category rdf:resource="https://japanstep.jp/learn/category/35">カルチャー</dc:category>
<dc:creator></dc:creator>
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<dc:date>2026-09-14T07:00:00+09:00</dc:date>
<content:encoded><![CDATA[
<div id="cms-editor-minieditor-sin178701477802785100" class="cms-content-parts-sin178701477802793000">
<p><a href="https://japanstep.jp/learn/category/234/" rel="otherurl"><img src="/images/learn/2609_Release/260903_ARG/AGR-2_04.webp" width="1200" height="744" alt="" /></a></p>
<p>現実世界に物語への入口をつくり、参加者自身がその当事者となるARG（Alternate Reality Game／代替現実ゲーム）。本連載では、その仕組みと魅力を捉えながら、ビジネスへの応用を考える。<a href="https://japanstep.jp/learn/2026/09/2357/">第3回</a>では、参加者の「もっと知りたい」を次の行動へつなげる体験設計を紹介した。では、この発想を企業が取り入れると、何ができるのか。第4回では、PR、採用、地域活性化などを切り口に、ARGを企業コミュニケーションにどう生かせるのかを考える。（文＝JMP総合プロデューサー長谷川浩和）</p>
<p><span style="font-size: 1.6rem; background-color: rgb(255, 255, 255);">▼</span><a href="https://japanstep.jp/learn/category/234/" target="_self" style="background-color: rgb(255, 255, 255); font-size: 1.6rem;">「ARGの基礎知識」連載一覧</a></p>
<p><span style="font-weight: bolder;">▼「挑戦」を生むトレンドニュースを毎日掲載！</span><br />
<a href="https://japanstep.jp/" target="_self">挑戦者のためのビジネスメディア『JapanStep』</a></p>
<p style="text-align: center;"><strong>お話を聞いたのは&#8230;</strong></p>
</div>
<div class="cms-content-parts-sin178701488397927300 box cparts-id411--01 lay-margin-b--3" col-flex="1-2" data-selectable="cparts-animate cparts-animate--slideInUp:上へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInDown:下へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInLeft:左へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInRight:右へスライド">
<div class="lay-row">
<div class="lay-col12-xs-12 lay-col12-md-6 lay-col12-lg-6">
<div class="cparts-img-block lay-img-width--max lay-margin-b--1"><img id="cms-editor-image-sin178701488397933300" class="cparts-editsite--img cms-easy-edit" alt="" src="/images/learn/2608_Release/260818_ARG/yoshino.webp" width="330" /></div>
<div class="cparts-editsite--txt cparts-txt-block lay-reset-child cms-easy-edit" id="cms-editor-minieditor-sin178701488397933800">
<p style="text-align: center;"><strong>環境ミステリーレーベル MARGINE<br />
合同会社 未来アクセラレート 代表　吉野 渉さん</strong></p>
<p class="MsoNormal">地域と<span lang="EN">ARG</span>の連携を掲げ、<span lang="EN">ARG</span>の企画・制作に取り組む。『<span lang="EN">Project:;COLD</span>』との出会いをきっかけに<span lang="EN">ARG</span>に魅了され、自らも<span lang="EN">ARG</span>制作に乗り出す。現在は<span lang="EN"><w:sdt sdttag="goog_rdk_0" id="-209643526"><w:sdt sdttag="goog_rdk_1" id="-570179261">ARG</w:sdt></w:sdt></span>レーベル「<span lang="EN">MARGINE</span>」を通じて、地域と<span lang="EN">ARG</span>をつなぐ取り組みを進めている。JapanStepにてコラム<a href="https://japanstep.jp/learn/category/223/">「ARGが紡ぐ、新しいPRのカタチ」</a>を連載中。</p>
</div>
</div>
<div class="lay-col12-xs-12 lay-col12-md-6 lay-col12-lg-6">
<div class="cparts-img-block lay-img-width--max lay-margin-b--1"><img id="cms-editor-image-sin178701488397933900" class="cparts-editsite--img cms-easy-edit" alt="リー猫さんプロフィール" src="/images/learn/2608_Release/260818_ARG/images20260818095927.webp" width="330" /></div>
<div class="cparts-editsite--txt cparts-txt-block lay-reset-child cms-easy-edit" id="cms-editor-minieditor-sin178701488397934200">
<p style="text-align: center;"><strong>ARGウォッチャー・謎解き制作者</strong><strong><br />
リー猫さん</strong></p>
<p style="text-align: left;">MARGINE全作品の謎解きを手がける。自ら作るだけでなく、noteやXで国内ARG作品のレビューや定期的な動向分析を発信し続けている。「ARGコンテスト2026」（虚構界隈主催）特別審査員。</p>
</div>
</div>
</div>
</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin178702176145829000 cparts-editsite--mainttl" id="cms-editor-textarea-sin178702176145837600">&#8220;伝えたい情報&#8221;を、探したくなる情報へ</h2>
<div class="cms-content-parts-sin178814129828166800 cparts-id119 lay-margin-b--3 box" data-selectable="cparts-animate cparts-animate--slideInUp:上へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInDown:下へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInLeft:左へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInRight:右へスライド">
<div class="lay-row">
<div class="lay-col12-xs-12 lay-col12-md-12 lay-col12-lg-12">
<div class="cparts-editsite--txt cparts-txt-block lay-reset-child" id="cms-editor-minieditor-sin178814129828170700">
<p>企業が発信したい情報のすべてが、受け手にとって読みたい情報とは限らない。商品の特徴や開発の背景、企業理念、創業からの歩みなど、大切な情報であっても、Webサイトや会社案内に掲載するだけで深く読んでもらえるとは限らない。</p>
<p></p>
<p>「企業のPRでARGを使う面白さは、プレイヤー自身が情報へたどり着くところにあると思います。自分で調べて見つけた情報や、仕掛けを解いた先で得た情報には、&#8220;自分で見つけた&#8221;という実感がある。ただ提示された情報を受け取るのとは、その情報との向き合い方も変わってきます。企業が伝えたいことを、自分から知りにいってもらえるところに、ARGならではの面白さがあると思います」（リー猫さん）</p>
<p></p>
<p>ARGでは、企業が伝えたい情報を物語の中に置き、参加者自身がそこへたどり着く流れをつくれる。リー猫さんがもう一つ挙げるのが、「普段は読まれにくい文章」とARGの組み合わせだ。</p>
<p></p>
<p>「ARGには、プレイヤーがさまざまな情報を集めながら物語を進めていく側面があります。どこに手掛かりがあるか分からなければ、普段なら読み流してしまう文章にも注意を向けるようになります。企業や地域で活用するなら、普段はなかなか読んでもらえない情報に触れてもらうきっかけをつくれると思います。例えば、地域の歴史や企業の理念を物語に組み込めば、物語を追う過程で自然に触れてもらうこともできます」（リー猫さん）</p>
<p></p>
<p>例えば、企業の歴史をまとめた文章も、そこに物語を進める手掛かりがあれば、読む理由が生まれる。創業時の出来事や過去の商品を自ら調べるうちに、企業についての理解も深まっていく。ARGが変えるのは、情報そのものではない。受け手がその情報を知りたくなる理由である。</p>
<div></div>
</div>
</div>
</div>
</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin178814130548827200 cparts-editsite--mainttl" id="cms-editor-textarea-sin178814130548835400">会社の未来に、&#8220;自分&#8221;を重ねる</h2>
<div class="cms-content-parts-sin178814130173709600 cparts-id119 lay-margin-b--3 box" data-selectable="cparts-animate cparts-animate--slideInUp:上へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInDown:下へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInLeft:左へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInRight:右へスライド">
<div class="lay-row">
<div class="lay-col12-xs-12 lay-col12-md-12 lay-col12-lg-12">
<div class="cparts-editsite--txt cparts-txt-block lay-reset-child" id="cms-editor-minieditor-sin178814130173682900">
<p>企業について深く知ってもらうという意味では、採用にもARGを生かす余地がある。吉野さんは、地域を題材にしたARGで得てきた経験から、企業への理解や共感にも同じ発想を応用できると考えている。</p>
<p></p>
<p>「地域を題材にした作品では、それまで土地の名前も知らなかった人が、体験をきっかけにその地域へ関心を持ち、好きになってくれることがあります。企業でも、その歴史や考え方を知り、共感につながるような体験がつくれれば、採用にも応用できるのではないかと思っています」（吉野さん）</p>
<p></p>
<p>リー猫さんが採用活用の例として挙げたのが、ストーリーノートが就活生向けに配布したノートである。ARGの仕掛けを解き進めると、Webサイト上に描かれた同社の「20年後の未来」へたどり着き、最後には、参加者自身もその未来をつくる一人になり得ることを意識させる構成になっていたという。</p>
<p></p>
<p>「ARGを通じて、その会社が大切にしている理念や、目指している未来に触れてもらう方法です。プレイヤーは自分自身として物語に参加するので、そこで触れた理念や未来像についても、自分との関わりを考えながら受け止めることができる。採用に限らず、企業が自分たちの考え方を伝える方法として応用できると思います」（リー猫さん）</p>
<p></p>
<p>採用サイトなどで将来像を伝えることに加え、ARGでは、自ら情報を探しながら会社の歴史や考え方に触れ、その未来と自分との関わりまで想像してもらうことができる。</p>
<p></p>
<p>採用にARGを生かす意味は、選考をゲームに置き換えることではない。企業を知る過程そのものに、候補者が主体的に参加できる点にある。</p>
<div></div>
</div>
</div>
</div>
</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin178814134532882600 cparts-editsite--mainttl" id="cms-editor-textarea-sin178814134532891500">知らない土地が、&#8220;行ってみたい場所&#8221;になる</h2>
<div class="cms-content-parts-sin178814134868473500 cparts-id119 lay-margin-b--3 box" data-selectable="cparts-animate cparts-animate--slideInUp:上へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInDown:下へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInLeft:左へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInRight:右へスライド">
<div class="lay-row">
<div class="lay-col12-xs-12 lay-col12-md-12 lay-col12-lg-12">
<div class="cparts-editsite--txt cparts-txt-block lay-reset-child" id="cms-editor-minieditor-sin178814134868450000">
<p>「もっと知りたい」という気持ちは、地域をテーマにすれば「行ってみたい」という関心へと広がることもある。地域とARGの連携に取り組む吉野さんは、MARGINEで手掛けた作品への反応について、次のように話す。</p>
<p></p>
<p>「地域を題材にした作品では、MARGINEが実施したアンケートで、95％以上の方が『その土地に行ってみたい』と回答した例があります。もちろん、『行ってみたい』という気持ちだけで、実際の来訪や継続的な関わりにつながったとは言えません。ただ、それまで知らなかった地域を好きになり、旅行をするときの選択肢に入るところまではつくれるのではないかと感じています」（吉野さん）</p>
<p><img src="/images/learn/2609_Release/260831_ARGkiso/04.webp" width="900" height="600" alt="" /><span style="font-size: small;">秋月の茶屋から始まる物語ARGキット</span></p>
<p></p>
<p>ARGでは、地域の魅力を説明するだけでなく、物語を追う中で少しずつ知ってもらうこともできる。物語を追ううちに地名を知り、その土地の歴史を調べ、登場人物と関わりのある場所を探す。そこで得た地域の情報は、観光案内として提示されたものではなく、物語を理解するために自分で見つけた情報として蓄積されていく。物語を通して土地への理解が深まり、「実際に見てみたい」という気持ちにつながることもある。</p>
<p></p>
<p>周遊型ARGでは、さらに物語そのものを現地へ足を運ぶきっかけにできる。続きを求めて街を歩けば、地域そのものが体験の舞台になる。</p>
<p></p>
<p>もちろん、「行ってみたい」という気持ちが、そのまま来訪につながるわけではない。それでも、知らなかった土地が旅行先の候補に変わることには意味がある。ARGでは、地域について知る機会だけでなく、「なぜそこへ行ってみたいのか」という理由まで物語の中につくることができる。</p>
<p><img src="/images/learn/2609_Release/260831_ARGkiso/04_2.webp" width="900" height="600" alt="" /><span style="font-size: small;">ARGのプロモーション構造</span></p>
<p></p>
</div>
</div>
</div>
</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin178814139188745600 cparts-editsite--mainttl" id="cms-editor-textarea-sin178814139188753400">ARGを、企業の&#8220;資産&#8221;にするには</h2>
<div class="cms-content-parts-sin178814139451594100 cparts-id119 lay-margin-b--3 box" data-selectable="cparts-animate cparts-animate--slideInUp:上へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInDown:下へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInLeft:左へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInRight:右へスライド">
<div class="lay-row">
<div class="lay-col12-xs-12 lay-col12-md-12 lay-col12-lg-12">
<div class="cparts-editsite--txt cparts-txt-block lay-reset-child" id="cms-editor-minieditor-sin178814139451566200">
<p>ARGを企業施策として検討するなら、企画の面白さとともに、制作費や継続性も考える必要がある。もちろん、必要な費用は作品の規模や仕掛けによって大きく変わる。そのうえで吉野さんは、企業がゲームコンテンツを制作する場合との比較から、ARGの制作費について次のように話す。</p>
<p></p>
<p>「企業向けのゲームコンテンツを一からつくる場合、内容や規模によっては1000万円以上、数千万円になることもあります。一方、ARGは設計次第で、数百万円規模で制作できるケースもあります。また、常設できる形にすれば、一度きりではなく、継続的に活用できるコンテンツとして残すこともできる。会社や商品への理解や関心を深める手段として、企業にも検討の余地はあると思っています」（吉野さん）</p>
<p></p>
<p>常設型であれば、公開後も新しい参加者が体験できる。企業サイトやSNS、商品、実店舗など、すでに持っている接点を物語に組み込むことも可能だ。</p>
<p></p>
<p>一方、制作費を抑えられる場合があるからといって、ARGの設計そのものが容易になるわけではない。吉野さんは、企業が取り組む際には、この領域の知見を持つ人と組むことが重要だと話す。</p>
<p></p>
<p>「ARGには特有の設計ノウハウがあります。企業が取り組むのであれば、まずはその点を理解し、この領域に知見のある人と一緒につくることが大切です。既存作品の形式をそのまま当てはめるのではなく、その企業だからこそ成立する物語や体験を考える必要があります」（吉野さん）</p>
<p><img src="/images/learn/2609_Release/260831_ARGkiso/images20260831105838.webp" width="900" height="600" alt="" /><span style="font-size: small;">ARGは企業の「資産」になる</span></p>
<p></p>
<p>企業にとって、最初の問いは「どんなARGをつくるか」ではない。商品への理解を深めたいのか、企業の考え方に触れてほしいのか、採用候補者に自社の未来を想像してほしいのか、あるいは地域への来訪につなげたいのか。目的が違えば、物語の入口も、盛り込む情報も、参加者に期待する行動も変わる。</p>
<p></p>
<p>企業コミュニケーションでは、「何を、どう伝えるか」が重要になる。ARGはそこに、「なぜ受け手が自ら知りたくなるのか」という視点を加える。企業の歴史を調べ、その未来に自分を重ね、知らなかった土地へ行ってみたいと思う。ARGが企業コミュニケーションに加えるのは、受け手自身の「知りたい」を次の行動へつなげる発想である。</p>
<p></p>
<p>最終回となる第5回では、生成AIによってARGの制作と体験はどう変わるのか。表現の可能性が広がる一方で、現実世界を舞台にするからこそ欠かせない倫理や安全面への配慮も含め、ARGのこれからを取り上げる。</p>
<p style="line-height: 2; background-color: rgb(255, 255, 255);"><span style="font-weight: bolder;">▼吉野さんによるARGコラムも連載中！</span><br />
<a href="https://japanstep.jp/learn/category/223/" target="_self">【連載】ARGが紡ぐ、新しいPRのカタチ</a></p>
<p style="line-height: 2; background-color: rgb(255, 255, 255);"><span style="font-weight: bolder;">▼「挑戦」を生むトレンドニュースを毎日掲載！</span><br />
<a href="https://japanstep.jp/" target="_self">挑戦者のためのビジネスメディア『JapanStep』</a></p>
<div></div>
</div>
</div>
</div>
</div>
<h3 class="cms-content-parts-sin178702203739759800 cparts-editsite--mainttl" id="cms-editor-textarea-sin178702203739763600">参考文献</h3>
<div id="cms-editor-minieditor-sin178702200670694000" class="cms-content-parts-sin178702200670703000">
<p>『ARGガイド2024 ～過去の名作から『Project:;COLD』まで～』（エレメンツ工房、2024年）</p>
</div>
]]></content:encoded>
</item>

