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<title>JapanStep 挑戦者のためのビジネスメディア</title>
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<description>挑戦者のためのビジネスメディア</description>
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<title>ラブブが来る。7年前の北京で【連載】アジアIPビジネスの可能性（第2回）</title>
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<description>
中国・アジアのIPビジネスの事例や実体験をもとに、その潮流やビジネスの本質を解説いただく本連載。今回は、世界的な人気を集める「ラブブ」を生み出した中国の「POP MART」がテーマだ。世界的IPはなぜ中国から生まれたのか。7年前、北京での熱気を目の当たりにした恒川さんが、中国企業が長年培ってきた製造力と、原作に頼らず造形や体験から価値を生み出すIPビジネスの成長をひもとく。（リード文：JapanStep編集部、本文：ミニチュアファクトリー　恒川琢朗さん）
【連載一覧】アジアIPビジネスの可能性　






ご寄稿いただいたのは
&#160;
株式会社ミニチュアファクトリー代表取締役
恒川琢朗さん
2003年の創業時からミニチュアグッズのOEM制作に携わり、2013年頃からキャラクター事業を展開。2017年からは成長著しい中国のキャラクターIP企業との戦略提携により、ネット時代の新しいキャラクター展開を実践しつつ、インバウンドプロモーションを実施。中国のスピードと日本の丁寧さを掛け合わせ、企業やアーティストの企画を製造・ライセンス・流通まで一貫して推進。日本と中国、版権元とライセンシー、クリエイターと工場。それぞれの立場や論理を直接知っているからこそ、異なる価値観のあいだに立って、プロジェクトを実際に動かしている。








前回、中国キャラクター「長草くん」の日本展開を通じて「人は知らないものは買わない」という学びについて書いた。最後に少しだけ触れたのが、当時中国で急速に存在感を増していたフィギュアショップ「POP MART」である。今回はそこから話を進めたい。

日本でも話題の「ラブブ」。大きな耳とギザギザの歯を持つあのキャラクターは、原宿や渋谷の店に行列ができ、オンラインでも一時は抽選でしか買えない状態が続いていた。韓国のガールズグループ、BLACKPINKのリサが愛用したことが世界的なブレイクのきっかけとなり、日本でも2024年、Yahoo!検索大賞のネクストブレイク商品部門に選ばれた。キャラクターとしては唯一の選出だった。

そのラブブを手がけているのが、北京に本社を置く中国のおもちゃ会社「POP MART」である。ただ、私が北京の店を見た2019年当時、看板キャラクターはMOLLYで、ラブブはまだ数あるうちの一つだった。それでも店は十分に賑わっていた。「POP MART」のキャラクターたち（POP MART Japan公式サイトより）





北京の店内でフィギュアを集める女性たち




私がPOP MARTの店舗を訪れたときの写真が手元に残っている。2019年のものだ。北京には仕事でそれ以前から何度も足を運んでいたが、記録として確かなのはこの年である。
まず驚いたのは客層だった。10代から20代が中心で、女性がやや多い。そして、買い物かごを手に取って商品を選んでいる人が少なくない。フィギュアを、かごに入れて買う。日本のホビーショップではあまり見ない光景だったように思う。
実際、私自身も欲しくなった。商品のひとつひとつが可愛くて、こだわりも感じられた。さらに、ディスプレイが実に上手なのだ。
2019年に訪れたPOP MART（北京）

店の外観は各店で異なり、店内にはサイネージが張り巡らされている。といっても無機質なモニターが並んでいるわけではなく、装飾と一体化していて、店に入る前からワクワクさせられる。アクリルボックスの中にキャラクターが並べられ、小さな箱の中にそれぞれの世界観が閉じ込められている。
しかも、行くたびに新しい切り口が用意されていて飽きさせない。時折コラボレーションもあり、日本のIPが登場することもあった。それでもなお、オリジナルキャラクターの存在感が圧倒的に強かった。
店外からも目を引くキャラクターオブジェ



当時の私は、現地で感じた熱気が何を意味するのかを明確には言語化できていなかった。ただ、絶え間なく続く来店客の波を見て、一過性の流行ではない何かを感じていた。
いま振り返ると、それは中国のIPビジネスが大きく伸びていくさなかの熱量だった。

POP MARTは2010年に北京で創業しているが、当初はおもちゃも扱う雑貨店だったらしい。転機は2016年、創業者の王寧氏が香港へ赴き、現地で人気のあったキャラクター「MOLLY」のデザイナー、ケニー・ウォン氏とコラボレーション契約を結んだことである。翌2017年にMOLLYをブラインドボックス形式で発売すると、中国全土で爆発的な人気を呼び、同社は成長軌道に乗ったそうだ。
私が店内を見ていた2019年には、MOLLYシリーズのブラインドボックスが年間700万個売れている。そして翌2020年12月、同社は香港証券取引所に上場し、時価総額は1兆円を超えた。





長い年月をかけて積み上げられた「中国製」の技術




私は株式会社ミニチュアファクトリーで、ミニカーやフィギュアの製造に携わり、2000年から中国の工場に発注を続けてきた。二十数年、中国の製造現場をずっと見てきたことになる。

その間、中国企業は日本やアメリカ、ヨーロッパの企業からキャラクターのフィギュア制作を請け負い続けてきた。ディズニーやマーベル、日本のアニメコンテンツの版権元などは当然、品質基準も高く、簡単には監修はパスできない。何度も何度も修正を繰り返して完成品へとたどり着く。製造工場も苦労をしたに違いない。そのような経験を通じて、製造技術と表現力を磨いてきたわけである。2000年代の時点で、日本市場向けの美少女フィギュアなども相当に精巧なものが作れていた。

そこに、自前のコンテンツとIPが加わった。
つまり中国企業は、質と量の両面で製造の世界トップレベルに達したうえで、IPを持つに至ったということだ。順番が逆ではない。作れるようになってから、作るものを自分で決められるようになった。

2014年当時、中国工場訪問時の写真

一部の日本人の中には、いまだに中国を模倣品大国、安かろう悪かろうと捉えてしまっている傾向があると思う。これは単純に知識不足であり、現状を正しくとらえる必要があると思う。
悲しいことに、いま日本の工場にミニカーやフィギュアの製造を依頼しても、そう簡単には受けてもらえない。キャパシティがないのである。一部の特殊な技術や製品を担える会社は残っているが、大量生産で質の良いものを安く、という条件では中国企業にかなわない。

日本もアメリカも、自国の製造能力を犠牲にして、安くて早い中国企業に依存してきた。従来、品質の低さやコンテンツの模倣を理由に、まだまだ自分たちの脅威ではないと考えていた。だがその間に、中国企業はしたたかに力をつけていた。
私自身も、その流れの中にいた一人である。工場に行けば、大量生産ラインで何百人もの人が働いていた。日本市場のコスト圧力の中では、価格が高ければ受注は決まらない。そして日本国内に、頼めるところはもうなかった。そうするしかなかったのである。

かつての工場は、土日はもちろん、昼夜を問わず動いていた。その猛烈な働き方の中で、確かに育ってきたものがある。技術を積み上げたのは、発注していた私たちではない。現場にいた人たちである。
POP MARTは、その集大成と言えるのではないか。





原作がなくても売れるということ




新鮮だったのは、MOLLYがアート作品からIP化されたキャラクターだったことである。日本のキャラクタービジネスに長く関わってきた人間にとって、キャラクターとはまず物語の中から生まれてくるものだった。漫画があり、アニメがあり、そこで愛された登場人物がグッズやライセンスへと展開していく。原作という幹があって、商品という枝が伸びる。

ところがMOLLYには、そうした原作がない。香港のデザイナーが2006年に生み出した一体のアートトイであり、背後にアニメ作品のような物語はない。あるのは、唇をとがらせた少女の造形と、その世界観だけである。

中国でいう「潮流玩具（潮玩）」とは、アニメやゲームのキャラクターを元にしたものではなく、クリエイターが自ら生み出したオリジナルのフィギュアを指す。POP MARTの創業者自身の言葉を借りれば「独立IPのトレンド属性のある玩具」ということになる。
物語が先にあってキャラクターが立つ、という順番ではない。造形が良く、世界観が表現されていれば、十分売れるのである。
そしてその造形を、質と量の両方で実現できる製造力が、中国にはあった。
2019年当時のPOP MART店内





なぜ、中国でそれが起きたのか




もちろん、製造力だけで説明がつくわけではない。買う側の土壌も必要である。
ひとつには、日本のアニメで育った世代の存在があると思う。1990年代、中国では日本のアニメが次々と放映された。『スラムダンク』は1996年からアニメ放映が始まっている。

当時の中高生や小学生は、いま40代前後になっている。この世代は日本のキャラクターに強い親しみを持っていて、その中からキャラクター関連の事業を立ち上げる人たちも出てきた。

同じ世代は、日本発のベアブリックにも親しんでいる。中国ではベアブリックが非常に好まれており、店に置くと飛ぶように売れるほどの人気だという。興味深いのは、ベアブリックもまた原作を持たないIPだということである。クマ型のユニークな形状に新しいデザインが描かれると、そこに新しいIPが生まれる。物語からではなく、造形とコラボレーションから広がっていく形だ。

つまり中国の若い層にとって、原作のないキャラクターを愛でることは、はじめから自然な行為だったのではないか。そこにキャラクター、フィギュア、スニーカー、ファッションといったサブカルチャーの盛り上がりが重なった。さらに現地では、不動産投資が一段落した資金が次の投資先を探しており、それがIPに向かった、という話も耳にした。これは私が現地で聞いた範囲の話であり、裏付けを取ったものではない。ただ、実際に資本がこの領域に流れ込み、業界の規模を一気に押し上げたことは確かである。
作れる力があり、買う人がいて、資金が集まった。この三つが揃ったということである。





マルチ展開の「常識」が違う




もうひとつ、日本との違いとして強く感じるのが展開の規模である。
中国や香港の商業施設では、大規模なポップアップ空間が当たり前のように行われている。巨大なオブジェを立て、キャラクターの世界観そのものを空間として表現してしまう。日本の感覚からすると、予算的にかなり思い切った判断に見える。

北京・首鋼園に設置されたMOLLYの巨大オブジェ

しかしそれが常態化しているということは、若い層に向けてそこまでアピールする価値があると判断されているということだ。商品を並べる場所ではなく、体験させる場所として空間を捉えている。加えて、商業施設側のお金のかけ方も異なるため、その影響も多分にあると思う。人口の多さに加え、個人個人の旺盛な消費力を誇る中国だからできることともいえる。

第1回で私は、IPにおいては「認知のきっかけ」「どの文脈で受け取られるか」「どのように使われるか」の設計が重要だと書いた。中国のIP企業がやっているのは、まさにその三つを店舗と空間で一気に成立させることである。
原作という文脈が最初からないぶん、文脈は作っていくしかない。だからこそ、体験の設計に命をかけているように見える。






日本企業は、どこで戦えるのか




この十数年を振り返って感じるのは、中国オリジナルコンテンツの勢いの強さである。
計画的でありながら柔軟で、そして何より早い。市場の反応を見てからの動きが、尋常ではなく速い。日本企業でこの速度を実現できているところが、どれだけあるだろうか。
一方で、日本には物語を生み出す力という圧倒的な強みがある。原作から始まるIPの厚みは、簡単に真似できるものではない。
問題は、その強みに寄りかかったまま、接点の設計を後回しにしていないかということだ。良い原作があれば売れる、という前提が通用する市場は、思っているほど広くない。そして製造の力の方は、その間に手放してきた。

いま日本の店頭に並ぶラブブも、中国の工場で作られている。あの造形の精度や仕上げの質は、長い年月をかけて積み上げられたものの上にある。私たちが行列を作って買っているのは、キャラクターであると同時に、その製造力そのものでもある。

私自身、キャラクターIPに関わったあと、2019年頃からアート領域におけるIPの波にも触れることになった。次回は、そのアートIPの世界について書いてみたいと思う。（つづく）
【連載一覧】アジアIPビジネスの可能性　
▼「挑戦」を生むトレンドニュースを毎日掲載！
挑戦者のためのビジネスメディア『JapanStep』





関連リンク

恒川琢朗 公式Webサイト

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<div id="cms-editor-minieditor-sin178268863531699000" class="cms-content-parts-sin178268863531703300">
<p>中国・アジアのIPビジネスの事例や実体験をもとに、その潮流やビジネスの本質を解説いただく本連載。今回は、世界的な人気を集める「ラブブ」を生み出した中国の「POP MART」がテーマだ。世界的IPはなぜ中国から生まれたのか。7年前、北京での熱気を目の当たりにした恒川さんが、中国企業が長年培ってきた製造力と、原作に頼らず造形や体験から価値を生み出すIPビジネスの成長をひもとく。（リード文：JapanStep編集部、本文：ミニチュアファクトリー　恒川琢朗さん）</p>
<p><a href="https://japanstep.jp/learn/category/229">【連載一覧】アジアIPビジネスの可能性　</a></p>
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<p style="text-align: center;">ご寄稿いただいたのは</p>
<p style="text-align: center;">&#160;<img src="/images/learn/AsiaIP/1st/ind_7.webp" width="308" height="283" alt="" /></p>
<p style="text-align: center;"><strong>株式会社ミニチュアファクトリー代表取締役</strong><br />
<strong>恒川琢朗さん</strong></p>
<p style="text-align: center;">2003年の創業時からミニチュアグッズのOEM制作に携わり、2013年頃からキャラクター事業を展開。2017年からは成長著しい中国のキャラクターIP企業との戦略提携により、ネット時代の新しいキャラクター展開を実践しつつ、インバウンドプロモーションを実施。中国のスピードと日本の丁寧さを掛け合わせ、企業やアーティストの企画を製造・ライセンス・流通まで一貫して推進。日本と中国、版権元とライセンシー、クリエイターと工場。それぞれの立場や論理を直接知っているからこそ、異なる価値観のあいだに立って、プロジェクトを実際に動かしている。</p>
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<p>前回、中国キャラクター「長草くん」の日本展開を通じて「人は知らないものは買わない」という学びについて書いた。最後に少しだけ触れたのが、当時中国で急速に存在感を増していたフィギュアショップ「POP MART」である。今回はそこから話を進めたい。</p>
<p></p>
<p>日本でも話題の「ラブブ」。大きな耳とギザギザの歯を持つあのキャラクターは、原宿や渋谷の店に行列ができ、オンラインでも一時は抽選でしか買えない状態が続いていた。韓国のガールズグループ、BLACKPINKのリサが愛用したことが世界的なブレイクのきっかけとなり、日本でも2024年、Yahoo!検索大賞のネクストブレイク商品部門に選ばれた。キャラクターとしては唯一の選出だった。</p>
<p></p>
<p>そのラブブを手がけているのが、北京に本社を置く中国のおもちゃ会社「POP MART」である。ただ、私が北京の店を見た2019年当時、看板キャラクターはMOLLYで、ラブブはまだ数あるうちの一つだった。それでも店は十分に賑わっていた。<img src="/images/learn/2608_Release/260819_IP/2.webp" width="900" height="488" alt="" /><span style="font-size: small;">「POP MART」のキャラクターたち（</span><a href="https://www.popmart.com/jp"><span style="font-size: small;">POP MART Japan公式サイト</span></a><span style="font-size: small;">より）</span></p>
<p></p>
</div>
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</div>
</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin178710374871067100 cparts-editsite--mainttl" id="cms-editor-textarea-sin178710374871075000">北京の店内でフィギュアを集める女性たち</h2>
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<p>私がPOP MARTの店舗を訪れたときの写真が手元に残っている。2019年のものだ。北京には仕事でそれ以前から何度も足を運んでいたが、記録として確かなのはこの年である。<br />
まず驚いたのは客層だった。10代から20代が中心で、女性がやや多い。そして、買い物かごを手に取って商品を選んでいる人が少なくない。フィギュアを、かごに入れて買う。日本のホビーショップではあまり見ない光景だったように思う。<br />
実際、私自身も欲しくなった。商品のひとつひとつが可愛くて、こだわりも感じられた。さらに、ディスプレイが実に上手なのだ。</p>
<p><img src="/images/learn/2608_Release/260819_IP/3.webp" width="900" height="505" alt="" /><span style="font-size: small;">2019年に訪れたPOP MART（北京）</span></p>
<p></p>
<p>店の外観は各店で異なり、店内にはサイネージが張り巡らされている。といっても無機質なモニターが並んでいるわけではなく、装飾と一体化していて、店に入る前からワクワクさせられる。アクリルボックスの中にキャラクターが並べられ、小さな箱の中にそれぞれの世界観が閉じ込められている。<br />
しかも、行くたびに新しい切り口が用意されていて飽きさせない。時折コラボレーションもあり、日本のIPが登場することもあった。それでもなお、オリジナルキャラクターの存在感が圧倒的に強かった。</p>
<p><img src="/images/learn/2608_Release/260819_IP/images20260819104855.webp" width="900" height="520" alt="" /><span style="font-size: small;">店外からも目を引くキャラクターオブジェ</span></p>
<p></p>
<p></p>
<p></p>
<p>当時の私は、現地で感じた熱気が何を意味するのかを明確には言語化できていなかった。ただ、絶え間なく続く来店客の波を見て、一過性の流行ではない何かを感じていた。<br />
いま振り返ると、それは中国のIPビジネスが大きく伸びていくさなかの熱量だった。</p>
<p></p>
<p>POP MARTは2010年に北京で創業しているが、当初はおもちゃも扱う雑貨店だったらしい。転機は2016年、創業者の王寧氏が香港へ赴き、現地で人気のあったキャラクター「MOLLY」のデザイナー、ケニー・ウォン氏とコラボレーション契約を結んだことである。翌2017年にMOLLYをブラインドボックス形式で発売すると、中国全土で爆発的な人気を呼び、同社は成長軌道に乗ったそうだ。<br />
私が店内を見ていた2019年には、MOLLYシリーズのブラインドボックスが年間700万個売れている。そして翌2020年12月、同社は香港証券取引所に上場し、時価総額は1兆円を超えた。</p>
<div></div>
</div>
</div>
</div>
</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin178710374563487900 cparts-editsite--mainttl" id="cms-editor-textarea-sin178710374563495200">長い年月をかけて積み上げられた「中国製」の技術</h2>
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<p>私は株式会社ミニチュアファクトリーで、ミニカーやフィギュアの製造に携わり、2000年から中国の工場に発注を続けてきた。二十数年、中国の製造現場をずっと見てきたことになる。</p>
<p></p>
<p>その間、中国企業は日本やアメリカ、ヨーロッパの企業からキャラクターのフィギュア制作を請け負い続けてきた。ディズニーやマーベル、日本のアニメコンテンツの版権元などは当然、品質基準も高く、簡単には監修はパスできない。何度も何度も修正を繰り返して完成品へとたどり着く。製造工場も苦労をしたに違いない。そのような経験を通じて、製造技術と表現力を磨いてきたわけである。2000年代の時点で、日本市場向けの美少女フィギュアなども相当に精巧なものが作れていた。</p>
<p></p>
<p>そこに、自前のコンテンツとIPが加わった。<br />
つまり中国企業は、質と量の両面で製造の世界トップレベルに達したうえで、IPを持つに至ったということだ。順番が逆ではない。作れるようになってから、作るものを自分で決められるようになった。</p>
<p style="text-align: center;"><img src="/images/learn/2608_Release/260819_IP/4.webp" width="400" height="533" alt="" /><br />
<span style="font-size: small;">2014年当時、中国工場訪問時の写真</span></p>
<p></p>
<p>一部の日本人の中には、いまだに中国を模倣品大国、安かろう悪かろうと捉えてしまっている傾向があると思う。これは単純に知識不足であり、現状を正しくとらえる必要があると思う。<br />
悲しいことに、いま日本の工場にミニカーやフィギュアの製造を依頼しても、そう簡単には受けてもらえない。キャパシティがないのである。一部の特殊な技術や製品を担える会社は残っているが、大量生産で質の良いものを安く、という条件では中国企業にかなわない。</p>
<p></p>
<p>日本もアメリカも、自国の製造能力を犠牲にして、安くて早い中国企業に依存してきた。従来、品質の低さやコンテンツの模倣を理由に、まだまだ自分たちの脅威ではないと考えていた。だがその間に、中国企業はしたたかに力をつけていた。<br />
私自身も、その流れの中にいた一人である。工場に行けば、大量生産ラインで何百人もの人が働いていた。日本市場のコスト圧力の中では、価格が高ければ受注は決まらない。そして日本国内に、頼めるところはもうなかった。そうするしかなかったのである。</p>
<p></p>
<p>かつての工場は、土日はもちろん、昼夜を問わず動いていた。その猛烈な働き方の中で、確かに育ってきたものがある。技術を積み上げたのは、発注していた私たちではない。現場にいた人たちである。<br />
POP MARTは、その集大成と言えるのではないか。</p>
<div></div>
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<h2 class="cms-content-parts-sin178710374209318900 cparts-editsite--mainttl" id="cms-editor-textarea-sin178710374209326200">原作がなくても売れるということ</h2>
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<p>新鮮だったのは、MOLLYがアート作品からIP化されたキャラクターだったことである。日本のキャラクタービジネスに長く関わってきた人間にとって、キャラクターとはまず物語の中から生まれてくるものだった。漫画があり、アニメがあり、そこで愛された登場人物がグッズやライセンスへと展開していく。原作という幹があって、商品という枝が伸びる。</p>
<p></p>
<p>ところがMOLLYには、そうした原作がない。香港のデザイナーが2006年に生み出した一体のアートトイであり、背後にアニメ作品のような物語はない。あるのは、唇をとがらせた少女の造形と、その世界観だけである。</p>
<p></p>
<p>中国でいう「潮流玩具（潮玩）」とは、アニメやゲームのキャラクターを元にしたものではなく、クリエイターが自ら生み出したオリジナルのフィギュアを指す。POP MARTの創業者自身の言葉を借りれば「独立IPのトレンド属性のある玩具」ということになる。<br />
物語が先にあってキャラクターが立つ、という順番ではない。造形が良く、世界観が表現されていれば、十分売れるのである。<br />
そしてその造形を、質と量の両方で実現できる製造力が、中国にはあった。</p>
<p><img src="/images/learn/2608_Release/260819_IP/5.webp" width="900" height="674" alt="" /><span style="font-size: small;">2019年当時のPOP MART店内</span></p>
<p></p>
</div>
</div>
</div>
</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin178710373919891800 cparts-editsite--mainttl" id="cms-editor-textarea-sin178710373919900100">なぜ、中国でそれが起きたのか</h2>
<div class="cms-content-parts-sin178710378577355900 cparts-id119 lay-margin-b--3 box" data-selectable="cparts-animate cparts-animate--slideInUp:上へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInDown:下へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInLeft:左へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInRight:右へスライド">
<div class="lay-row">
<div class="lay-col12-xs-12 lay-col12-md-12 lay-col12-lg-12">
<div class="cparts-editsite--txt cparts-txt-block lay-reset-child" id="cms-editor-minieditor-sin178710378577325300">
<p>もちろん、製造力だけで説明がつくわけではない。買う側の土壌も必要である。<br />
ひとつには、日本のアニメで育った世代の存在があると思う。1990年代、中国では日本のアニメが次々と放映された。『スラムダンク』は1996年からアニメ放映が始まっている。</p>
<p></p>
<p>当時の中高生や小学生は、いま40代前後になっている。この世代は日本のキャラクターに強い親しみを持っていて、その中からキャラクター関連の事業を立ち上げる人たちも出てきた。</p>
<p></p>
<p>同じ世代は、日本発のベアブリックにも親しんでいる。中国ではベアブリックが非常に好まれており、店に置くと飛ぶように売れるほどの人気だという。興味深いのは、ベアブリックもまた原作を持たないIPだということである。クマ型のユニークな形状に新しいデザインが描かれると、そこに新しいIPが生まれる。物語からではなく、造形とコラボレーションから広がっていく形だ。</p>
<p></p>
<p>つまり中国の若い層にとって、原作のないキャラクターを愛でることは、はじめから自然な行為だったのではないか。そこにキャラクター、フィギュア、スニーカー、ファッションといったサブカルチャーの盛り上がりが重なった。さらに現地では、不動産投資が一段落した資金が次の投資先を探しており、それがIPに向かった、という話も耳にした。これは私が現地で聞いた範囲の話であり、裏付けを取ったものではない。ただ、実際に資本がこの領域に流れ込み、業界の規模を一気に押し上げたことは確かである。<br />
作れる力があり、買う人がいて、資金が集まった。この三つが揃ったということである。</p>
<div></div>
</div>
</div>
</div>
</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin178710373573930300 cparts-editsite--mainttl" id="cms-editor-textarea-sin178710373573939800">マルチ展開の「常識」が違う</h2>
<div class="cms-content-parts-sin178710377521885700 cparts-id119 lay-margin-b--3 box" data-selectable="cparts-animate cparts-animate--slideInUp:上へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInDown:下へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInLeft:左へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInRight:右へスライド">
<div class="lay-row">
<div class="lay-col12-xs-12 lay-col12-md-12 lay-col12-lg-12">
<div class="cparts-editsite--txt cparts-txt-block lay-reset-child" id="cms-editor-minieditor-sin178710377521865200">
<p>もうひとつ、日本との違いとして強く感じるのが展開の規模である。<br />
中国や香港の商業施設では、大規模なポップアップ空間が当たり前のように行われている。巨大なオブジェを立て、キャラクターの世界観そのものを空間として表現してしまう。日本の感覚からすると、予算的にかなり思い切った判断に見える。</p>
<p style="text-align: center;"><img src="/images/learn/2608_Release/260819_IP/6.webp" width="500" height="501" alt="" /><br />
<span style="font-size: small;">北京・首鋼園に設置されたMOLLYの巨大オブジェ</span></p>
<p></p>
<p>しかしそれが常態化しているということは、若い層に向けてそこまでアピールする価値があると判断されているということだ。商品を並べる場所ではなく、体験させる場所として空間を捉えている。加えて、商業施設側のお金のかけ方も異なるため、その影響も多分にあると思う。人口の多さに加え、個人個人の旺盛な消費力を誇る中国だからできることともいえる。</p>
<p></p>
<p>第1回で私は、IPにおいては「認知のきっかけ」「どの文脈で受け取られるか」「どのように使われるか」の設計が重要だと書いた。中国のIP企業がやっているのは、まさにその三つを店舗と空間で一気に成立させることである。<br />
原作という文脈が最初からないぶん、文脈は作っていくしかない。だからこそ、体験の設計に命をかけているように見える。</p>
<div></div>
<p></p>
</div>
</div>
</div>
</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin178710395505492100 cparts-editsite--mainttl" id="cms-editor-textarea-sin178710395505501100">日本企業は、どこで戦えるのか</h2>
<div class="cms-content-parts-sin178710396000709000 cparts-id119 lay-margin-b--3 box" data-selectable="cparts-animate cparts-animate--slideInUp:上へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInDown:下へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInLeft:左へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInRight:右へスライド">
<div class="lay-row">
<div class="lay-col12-xs-12 lay-col12-md-12 lay-col12-lg-12">
<div class="cparts-editsite--txt cparts-txt-block lay-reset-child" id="cms-editor-minieditor-sin178710396000677200">
<p>この十数年を振り返って感じるのは、中国オリジナルコンテンツの勢いの強さである。<br />
計画的でありながら柔軟で、そして何より早い。市場の反応を見てからの動きが、尋常ではなく速い。日本企業でこの速度を実現できているところが、どれだけあるだろうか。<br />
一方で、日本には物語を生み出す力という圧倒的な強みがある。原作から始まるIPの厚みは、簡単に真似できるものではない。<br />
問題は、その強みに寄りかかったまま、接点の設計を後回しにしていないかということだ。良い原作があれば売れる、という前提が通用する市場は、思っているほど広くない。そして製造の力の方は、その間に手放してきた。</p>
<p></p>
<p>いま日本の店頭に並ぶラブブも、中国の工場で作られている。あの造形の精度や仕上げの質は、長い年月をかけて積み上げられたものの上にある。私たちが行列を作って買っているのは、キャラクターであると同時に、その製造力そのものでもある。</p>
<p></p>
<p>私自身、キャラクターIPに関わったあと、2019年頃からアート領域におけるIPの波にも触れることになった。次回は、そのアートIPの世界について書いてみたいと思う。（つづく）</p>
<p><a href="https://japanstep.jp/learn/category/229">【連載一覧】アジアIPビジネスの可能性　</a></p>
<p>▼「挑戦」を生むトレンドニュースを毎日掲載！<br />
<a href="https://japanstep.jp/">挑戦者のためのビジネスメディア『JapanStep』</a></p>
<div></div>
</div>
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</div>
</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin178268912026392200 cparts-editsite--mainttl" id="cms-editor-textarea-sin178268912026406100">関連リンク</h2>
<div id="cms-editor-minieditor-sin178268912937994600" class="cms-content-parts-sin178268912938004800">
<p><a href="https://www.takuro-tsunekawa.com/">恒川琢朗 公式Webサイト</a></p>
</div>
<p></p>
]]></content:encoded>
</item>