<item rdf:about="https://japanstep.jp/learn/2026/09/2410/">
<title>研究者から経営者へ。「妊娠力検査」で世界に挑む【連載】世界に挑む挑戦者たち</title>
<link>https://japanstep.jp/learn/2026/09/2410/</link>
<description> 世界を舞台に挑戦を続ける人たちは、どんな原点を持ち、どんな壁を越え、どんな未来を見据えているのか。本連載では、自ら道を切り拓く実践者たちの言葉から、読者の挑戦心を刺激するヒントを届けていく。今回お話を伺ったのは、研究開発型バイオスタートアップ、株式会社TL Genomics代表取締役の久保知大さん。京都大学で基礎研究に打ち込み、コロンビア大学への留学、民間企業での事業開発を経て2015年に起業。現在は、血液検査によって自然妊娠のしやすさに関する指標を示す「LOX検査（妊娠力検査）」の世界展開を目指している。研究者から経営者へと歩みを進める中で、久保さんは何を考え、どのような選択を重ねてきたのか。その歩みを追った。（文＝JMP総合プロデューサー 長谷川浩和）【連載一覧】世界に挑む挑戦者たち ▼「挑戦」を生むトレンドニュースを毎日掲載！ 挑戦者のためのビジネスメディア『JapanStep』




お話を聞いたのは&#8230;

株式会社TL Genomics 代表取締役
久保 知大さん
1979年生まれ、東京都出身。京都大学理学部卒業、同大学院修了、博士号取得。コロンビア大学で生命科学分野の基礎研究に従事した後、バイオ企業で事業開発やマーケティングを経験。2015年に株式会社TL Genomicsを創業した。現在は、独自の検査・診断技術の研究開発と社会実装に取り組み、血液検査によって自然妊娠のしやすさに関する指標を示す「LOX検査」などを展開している。




「科学者になりたい」――博士課程の転機からコロンビア大学へ

LOX検査（妊娠力検査）の世界展開を目指す久保さんだが、キャリアの出発点は経営ではない。少年時代に抱いた「科学者になりたい」という憧れだった。東京都で生まれ育ち、武蔵中学校・高等学校へ進学。自ら調べ、自ら考えるという校風や、学者肌の教員たちに囲まれて過ごす中で、科学者への思いは次第に強まっていったという。

「子どもの頃から、なんとなく科学者になりたいと思っていました。具体的に何を研究したいというところまではありませんでしたが、サイエンティストという存在に漠然と憧れていたんです」（久保さん）

大学は京都大学理学部へ進んだ。当初は物理学に関心を持っていたが、自分の適性を考える中で出会ったのが、生命現象を分子レベルから解き明かす分子生物学だった。具体的な応用先よりも、生命を成り立たせている普遍的な原理を探究することに惹かれた。

「当時は、さまざまな生物に共通する原理を解き明かすことに学問的な面白さを感じていました。生命がどういう仕組みで成り立っているのか、その普遍的な原理を知ること自体に魅力があったんです」（久保さん）

そのまま大学院へ進み、遺伝子発現を制御する仕組みについて研究した。具体的には、DNAがコンパクトに収納される仕組みやDNAの情報を受け取ってタンパク質の合成に関わるメッセンジャーRNAの末端部分が、どのような仕組みによって制御されているのかを解明する研究である。