<item rdf:about="https://japanstep.jp/learn/2026/08/2345/">
<title>AI社員が法人を運営？ 福岡から挑むAI格差解消</title>
<link>https://japanstep.jp/learn/2026/08/2345/</link>
<description>
人手が足りない。専門知識を持つ社員が採用できない。地方の中小企業が抱えるこの切実な課題に対し、これまでのデジタル化は「ツールを使いこなせ」という回答しか持ち合わせていなかった。しかし、多忙を極める経営者にとって、ツールの習熟に費やす時間そのものが新たなコストとなっている。この「活用格差」という壁を、人間ではなくAI自らが動くことで取り払おうとする組織が福岡に現れた。
2026年5月、福岡市博多区で始動した一般社団法人AI活用推進機構は、組織運営に関わるさまざまな実務をAIエージェントに委ねるという試みを実践している。広報から経理、経営分析に至るまで、8体の「AI社員」が日々の業務を自律的に完遂する。自らがモデルケースとなり、AIを「使う対象」から「共に働くパートナー」へと再定義する挑戦は、日本の地域経済が抱える構造的課題に対する有力な解決策の一つとなるだろう。（文＝JapanStep編集部）
▼「挑戦」を生むトレンドニュースを毎日掲載！
挑戦者のためのビジネスメディア『JapanStep』


8体のエージェントが28業務を完遂。自律運営の「実証モデル」


（引用元：PR TIMES）

2026年5月15日に設立された本機構は、福岡の中小企業へのAI活用支援を目的とした団体である。最大の特徴は、機構そのものが「AIによって運営される」実証モデルとなっている点だ。現場では、「機構長AI」が全体を統括し、リサーチャー、クリエイター、Webマスター、経理など、役割を分担した8体のAIエージェントが連携して稼働している。
（引用元：PR TIMES）

具体的な業務内容は、毎朝のAIニュース収集から記事化、SNSへの自動配信、さらには週次の経営レポート作成や月次の請求書発行など、計28件の定期業務におよぶ。これら一切をAI社員が自律的に実行する仕組みを構築することで、人手に依存しない組織運営の実効性を担保しているのだ。人間の理事は方針決定と最終承認の役割に特化しており、設立から1カ月足らずで主要な広報・運用体制をAIのみで立ち上げた実績は、従来の組織運営のスピード感を大きく上回るものだと言える。

同機構は、補助金活用支援などの事業に加え、自らがAIで自律運営される様子を「AI自律運営ダッシュボード」のデモ画面として可視化している。AI社員が28の業務を担当していく具体的なプロセスをデモ画面で確認できる環境は、AI導入の道筋を模索する中小企業にとって有用性の高い教材となるだろう。
（引用元：PR TIMES）


ツールから「同僚」へ。中小企業の限界を突破するAIの自律

AI活用推進機構による今回の取り組みは、AI活用のハードルが「操作スキルの習得」から「組織機能の統合」へ移行しつつあることを物語っている。

これまで中小企業でAI導入が難航した要因として、多忙な社員がAIを操作するための学習コストを十分に捻出できなかったという点が挙げられる。しかし、この「役割を与えられたAIが自ら動く」モデルは、人間がAIの作法に合わせるのではなく、AIが組織の機能の一部として歩み寄る形を具現化した。これは、リソースが限られた企業において、実質的な「即戦力」をデジタル上に確保できるようなものだ。

また、福岡という地方都市から、大企業とのAI格差を埋めるための具体的な型を発信する意義も大きい。AI社員が定型業務を担い、人間は課題解決や高度な意思決定に集中する。この役割分担の標準化は、人口減少が続く地域産業の業務能力を維持するための有力な手段となるはずだ。

AI活用の焦点は、「何ができるか」から「どう組織に組み込むか」という実務的な段階へと移っている。本機構が提示した自律運営の姿は、AIを&#8220;単なる道具&#8221;から&#8220;自立した労働力&#8221;へと昇華させることで、停滞する日本の生産性を底上げするための重要な一歩となるだろう。
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挑戦者のためのビジネスメディア『JapanStep』
</description>
<enclosure url="https://japanstep.jp/images/learn/2608_Release/260824_AIsyain/main.webp" type="image/jpeg" />
<dc:category rdf:resource="https://japanstep.jp/learn/category/43">ビジネス</dc:category>
<dc:creator></dc:creator>
<dc:subject></dc:subject>
<dc:date>2026-08-25T07:00:00+09:00</dc:date>
<content:encoded><![CDATA[
<div id="cms-editor-minieditor-sin178753417410265900" class="cms-content-parts-sin178753417410276700">
<p>人手が足りない。専門知識を持つ社員が採用できない。地方の中小企業が抱えるこの切実な課題に対し、これまでのデジタル化は「ツールを使いこなせ」という回答しか持ち合わせていなかった。しかし、多忙を極める経営者にとって、ツールの習熟に費やす時間そのものが新たなコストとなっている。この「活用格差」という壁を、人間ではなくAI自らが動くことで取り払おうとする組織が福岡に現れた。<br />
2026年5月、福岡市博多区で始動した一般社団法人AI活用推進機構は、組織運営に関わるさまざまな実務をAIエージェントに委ねるという試みを実践している。広報から経理、経営分析に至るまで、8体の「AI社員」が日々の業務を自律的に完遂する。自らがモデルケースとなり、AIを「使う対象」から「共に働くパートナー」へと再定義する挑戦は、日本の地域経済が抱える構造的課題に対する有力な解決策の一つとなるだろう。（文＝JapanStep編集部）</p>
<p>▼「挑戦」を生むトレンドニュースを毎日掲載！<br />
<a href="https://japanstep.jp/">挑戦者のためのビジネスメディア『JapanStep』</a></p>
<div></div>
</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin178753421180449700 cparts-editsite--mainttl" id="cms-editor-textarea-sin178753421180453700">8体のエージェントが28業務を完遂。自律運営の「実証モデル」</h2>
<div id="cms-editor-minieditor-sin178753419571703900" class="cms-content-parts-sin178753419571712000">
<p><img src="/images/learn/2608_Release/260824_AIsyain/1.webp" width="900" height="600" alt="" /><br />
<span style="font-size: small;">（引用元：</span><a href="https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000184850.html" style="text-decoration: none;"><span style="font-size: small;">PR TIMES</span></a><span style="font-size: small;">）</span></p>
<p></p>
<p>2026年5月15日に設立された本機構は、福岡の中小企業へのAI活用支援を目的とした団体である。最大の特徴は、機構そのものが「AIによって運営される」実証モデルとなっている点だ。現場では、「機構長AI」が全体を統括し、リサーチャー、クリエイター、Webマスター、経理など、役割を分担した8体のAIエージェントが連携して稼働している。</p>
<p><img src="/images/learn/2608_Release/260824_AIsyain/2.webp" width="900" height="502" alt="" /><span style="font-size: small;">（引用元：</span><a href="https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000184850.html" style="font-size: 1.6rem; text-decoration: none;"><span style="font-size: small;">PR TIMES</span></a><span style="font-size: small;">）</span></p>
<p></p>
<p>具体的な業務内容は、毎朝のAIニュース収集から記事化、SNSへの自動配信、さらには週次の経営レポート作成や月次の請求書発行など、計28件の定期業務におよぶ。これら一切をAI社員が自律的に実行する仕組みを構築することで、人手に依存しない組織運営の実効性を担保しているのだ。人間の理事は方針決定と最終承認の役割に特化しており、設立から1カ月足らずで主要な広報・運用体制をAIのみで立ち上げた実績は、従来の組織運営のスピード感を大きく上回るものだと言える。</p>
<p></p>
<p>同機構は、補助金活用支援などの事業に加え、自らがAIで自律運営される様子を「AI自律運営ダッシュボード」のデモ画面として可視化している。AI社員が28の業務を担当していく具体的なプロセスをデモ画面で確認できる環境は、AI導入の道筋を模索する中小企業にとって有用性の高い教材となるだろう。</p>
<p><img src="/images/learn/2608_Release/260824_AIsyain/3.webp" width="900" height="506" alt="" /><span style="font-size: small;">（引用元：</span><a href="https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000184850.html"><span style="font-size: small;">PR TIMES</span></a><span style="font-size: small;">）</span></p>
<div></div>
</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin178753421592311200 cparts-editsite--mainttl" id="cms-editor-textarea-sin178753421592319500">ツールから「同僚」へ。中小企業の限界を突破するAIの自律</h2>
<div id="cms-editor-minieditor-sin178753419234822000" class="cms-content-parts-sin178753419234830000">
<p>AI活用推進機構による今回の取り組みは、AI活用のハードルが「操作スキルの習得」から「組織機能の統合」へ移行しつつあることを物語っている。</p>
<p></p>
<p>これまで中小企業でAI導入が難航した要因として、多忙な社員がAIを操作するための学習コストを十分に捻出できなかったという点が挙げられる。しかし、この「役割を与えられたAIが自ら動く」モデルは、人間がAIの作法に合わせるのではなく、AIが組織の機能の一部として歩み寄る形を具現化した。これは、リソースが限られた企業において、実質的な「即戦力」をデジタル上に確保できるようなものだ。</p>
<p></p>
<p>また、福岡という地方都市から、大企業とのAI格差を埋めるための具体的な型を発信する意義も大きい。AI社員が定型業務を担い、人間は課題解決や高度な意思決定に集中する。この役割分担の標準化は、人口減少が続く地域産業の業務能力を維持するための有力な手段となるはずだ。</p>
<p></p>
<p>AI活用の焦点は、「何ができるか」から「どう組織に組み込むか」という実務的な段階へと移っている。本機構が提示した自律運営の姿は、AIを&#8220;単なる道具&#8221;から&#8220;自立した労働力&#8221;へと昇華させることで、停滞する日本の生産性を底上げするための重要な一歩となるだろう。</p>
<p>▼「挑戦」を生むトレンドニュースを毎日掲載！<br />
<a href="https://japanstep.jp/">挑戦者のためのビジネスメディア『JapanStep』</a></p>
</div>
]]></content:encoded>
</item>

<item rdf:about="https://japanstep.jp/learn/2026/08/2340/">
<title>見えない脅威を可視化。AIの門番が登場</title>
<link>https://japanstep.jp/learn/2026/08/2340/</link>
<description>生成AIが急速に普及する中、従業員が会社の管理外でAIサービスを利用する「シャドーAI」が深刻な問題となっている。機密情報の意図せぬ入力や、誰がどのデータをどう使ったか把握できない不透明な状況は、企業のガバナンスを根底から揺るがしている。この見えないリスクを制御し、安全なAI活用を両立するためのプラットフォームの提供が開始された。社内システムとAIの間に立つ「門番」が、企業の未来をどう守り抜くのか。（文＝JapanStep編集部）▼「挑戦」を生むトレンドニュースを毎日掲載！挑戦者のためのビジネスメディア『JapanStep』
AIへのデータ流入を一元管理するプラットフォーム

2026年6月、グローバルセキュリティメーカーの株式会社サイバーセキュリティクラウドは、グループ会社である株式会社DataSignが独自開発したAIガバナンスプラットフォーム「AI MONBAN（エーアイモンバン）」の提供を開始した。
（引用元：PR TIMES）

近年、AI利用者の約15％が未管理のAIサービスを業務利用し、4人に1人が機密情報を含むデータを入力しているという実態が判明している。経済産業省らのガイドラインでも利用状況の把握・統制が求められており、企業には「誰が・どのAIに・何を送信したか」を説明できる体制づくりが不可欠となっている。
（引用元：PR TIMES）

「AI MONBAN」は、社内システムと各種AIモデルの間に設置する「ゲートウェイ（門番）」として機能し、既存の業務システムを変更することなくデータフローを一元的に把握・統制する。

主な機能は4つある。1つ目は、AIへの入力データに含まれる個人情報を自動検出し、リアルタイムで自動除去する「マスキング処理」。2つ目は、基幹システムとAIモデルをセキュアに接続し、AIのデータアクセスを一元管理する「MCP Gateway」。3つ目は、AI利用のアクセスログやマスキングログを自動で蓄積し、監査対応に必要な証跡を残す「AIアクセスログ・レポート」。そして4つ目が、OpenAIやGoogleなどの複数の主要AIモデルをAPIキーの設定のみで切り替え、ベンダーロックイン（※）を回避する「マルチLLM切り替え」だ。

これらの機能により、企業は追加の運用工数をかけることなく、安全な範囲でAI活用の推進とガバナンスの維持を両立できる環境を手にする。

（※）ベンダーロックイン：特定の開発元（ベンダー）の技術やAIモデルに依存し、他社サービスへの切り替えが困難になること


「禁止」ではなく「統制」。日本企業のAI戦略

今回のサービスが提示する本質的な価値は、リスクを恐れてAIの利用を「禁止」するのではなく、安全な枠組みを整えて「最大限に活用する」というポジティブなアプローチにある。

新しいテクノロジーが登場した際、多くの企業はセキュリティへの懸念から、まずは利用を制限して慎重な姿勢を取る傾向にある。しかし、AIはもはや「あれば便利なツール」ではなく、企業競争力を左右する「必須のインフラ」となっている。利用を全面的に禁止すれば、現場の従業員は効率化のために会社の目を盗んで個人のスマートフォンや私用のクラウドアカウントでAIを使い、かえって「シャドーAI」の温床を作り出し、情報漏洩のリスクが高めてしまいかねない。

この悪循環を断ち切るのが、「AI MONBAN」のような統制基盤の存在だ。システム側が「門番」として機密情報を自動ではじき、すべての通信記録を監査可能な形で残すことで、経営層は安心して従業員にAI利用の権限を委ねることができる。「万が一何かあってもシステムが守ってくれる」という強固なセーフティネットがあれば、従業員も萎縮することなく、日常のあらゆる業務でAIを積極的に使いこなし、生産性の向上にコミットできる。

守りを固めることは、決して変革のスピードを緩めることではない。むしろ、安全という揺るぎない土台があるからこそ、企業は大胆な挑戦へ踏み出すことができる。確固たる安全網を備え、誰もが不安なくAIを駆使できる環境こそが、日本のビジネスに新たな躍進をもたらす鍵となるだろう。
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挑戦者のためのビジネスメディア『JapanStep』

</description>
<enclosure url="https://japanstep.jp/images/learn/2608_Release/260821_mienai/main.webp" type="image/jpeg" />
<dc:category rdf:resource="https://japanstep.jp/learn/category/32">テクノロジー</dc:category>
<dc:creator></dc:creator>
<dc:subject></dc:subject>
<dc:date>2026-08-24T07:00:00+09:00</dc:date>
<content:encoded><![CDATA[
<div id="cms-editor-minieditor-sin178729047005556400" class="cms-content-parts-sin178729047005563500"><p>生成AIが急速に普及する中、従業員が会社の管理外でAIサービスを利用する「シャドーAI」が深刻な問題となっている。機密情報の意図せぬ入力や、誰がどのデータをどう使ったか把握できない不透明な状況は、企業のガバナンスを根底から揺るがしている。この見えないリスクを制御し、安全なAI活用を両立するためのプラットフォームの提供が開始された。社内システムとAIの間に立つ「門番」が、企業の未来をどう守り抜くのか。（文＝JapanStep編集部）</p><p><span style="font-weight: bolder; background-color: rgb(255, 255, 255);">▼「挑戦」を生むトレンドニュースを毎日掲載！</span><br style="background-color: rgb(255, 255, 255);" /><a href="https://japanstep.jp/" target="_self" style="background-color: rgb(255, 255, 255);">挑戦者のためのビジネスメディア『JapanStep』</a></p></div>
<h2 class="cms-content-parts-sin178729049649015600 cparts-editsite--mainttl" id="cms-editor-textarea-sin178729049649020900">AIへのデータ流入を一元管理するプラットフォーム</h2>
<div id="cms-editor-minieditor-sin178729048381989600" class="cms-content-parts-sin178729048381998800">
<p>2026年6月、グローバルセキュリティメーカーの株式会社サイバーセキュリティクラウドは、グループ会社である株式会社DataSignが独自開発したAIガバナンスプラットフォーム「AI MONBAN（エーアイモンバン）」の提供を開始した。</p>
<p><img src="/images/learn/2608_Release/260821_mienai/1.webp" width="900" height="450" alt="" /><span style="font-size: small;">（引用元：</span><a href="https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000350.000009107.html"><span style="font-size: small;">PR TIMES</span></a><span style="font-size: small;">）</span></p>
<p></p>
<p>近年、AI利用者の約15％が未管理のAIサービスを業務利用し、4人に1人が機密情報を含むデータを入力しているという実態が判明している。経済産業省らのガイドラインでも利用状況の把握・統制が求められており、企業には「誰が・どのAIに・何を送信したか」を説明できる体制づくりが不可欠となっている。</p>
<p><img src="/images/learn/2608_Release/260821_mienai/2.webp" width="900" height="394" alt="" /><span style="font-size: small;">（引用元：</span><a href="https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000350.000009107.html"><span style="font-size: small;">PR TIMES</span></a><span style="font-size: small;">）</span></p>
<p></p>
<p>「AI MONBAN」は、社内システムと各種AIモデルの間に設置する「ゲートウェイ（門番）」として機能し、既存の業務システムを変更することなくデータフローを一元的に把握・統制する。</p>
<p></p>
<p>主な機能は4つある。1つ目は、AIへの入力データに含まれる個人情報を自動検出し、リアルタイムで自動除去する「マスキング処理」。2つ目は、基幹システムとAIモデルをセキュアに接続し、AIのデータアクセスを一元管理する「MCP Gateway」。3つ目は、AI利用のアクセスログやマスキングログを自動で蓄積し、監査対応に必要な証跡を残す「AIアクセスログ・レポート」。そして4つ目が、OpenAIやGoogleなどの複数の主要AIモデルをAPIキーの設定のみで切り替え、ベンダーロックイン<span style="font-size: small;">（※）</span>を回避する「マルチLLM切り替え」だ。</p>
<p></p>
<p>これらの機能により、企業は追加の運用工数をかけることなく、安全な範囲でAI活用の推進とガバナンスの維持を両立できる環境を手にする。</p>
<p></p>
<p><span style="font-size: small;">（※）ベンダーロックイン：特定の開発元（ベンダー）の技術やAIモデルに依存し、他社サービスへの切り替えが困難になること</span></p>
<div></div>
</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin178729049939970400 cparts-editsite--mainttl" id="cms-editor-textarea-sin178729049939979000">「禁止」ではなく「統制」。日本企業のAI戦略</h2>
<div id="cms-editor-minieditor-sin178729048613240700" class="cms-content-parts-sin178729048613248900">
<p>今回のサービスが提示する本質的な価値は、リスクを恐れてAIの利用を「禁止」するのではなく、安全な枠組みを整えて「最大限に活用する」というポジティブなアプローチにある。</p>
<p></p>
<p>新しいテクノロジーが登場した際、多くの企業はセキュリティへの懸念から、まずは利用を制限して慎重な姿勢を取る傾向にある。しかし、AIはもはや「あれば便利なツール」ではなく、企業競争力を左右する「必須のインフラ」となっている。利用を全面的に禁止すれば、現場の従業員は効率化のために会社の目を盗んで個人のスマートフォンや私用のクラウドアカウントでAIを使い、かえって「シャドーAI」の温床を作り出し、情報漏洩のリスクが高めてしまいかねない。</p>
<p></p>
<p>この悪循環を断ち切るのが、「AI MONBAN」のような統制基盤の存在だ。システム側が「門番」として機密情報を自動ではじき、すべての通信記録を監査可能な形で残すことで、経営層は安心して従業員にAI利用の権限を委ねることができる。「万が一何かあってもシステムが守ってくれる」という強固なセーフティネットがあれば、従業員も萎縮することなく、日常のあらゆる業務でAIを積極的に使いこなし、生産性の向上にコミットできる。</p>
<p></p>
<p>守りを固めることは、決して変革のスピードを緩めることではない。むしろ、安全という揺るぎない土台があるからこそ、企業は大胆な挑戦へ踏み出すことができる。確固たる安全網を備え、誰もが不安なくAIを駆使できる環境こそが、日本のビジネスに新たな躍進をもたらす鍵となるだろう。</p>
<p><span style="font-weight: bolder; background-color: rgb(255, 255, 255);">▼「挑戦」を生むトレンドニュースを毎日掲載！</span><br style="background-color: rgb(255, 255, 255);" />
<a href="https://japanstep.jp/" target="_self" style="background-color: rgb(255, 255, 255);">挑戦者のためのビジネスメディア『JapanStep』</a></p>
<div></div>
</div>
]]></content:encoded>
</item>

<item rdf:about="https://japanstep.jp/learn/2026/08/2333/">
<title>今注目のARGとは？なぜ物語が“自分ごと”になるのか【連載】ARGの基礎知識（第1回）</title>
<link>https://japanstep.jp/learn/2026/08/2333/</link>
<description>

現実世界に物語への入口をつくり、参加者自身がその当事者となるARG（Alternate Reality Game／代替現実ゲーム）。近年はエンターテインメントとして支持を広げる一方、Z世代をはじめとする若年層との新たな接点として、マーケティングやPRの領域でも関心が高まっている。本連載では、参加者がなぜARGに惹かれ、自ら物語に関わっていくのかを捉えながら、ブランディング、PR、販売促進、採用、地域活性化などへの応用を考える。第1回では、そもそもARGとは何か。その基本的な特徴と、物語が&#8220;自分ごと&#8221;になる理由を紹介する。（文＝JMP総合プロデューサー長谷川浩和）
お話を聞いたのは&#8230;





環境ミステリーレーベル MARGINE 合同会社 未来アクセラレート 代表　吉野 渉さん 地域とARGの連携を掲げ、ARGの企画・制作に取り組む。『Project:;COLD』との出会いをきっかけにARGに魅了され、自らもARG制作に乗り出す。現在はARGレーベル「MARGINE」を通じて、地域とARGをつなぐ取り組みを進めている。JapanStepにてコラム「ARGが紡ぐ、新しいPRのカタチ」を連載中。




ARGウォッチャー・謎解き制作者
リー猫さん
MARGINE全作品の謎解きを手がける。自ら作るだけでなく、noteやXで国内ARG作品のレビューや定期的な動向分析を発信し続けている。「ARGコンテスト2026」（虚構界隈主催）特別審査員。




物語を&#8220;見る&#8221;から&#8220;関わる&#8221;へ
ARGの特徴は、言葉の定義だけでは伝わりにくい。そこで押さえておきたいのが、二人がARGに惹かれるきっかけとなった『Project:;COLD』だ。2020年に始まった同作は、Twitter（現Ｘ）やYouTube、Webサイトなどを舞台に、現実の時間と連動して物語が進む参加型のミステリー作品である。 「当時、リアルタイムで物語が進行するドラマなどはありましたが、現実の時間軸に沿って物語が進み、そこに自分たちも関われるものは、ほとんど体験したことがありませんでした。『明日はどうなるのだろう』『あさってはどうなるのだろう』と、続きを楽しみにしながら日々を過ごす。それが不思議な体験でした。当時はまとめサイトのようなものもなかったので、僕自身、人物相関図をつくって発信していました」（吉野さん） ドラマにも次の展開を待つ楽しみはあるが、視聴者は基本的に物語の外側にいる。ARGでは、情報を自ら探し、ほかの参加者と考察を重ね、ときには吉野さんのように整理した情報を発信する。作品を受け取るだけだった人の行動そのものが、体験の一部になっていく。 リー猫さんを『Project:;COLD』の世界へ引き込んだのも、高校生という設定で日常を発信するTwitter上のアカウントだった。何気ない投稿から都市伝説へと話が広がり、そこに記されたサイト名を検索すると、実際にそのWebサイトが存在した。 「最初は、神奈川にいる高校生が日々の様子を発信しているだけでした。ところが、ある日、都市伝説について投稿し、そこに出てきたサイト名を検索すると、本当にそのサイトが存在する。やがて本人もその出来事に巻き込まれ、ある日突然、『亡くなりました』という投稿がされる。映画やドラマ、小説とは違い、ずっとタイムラインで追っていた人物だったからこそ、物語の中の出来事を自分ごとのように受け止めてしまいました。『こんな表現の仕方があるのか』と、大きな衝撃を受けました」（リー猫さん） 作品との接点が、日頃から使っているSNSだったことも大きい。物語を見るために映画館へ出かけたわけでも、ゲームを起動したわけでもない。いつものタイムラインに登場人物がいて、現実と同じ時間を過ごしている。その人物の投稿から気になる言葉を検索すると、別のWebサイトにつながり、また新しい情報が見つかる。 リー猫さんは、ARGとの出会いを「日常生活の一部に物語がある、その体験が面白かった」と振り返る。ARGでは、作品に触れている時間そのものが、普段の生活から切り離されていない。元ポスト：佐久間ヒカリさん 

入口はゲーム画面の外にある

ARGは「Alternate Reality Game」の略で、日本では一般に「代替現実ゲーム」と訳される。名前が似ているため、AR（Augmented Reality／拡張現実）と混同されることもある。ARが現実空間にデジタル情報を重ねる技術を指すのに対し、ARGはSNSやWebサイト、動画、電話、紙、実在する場所など、日常にある複数のメディアや空間を横断しながら物語を展開する。

ARGには、「この条件を満たせばARGである」という単一の定義があるわけではない。吉野さんは、その輪郭を捉えるうえで「ラビットホール」と「物語に関わる理由」を重視している。

「ARGの定義は難しいと思っています。いくつか条件を挙げることはできますが、それをすべて満たしていなければARGではない、というものでもありません。その中で僕が特に重視しているのが、ラビットホールです。物語に入る入口があり、その先で、自分がその物語に関わる理由がある。僕は、この二つが大きな要素だと考えています」（吉野さん）