しかし、博士課程での研究は決して順調ではなかった。2年目頃まで思うようなデータが得られず、学位取得にも不安を覚えるほど、成果が出ない時期が続いた。

「今振り返っても、かなりつらい時期でした。このまま何の論文も残さずに研究の世界を去れば、自分がここまでやってきたことが何も残らない。それが悔しかったんです。今さら引くくらいなら、学卒や修士の段階で就職しておけばよかったわけですから、もうここまで来たら引けないという気持ちでした」（久保さん）

転機となったのは、一つの仮説を実験によって裏付けられたことだった。それまで十分に解明されていなかったメッセンジャーRNA末端の長さを制御する機構について成果をまとめ、論文として発表。久保さんによれば、この研究は約20年を経た現在も、関連研究で引用され続けているという。そのように基礎研究の分野で長期に渡って引用され続けることは珍しく、久保さんの研究の価値の高さを裏付けるエピソードだ。

久保さん自身が「大逆転だった」と振り返るこの研究成果を評価したのが、米国のコロンビア大学だった。当時、日本人研究者が海外へ渡る際には、国内で研究費や奨学金を得て海外の研究室へ持参するケースも多かったが、久保さんはコロンビア大学側から雇用される形で渡米した。

久保さんにとって、研究者になるなら米国で研究することは、かねて思い描いていたキャリアの一つだった。コロンビア大学には世界各国から研究者が集まっていた。そこで久保さんは、日本で培ってきた発想力や論理的思考が、世界でも十分に通用するという手応えを得た。

「世界中から優秀な研究者が来ていましたが、日本人がまったくかなわないとは感じませんでした。もちろん、突出して優秀な人はいます。それでも、日本でしっかり学んできた人の発想や論理的に考える力は、世界でも十分に通用すると実感しました」（久保さん）

一方、日本と米国の双方で研究を経験する中で、研究の進め方にも違いを感じたという。特に印象に残ったのが、コロンビア大学における研究者同士の議論の活発さと、人的ネットワークを通じた情報流通の速さだった。

「米国で特に印象に残ったのは、情報の流れ方です。一見すると雑談しているようなディスカッションでも、そこでやり取りされている情報の質が高い。日本との違いとして、研究を進める効率の良さは強く感じました」（久保さん）


コロンビア大学で知った現実。研究者から事業家へ

コロンビア大学での研究生活には、約2年で区切りをつけた。留学中に起きたリーマンショックを機に、研究者としてのキャリアを現実的に考え直すようになったからだ。

日本では基礎研究のポストが減りつつあり、米国に残って研究を続ける道も考えた。しかし、現地の研究者たちと話してみると、一流大学であっても基礎研究のポストが豊富に用意されているわけではなく、アカデミアから企業への転身にも景気悪化やビザなどの壁があった。

「日本にいた頃は、米国へ行けば、もっといろいろなキャリアがあるのではないかというイメージもありました。でも実際に行ってみると、そんなに単純ではない。リーマンショックの直後に下の階の研究室が一夜にして閉鎖されるような現実を30歳を目前に目の当たりにして、研究一本に絞ることで、自分の人生の選択肢まで狭めてしまうのではないかと考えるようになりました」（久保さん）

久保さんは当時、基礎研究を取り巻く環境が厳しさを増していると感じる中で、研究者としてキャリアを築く難しさも意識するようになっていた。自身の研究が国際的に評価されたとしても、それがそのまま安定した研究ポストにつながるとは限らなかった。

「自分より上の世代であれば、これくらいの研究成果を出せば、研究者として生きていけるという感覚があったと思います。でも自分たちの世代になると、研究として評価されることと、それで生活していけることが必ずしも一致しなくなっていました」（久保さん）

帰国後は大学に戻らず、バイオ関連企業へ転身した。研究職ではなく、外部技術の評価や遺伝子検査キットの海外展開、事業開発、マーケティングなどを担当した。

研究者として蓄えてきた知識を使いながら、その技術が誰にとって価値を持つのか、どのような商品やサービスとして届けるのかを考える。研究室とは異なる視点から技術を見る経験を重ねる中で、久保さんは「遺伝子解析によって生活者に直接価値を届ける事業」への関心を強めていった。

「遺伝子解析の技術を使って、エンドユーザーに直接価値を届けられる事業をやりたいという思いがありました。当時は、そうした用途がまだ限られていたので、何ができるのかをずっと探していました」（久保さん）

そんな中で注目したのが、米国で実用化が進み始めていた出生前診断だった。研究機関や製薬企業のためではなく、検査を受ける本人に直接情報を届けられる遺伝子検査である。

この領域を自分の仕事として強く意識するようになった背景には、久保さん自身の家族の経験もあった。パートナーが双子を妊娠した際、妊娠継続に大きなリスクを伴う状況となり、家族として妊娠継続をめぐる重い選択に向き合った経験がある。

「出生前診断をめぐっては、さまざまな考え方があります。技術が結論を決めるのではなく、必要な情報を届け、その上で妊娠している本人が、必要に応じて医師や家族などと相談しながら考えられるようにする。そのために技術が果たせる役割があると考えました」（久保さん）

この経験と問題意識が、出生前診断を起点に自ら事業を立ち上げる動機の一つとなった。2014年には会社員として働きながら、有給休暇を利用して国内の大学を回り、事業化につながる技術を探した。スタートアップ支援の補助金も獲得し、翌2015年にTL Genomicsを設立する。

「これなら絶対に成功できるという確信があったわけではありません。むしろ、やってみない限り何も始まらないという感覚でした。大学院では中退を考えるほど追い詰められた経験もしているので、それなら、もう一度これくらい大きなチャレンジをしてみてもいいのではないかと思ったんです」（久保さん）


撤退の先で残った、「技術とチーム」

創業後、事業化を進める中で明らかになったのが、起点とした大学発技術をそのまま実用化する難しさだった。早い段階で、技術開発の方向転換を迫られた。

そこで、新たにマイクロ流路デバイスなど、自身がそれまで専門としてこなかった領域にも踏み込んだ。企業として研究開発を進める以上、技術の方向転換は、社員や投資家、限られた資金を伴う経営判断でもある。

それでも久保さんは、研究者だった頃よりも精神的には前向きに取り組めたと振り返る。その大きな理由が、社員という仲間の存在だった。

「研究者の頃は、本当に一人で成果と向き合っていました。でも会社には、一緒に考え、意見をぶつけ合える仲間がいる。冷静に状況を振り返るとかなり厳しかったのですが、研究者だった頃より精神的にはむしろ楽でした。それもあって、研究を楽しもうぜ、と口癖のように言っていました。大学院生の頃に自分の力で初めてデータを出して感激したあの気持ちでやろうよ、と。それに、相談しながら進めれば、一人では出てこなかった知恵も生まれますから」（久保さん）

試行錯誤を重ねる中で技術開発は進み、大手企業との連携にもつながった。出生前診断事業は、研究だけでなく事業化を具体的に見据える段階へ進んでいたが、その間にも市場環境は大きく変化していった。

久保さんによれば、事業を構想した当初は1検査あたり1500～2000ドル程度だった出生前診断の価格が、10年もたたないうちに300～400ドル程度まで下落したという。開発は前進していたものの、市場の変化はそれを上回る速さだった。結果として、当初想定していた事業性を確保することが難しくなった。

「技術としては、かなりいいところまで進んでいました。ただ、市場の変化に開発が追いつかなかった。振り返れば、開発に時間を要したことが大きかったと思います」（久保さん）

技術的な手応えがあっても、市場環境が変われば事業としての前提も変わる。創業から長く取り組んできた出生前診断事業だったが、久保さんは継続が難しいと判断し、撤退を決めた。その後、投資家からは、手元に資金が残っている段階で会社を解散する選択肢も示された。しかし久保さんには、これまで培ってきた技術への手応えと、厳しい局面でも会社に残る社員の存在があった。

「出生前診断事業からは撤退しましたが、自分たちにはまだ良い技術が残っているという自信がありました。そして、この状況でも一緒にやってくれる仲間がいた。この技術とチームがあるなら、会社を閉じるのではなく、もう一度挑戦させてほしいと思いました」（久保さん）

こうして2023年、TL Genomicsは、それまで取り組んできた事業を大きく転換する「グランドピボット」に踏み切った。当時は、新しい事業が成功する保証などなかった。久保さん自身、「残りのガソリンも少なかった」と振り返る中で、これまで開発してきた基盤技術を別の領域に生かせないかと模索を続けた。

新たな研究テーマを探る中で、医療分野の研究者との共同研究も進んだ。久保さん自身が研究者だったからこそ、研究の面白さや課題を共通の言葉で議論でき、そのことが信頼関係や研究開発のスピードにもつながったという。

社内にも研究出身のメンバーが多く、将来的な金銭的リターンだけではなく、「この研究は面白い」「この発見には別の可能性がある」といった科学そのものへの関心を共有できたことも、チームを支えた。

「『これが成功すれば、いくら儲かる』という話だけをしていたら、メンバーは離れていたかもしれません。でも、『このサイエンスは面白い』『これが分かれば、いろいろなことに応用できる』という話ならできた。同じ面白さを共有できたことが、チームの結束につながったと思います」（久保さん）


「新しい大陸」が見えた。妊娠力検査への転換

次の事業の可能性を探る中で、TL Genomicsが着目したのが、「LOX（Loss of X chromosome）」と呼ばれる現象である。

女性は通常2本のX染色体を持つが、加齢などに伴い、一部の白血球では細胞分裂の過程でその片方が後天的に失われることがある。TL Genomicsでは、このLOXを低コストかつ高感度で検出する技術を開発。さらに研究を進める中で、LOXの割合と自然妊娠の成立との間に関連を示すデータを得た。

久保さんにとって、それは一つの研究成果であると同時に、長年探し続けてきた事業の形でもあった。企業勤務時代から考え続けてきた「遺伝子解析によってエンドユーザーに直接価値を届ける」というテーマが、妊娠という領域で具体的なサービスになり得ると分かったからだ。

「データが取れた時は、溺れかけているところから少し陸地が見えたような感覚でした。DNAを解析することが、そのままエンドユーザーへの価値に変わる。自分にとっては、新しい大陸が見えたような気持ちでした」（久保さん）

この研究成果をもとに開発されたのが、LOX検査（妊娠力検査）である。ただし、この検査は将来の妊娠を断定するためのものではない。同社が重視しているのは、妊活や不妊治療において、自分が次にどの選択肢を取るのかを考えるための情報を増やすことである。

不妊治療には、タイミング法や人工授精、体外受精などさまざまな選択肢がある。どの方法を選ぶのか、いつ次の選択肢を検討するのかは、年齢や検査結果、不妊の要因、本人やパートナーの希望などによって異なる。

TL Genomicsが公表している研究では、LOX細胞の割合が高い群ほど自然妊娠が成立する割合が低い傾向が示された一方、体外受精ではLOXとの同様の関連は確認されなかったとしている。なお、不妊の背景には女性側・男性側の要因のほか、双方に関わる要因や原因を特定できない場合などもあり、LOX検査だけで妊娠・不妊を説明できるものではない。同社では、この結果を踏まえ、LOX検査を自然妊娠に時間をかけるのか、早めに体外受精へ移行するのかを考える際の判断材料の一つとして位置づけている。

「検査結果を単純に良い、悪いで受け止めるものではありません。自然妊娠を目指す期間をどう考えるのか、体外受精を含めた次の選択肢をいつ検討するのか。医師とも相談しながら、これからどうするかを考えるための一つの材料として使ってもらいたいと思っています」（久保さん）
上川陽子 衆議院議員に説明をする久保さん

久保さんがLOX検査の意義として重視するのが、妊活や不妊治療に伴う時間的な負担である。体外受精を含む不妊治療では、治療の進行に応じた通院が必要となり、仕事との予定調整が負担になる場合もある。専門的な治療を受けるために遠方の医療機関へ通う場合には、移動や宿泊が負担になることもある。

2026年8月の取材時点では、LOX検査はクリニックでの導入が進み、久保さんによれば累計の検査実績は論文発表から半年で数百件まで広がっており、非常に順調な拡大をしめしている。今後は不妊治療を始めた人だけでなく、将来の妊娠や出産を考える人が自身のライフプランを検討する際にも活用できるよう、法人の福利厚生などへの展開も考えている。

国内での普及を進めながら、海外への展開も視野に入れている。その際に久保さんが重視するのが、知的財産の確保とエビデンス、そして「サイエンスのストーリー性」である。

ここでいうストーリーとは、商品を魅力的に見せるための物語ではない。研究から得られた個々のデータが科学としてどのようにつながっているのか、その仮説や論理に専門家が納得できるだけの筋道があるのか、という意味だ。

「すべてのエビデンスをそろえ、研究し尽くしてから事業化することは現実には難しい。その中でも、研究内容を理解する海外の経営者や投資家に伝えるためには、科学的に筋の通ったストーリーを示すことが重要だと思っています」（久保さん）

久保さんは、バイオテクノロジーは技術やニーズが国境を越えて共有しやすく、世界市場を目指しやすい領域だと考えている。

「まだ世界への挑戦は入り口に立ったところです。ただ、技術は世界共通ですし、ニーズにも世界で共通する部分がある。本当に役立つこと、新しい価値をきちんと示していけば、届く相手は必ずいると思っています」（久保さん）


世界を見たからこそ、静岡を選んだ

久保さんは現在、静岡県三島市に暮らしている。創業当初は東京で生活していたが、約6年前に三島へ移住した。さらにTL Genomicsも現在、隣接する長泉町のファルマバレーセンターに拠点を置いている。

なぜ久保さんは三島に暮らし、TL Genomicsは静岡県東部に拠点を置くのか。その背景には、コロンビア大学時代に目にした研究者たちの暮らし方がある。

マンハッタンで暮らしていた頃、久保さんは大学教授や弁護士、企業経営者らの生活を目にした。仕事の場はニューヨークの中心部にありながら、自宅は自然豊かな郊外に置く人も多い。実際に教授の自宅に招かれ、自然豊かな環境で暮らしながら、大学では研究に集中する姿を見て、その暮らし方に惹かれたという。

鈴木康友 静岡県知事との一枚

「研究には創造性や独創性が必要です。それは、豊かな自然環境の中で育まれる部分もあると思っています。米国の先生たちの暮らしを見て、仕事と生活をこういう形で分けるのもいいなと思いました」（久保さん）

創業後もしばらくは東京で暮らしながら事業を続けていたが、自然の近くで生活することへの思いが次第に強まり、三島への移住を決めた。

三島を選んだ理由は、自然環境だけではない。三島は新幹線を使えば首都圏へアクセスしやすく、世界へ出ていくことを考えれば、羽田空港への動線も確保できる。国内外の企業や研究者と直接会える距離感と、研究や思考に集中できる生活環境の双方を考えた結果だった。

「首都圏へのアクセス、羽田空港へのアクセス、そして自然環境。あと富士山。そのバランスを考えると、三島は自分にとって非常に理想的でした。世界を見てきたからこそ、静岡を選ぶことにもあまり違和感はなかったんです」（久保さん）

首都圏や羽田へのアクセスを保ちながら、自然に近い環境で暮らす。久保さんにとって三島への移住は、世界から距離を置くためではなく、自分なりの仕事と暮らしのあり方を選んだ結果だった。現在はTL Genomicsも静岡県東部に拠点を置く。


「やらない理由」より、やる理由を一つ多く

これまでの歩みを振り返ってもらうと、久保さん自身は、これまでの歩みを「誰にでも再現できる成功例」とは捉えていない。研究開発型スタートアップとして自ら技術を生み出しながら事業を続けてきたことについても、「結果論です」と答えた。

「もう一度、同じことをやれと言われても、できないかもしれません。人に簡単に勧められるような道でもない。ただ、研究者として新しい発見をしたいという気持ちは、ずっと自分の中に残っていたんでしょうね。だから、経営者として新しいものやサービスを社会実装したいという想いが強いです」（久保さん）

久保さんは、その感覚を「研究者として一度消したはずの火が、ずっとくすぶっていた」と表現した。

研究職を離れ、経営者になっても、新しい研究や技術に出会えば、その可能性を考えずにはいられない。その感覚は、現在のTL Genomicsの研究開発にもつながっている。創業以来、TL Genomicsが掲げているミッションは「技術をつくり、社会をつくる」。久保さんによれば、社内で何度考え直しても、この言葉に戻ってくるという。

「まず新しい技術をつくり、それを社会に実装する。この順番が自分たちらしさなんです。ここがなくなってしまったら、TL Genomicsという会社の存在意義そのものがなくなると思っています」（久保さん）

そんな久保さんが、社内でもよく話している考え方がある。「犬の散歩理論」だ。

犬の散歩に「行かない理由」はいくらでも思いつく一方、「行く理由」を同じ数だけ挙げようとすると、意外に難しい。だからこそ久保さんは、意識的に「やる理由」を考えるという。

「散歩に行けば気持ちがいいかもしれない。誰かと出会うかもしれない。犬が穴を掘ったら、小判が出てくるかもしれない。もちろん小判は極端な話ですが、やらない理由を一つ考えたら、それより多く、やる理由を考えるようにしています。社内でも同じように問いかけています」（久保さん）

久保さんが問題視しているのはリスクを考えることではなく、「やらない理由」を積み上げるだけで終わってしまうことだ。若い世代や、これから世界へ挑戦しようとする人への言葉を尋ねると、久保さんはコロンビア大学時代に得た実感を語った。

「日本人の発想や論理的に考える力は、世界でも十分に通用します。独創性という点でも、日本人はかなりユニークだと思っています。人と違うところ、自分にしかできないところがあるなら、それを大切にしてほしいですね」（久保さん）

「やらない理由」を考えたら、それより一つ多く「やる理由」を考える。博士課程での研究、海外留学、企業への転身、起業、そして事業転換と選択を重ねてきた久保さんにとって、それは単なる持論ではなく、これまでの意思決定を支えてきた考え方の一つなのだろう。


取材を終えて

久保さんとは、今回の取材に先立つ打ち合わせも含め、オンラインで2度お話ししました。最初にお会いした時から印象に残ったのが、研究や事業について語る時の熱量です。「新しい技術を生み出し、それを社会へ届けたい」と語る久保さんの熱量と、「挑戦する人を一人でも増やしたい」という思いでJMPを続けている私自身には、立場こそ違っても通じるものがある。最初にお話しした時から、勝手ながら強いシンパシーを感じていました。

研究開発に長い時間と多額の資金を要するバイオスタートアップの世界で、自ら研究開発を重ね、独自技術を生み出し、それを事業として世界へ届けようとする。その道の難しさは、今回の取材を通じても十分に伝わってきました。それでも研究開発を続け、必要であれば事業そのものを見直しながら、前へ進んできた。「技術をつくり、社会をつくる」というミッションが、会社紹介のためにつくられた言葉ではなく、久保さん自身の歩みから生まれたものなのだと感じました。

そして、幼少期から現在までのお話を時系列で伺うほど、人生の点と点は、後になって線になるのだと感じました。科学者への憧れ、京都大学での基礎研究、コロンビア大学で見た世界、企業で学んだ事業開発。研究者として培った問いの立て方は技術開発に、企業で学んだ事業の視点は経営に生きている。久保さんのお話を聞いていると、それぞれの経験が今の仕事の中でつながっていることがよく分かりました。

妊娠や出産をめぐる選択は、とても個人的なものであり、そこに一つの正解があるわけではありません。だからこそ、自分の身体について知るための情報が増え、必要に応じて医師と相談しながら、自分自身でこれからを考えられることには意味があると思います。LOX検査が、そうした選択を支える一つの材料としてどこまで役割を果たしていくのか、私自身も注目しています。

日本で生まれた研究や技術が社会に新しい選択肢を生み出し、やがて世界へ広がっていく。JMPが応援し、伝えていきたいのは、まさにそうした挑戦です。研究者としての探究心を持ちながら、経営者として技術を社会へ届けようとする久保さんが、静岡を拠点にどのように世界へ踏み出していくのか。結果だけではなく、その過程にある試行錯誤や選択も含めて、これからも追い続けたいと思います。（JMP総合プロデューサー 長谷川浩和）
▼「挑戦」を生むトレンドニュースを毎日掲載！
挑戦者のためのビジネスメディア『JapanStep』