ラビットホールとは、「ウサギの穴」を意味する言葉で、『不思議の国のアリス』に由来する。白ウサギを追ったアリスが穴へ入り、不思議の国へ足を踏み入れたことになぞらえた表現である。ARGでは、現実から物語へ入るきっかけとなる出来事や仕掛けをこう呼ぶ。

ARG初期の代表作『The Beast』には、ラビットホールの特徴が端的に表れている。

2001年公開の映画『A.I.』のプロモーションとして展開されたこの作品では、予告編やポスターの中に、違和感のある情報が仕込まれていた。それに気づいた人が人物名を検索するとWebサイトが見つかり、さらに電話やメールへと情報がつながっていく。参加者は一つのゲーム画面を進むのではなく、予告編、Webサイト、電話、メールといった異なるメディアを行き来しながら、断片的な情報をつなぎ合わせていった。
（引用：A.I. Artificial Intelligence International Trailer）

違和感に気づき、検索する――その最初の行動から、物語への参加が始まる。入口を明示されるのではなく、参加者自身が「もう少し知りたい」と、その先へ進む。ラビットホールの特徴は、物語への入口をつくるだけでなく、進むかどうかを参加者本人に委ねている点にある。


誰かを演じない。&#8220;自分&#8221;のまま物語へ

リー猫さんがARGを捉えるうえで重視するもう一つの要素が、「何の属性も与えられていない自分自身」として物語に参加することだ。

多くのゲームでは、プレイヤーはあらかじめ設定されたキャラクターを操作したり、役割を与えられたりする。ARGでは、現実の自分自身がそのまま物語に関わる。

「ARGかどうかを判断するとき、私が大きな基準にしているのは、プレイヤーが何の属性も与えられていない&#8220;自分自身&#8221;として物語に参加できるかどうかです。例えば、『あなたの友達から、こんなメールが届きました』と始まると、『自分にはそんな友達はいない』という矛盾が生まれてしまう。日常の中にラビットホールがあり、そこに少しアクションを起こすと物語が始まる。仮の姿を与えられるのではなく、プレイヤー自身が登場人物になることが大切だと考えています」（リー猫さん）

用意されたキャラクターを介するのではなく、現実にいる自分の行動が、そのまま物語との接点になる。この点は、リアル脱出ゲームやイマーシブシアターと比べると理解しやすい。

リアル脱出ゲームであれば、指定された会場で、提示されたルールや状況に沿って謎を解く。イマーシブシアターでは、演出された空間へ入り、登場人物と同じ場で物語を体験する。いずれも高い没入感を得られるが、体験が始まる場所や時間は比較的明確である。

ARGは必ずしも専用の場所を必要としない。地方に暮らすリー猫さんは、そこにもARGならではの魅力を感じている。

「私がARGに魅力を感じる理由の一つは、いつでも、どこでもプレーできることです。私は地方に住んでいるので、イマーシブシアターやリアル脱出ゲームが近所で開催されているわけではありません。でもARGなら、購入した物が自宅に届いたところから物語が始まることもあります。ネット上で気になるページを見つけ、そこを掘り下げていくこと自体がゲームになっている場合もあります。日常がベースにあって、そこから少し物語に足を踏み入れるだけで遊べる。&#8220;日常のすぐ隣にあるゲーム&#8221;という感覚に近いと思います」（リー猫さん）


ARGにも、実際の土地へ足を運ぶ作品やリアルイベント型の作品はある。したがって、「いつでもどこでも」という特徴がすべてのARGに当てはまるわけではない。それでも、自宅のPCやスマートフォン、普段歩いている街、自宅に届いた物まで、日常を取り巻く環境そのものを物語の舞台にできる。

吉野さんは、ARGを「自らが非現実に踏み込むことができる体感ゲーム」と表現する。この言葉は、リー猫さんの「自分自身として参加する」という考え方とも重なる。用意された役を演じるのではなく、現実にいる自分が違和感に気づき、判断し、一歩踏み込む。その行為そのものが物語との接点になる。


謎より先に「知りたい」を設計する
ARGには謎解きを取り入れた作品が少なくないため、「ARGは謎解きゲームの一種なのか」と思う人もいるだろう。しかし、二人とも謎解きをARGの必須条件とは捉えていない。リー猫さんが重視するのは、謎の難しさではなく、物語の中で「なぜそれを解くのか」が成立していることである。 「謎解きが必要かどうかは、議論の余地があると思っています。ただ、登場人物の動きを追っているだけでは、なかなか当事者感は生まれません。例えば、どうしても見たいページにパスワードがかかっていて、そのヒントが別のブログにある。謎ではあるけれど、物語の中で自然にそこを見なければならない状況へ導かれているわけです。逆に、いかにも『謎解きです』という問題が突然出てくると、そこで現実感が薄れてしまいます」（リー猫さん） 「暗号を解いてください」と問題を渡されるのと、知りたい情報へたどり着くために暗号を解くのとでは、同じ行為でも動機は異なる。ARGでは、謎より先に「知りたい」がある。 何が起きたのか、人物は何者なのか、なぜこのWebサイトが存在するのか。そうした疑問を追うために検索し、過去の投稿を読み返し、複数の情報をつなぎ合わせる。参加者からすれば、「謎解きをしている」というよりも、「自分が知りたいことを調べている」という感覚に近い。 制作側から見ると、ARGに謎解き型が多い背景にはコストの問題もある。 「謎解きである必要はありませんが、比較的コストを抑えて制作できるという面があります。プレイヤー自身が判断し、その選択によって物語が分岐する考察型では、分岐の数だけ制作物も増えていきます。さらに、ナビゲーターがいて、人やAIがプレイヤーに応じて物語を動かすストーリープレイング型になると、制作負荷はさらに大きくなる。コストを考えると、謎解き型に寄りやすい事情はあると思います」（吉野さん） とはいえ、謎が物語から浮いてしまえば、没入感は失われる。吉野さんは「ARGの謎解きは、その物語に絶対必要なものでないといけない」と強調する。物語とは無関係な問題が突然現れれば、参加者はそこで現実へ引き戻されてしまうからだ。 企業がARGを活用する場合も、商品に暗号を仕込み、Webサイトに謎を置き、スタンプラリーにストーリーを加えるだけでは十分ではない。先に必要なのは、相手が「続きを知りたい」と思う理由である。 商品の特徴やブランドの考え方を知ってもらうPR、企業文化への理解を深める採用活動、地域への関心を高め、来訪につなげる地域活性化など、目的はそれぞれ異なる。企業には伝えたい情報があるが、ARGでは、それをそのまま提示するところから始めない。ARGでは、受け手が自ら検索し、読み、行動したくなる動機まで含めて設計する。吉野さんがマーケティングの面で注目するのも、この「自ら取りにいく」構造だ。 「テレビCMだけではZ世代に届きにくい場面もありますし、SNS広告も必ずしもクリックされるわけではありません。ARGでは、ユーザー自身が情報を取りにいく形をつくれる。これまで接点を持ちにくかったZ世代にアプローチできる点は、ARGの強みだと思っています」（吉野さん） 情報を「届ける」から、受け手が「取りにいく」へ ブランディング、PR、販売促進、採用、地域活性化と用途は異なっても、起点は共通している。伝えたい情報をどう見せるかではなく、受け手が自ら関わりたくなる状況をどうつくるか。ARGをビジネスに応用する価値は、派手な演出や謎解きそのものより、この発想にある。 ARGは2000年代、映画や商品のプロモーションを中心に海外で広がり、日本でもさまざまな試みが生まれた。しかし、日本では一つのジャンルとして広く定着するまでには至らなかった。近年、その状況に変化をもたらしているのが、『Project:;COLD』や第四境界の作品などである。なぜARGはいま、再び注目を集めているのか。 第2回では、海外から日本へと続くARGの歩みをたどりながら、ARGが再び注目を集めるまでの転機を追う。▼吉野さんによるARGコラムも連載中！【連載】ARGが紡ぐ、新しいPRのカタチ ▼「挑戦」を生むトレンドニュースを毎日掲載！ 挑戦者のためのビジネスメディア『JapanStep』 
参考文献

『ARGガイド2024 ～過去の名作から『Project:;COLD』まで～』（エレメンツ工房、2024年）
</description>
<enclosure url="https://japanstep.jp/images/learn/2608_Release/260818_ARG/AGR-2_01.webp" type="image/jpeg" />
<dc:category rdf:resource="https://japanstep.jp/learn/category/35">カルチャー</dc:category>
<dc:creator></dc:creator>
<dc:subject></dc:subject>
<dc:date>2026-08-21T07:00:00+09:00</dc:date>
<content:encoded><![CDATA[
<div id="cms-editor-minieditor-sin178701477802785100" class="cms-content-parts-sin178701477802793000">
<p><img src="/images/learn/2608_Release/260818_ARG/AGR-2_01.webp" width="1200" height="744" alt="" /></p>
<p>現実世界に物語への入口をつくり、参加者自身がその当事者となるARG（Alternate Reality Game／代替現実ゲーム）。近年はエンターテインメントとして支持を広げる一方、Z世代をはじめとする若年層との新たな接点として、マーケティングやPRの領域でも関心が高まっている。本連載では、参加者がなぜARGに惹かれ、自ら物語に関わっていくのかを捉えながら、ブランディング、PR、販売促進、採用、地域活性化などへの応用を考える。第1回では、そもそもARGとは何か。その基本的な特徴と、物語が&#8220;自分ごと&#8221;になる理由を紹介する。（文＝JMP総合プロデューサー長谷川浩和）</p>
<p style="text-align: center;"><strong>お話を聞いたのは&#8230;</strong></p>
</div>
<div class="cms-content-parts-sin178701488397927300 box cparts-id411--01 lay-margin-b--3" col-flex="1-2" data-selectable="cparts-animate cparts-animate--slideInUp:上へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInDown:下へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInLeft:左へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInRight:右へスライド">
<div class="lay-row">
<div class="lay-col12-xs-12 lay-col12-md-6 lay-col12-lg-6">
<div class="cparts-img-block lay-img-width--max lay-margin-b--1"><img id="cms-editor-image-sin178701488397933300" class="cparts-editsite--img cms-easy-edit" alt="" src="/images/learn/2608_Release/260818_ARG/yoshino.webp" width="330" /></div>
<div class="cparts-editsite--txt cparts-txt-block lay-reset-child cms-easy-edit" id="cms-editor-minieditor-sin178701488397933800"><p style="text-align: center;"><strong>環境ミステリーレーベル MARGINE<br /> 合同会社 未来アクセラレート 代表　吉野 渉さん</strong></p> <p class="MsoNormal">地域と<span lang="EN">ARG</span>の連携を掲げ、<span lang="EN">ARG</span>の企画・制作に取り組む。『<span lang="EN">Project:;COLD</span>』との出会いをきっかけに<span lang="EN">ARG</span>に魅了され、自らも<span lang="EN">ARG</span>制作に乗り出す。現在は<span lang="EN"><w:sdt sdttag="goog_rdk_0" id="-209643526"><w:sdt sdttag="goog_rdk_1" id="-570179261">ARG</w:sdt></w:sdt></span>レーベル「<span lang="EN">MARGINE</span>」を通じて、地域と<span lang="EN">ARG</span>をつなぐ取り組みを進めている。JapanStepにてコラム<a href="https://japanstep.jp/learn/category/223/">「ARGが紡ぐ、新しいPRのカタチ」</a>を連載中。</p></div>
</div>
<div class="lay-col12-xs-12 lay-col12-md-6 lay-col12-lg-6">
<div class="cparts-img-block lay-img-width--max lay-margin-b--1"><img id="cms-editor-image-sin178701488397933900" class="cparts-editsite--img cms-easy-edit" alt="リー猫さんプロフィール" src="/images/learn/2608_Release/260818_ARG/images20260818095927.webp" width="330" /></div>
<div class="cparts-editsite--txt cparts-txt-block lay-reset-child cms-easy-edit" id="cms-editor-minieditor-sin178701488397934200">
<p style="text-align: center;"><strong>ARGウォッチャー・謎解き制作者</strong><strong><br />
リー猫さん</strong></p>
<p style="text-align: left;">MARGINE全作品の謎解きを手がける。自ら作るだけでなく、noteやXで国内ARG作品のレビューや定期的な動向分析を発信し続けている。「ARGコンテスト2026」（虚構界隈主催）特別審査員。</p>
</div>
</div>
</div>
</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin178702113390064300 cparts-editsite--mainttl" id="cms-editor-textarea-sin178702113390073700">物語を&#8220;見る&#8221;から&#8220;関わる&#8221;へ</h2>
<div id="cms-editor-minieditor-sin178701482857610700" class="cms-content-parts-sin178701482857647000"><p>ARGの特徴は、言葉の定義だけでは伝わりにくい。そこで押さえておきたいのが、二人がARGに惹かれるきっかけとなった『<a href="https://project-cold.net/">Project:;COLD</a>』だ。2020年に始まった同作は、Twitter（現Ｘ）やYouTube、Webサイトなどを舞台に、現実の時間と連動して物語が進む参加型のミステリー作品である。</p> <p></p> <p>「当時、リアルタイムで物語が進行するドラマなどはありましたが、現実の時間軸に沿って物語が進み、そこに自分たちも関われるものは、ほとんど体験したことがありませんでした。『明日はどうなるのだろう』『あさってはどうなるのだろう』と、続きを楽しみにしながら日々を過ごす。それが不思議な体験でした。当時はまとめサイトのようなものもなかったので、僕自身、人物相関図をつくって発信していました」（吉野さん）</p> <p></p> <p>ドラマにも次の展開を待つ楽しみはあるが、視聴者は基本的に物語の外側にいる。ARGでは、情報を自ら探し、ほかの参加者と考察を重ね、ときには吉野さんのように整理した情報を発信する。作品を受け取るだけだった人の行動そのものが、体験の一部になっていく。</p> <p></p> <p>リー猫さんを『Project:;COLD』の世界へ引き込んだのも、高校生という設定で日常を発信するTwitter上のアカウントだった。何気ない投稿から都市伝説へと話が広がり、そこに記されたサイト名を検索すると、実際にそのWebサイトが存在した。</p> <p></p> <p>「最初は、神奈川にいる高校生が日々の様子を発信しているだけでした。ところが、ある日、都市伝説について投稿し、そこに出てきたサイト名を検索すると、本当にそのサイトが存在する。やがて本人もその出来事に巻き込まれ、ある日突然、『亡くなりました』という投稿がされる。映画やドラマ、小説とは違い、ずっとタイムラインで追っていた人物だったからこそ、物語の中の出来事を自分ごとのように受け止めてしまいました。『こんな表現の仕方があるのか』と、大きな衝撃を受けました」（リー猫さん）</p> <p></p> <p>作品との接点が、日頃から使っているSNSだったことも大きい。物語を見るために映画館へ出かけたわけでも、ゲームを起動したわけでもない。いつものタイムラインに登場人物がいて、現実と同じ時間を過ごしている。その人物の投稿から気になる言葉を検索すると、別のWebサイトにつながり、また新しい情報が見つかる。</p> <p></p> <p>リー猫さんは、ARGとの出会いを「日常生活の一部に物語がある、その体験が面白かった」と振り返る。ARGでは、作品に触れている時間そのものが、普段の生活から切り離されていない。</p><p style="text-align: center;"><img src="/images/learn/2608_Release/260818_ARG/images20260821095726.png" width="651" height="837" alt="" /><br />元ポスト：<a href="https://twitter.com/hikari_miyaman/status/1498448007385468930">佐久間ヒカリさん</a></p> <p></p> <p></p></div>

<h2 class="cms-content-parts-sin178702176145829000 cparts-editsite--mainttl" id="cms-editor-textarea-sin178702176145837600">入口はゲーム画面の外にある</h2>
<div id="cms-editor-minieditor-sin178702176413681300" class="cms-content-parts-sin178702176413689600">
<p>ARGは「Alternate Reality Game」の略で、日本では一般に「代替現実ゲーム」と訳される。名前が似ているため、AR（Augmented Reality／拡張現実）と混同されることもある。ARが現実空間にデジタル情報を重ねる技術を指すのに対し、ARGはSNSやWebサイト、動画、電話、紙、実在する場所など、日常にある複数のメディアや空間を横断しながら物語を展開する。</p>
<p></p>
<p>ARGには、「この条件を満たせばARGである」という単一の定義があるわけではない。吉野さんは、その輪郭を捉えるうえで「ラビットホール」と「物語に関わる理由」を重視している。</p>
<p></p>
<p>「ARGの定義は難しいと思っています。いくつか条件を挙げることはできますが、それをすべて満たしていなければARGではない、というものでもありません。その中で僕が特に重視しているのが、ラビットホールです。物語に入る入口があり、その先で、自分がその物語に関わる理由がある。僕は、この二つが大きな要素だと考えています」（吉野さん）</p>
<p></p>
<p>ラビットホールとは、「ウサギの穴」を意味する言葉で、『不思議の国のアリス』に由来する。白ウサギを追ったアリスが穴へ入り、不思議の国へ足を踏み入れたことになぞらえた表現である。ARGでは、現実から物語へ入るきっかけとなる出来事や仕掛けをこう呼ぶ。</p>
<p></p>
<p>ARG初期の代表作『The Beast』には、ラビットホールの特徴が端的に表れている。</p>
<p></p>
<p>2001年公開の映画『A.I.』のプロモーションとして展開されたこの作品では、予告編やポスターの中に、違和感のある情報が仕込まれていた。それに気づいた人が人物名を検索するとWebサイトが見つかり、さらに電話やメールへと情報がつながっていく。参加者は一つのゲーム画面を進むのではなく、予告編、Webサイト、電話、メールといった異なるメディアを行き来しながら、断片的な情報をつなぎ合わせていった。</p>
<p><img src="/images/learn/2608_Release/260818_ARG/01.webp" width="900" height="600" alt="" /><span style="font-size: small;">（引用：<a href="https://youtu.be/oBUAQGwzGk0?si=WD5yYXF3gvxwTuw9">A.I. Artificial Intelligence International Trailer</a>）</span></p>
<p></p>
<p>違和感に気づき、検索する――その最初の行動から、物語への参加が始まる。入口を明示されるのではなく、参加者自身が「もう少し知りたい」と、その先へ進む。ラビットホールの特徴は、物語への入口をつくるだけでなく、進むかどうかを参加者本人に委ねている点にある。</p>
<div></div>
</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin178702177083040100 cparts-editsite--mainttl" id="cms-editor-textarea-sin178702177083048000">誰かを演じない。&#8220;自分&#8221;のまま物語へ</h2>
<div id="cms-editor-minieditor-sin178702177899535500" class="cms-content-parts-sin178702177899543500">
<p>リー猫さんがARGを捉えるうえで重視するもう一つの要素が、「何の属性も与えられていない自分自身」として物語に参加することだ。</p>
<p></p>
<p>多くのゲームでは、プレイヤーはあらかじめ設定されたキャラクターを操作したり、役割を与えられたりする。ARGでは、現実の自分自身がそのまま物語に関わる。</p>
<p></p>
<p>「ARGかどうかを判断するとき、私が大きな基準にしているのは、プレイヤーが何の属性も与えられていない&#8220;自分自身&#8221;として物語に参加できるかどうかです。例えば、『あなたの友達から、こんなメールが届きました』と始まると、『自分にはそんな友達はいない』という矛盾が生まれてしまう。日常の中にラビットホールがあり、そこに少しアクションを起こすと物語が始まる。仮の姿を与えられるのではなく、プレイヤー自身が登場人物になることが大切だと考えています」（リー猫さん）</p>
<p></p>
<p>用意されたキャラクターを介するのではなく、現実にいる自分の行動が、そのまま物語との接点になる。この点は、リアル脱出ゲームやイマーシブシアターと比べると理解しやすい。</p>
<p></p>
<p>リアル脱出ゲームであれば、指定された会場で、提示されたルールや状況に沿って謎を解く。イマーシブシアターでは、演出された空間へ入り、登場人物と同じ場で物語を体験する。いずれも高い没入感を得られるが、体験が始まる場所や時間は比較的明確である。</p>
<p></p>
<p>ARGは必ずしも専用の場所を必要としない。地方に暮らすリー猫さんは、そこにもARGならではの魅力を感じている。</p>
<p></p>
<p>「私がARGに魅力を感じる理由の一つは、いつでも、どこでもプレーできることです。私は地方に住んでいるので、イマーシブシアターやリアル脱出ゲームが近所で開催されているわけではありません。でもARGなら、購入した物が自宅に届いたところから物語が始まることもあります。ネット上で気になるページを見つけ、そこを掘り下げていくこと自体がゲームになっている場合もあります。日常がベースにあって、そこから少し物語に足を踏み入れるだけで遊べる。&#8220;日常のすぐ隣にあるゲーム&#8221;という感覚に近いと思います」（リー猫さん）</p>
<p><img src="/images/learn/2608_Release/260818_ARG/images20260821091601.png" width="900" height="600" alt="" /></p>
<p></p>
<p>ARGにも、実際の土地へ足を運ぶ作品やリアルイベント型の作品はある。したがって、「いつでもどこでも」という特徴がすべてのARGに当てはまるわけではない。それでも、自宅のPCやスマートフォン、普段歩いている街、自宅に届いた物まで、日常を取り巻く環境そのものを物語の舞台にできる。</p>
<p></p>
<p>吉野さんは、ARGを「自らが非現実に踏み込むことができる体感ゲーム」と表現する。この言葉は、リー猫さんの「自分自身として参加する」という考え方とも重なる。用意された役を演じるのではなく、現実にいる自分が違和感に気づき、判断し、一歩踏み込む。その行為そのものが物語との接点になる。</p>
<div></div>
</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin178702176859766000 cparts-editsite--mainttl" id="cms-editor-textarea-sin178702176859773300">謎より先に「知りたい」を設計する</h2>
<div id="cms-editor-minieditor-sin178702177373864800" class="cms-content-parts-sin178702177373872000"><p>ARGには謎解きを取り入れた作品が少なくないため、「ARGは謎解きゲームの一種なのか」と思う人もいるだろう。しかし、二人とも謎解きをARGの必須条件とは捉えていない。リー猫さんが重視するのは、謎の難しさではなく、物語の中で「なぜそれを解くのか」が成立していることである。</p> <p></p> <p>「謎解きが必要かどうかは、議論の余地があると思っています。ただ、登場人物の動きを追っているだけでは、なかなか当事者感は生まれません。例えば、どうしても見たいページにパスワードがかかっていて、そのヒントが別のブログにある。謎ではあるけれど、物語の中で自然にそこを見なければならない状況へ導かれているわけです。逆に、いかにも『謎解きです』という問題が突然出てくると、そこで現実感が薄れてしまいます」（リー猫さん）</p> <p></p> <p>「暗号を解いてください」と問題を渡されるのと、知りたい情報へたどり着くために暗号を解くのとでは、同じ行為でも動機は異なる。ARGでは、謎より先に「知りたい」がある。</p> <p></p> <p>何が起きたのか、人物は何者なのか、なぜこのWebサイトが存在するのか。そうした疑問を追うために検索し、過去の投稿を読み返し、複数の情報をつなぎ合わせる。参加者からすれば、「謎解きをしている」というよりも、「自分が知りたいことを調べている」という感覚に近い。</p> <p></p> <p>制作側から見ると、ARGに謎解き型が多い背景にはコストの問題もある。</p> <p></p> <p>「謎解きである必要はありませんが、比較的コストを抑えて制作できるという面があります。プレイヤー自身が判断し、その選択によって物語が分岐する考察型では、分岐の数だけ制作物も増えていきます。さらに、ナビゲーターがいて、人やAIがプレイヤーに応じて物語を動かすストーリープレイング型になると、制作負荷はさらに大きくなる。コストを考えると、謎解き型に寄りやすい事情はあると思います」（吉野さん）</p> <p></p> <p>とはいえ、謎が物語から浮いてしまえば、没入感は失われる。吉野さんは「ARGの謎解きは、その物語に絶対必要なものでないといけない」と強調する。物語とは無関係な問題が突然現れれば、参加者はそこで現実へ引き戻されてしまうからだ。</p> <p></p> <p>企業がARGを活用する場合も、商品に暗号を仕込み、Webサイトに謎を置き、スタンプラリーにストーリーを加えるだけでは十分ではない。先に必要なのは、相手が「続きを知りたい」と思う理由である。</p> <p></p> <p>商品の特徴やブランドの考え方を知ってもらうPR、企業文化への理解を深める採用活動、地域への関心を高め、来訪につなげる地域活性化など、目的はそれぞれ異なる。企業には伝えたい情報があるが、ARGでは、それをそのまま提示するところから始めない。ARGでは、受け手が自ら検索し、読み、行動したくなる動機まで含めて設計する。吉野さんがマーケティングの面で注目するのも、この「自ら取りにいく」構造だ。</p> <p></p> <p>「テレビCMだけではZ世代に届きにくい場面もありますし、SNS広告も必ずしもクリックされるわけではありません。ARGでは、ユーザー自身が情報を取りにいく形をつくれる。これまで接点を持ちにくかったZ世代にアプローチできる点は、ARGの強みだと思っています」（吉野さん）</p> <p><img src="/images/learn/2608_Release/260818_ARG/images20260821091520.png" width="900" height="600" alt="" /><span style="font-size: small;">情報を「届ける」から、受け手が「取りにいく」へ</span></p> <p></p> <p></p> <p></p> <p>ブランディング、PR、販売促進、採用、地域活性化と用途は異なっても、起点は共通している。伝えたい情報をどう見せるかではなく、受け手が自ら関わりたくなる状況をどうつくるか。ARGをビジネスに応用する価値は、派手な演出や謎解きそのものより、この発想にある。</p> <p></p> <p>ARGは2000年代、映画や商品のプロモーションを中心に海外で広がり、日本でもさまざまな試みが生まれた。しかし、日本では一つのジャンルとして広く定着するまでには至らなかった。近年、その状況に変化をもたらしているのが、『Project:;COLD』や第四境界の作品などである。なぜARGはいま、再び注目を集めているのか。</p> <p></p> <p>第2回では、海外から日本へと続くARGの歩みをたどりながら、ARGが再び注目を集めるまでの転機を追う。</p><p><strong>▼吉野さんによるARGコラムも連載中！</strong><br /><a href="https://japanstep.jp/learn/category/223/">【連載】ARGが紡ぐ、新しいPRのカタチ</a><br /></p> <p><strong>▼「挑戦」を生むトレンドニュースを毎日掲載！</strong><br /> <a href="https://japanstep.jp/" target="_self">挑戦者のためのビジネスメディア『JapanStep』</a></p> <div></div><p></p></div>
<h3 class="cms-content-parts-sin178702203739759800 cparts-editsite--mainttl" id="cms-editor-textarea-sin178702203739763600">参考文献</h3>
<div id="cms-editor-minieditor-sin178702200670694000" class="cms-content-parts-sin178702200670703000">
<p>『ARGガイド2024 ～過去の名作から『Project:;COLD』まで～』（エレメンツ工房、2024年）</p>
</div>
]]></content:encoded>
</item>