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<dc:category rdf:resource="https://japanstep.jp/learn/category/33">スタートアップ</dc:category>
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<dc:date>2026-09-11T07:00:00+09:00</dc:date>
<content:encoded><![CDATA[
<div id="cms-editor-minieditor-sin178892075120562700" class="cms-content-parts-sin178892075120569900"><p><img src="/images/learn/2609_Release/260909_sekai/challenge_02-1.webp" width="900" height="558" alt="" /></p> <p>世界を舞台に挑戦を続ける人たちは、どんな原点を持ち、どんな壁を越え、どんな未来を見据えているのか。本連載では、自ら道を切り拓く実践者たちの言葉から、読者の挑戦心を刺激するヒントを届けていく。今回お話を伺ったのは、研究開発型バイオスタートアップ、株式会社TL Genomics代表取締役の久保知大さん。京都大学で基礎研究に打ち込み、コロンビア大学への留学、民間企業での事業開発を経て2015年に起業。現在は、血液検査によって自然妊娠のしやすさに関する指標を示す「LOX検査（妊娠力検査）」の世界展開を目指している。研究者から経営者へと歩みを進める中で、久保さんは何を考え、どのような選択を重ねてきたのか。その歩みを追った。（文＝JMP総合プロデューサー 長谷川浩和）</p><p><a href="https://japanstep.jp/learn/category/217/">【連載一覧】世界に挑む挑戦者たち</a></p> <p><span style="font-weight: bolder;">▼「挑戦」を生むトレンドニュースを毎日掲載！</span><br /> <a href="https://japanstep.jp/">挑戦者のためのビジネスメディア『JapanStep』</a></p></div>
<div class="cms-content-parts-sin178892081355579500 box parts_text_type02 cparts-id120--01 lay-margin-b--3 lay-padding--2" data-selectable="cparts-animate cparts-animate--slideInUp:上へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInDown:下へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInLeft:左へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInRight:右へスライド">
<div class="lay-row lay-no-gutters">
<div class="lay-col12-12">
<div class="cparts-editsite--txt cparts-txt-block lay-reset-child" id="cms-editor-minieditor-sin178892081355584800">
<p style="text-align: center;"><strong>お話を聞いたのは&#8230;</strong></p>
<p style="text-align: center;"><img src="/images/learn/2609_Release/260909_sekai/images20260909111216.webp" width="600" height="400" alt="" /></p>
<p style="text-align: center;"><strong>株式会社TL Genomics 代表取締役<br />
久保 知大さん</strong></p>
<p>1979年生まれ、東京都出身。京都大学理学部卒業、同大学院修了、博士号取得。コロンビア大学で生命科学分野の基礎研究に従事した後、バイオ企業で事業開発やマーケティングを経験。2015年に株式会社TL Genomicsを創業した。現在は、独自の検査・診断技術の研究開発と社会実装に取り組み、血液検査によって自然妊娠のしやすさに関する指標を示す「LOX検査」などを展開している。</p>
</div>
</div>
</div>
</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin178892089633359200 cparts-editsite--mainttl cparts-id002" id="cms-editor-textarea-sin178892089633363000">「科学者になりたい」――博士課程の転機からコロンビア大学へ</h2>
<div id="cms-editor-minieditor-sin178892075450728300" class="cms-content-parts-sin178892075450744500">
<p>LOX検査（妊娠力検査）の世界展開を目指す久保さんだが、キャリアの出発点は経営ではない。少年時代に抱いた「科学者になりたい」という憧れだった。東京都で生まれ育ち、武蔵中学校・高等学校へ進学。自ら調べ、自ら考えるという校風や、学者肌の教員たちに囲まれて過ごす中で、科学者への思いは次第に強まっていったという。</p>
<p></p>
<p>「子どもの頃から、なんとなく科学者になりたいと思っていました。具体的に何を研究したいというところまではありませんでしたが、サイエンティストという存在に漠然と憧れていたんです」（久保さん）</p>
<p></p>
<p>大学は京都大学理学部へ進んだ。当初は物理学に関心を持っていたが、自分の適性を考える中で出会ったのが、生命現象を分子レベルから解き明かす分子生物学だった。具体的な応用先よりも、生命を成り立たせている普遍的な原理を探究することに惹かれた。</p>
<p></p>
<p>「当時は、さまざまな生物に共通する原理を解き明かすことに学問的な面白さを感じていました。生命がどういう仕組みで成り立っているのか、その普遍的な原理を知ること自体に魅力があったんです」（久保さん）</p>
<p></p>
<p>そのまま大学院へ進み、遺伝子発現を制御する仕組みについて研究した。具体的には、DNAがコンパクトに収納される仕組みやDNAの情報を受け取ってタンパク質の合成に関わるメッセンジャーRNAの末端部分が、どのような仕組みによって制御されているのかを解明する研究である。</p>
<p></p>
<p>しかし、博士課程での研究は決して順調ではなかった。2年目頃まで思うようなデータが得られず、学位取得にも不安を覚えるほど、成果が出ない時期が続いた。</p>
<p></p>
<p>「今振り返っても、かなりつらい時期でした。このまま何の論文も残さずに研究の世界を去れば、自分がここまでやってきたことが何も残らない。それが悔しかったんです。今さら引くくらいなら、学卒や修士の段階で就職しておけばよかったわけですから、もうここまで来たら引けないという気持ちでした」（久保さん）</p>
<p></p>
<p>転機となったのは、一つの仮説を実験によって裏付けられたことだった。それまで十分に解明されていなかったメッセンジャーRNA末端の長さを制御する機構について成果をまとめ、論文として発表。久保さんによれば、この研究は約20年を経た現在も、関連研究で引用され続けているという。そのように基礎研究の分野で長期に渡って引用され続けることは珍しく、久保さんの研究の価値の高さを裏付けるエピソードだ。</p>
<p></p>
<p>久保さん自身が「大逆転だった」と振り返るこの研究成果を評価したのが、米国のコロンビア大学だった。当時、日本人研究者が海外へ渡る際には、国内で研究費や奨学金を得て海外の研究室へ持参するケースも多かったが、久保さんはコロンビア大学側から雇用される形で渡米した。</p>
<p></p>
<p>久保さんにとって、研究者になるなら米国で研究することは、かねて思い描いていたキャリアの一つだった。コロンビア大学には世界各国から研究者が集まっていた。そこで久保さんは、日本で培ってきた発想力や論理的思考が、世界でも十分に通用するという手応えを得た。</p>
<p></p>
<p>「世界中から優秀な研究者が来ていましたが、日本人がまったくかなわないとは感じませんでした。もちろん、突出して優秀な人はいます。それでも、日本でしっかり学んできた人の発想や論理的に考える力は、世界でも十分に通用すると実感しました」（久保さん）</p>
<p></p>
<p>一方、日本と米国の双方で研究を経験する中で、研究の進め方にも違いを感じたという。特に印象に残ったのが、コロンビア大学における研究者同士の議論の活発さと、人的ネットワークを通じた情報流通の速さだった。</p>
<p></p>
<p>「米国で特に印象に残ったのは、情報の流れ方です。一見すると雑談しているようなディスカッションでも、そこでやり取りされている情報の質が高い。日本との違いとして、研究を進める効率の良さは強く感じました」（久保さん）</p>
<div></div>
</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin178892092713117500 cparts-editsite--mainttl cparts-id002" id="cms-editor-textarea-sin178892092713124700">コロンビア大学で知った現実。研究者から事業家へ</h2>
<div id="cms-editor-minieditor-sin178892095484378400" class="cms-content-parts-sin178892095484385700">
<p>コロンビア大学での研究生活には、約2年で区切りをつけた。留学中に起きたリーマンショックを機に、研究者としてのキャリアを現実的に考え直すようになったからだ。</p>
<p></p>
<p>日本では基礎研究のポストが減りつつあり、米国に残って研究を続ける道も考えた。しかし、現地の研究者たちと話してみると、一流大学であっても基礎研究のポストが豊富に用意されているわけではなく、アカデミアから企業への転身にも景気悪化やビザなどの壁があった。</p>
<p></p>
<p>「日本にいた頃は、米国へ行けば、もっといろいろなキャリアがあるのではないかというイメージもありました。でも実際に行ってみると、そんなに単純ではない。リーマンショックの直後に下の階の研究室が一夜にして閉鎖されるような現実を30歳を目前に目の当たりにして、研究一本に絞ることで、自分の人生の選択肢まで狭めてしまうのではないかと考えるようになりました」（久保さん）</p>
<p></p>
<p>久保さんは当時、基礎研究を取り巻く環境が厳しさを増していると感じる中で、研究者としてキャリアを築く難しさも意識するようになっていた。自身の研究が国際的に評価されたとしても、それがそのまま安定した研究ポストにつながるとは限らなかった。</p>
<p></p>
<p>「自分より上の世代であれば、これくらいの研究成果を出せば、研究者として生きていけるという感覚があったと思います。でも自分たちの世代になると、研究として評価されることと、それで生活していけることが必ずしも一致しなくなっていました」（久保さん）</p>
<p></p>
<p>帰国後は大学に戻らず、バイオ関連企業へ転身した。研究職ではなく、外部技術の評価や遺伝子検査キットの海外展開、事業開発、マーケティングなどを担当した。</p>
<p></p>