<item rdf:about="https://japanstep.jp/learn/2026/08/2290/">
<title>AI時代の人材を育む。教育AIサミットの熱量</title>
<link>https://japanstep.jp/learn/2026/08/2290/</link>
<description>
日本の教育や人材育成の現場で、ある葛藤が生まれている。生成AIを導入したものの、「思考を補佐しているのか、それとも思考を放棄させているのか」という本質的な問いだ。ただ知識を暗記し、効率よく正解を出す能力はもはや競争力にならない。次世代を担う子どもやビジネスパーソンは、AIとどう向き合うべきか。教育とテクノロジーが交差する大規模なイベントから、人間が本来持つべき主体性のあり方を展望する。（文＝JapanStep編集部）

AI活用の最前線を共有。多彩なセッション

2026年6月、教育現場におけるAI活用の普及を目指す一般社団法人教育AI活用協会は、幕張メッセで開催された「Interop Tokyo 2026」の併催イベントにて、特別企画「教育AIサミット」を開催した。このイベントは、学校現場や企業、研究者など多様な立場の参加者が集まり、生成AI時代の教育のあり方や実践事例を共有する場である。
（引用元：PR TIMES）

会期中の3日間にわたり、さまざまな切り口からセミナーが展開された。文系人材に向けた実践的なAI活用術の解説や、教育現場のリアルな実態をテーマにした講演が行われた。文部科学省の学校DX戦略アドバイザーによるセッションでは、子どもたちの学びの変容や、思考を深めるAI活用と浅くする活用の違いが語られた。

さらに、「自ら問いを立て、主体的に動ける人をどう育てるか」に焦点を当てた探究学習のアプローチも提示された。正解を与えるのではなく、問いを生む環境を作る「探究ナビゲーター」という育成メソッドの紹介は、学校教育だけでなく企業の人材育成にも直結する内容だ。

また、AIが当たり前になる「AIネイティブ時代」において、働き方や産業構造、学びのあり方がどう変わるのかを議論するセッションも設けられた。専門家たちが登壇し、研究と社会実装の両面から、次代の社会で人間が果たすべき役割について意見が交わされた。教育現場の課題にとどまらず、日本社会全体が直面する構造的な変化に向き合う活発な議論が展開された。


正解のない時代へ。主体性が導く日本の再興
これまで日本の教育や企業研修は、正解を早く正確に導き出す人材の育成に重きを置いてきた。この画一的なアプローチはかつての高度経済成長を支えたが、複雑化する現代社会では通用しなくなっている。すでにAIが膨大なデータから瞬時に最適解を弾き出す今、人間が暗記力や処理速度で機械と競うことには意味がないからだ。 今回のサミットの議論から見えてくるのは、AIを単なる「時短ツール」として扱うのではなく、人間の「問いを立てる力」を拡張する知的なパートナーとして再定義すべきというメッセージだ。AIに思考を丸投げして効率化するだけでは、新たな価値は生まれない。人間が自ら好奇心を持ち、「本当の課題はどこか」という問いをシステムに投げかける。その主体的なプロセスを通じて初めて、人間とAIの協働はかつてない創造性を発揮する。 この「探究する力」の育成は、停滞する日本企業が再び世界市場で戦うための鍵となるだろう。リソース不足や硬直化した組織に悩む企業であっても、自律的に考え、AIを駆使して新たな事業の種を生み出せる人材が育てば、生産性は飛躍的に高まる。 テクノロジーの進化は、人間に「どう生きるか」を改めて突きつけている。知識の詰め込みから脱却し、自ら問いを生み出す主体性を育む教育への転換。それは、すべての人にとって未知の時代を切り拓く強力な武器となる。AIと協働しながら一人ひとりが可能性を解き放ち、日本全体が次の成長ステージへとステップアップしていく未来が、ここから形作られていくはずだ。▼「挑戦」を生むトレンドニュースを毎日掲載！挑戦者のためのビジネスメディア『JapanStep』 </description>
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<dc:category rdf:resource="https://japanstep.jp/learn/category/32">テクノロジー</dc:category>
<dc:creator></dc:creator>
<dc:subject></dc:subject>
<dc:date>2026-08-20T07:00:00+09:00</dc:date>
<content:encoded><![CDATA[
<div id="cms-editor-minieditor-sin178589623495893800" class="cms-content-parts-sin178589623495902700">
<p>日本の教育や人材育成の現場で、ある葛藤が生まれている。生成AIを導入したものの、「思考を補佐しているのか、それとも思考を放棄させているのか」という本質的な問いだ。ただ知識を暗記し、効率よく正解を出す能力はもはや競争力にならない。次世代を担う子どもやビジネスパーソンは、AIとどう向き合うべきか。教育とテクノロジーが交差する大規模なイベントから、人間が本来持つべき主体性のあり方を展望する。（文＝JapanStep編集部）</p>
</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin178589628902386600 cparts-editsite--mainttl" id="cms-editor-textarea-sin178589628902390600">AI活用の最前線を共有。多彩なセッション</h2>
<div id="cms-editor-minieditor-sin178589626081048400" class="cms-content-parts-sin178589626081056400">
<p>2026年6月、教育現場におけるAI活用の普及を目指す一般社団法人教育AI活用協会は、幕張メッセで開催された「Interop Tokyo 2026」の併催イベントにて、特別企画「教育AIサミット」を開催した。このイベントは、学校現場や企業、研究者など多様な立場の参加者が集まり、生成AI時代の教育のあり方や実践事例を共有する場である。</p>
<p><img src="/images/learn/2608_Release/260805_jinzai/1.webp" width="900" height="506" alt="" /><span style="font-size: small;">（引用元：</span><a href="https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000048.000161501.html"><span style="font-size: small;">PR TIMES</span></a><span style="font-size: small;">）</span></p>
<p></p>
<p>会期中の3日間にわたり、さまざまな切り口からセミナーが展開された。文系人材に向けた実践的なAI活用術の解説や、教育現場のリアルな実態をテーマにした講演が行われた。文部科学省の学校DX戦略アドバイザーによるセッションでは、子どもたちの学びの変容や、思考を深めるAI活用と浅くする活用の違いが語られた。</p>
<p></p>
<p>さらに、「自ら問いを立て、主体的に動ける人をどう育てるか」に焦点を当てた探究学習のアプローチも提示された。正解を与えるのではなく、問いを生む環境を作る「探究ナビゲーター」という育成メソッドの紹介は、学校教育だけでなく企業の人材育成にも直結する内容だ。</p>
<p></p>
<p>また、AIが当たり前になる「AIネイティブ時代」において、働き方や産業構造、学びのあり方がどう変わるのかを議論するセッションも設けられた。専門家たちが登壇し、研究と社会実装の両面から、次代の社会で人間が果たすべき役割について意見が交わされた。教育現場の課題にとどまらず、日本社会全体が直面する構造的な変化に向き合う活発な議論が展開された。</p>
<div></div>
</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin178589629193124100 cparts-editsite--mainttl" id="cms-editor-textarea-sin178589629193131400">正解のない時代へ。主体性が導く日本の再興</h2>
<div id="cms-editor-minieditor-sin178589626320353900" class="cms-content-parts-sin178589626320363400"><p>これまで日本の教育や企業研修は、正解を早く正確に導き出す人材の育成に重きを置いてきた。この画一的なアプローチはかつての高度経済成長を支えたが、複雑化する現代社会では通用しなくなっている。すでにAIが膨大なデータから瞬時に最適解を弾き出す今、人間が暗記力や処理速度で機械と競うことには意味がないからだ。</p> <p></p> <p>今回のサミットの議論から見えてくるのは、AIを単なる「時短ツール」として扱うのではなく、人間の「問いを立てる力」を拡張する知的なパートナーとして再定義すべきというメッセージだ。AIに思考を丸投げして効率化するだけでは、新たな価値は生まれない。人間が自ら好奇心を持ち、「本当の課題はどこか」という問いをシステムに投げかける。その主体的なプロセスを通じて初めて、人間とAIの協働はかつてない創造性を発揮する。</p> <p></p> <p>この「探究する力」の育成は、停滞する日本企業が再び世界市場で戦うための鍵となるだろう。リソース不足や硬直化した組織に悩む企業であっても、自律的に考え、AIを駆使して新たな事業の種を生み出せる人材が育てば、生産性は飛躍的に高まる。</p> <p></p> <p>テクノロジーの進化は、人間に「どう生きるか」を改めて突きつけている。知識の詰め込みから脱却し、自ら問いを生み出す主体性を育む教育への転換。それは、すべての人にとって未知の時代を切り拓く強力な武器となる。AIと協働しながら一人ひとりが可能性を解き放ち、日本全体が次の成長ステージへとステップアップしていく未来が、ここから形作られていくはずだ。</p><h4>▼「挑戦」を生むトレンドニュースを毎日掲載！<br /><a href="https://japanstep.jp/">挑戦者のためのビジネスメディア『JapanStep』</a></h4> <div></div></div>
]]></content:encoded>
</item>

<item rdf:about="https://japanstep.jp/learn/2026/08/2326/">
<title>安心な医療AIへ。個人情報保護の自動化</title>
<link>https://japanstep.jp/learn/2026/08/2326/</link>
<description>
医療現場で生成AIの活用が広がる中、大きな障壁となっているのが「個人情報の取り扱い」だ。医師が患者の背景を踏まえて文献検索や資料作成を行う際、意図せず氏名や生年月日などのセンシティブな情報を入力してしまうリスクがある。多忙な現場で個人の注意だけに頼る安全管理には限界が近づいていた。こうした不安を取り除き、医療DXを力強く前進させる画期的な機能が公開された。（文＝JapanStep編集部）

質問前の自動検知。医師を支えるAI基盤

2026年6月、ニヒンメディア株式会社は、日本の医師のために開発されたAIアシスタント「MedGen Japan（メドジェン ジャパン）」において、個人情報を自動で検知し送信前にマスキングする新機能を公開した。
（引用元：PR TIMES）

近年、医療現場では文献検索や診療情報の収集、患者への説明資料作成など、さまざまな業務で生成AIの活用が進んでいる。一方で、より具体的で実務に役立つ回答を得るために詳細な患者背景を入力すると、意図せず患者個人の特定につながる情報が含まれてしまう危険性が指摘されていた。医療情報は極めて慎重な取り扱いが求められるため、このジレンマがAIの本格的な導入を妨げる要因となっている。
（引用元：PR TIMES）

今回追加された機能は、医師がAIに質問を送信する前に作動する。入力された文章の中に個人情報が含まれている可能性のある箇所を自動で検知し、マスキング処理を施す仕組みだ。マスキング後の文章は送信前に確認でき、必要に応じて内容を編集してから安全に送信できる。マスキング前の質問文が外部のサーバーに保存されることは一切なく、サービス提供に用いるサーバーも日本国内に置かれているため、医療機関の厳しいセキュリティ基準にも配慮されている。
大学病院や大規模な医療機関では、所属する医師のデジタルリテラシーや個人情報に対する認識にばらつきが生じやすい。個人のリテラシーに依存せず、システム側で事前にリスクを低減するこのアプローチは、安全な医療AIのインフラとして現場の医師たちから高く評価されている。


心理的安全性が拓く、医療現場のアップデート

新しいテクノロジーが社会の基盤として定着する過程において、「心理的安全性」の担保は重要な意味を持つ。どんなに高性能で業務を効率化するAIであっても、「うっかり機密情報を漏らしてしまうかもしれない」という恐怖心が拭えなければ、現場の最前線で働くプロフェッショナルたちはそのツールを日常的に使いこなすことはできない。
とりわけ、人の命とプライバシーを預かる医師たちは、日々の激務の中で高い緊張感を強いられている。そうした環境下で、「AIに入力する文章から個人情報を手作業で丁寧に削除する」という新たな作業を強いることは、かえって医師のストレスを増やし、DXの歩みを止めてしまう。システムが先回りして危険を察知し、安全な状態に整えてから対話を引き継ぐという「入力段階からの保護設計」は、こうした現場の課題に寄り添う実践的な解決策と言える。
個人のスキルや注意力に頼る属人的なリスク管理から脱却し、システムとして安全を担保する構造は、日本の医療業界全体を力強く後押しする。多忙な医師たちが情報漏洩の不安から解放されれば、AIを単なる辞書としてではなく、複雑な症例のディスカッション相手や診断の補助的なパートナーとして、より深く高度なレベルで活用し始めるはずだ。
テクノロジーが医療現場の過重労働を軽減し、医師が患者と向き合うという本来の役割に集中できる環境を整える。それは、医療の質そのものを向上させることに他ならない。現場の不安を取り除き、テクノロジーの恩恵を確実に根付かせる着実なアプローチが、日本の医療を次なるステージへと押し上げていくだろう。