<p>研究者として蓄えてきた知識を使いながら、その技術が誰にとって価値を持つのか、どのような商品やサービスとして届けるのかを考える。研究室とは異なる視点から技術を見る経験を重ねる中で、久保さんは「遺伝子解析によって生活者に直接価値を届ける事業」への関心を強めていった。</p>
<p></p>
<p>「遺伝子解析の技術を使って、エンドユーザーに直接価値を届けられる事業をやりたいという思いがありました。当時は、そうした用途がまだ限られていたので、何ができるのかをずっと探していました」（久保さん）</p>
<p></p>
<p>そんな中で注目したのが、米国で実用化が進み始めていた出生前診断だった。研究機関や製薬企業のためではなく、検査を受ける本人に直接情報を届けられる遺伝子検査である。</p>
<p></p>
<p>この領域を自分の仕事として強く意識するようになった背景には、久保さん自身の家族の経験もあった。パートナーが双子を妊娠した際、妊娠継続に大きなリスクを伴う状況となり、家族として妊娠継続をめぐる重い選択に向き合った経験がある。</p>
<p></p>
<p>「出生前診断をめぐっては、さまざまな考え方があります。技術が結論を決めるのではなく、必要な情報を届け、その上で妊娠している本人が、必要に応じて医師や家族などと相談しながら考えられるようにする。そのために技術が果たせる役割があると考えました」（久保さん）</p>
<p></p>
<p>この経験と問題意識が、出生前診断を起点に自ら事業を立ち上げる動機の一つとなった。2014年には会社員として働きながら、有給休暇を利用して国内の大学を回り、事業化につながる技術を探した。スタートアップ支援の補助金も獲得し、翌2015年にTL Genomicsを設立する。</p>
<p></p>
<p>「これなら絶対に成功できるという確信があったわけではありません。むしろ、やってみない限り何も始まらないという感覚でした。大学院では中退を考えるほど追い詰められた経験もしているので、それなら、もう一度これくらい大きなチャレンジをしてみてもいいのではないかと思ったんです」（久保さん）</p>
<div></div>
</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin178892093046767800 cparts-editsite--mainttl cparts-id002" id="cms-editor-textarea-sin178892093046775300">撤退の先で残った、「技術とチーム」</h2>
<div id="cms-editor-minieditor-sin178892095131768900" class="cms-content-parts-sin178892095131776300">
<p>創業後、事業化を進める中で明らかになったのが、起点とした大学発技術をそのまま実用化する難しさだった。早い段階で、技術開発の方向転換を迫られた。</p>
<p></p>
<p>そこで、新たにマイクロ流路デバイスなど、自身がそれまで専門としてこなかった領域にも踏み込んだ。企業として研究開発を進める以上、技術の方向転換は、社員や投資家、限られた資金を伴う経営判断でもある。</p>
<p></p>
<p>それでも久保さんは、研究者だった頃よりも精神的には前向きに取り組めたと振り返る。その大きな理由が、社員という仲間の存在だった。</p>
<p></p>
<p>「研究者の頃は、本当に一人で成果と向き合っていました。でも会社には、一緒に考え、意見をぶつけ合える仲間がいる。冷静に状況を振り返るとかなり厳しかったのですが、研究者だった頃より精神的にはむしろ楽でした。それもあって、研究を楽しもうぜ、と口癖のように言っていました。大学院生の頃に自分の力で初めてデータを出して感激したあの気持ちでやろうよ、と。それに、相談しながら進めれば、一人では出てこなかった知恵も生まれますから」（久保さん）</p>
<p></p>
<p>試行錯誤を重ねる中で技術開発は進み、大手企業との連携にもつながった。出生前診断事業は、研究だけでなく事業化を具体的に見据える段階へ進んでいたが、その間にも市場環境は大きく変化していった。</p>
<p></p>
<p>久保さんによれば、事業を構想した当初は1検査あたり1500～2000ドル程度だった出生前診断の価格が、10年もたたないうちに300～400ドル程度まで下落したという。開発は前進していたものの、市場の変化はそれを上回る速さだった。結果として、当初想定していた事業性を確保することが難しくなった。</p>
<p></p>
<p>「技術としては、かなりいいところまで進んでいました。ただ、市場の変化に開発が追いつかなかった。振り返れば、開発に時間を要したことが大きかったと思います」（久保さん）</p>
<p></p>
<p>技術的な手応えがあっても、市場環境が変われば事業としての前提も変わる。創業から長く取り組んできた出生前診断事業だったが、久保さんは継続が難しいと判断し、撤退を決めた。その後、投資家からは、手元に資金が残っている段階で会社を解散する選択肢も示された。しかし久保さんには、これまで培ってきた技術への手応えと、厳しい局面でも会社に残る社員の存在があった。</p>
<p></p>
<p>「出生前診断事業からは撤退しましたが、自分たちにはまだ良い技術が残っているという自信がありました。そして、この状況でも一緒にやってくれる仲間がいた。この技術とチームがあるなら、会社を閉じるのではなく、もう一度挑戦させてほしいと思いました」（久保さん）</p>
<p></p>
<p>こうして2023年、TL Genomicsは、それまで取り組んできた事業を大きく転換する「グランドピボット」に踏み切った。当時は、新しい事業が成功する保証などなかった。久保さん自身、「残りのガソリンも少なかった」と振り返る中で、これまで開発してきた基盤技術を別の領域に生かせないかと模索を続けた。</p>
<p></p>
<p>新たな研究テーマを探る中で、医療分野の研究者との共同研究も進んだ。久保さん自身が研究者だったからこそ、研究の面白さや課題を共通の言葉で議論でき、そのことが信頼関係や研究開発のスピードにもつながったという。</p>
<p></p>
<p>社内にも研究出身のメンバーが多く、将来的な金銭的リターンだけではなく、「この研究は面白い」「この発見には別の可能性がある」といった科学そのものへの関心を共有できたことも、チームを支えた。</p>
<p></p>
<p>「『これが成功すれば、いくら儲かる』という話だけをしていたら、メンバーは離れていたかもしれません。でも、『このサイエンスは面白い』『これが分かれば、いろいろなことに応用できる』という話ならできた。同じ面白さを共有できたことが、チームの結束につながったと思います」（久保さん）</p>
<div></div>
</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin178892094264589400 cparts-editsite--mainttl cparts-id002" id="cms-editor-textarea-sin178892094264600300">「新しい大陸」が見えた。妊娠力検査への転換</h2>
<div id="cms-editor-minieditor-sin178892094753794700" class="cms-content-parts-sin178892094753804800">
<p>次の事業の可能性を探る中で、TL Genomicsが着目したのが、「LOX（Loss of X chromosome）」と呼ばれる現象である。</p>
<p></p>
<p>女性は通常2本のX染色体を持つが、加齢などに伴い、一部の白血球では細胞分裂の過程でその片方が後天的に失われることがある。TL Genomicsでは、このLOXを低コストかつ高感度で検出する技術を開発。さらに研究を進める中で、LOXの割合と自然妊娠の成立との間に関連を示すデータを得た。</p>
<p></p>
<p>久保さんにとって、それは一つの研究成果であると同時に、長年探し続けてきた事業の形でもあった。企業勤務時代から考え続けてきた「遺伝子解析によってエンドユーザーに直接価値を届ける」というテーマが、妊娠という領域で具体的なサービスになり得ると分かったからだ。</p>
<p></p>
<p>「データが取れた時は、溺れかけているところから少し陸地が見えたような感覚でした。DNAを解析することが、そのままエンドユーザーへの価値に変わる。自分にとっては、新しい大陸が見えたような気持ちでした」（久保さん）</p>
<p></p>
<p>この研究成果をもとに開発されたのが、LOX検査（妊娠力検査）である。ただし、この検査は将来の妊娠を断定するためのものではない。同社が重視しているのは、妊活や不妊治療において、自分が次にどの選択肢を取るのかを考えるための情報を増やすことである。</p>
<p></p>
<p>不妊治療には、タイミング法や人工授精、体外受精などさまざまな選択肢がある。どの方法を選ぶのか、いつ次の選択肢を検討するのかは、年齢や検査結果、不妊の要因、本人やパートナーの希望などによって異なる。</p>
<p></p>
<p>TL Genomicsが公表している研究では、LOX細胞の割合が高い群ほど自然妊娠が成立する割合が低い傾向が示された一方、体外受精ではLOXとの同様の関連は確認されなかったとしている。なお、不妊の背景には女性側・男性側の要因のほか、双方に関わる要因や原因を特定できない場合などもあり、LOX検査だけで妊娠・不妊を説明できるものではない。同社では、この結果を踏まえ、LOX検査を自然妊娠に時間をかけるのか、早めに体外受精へ移行するのかを考える際の判断材料の一つとして位置づけている。</p>
<p></p>
<p>「検査結果を単純に良い、悪いで受け止めるものではありません。自然妊娠を目指す期間をどう考えるのか、体外受精を含めた次の選択肢をいつ検討するのか。医師とも相談しながら、これからどうするかを考えるための一つの材料として使ってもらいたいと思っています」（久保さん）</p>
<p><img src="/images/learn/2609_Release/260909_sekai/images20260909111201.webp" width="900" height="674" alt="" /><span style="font-size: small;">上川陽子 衆議院議員に説明をする久保さん</span></p>
<p></p>
<p>久保さんがLOX検査の意義として重視するのが、妊活や不妊治療に伴う時間的な負担である。体外受精を含む不妊治療では、治療の進行に応じた通院が必要となり、仕事との予定調整が負担になる場合もある。専門的な治療を受けるために遠方の医療機関へ通う場合には、移動や宿泊が負担になることもある。</p>
<p></p>
<p>2026年8月の取材時点では、LOX検査はクリニックでの導入が進み、久保さんによれば累計の検査実績は論文発表から半年で数百件まで広がっており、非常に順調な拡大をしめしている。今後は不妊治療を始めた人だけでなく、将来の妊娠や出産を考える人が自身のライフプランを検討する際にも活用できるよう、法人の福利厚生などへの展開も考えている。</p>
<p></p>
<p>国内での普及を進めながら、海外への展開も視野に入れている。その際に久保さんが重視するのが、知的財産の確保とエビデンス、そして「サイエンスのストーリー性」である。</p>
<p></p>
<p>ここでいうストーリーとは、商品を魅力的に見せるための物語ではない。研究から得られた個々のデータが科学としてどのようにつながっているのか、その仮説や論理に専門家が納得できるだけの筋道があるのか、という意味だ。</p>
<p></p>
<p>「すべてのエビデンスをそろえ、研究し尽くしてから事業化することは現実には難しい。その中でも、研究内容を理解する海外の経営者や投資家に伝えるためには、科学的に筋の通ったストーリーを示すことが重要だと思っています」（久保さん）</p>
<p></p>
<p>久保さんは、バイオテクノロジーは技術やニーズが国境を越えて共有しやすく、世界市場を目指しやすい領域だと考えている。</p>
<p></p>
<p>「まだ世界への挑戦は入り口に立ったところです。ただ、技術は世界共通ですし、ニーズにも世界で共通する部分がある。本当に役立つこと、新しい価値をきちんと示していけば、届く相手は必ずいると思っています」（久保さん）</p>
<div></div>
</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin178892091326385900 cparts-editsite--mainttl cparts-id002" id="cms-editor-textarea-sin178892091326393200">世界を見たからこそ、静岡を選んだ</h2>
<div id="cms-editor-minieditor-sin178892089944713200" class="cms-content-parts-sin178892089944721000">
<p>久保さんは現在、静岡県三島市に暮らしている。創業当初は東京で生活していたが、約6年前に三島へ移住した。さらにTL Genomicsも現在、隣接する長泉町のファルマバレーセンターに拠点を置いている。</p>
<p></p>
<p>なぜ久保さんは三島に暮らし、TL Genomicsは静岡県東部に拠点を置くのか。その背景には、コロンビア大学時代に目にした研究者たちの暮らし方がある。</p>
<p></p>
<p>マンハッタンで暮らしていた頃、久保さんは大学教授や弁護士、企業経営者らの生活を目にした。仕事の場はニューヨークの中心部にありながら、自宅は自然豊かな郊外に置く人も多い。実際に教授の自宅に招かれ、自然豊かな環境で暮らしながら、大学では研究に集中する姿を見て、その暮らし方に惹かれたという。</p>
<p style="text-align: center;"><img src="/images/learn/2609_Release/260909_sekai/images20260909111207.webp" width="450" height="600" alt="" /><br />
<span style="font-size: small;">鈴木康友 静岡県知事との一枚</span></p>
<p></p>
<p>「研究には創造性や独創性が必要です。それは、豊かな自然環境の中で育まれる部分もあると思っています。米国の先生たちの暮らしを見て、仕事と生活をこういう形で分けるのもいいなと思いました」（久保さん）</p>
<p></p>
<p>創業後もしばらくは東京で暮らしながら事業を続けていたが、自然の近くで生活することへの思いが次第に強まり、三島への移住を決めた。</p>
<p></p>
<p>三島を選んだ理由は、自然環境だけではない。三島は新幹線を使えば首都圏へアクセスしやすく、世界へ出ていくことを考えれば、羽田空港への動線も確保できる。国内外の企業や研究者と直接会える距離感と、研究や思考に集中できる生活環境の双方を考えた結果だった。</p>
<p></p>
<p>「首都圏へのアクセス、羽田空港へのアクセス、そして自然環境。あと富士山。そのバランスを考えると、三島は自分にとって非常に理想的でした。世界を見てきたからこそ、静岡を選ぶことにもあまり違和感はなかったんです」（久保さん）</p>
<p></p>
<p>首都圏や羽田へのアクセスを保ちながら、自然に近い環境で暮らす。久保さんにとって三島への移住は、世界から距離を置くためではなく、自分なりの仕事と暮らしのあり方を選んだ結果だった。現在はTL Genomicsも静岡県東部に拠点を置く。</p>
<div></div>
</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin178892122071354700 cparts-editsite--mainttl cparts-id002" id="cms-editor-textarea-sin178892122071365000">「やらない理由」より、やる理由を一つ多く</h2>
<div id="cms-editor-minieditor-sin178892121796608300" class="cms-content-parts-sin178892121796616700">
<p>これまでの歩みを振り返ってもらうと、久保さん自身は、これまでの歩みを「誰にでも再現できる成功例」とは捉えていない。研究開発型スタートアップとして自ら技術を生み出しながら事業を続けてきたことについても、「結果論です」と答えた。</p>
<p></p>
<p>「もう一度、同じことをやれと言われても、できないかもしれません。人に簡単に勧められるような道でもない。ただ、研究者として新しい発見をしたいという気持ちは、ずっと自分の中に残っていたんでしょうね。だから、経営者として新しいものやサービスを社会実装したいという想いが強いです」（久保さん）</p>
<p></p>
<p>久保さんは、その感覚を「研究者として一度消したはずの火が、ずっとくすぶっていた」と表現した。</p>
<p></p>
<p>研究職を離れ、経営者になっても、新しい研究や技術に出会えば、その可能性を考えずにはいられない。その感覚は、現在のTL Genomicsの研究開発にもつながっている。創業以来、TL Genomicsが掲げているミッションは「技術をつくり、社会をつくる」。久保さんによれば、社内で何度考え直しても、この言葉に戻ってくるという。</p>
<p></p>
<p>「まず新しい技術をつくり、それを社会に実装する。この順番が自分たちらしさなんです。ここがなくなってしまったら、TL Genomicsという会社の存在意義そのものがなくなると思っています」（久保さん）</p>
<p></p>
<p>そんな久保さんが、社内でもよく話している考え方がある。「犬の散歩理論」だ。</p>
<p></p>
<p>犬の散歩に「行かない理由」はいくらでも思いつく一方、「行く理由」を同じ数だけ挙げようとすると、意外に難しい。だからこそ久保さんは、意識的に「やる理由」を考えるという。</p>
<p></p>
<p>「散歩に行けば気持ちがいいかもしれない。誰かと出会うかもしれない。犬が穴を掘ったら、小判が出てくるかもしれない。もちろん小判は極端な話ですが、やらない理由を一つ考えたら、それより多く、やる理由を考えるようにしています。社内でも同じように問いかけています」（久保さん）</p>
<p></p>
<p>久保さんが問題視しているのはリスクを考えることではなく、「やらない理由」を積み上げるだけで終わってしまうことだ。若い世代や、これから世界へ挑戦しようとする人への言葉を尋ねると、久保さんはコロンビア大学時代に得た実感を語った。</p>
<p></p>
<p>「日本人の発想や論理的に考える力は、世界でも十分に通用します。独創性という点でも、日本人はかなりユニークだと思っています。人と違うところ、自分にしかできないところがあるなら、それを大切にしてほしいですね」（久保さん）</p>
<p></p>
<p>「やらない理由」を考えたら、それより一つ多く「やる理由」を考える。博士課程での研究、海外留学、企業への転身、起業、そして事業転換と選択を重ねてきた久保さんにとって、それは単なる持論ではなく、これまでの意思決定を支えてきた考え方の一つなのだろう。</p>
<div></div>
</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin178892123950852800 cparts-editsite--mainttl cparts-id002" id="cms-editor-textarea-sin178892123950860900">取材を終えて</h2>
<div id="cms-editor-minieditor-sin178892121506128200" class="cms-content-parts-sin178892121506136000">
<p>久保さんとは、今回の取材に先立つ打ち合わせも含め、オンラインで2度お話ししました。最初にお会いした時から印象に残ったのが、研究や事業について語る時の熱量です。「新しい技術を生み出し、それを社会へ届けたい」と語る久保さんの熱量と、「挑戦する人を一人でも増やしたい」という思いでJMPを続けている私自身には、立場こそ違っても通じるものがある。最初にお話しした時から、勝手ながら強いシンパシーを感じていました。</p>
<p></p>
<p>研究開発に長い時間と多額の資金を要するバイオスタートアップの世界で、自ら研究開発を重ね、独自技術を生み出し、それを事業として世界へ届けようとする。その道の難しさは、今回の取材を通じても十分に伝わってきました。それでも研究開発を続け、必要であれば事業そのものを見直しながら、前へ進んできた。「技術をつくり、社会をつくる」というミッションが、会社紹介のためにつくられた言葉ではなく、久保さん自身の歩みから生まれたものなのだと感じました。</p>
<p></p>
<p>そして、幼少期から現在までのお話を時系列で伺うほど、人生の点と点は、後になって線になるのだと感じました。科学者への憧れ、京都大学での基礎研究、コロンビア大学で見た世界、企業で学んだ事業開発。研究者として培った問いの立て方は技術開発に、企業で学んだ事業の視点は経営に生きている。久保さんのお話を聞いていると、それぞれの経験が今の仕事の中でつながっていることがよく分かりました。</p>
<p></p>
<p>妊娠や出産をめぐる選択は、とても個人的なものであり、そこに一つの正解があるわけではありません。だからこそ、自分の身体について知るための情報が増え、必要に応じて医師と相談しながら、自分自身でこれからを考えられることには意味があると思います。LOX検査が、そうした選択を支える一つの材料としてどこまで役割を果たしていくのか、私自身も注目しています。</p>
<p></p>
<p>日本で生まれた研究や技術が社会に新しい選択肢を生み出し、やがて世界へ広がっていく。JMPが応援し、伝えていきたいのは、まさにそうした挑戦です。研究者としての探究心を持ちながら、経営者として技術を社会へ届けようとする久保さんが、静岡を拠点にどのように世界へ踏み出していくのか。結果だけではなく、その過程にある試行錯誤や選択も含めて、これからも追い続けたいと思います。（JMP総合プロデューサー 長谷川浩和）</p>
<p><strong>▼「挑戦」を生むトレンドニュースを毎日掲載！</strong><br />
<a href="https://japanstep.jp/">挑戦者のためのビジネスメディア『JapanStep』</a></p>
<p></p>
<div></div>
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<item rdf:about="https://japanstep.jp/learn/2026/09/2407/">
<title>コールセンターをAI自律型へ。AI-Ready化への挑戦</title>
<link>https://japanstep.jp/learn/2026/09/2407/</link>
<description>
国内で1兆円を超える市場規模を持ちながら、深刻な人手不足と応答率の低下という構造的課題に直面するコールセンター業界（※）。24時間365日の迅速な対応と日本特有のきめ細やかな応対品質の両立が求められる一方で、リックテレコム「コールセンター白書2025」によると、オペレーターの採用難は約8割の企業に及ぶという。人に依存した従来の運営体制は限界を迎えつつある。
こうした現場の逼迫と顧客ニーズの乖離を解消すべく、コールセンターをAIで完全自律駆動させる新たなアプローチが動き出している。2026年7月、株式会社Helpfeelは、企業の「AI-Ready化（AIが業務を理解し、自律的に動ける状態に整えること）」を支援するコンサルティング事業の開始を発表した。東北電力株式会社における先行事例では、ナレッジのデータ構造化によって入電量約20％減を達成。現場の暗黙知を「AIが活用できる資産」へと転換する取り組みが、顧客対応の現場を根本からアップデートしようとしている。（文＝JapanStep編集部）
（※）矢野経済研究所「コールセンターサービス市場／コンタクトセンターソリューション市場の調査を実施（2025年）」を参照

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暗黙知をデータ化し、東北電力で準備が進むAI自律駆動コールセンター


（引用元：PR TIMES）

Helpfeelが開始したコンサルティング事業は、AIが用件特定から回答、手続き完了までを自律的に遂行する「オートパイロットコールセンター」の実現を支援するものだ。

本事業では、AIが一足飛びにすべての業務を代替するのではなく、AIの習熟度に応じた6段階（Level 0～5）のロードマップに沿って段階的に自動化率を引き上げていく。最終段階となるLevel 5では、裁量判断や例外対応を含む全業務を自律型AIが担当し、人はAIの監督やマネジメントを行う運用体制を目指す。
（引用元：PR TIMES）

その先行事例として、東北電力におけるAIオペレーター構築プロジェクトの支援が進んでいる。東北電力では、2025年3月に自己解決AI「Helpfeel」を導入した結果、10カ月で月間16万PVに達し、顧客の自己解決が定着。問い合わせの入電量を約20％削減することに成功した。現在はロードマップの「Level 1（人とAIが利用するナレッジ基盤の構築）」を達成し、「Level 2（人を支援するAIの活用）」へと進んでいる。

取り組みの中核をなすのが、業務データの「AI-Ready化」だ。マニュアルやFAQにとどまらず、ベテランオペレーターの暗黙知や複雑な業務フローをAIが正しく理解・判断できるよう、意味付けを行って構造化する。その上で、900サイト以上（2026年4月時点）に及ぶ「Helpfeel」の導入実績で培った知見を活かし、組織体制の設計からシステム連携までを一気通貫で支援する。さらにはコールセンター領域にとどまらず、営業支援やバックオフィスなど企業活動全体のナレッジ構築への展開も見据えている。


日本の生成AI、導入しても効果が実感できていない。「ナレッジの構造化」への移行にかかる期待

HelpfeelによるAI-Ready化支援の登場によって、日本企業における生成AI活用のフェーズが、単なる「ツールの導入」から「現場におけるナレッジの構造化」へ移行しつつあるという事実が浮上してきた。

PwC Japanグループ「生成AIに関する実態調査2025春 5カ国比較」によると、国内企業の生成AI導入率は海外と同水準にあるものの、その効果実感は欧米の4分の1にとどまっているという。このギャップを生む大きな要因は、AIが参照すべき現場の知識や業務フローがデータとして整備されていない点にあった。どれほど高度なAIモデルを採用しても、判断の拠り所となる情報が整理されていなければ、精度の高い顧客対応は成立しない。現場の暗黙知を「AIが利用できるデータ資産」へ転換するプロセスこそが、AIの真価を引き出す鍵となりうる。

また、この事業が提示する価値は、人とAIが担う領域を、順を追って高度化させていく設計にある。自動車の自動運転と同様に、段階的なプロセスを経て定型対応や複雑なシステム連携をAIが自律遂行することで、現場のスタッフは例外対応や顧客体験の向上、AIのマネジメントといった、より付加価値の高いコア業務へ集中できる環境が整っていくはずだ。

労働力不足に直面する顧客対応の現場においては、単にツールの導入で人手を補うのではなく、組織に眠る知恵を活かしながら業務プロセスそのものを再設計していくアプローチが不可欠となる。Helpfeelと東北電力が提示したAI-Ready化のモデルは、企業がデジタル変革を加速させ、持続的な競争力を築くための一手となっていくだろう。
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<p>国内で1兆円を超える市場規模を持ちながら、深刻な人手不足と応答率の低下という構造的課題に直面するコールセンター業界<span style="font-size: small;">（※）</span>。24時間365日の迅速な対応と日本特有のきめ細やかな応対品質の両立が求められる一方で、リックテレコム「コールセンター白書2025」によると、オペレーターの採用難は約8割の企業に及ぶという。人に依存した従来の運営体制は限界を迎えつつある。<br />
こうした現場の逼迫と顧客ニーズの乖離を解消すべく、コールセンターをAIで完全自律駆動させる新たなアプローチが動き出している。2026年7月、株式会社Helpfeelは、企業の「AI-Ready化（AIが業務を理解し、自律的に動ける状態に整えること）」を支援するコンサルティング事業の開始を発表した。東北電力株式会社における先行事例では、ナレッジのデータ構造化によって入電量約20％減を達成。現場の暗黙知を「AIが活用できる資産」へと転換する取り組みが、顧客対応の現場を根本からアップデートしようとしている。（文＝JapanStep編集部）</p>
<p><span style="font-size: small;">（※）矢野経済研究所「コールセンターサービス市場／コンタクトセンターソリューション市場の調査を実施（2025年）」を参照</span></p>
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<h2 class="cms-content-parts-sin178891807814207500 cparts-editsite--mainttl cparts-id002" id="cms-editor-textarea-sin178891807814211500">暗黙知をデータ化し、東北電力で準備が進むAI自律駆動コールセンター</h2>
<div id="cms-editor-minieditor-sin178891806625657400" class="cms-content-parts-sin178891806625666300">
<p><img src="/images/learn/2609_Release/260909_call/1.webp" width="900" height="473" alt="" /><br />
<span style="font-size: small;">（引用元：</span><a href="https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000506.000027275.html"><span style="font-size: small;">PR TIMES</span></a><span style="font-size: small;">）</span></p>
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<p>Helpfeelが開始したコンサルティング事業は、AIが用件特定から回答、手続き完了までを自律的に遂行する「オートパイロットコールセンター」の実現を支援するものだ。</p>
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<p>本事業では、AIが一足飛びにすべての業務を代替するのではなく、AIの習熟度に応じた6段階（Level 0～5）のロードマップに沿って段階的に自動化率を引き上げていく。最終段階となるLevel 5では、裁量判断や例外対応を含む全業務を自律型AIが担当し、人はAIの監督やマネジメントを行う運用体制を目指す。</p>
<p><img src="/images/learn/2609_Release/260909_call/2.webp" width="900" height="473" alt="" /><span style="font-size: small;">（引用元：</span><a href="https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000506.000027275.html"><span style="font-size: small;">PR TIMES</span></a><span style="font-size: small;">）</span></p>
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<p>その先行事例として、東北電力におけるAIオペレーター構築プロジェクトの支援が進んでいる。東北電力では、2025年3月に自己解決AI「Helpfeel」を導入した結果、10カ月で月間16万PVに達し、顧客の自己解決が定着。問い合わせの入電量を約20％削減することに成功した。現在はロードマップの「Level 1（人とAIが利用するナレッジ基盤の構築）」を達成し、「Level 2（人を支援するAIの活用）」へと進んでいる。</p>
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<p>取り組みの中核をなすのが、業務データの「AI-Ready化」だ。マニュアルやFAQにとどまらず、ベテランオペレーターの暗黙知や複雑な業務フローをAIが正しく理解・判断できるよう、意味付けを行って構造化する。その上で、900サイト以上（2026年4月時点）に及ぶ「Helpfeel」の導入実績で培った知見を活かし、組織体制の設計からシステム連携までを一気通貫で支援する。さらにはコールセンター領域にとどまらず、営業支援やバックオフィスなど企業活動全体のナレッジ構築への展開も見据えている。</p>
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<h2 class="cms-content-parts-sin178891808131455500 cparts-editsite--mainttl cparts-id002" id="cms-editor-textarea-sin178891808131462700">日本の生成AI、導入しても効果が実感できていない。「ナレッジの構造化」への移行にかかる期待</h2>
<div id="cms-editor-minieditor-sin178891806242569000" class="cms-content-parts-sin178891806242578100">
<p>HelpfeelによるAI-Ready化支援の登場によって、日本企業における生成AI活用のフェーズが、単なる「ツールの導入」から「現場におけるナレッジの構造化」へ移行しつつあるという事実が浮上してきた。</p>
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<p>PwC Japanグループ「生成AIに関する実態調査2025春 5カ国比較」によると、国内企業の生成AI導入率は海外と同水準にあるものの、その効果実感は欧米の4分の1にとどまっているという。このギャップを生む大きな要因は、AIが参照すべき現場の知識や業務フローがデータとして整備されていない点にあった。どれほど高度なAIモデルを採用しても、判断の拠り所となる情報が整理されていなければ、精度の高い顧客対応は成立しない。現場の暗黙知を「AIが利用できるデータ資産」へ転換するプロセスこそが、AIの真価を引き出す鍵となりうる。</p>
<p></p>
<p>また、この事業が提示する価値は、人とAIが担う領域を、順を追って高度化させていく設計にある。自動車の自動運転と同様に、段階的なプロセスを経て定型対応や複雑なシステム連携をAIが自律遂行することで、現場のスタッフは例外対応や顧客体験の向上、AIのマネジメントといった、より付加価値の高いコア業務へ集中できる環境が整っていくはずだ。</p>
<p></p>
<p>労働力不足に直面する顧客対応の現場においては、単にツールの導入で人手を補うのではなく、組織に眠る知恵を活かしながら業務プロセスそのものを再設計していくアプローチが不可欠となる。Helpfeelと東北電力が提示したAI-Ready化のモデルは、企業がデジタル変革を加速させ、持続的な競争力を築くための一手となっていくだろう。</p>
<p><span style="font-weight: bolder; background-color: rgb(255, 255, 255);">▼「挑戦」を生むトレンドニュースを毎日掲載！</span><br style="background-color: rgb(255, 255, 255);" />
<a href="https://japanstep.jp/" target="_self" style="background-color: rgb(255, 255, 255); font-size: 1.6rem;">挑戦者のためのビジネスメディア『JapanStep』</a></p>
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