</description>
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<dc:category rdf:resource="https://japanstep.jp/learn/category/43">ビジネス</dc:category>
<dc:creator></dc:creator>
<dc:subject></dc:subject>
<dc:date>2026-08-19T07:00:00+09:00</dc:date>
<content:encoded><![CDATA[
<div id="cms-editor-minieditor-sin178670107672141700" class="cms-content-parts-sin178670107672149900">
<p>医療現場で生成AIの活用が広がる中、大きな障壁となっているのが「個人情報の取り扱い」だ。医師が患者の背景を踏まえて文献検索や資料作成を行う際、意図せず氏名や生年月日などのセンシティブな情報を入力してしまうリスクがある。多忙な現場で個人の注意だけに頼る安全管理には限界が近づいていた。こうした不安を取り除き、医療DXを力強く前進させる画期的な機能が公開された。（文＝JapanStep編集部）</p>
</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin178670110835975100 cparts-editsite--mainttl" id="cms-editor-textarea-sin178670110835979000">質問前の自動検知。医師を支えるAI基盤</h2>
<div id="cms-editor-minieditor-sin178670109896483800" class="cms-content-parts-sin178670109896491000">
<p>2026年6月、ニヒンメディア株式会社は、日本の医師のために開発されたAIアシスタント「MedGen Japan（メドジェン ジャパン）」において、個人情報を自動で検知し送信前にマスキングする新機能を公開した。</p>
<p><span style="font-size: small;"><img src="/images/learn/2608_Release/260814_anshin/1.webp" width="900" height="506" alt="" /></span><span style="font-size: small;">（引用元：</span><a href="https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000017.000129222.html"><span style="font-size: small;">PR TIMES</span></a><span style="font-size: small;">）</span></p>
<p></p>
<p>近年、医療現場では文献検索や診療情報の収集、患者への説明資料作成など、さまざまな業務で生成AIの活用が進んでいる。一方で、より具体的で実務に役立つ回答を得るために詳細な患者背景を入力すると、意図せず患者個人の特定につながる情報が含まれてしまう危険性が指摘されていた。医療情報は極めて慎重な取り扱いが求められるため、このジレンマがAIの本格的な導入を妨げる要因となっている。</p>
<p><img src="/images/learn/2608_Release/260814_anshin/2.webp" width="900" height="430" alt="" /><span style="font-size: small;">（引用元：</span><a href="https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000017.000129222.html"><span style="font-size: small;">PR TIMES</span></a><span style="font-size: small;">）</span></p>
<p></p>
<p>今回追加された機能は、医師がAIに質問を送信する前に作動する。入力された文章の中に個人情報が含まれている可能性のある箇所を自動で検知し、マスキング処理を施す仕組みだ。マスキング後の文章は送信前に確認でき、必要に応じて内容を編集してから安全に送信できる。マスキング前の質問文が外部のサーバーに保存されることは一切なく、サービス提供に用いるサーバーも日本国内に置かれているため、医療機関の厳しいセキュリティ基準にも配慮されている。</p>
<p>大学病院や大規模な医療機関では、所属する医師のデジタルリテラシーや個人情報に対する認識にばらつきが生じやすい。個人のリテラシーに依存せず、システム側で事前にリスクを低減するこのアプローチは、安全な医療AIのインフラとして現場の医師たちから高く評価されている。</p>
<div></div>
</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin178670111106367000 cparts-editsite--mainttl" id="cms-editor-textarea-sin178670111106374500">心理的安全性が拓く、医療現場のアップデート</h2>
<div id="cms-editor-minieditor-sin178670109663647900" class="cms-content-parts-sin178670109663656300">
<p>新しいテクノロジーが社会の基盤として定着する過程において、「心理的安全性」の担保は重要な意味を持つ。どんなに高性能で業務を効率化するAIであっても、「うっかり機密情報を漏らしてしまうかもしれない」という恐怖心が拭えなければ、現場の最前線で働くプロフェッショナルたちはそのツールを日常的に使いこなすことはできない。</p>
<p>とりわけ、人の命とプライバシーを預かる医師たちは、日々の激務の中で高い緊張感を強いられている。そうした環境下で、「AIに入力する文章から個人情報を手作業で丁寧に削除する」という新たな作業を強いることは、かえって医師のストレスを増やし、DXの歩みを止めてしまう。システムが先回りして危険を察知し、安全な状態に整えてから対話を引き継ぐという「入力段階からの保護設計」は、こうした現場の課題に寄り添う実践的な解決策と言える。</p>
<p>個人のスキルや注意力に頼る属人的なリスク管理から脱却し、システムとして安全を担保する構造は、日本の医療業界全体を力強く後押しする。多忙な医師たちが情報漏洩の不安から解放されれば、AIを単なる辞書としてではなく、複雑な症例のディスカッション相手や診断の補助的なパートナーとして、より深く高度なレベルで活用し始めるはずだ。</p>
<p>テクノロジーが医療現場の過重労働を軽減し、医師が患者と向き合うという本来の役割に集中できる環境を整える。それは、医療の質そのものを向上させることに他ならない。現場の不安を取り除き、テクノロジーの恩恵を確実に根付かせる着実なアプローチが、日本の医療を次なるステージへと押し上げていくだろう。</p>
<div></div>
</div>
]]></content:encoded>
</item>

<item rdf:about="https://japanstep.jp/learn/2026/08/2322/">
<title>安全なAI活用へ。国産のセキュリティ基盤開発へ</title>
<link>https://japanstep.jp/learn/2026/08/2322/</link>
<description>
自律的に動くAIエージェントの導入が進む一方で、AIが社内システムに深く入り込むほど、意図しない情報漏洩や誤操作といった新たなリスクが増大する。利便性と安全性の狭間で、本格稼働に二の足を踏む企業は少なくない。攻めと守りを両立させなければ、真の業務変革は成し遂げられない。こうした不安を払拭し、企業のAI活用を後押しする国産のセキュリティ基盤の開発が始まった。堅牢な安全網が日本企業の競争力をどう引き上げるのか、ビジネスの指針を探る。（文＝JapanStep編集部）

企業の不安を取り除く、国産セキュリティ製品の開発

2026年6月、三井物産セキュアディレクション株式会社（MBSD）とSMBCサイバーフロント株式会社は、AIエージェントを安全に活用するための国産セキュリティ製品の開発に着手したと発表した。
（引用元：PR TIMES）

近年、ソフトウエア開発の現場や一般社員の間でAI技術の利用が広がりを見せている。しかし、AIが扱う情報範囲や実行権限の拡大に伴い、機密情報の外部送信や脆弱なコード生成といった新たなセキュリティリスクが顕在化してきた。今後、用途に特化したAIエージェントが社内で乱立することが予想されており、安全な利用を担保する統制基盤の整備は企業にとって重要な経営課題となっている。
（引用元：PR TIMES）

開発される製品は、特定のAIサービスを提供するものではなく、それらを安全に利用するための「ガードレール」として機能する。組織が承認していないAIの利用を検知し、危険な行動を検査・制御する仕組みだ。

機能面では、組織のポリシーに基づいた一律の行動制御や、従来のルールベースでは検知が難しいサイバー攻撃の意図を解釈した検査を実現。また、リアルタイム検査により情報漏洩などの重大なインシデントを未然に防ぐ機能や、すべての行動ログを一元管理し、監査証跡として活用できる機能も備え、ゲートウェイ型 or プロキシ型を選択可能だ。

2026年上期には実運用を想定した概念実証を実施し、技術的実現性と市場適合性を検証した上で、同年下期にベータ版をリリースする計画だ。


ガバナンスが加速させる、日本企業のAI戦略

企業が新たなテクノロジーを導入する際、利便性の裏側に潜むセキュリティリスクへの対処が常に問われる。特にAIエージェントは、人間の指示を超えて自律的に外部システムと連携してデータを処理するため、ひとつの設定ミスや悪意ある攻撃が深刻な情報漏洩につながる危険性をはらんでいる。多くの日本企業が高いポテンシャルを持ちながらも、AIの本格的な業務適用に対して慎重な姿勢を崩せない理由は、まさにこの統制の難しさに起因している。
（引用元：PR TIMES）

リスクを恐れてAIの活用を制限することは、グローバルな競争環境において自らの成長を止めることと同義だ。しかし、安全性を無視して無秩序に導入を進めれば、企業の信頼を根底から揺るがす事態を招きかねない。ここで求められるのは、AIを監視し、危険な振る舞いを未然に防ぐ強固なストッパーの存在である。

国産のセキュリティ製品として、日本の規制や商慣習に合わせたガードレールが提供される意味は大きい。海外製のツールでは対応しきれない細やかなガバナンス要件を満たし、組織全体のポリシーを一元的に適用できる基盤があれば、経営層は安心して現場に権限を委譲できる。セキュリティという「守り」の土台が強固になることで、従業員はインシデントを恐れることなく、新たな価値創造という「攻め」の活動に集中できるようになるのだ。

高度なAIセキュリティ技術とコンサルティング力が結集するこの共創プロジェクトは、日本企業が抱えるジレンマを打ち破る一手となる。安全と革新を両立させる統制基盤が社会に実装されることで、日本経済は次なる成長ステージへと力強くステップアップしていくはずだ。

</description>
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<dc:category rdf:resource="https://japanstep.jp/learn/category/32">テクノロジー</dc:category>
<dc:creator></dc:creator>
<dc:subject></dc:subject>
<dc:date>2026-08-18T07:00:00+09:00</dc:date>
<content:encoded><![CDATA[
<div id="cms-editor-minieditor-sin178669917921246300" class="cms-content-parts-sin178669917921253300">
<p>自律的に動くAIエージェントの導入が進む一方で、AIが社内システムに深く入り込むほど、意図しない情報漏洩や誤操作といった新たなリスクが増大する。利便性と安全性の狭間で、本格稼働に二の足を踏む企業は少なくない。攻めと守りを両立させなければ、真の業務変革は成し遂げられない。こうした不安を払拭し、企業のAI活用を後押しする国産のセキュリティ基盤の開発が始まった。堅牢な安全網が日本企業の競争力をどう引き上げるのか、ビジネスの指針を探る。（文＝JapanStep編集部）</p>
</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin178669921268710200 cparts-editsite--mainttl" id="cms-editor-textarea-sin178669921268719500">企業の不安を取り除く、国産セキュリティ製品の開発</h2>
<div id="cms-editor-minieditor-sin178669920005519100" class="cms-content-parts-sin178669920005528000">
<p>2026年6月、三井物産セキュアディレクション株式会社（MBSD）とSMBCサイバーフロント株式会社は、AIエージェントを安全に活用するための国産セキュリティ製品の開発に着手したと発表した。</p>
<p><img src="/images/learn/2608_Release/260814_anzen/1.webp" width="900" height="207" alt="" /><span style="font-size: small;">（引用元：</span><a href="https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000049.000003166.html"><span style="font-size: small;">PR TIMES</span></a><span style="font-size: small;">）</span></p>
<p></p>
<p>近年、ソフトウエア開発の現場や一般社員の間でAI技術の利用が広がりを見せている。しかし、AIが扱う情報範囲や実行権限の拡大に伴い、機密情報の外部送信や脆弱なコード生成といった新たなセキュリティリスクが顕在化してきた。今後、用途に特化したAIエージェントが社内で乱立することが予想されており、安全な利用を担保する統制基盤の整備は企業にとって重要な経営課題となっている。</p>
<p><img src="/images/learn/2608_Release/260814_anzen/2.webp" width="900" height="383" alt="" /><span style="font-size: small;">（引用元：</span><a href="https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000049.000003166.html"><span style="font-size: small;">PR TIMES</span></a><span style="font-size: small;">）</span></p>
<p></p>
<p>開発される製品は、特定のAIサービスを提供するものではなく、それらを安全に利用するための「ガードレール」として機能する。組織が承認していないAIの利用を検知し、危険な行動を検査・制御する仕組みだ。</p>
<p></p>
<p>機能面では、組織のポリシーに基づいた一律の行動制御や、従来のルールベースでは検知が難しいサイバー攻撃の意図を解釈した検査を実現。また、リアルタイム検査により情報漏洩などの重大なインシデントを未然に防ぐ機能や、すべての行動ログを一元管理し、監査証跡として活用できる機能も備え、ゲートウェイ型 or プロキシ型を選択可能だ。</p>
<p></p>
<p>2026年上期には実運用を想定した概念実証を実施し、技術的実現性と市場適合性を検証した上で、同年下期にベータ版をリリースする計画だ。</p>
<div></div>
</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin178669921810546400 cparts-editsite--mainttl" id="cms-editor-textarea-sin178669921810553700">ガバナンスが加速させる、日本企業のAI戦略</h2>
<div id="cms-editor-minieditor-sin178669919800449400" class="cms-content-parts-sin178669919800487300">
<p>企業が新たなテクノロジーを導入する際、利便性の裏側に潜むセキュリティリスクへの対処が常に問われる。特にAIエージェントは、人間の指示を超えて自律的に外部システムと連携してデータを処理するため、ひとつの設定ミスや悪意ある攻撃が深刻な情報漏洩につながる危険性をはらんでいる。多くの日本企業が高いポテンシャルを持ちながらも、AIの本格的な業務適用に対して慎重な姿勢を崩せない理由は、まさにこの統制の難しさに起因している。</p>
<p><img src="/images/learn/2608_Release/260814_anzen/3.webp" width="900" height="202" alt="" /><span style="font-size: small;">（引用元：</span><a href="https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000049.000003166.html"><span style="font-size: small;">PR TIMES</span></a><span style="font-size: small;">）</span></p>
<p></p>
<p>リスクを恐れてAIの活用を制限することは、グローバルな競争環境において自らの成長を止めることと同義だ。しかし、安全性を無視して無秩序に導入を進めれば、企業の信頼を根底から揺るがす事態を招きかねない。ここで求められるのは、AIを監視し、危険な振る舞いを未然に防ぐ強固なストッパーの存在である。</p>
<p></p>
<p>国産のセキュリティ製品として、日本の規制や商慣習に合わせたガードレールが提供される意味は大きい。海外製のツールでは対応しきれない細やかなガバナンス要件を満たし、組織全体のポリシーを一元的に適用できる基盤があれば、経営層は安心して現場に権限を委譲できる。セキュリティという「守り」の土台が強固になることで、従業員はインシデントを恐れることなく、新たな価値創造という「攻め」の活動に集中できるようになるのだ。</p>
<p></p>
<p>高度なAIセキュリティ技術とコンサルティング力が結集するこの共創プロジェクトは、日本企業が抱えるジレンマを打ち破る一手となる。安全と革新を両立させる統制基盤が社会に実装されることで、日本経済は次なる成長ステージへと力強くステップアップしていくはずだ。</p>
<p></p>
</div>
]]></content:encoded>
</item>

<item rdf:about="https://japanstep.jp/learn/2026/08/2313/">
<title>インフラ基盤をAIで変革。大手3社が共創</title>
<link>https://japanstep.jp/learn/2026/08/2313/</link>
<description>
私たちの生活に欠かせないエネルギーの安定供給。その裏側を支える巨大なシステムが今、テクノロジーの力で新たな次元へと進化しようとしている。長年培われたインフラ運営の知見と、最先端のAIが交差する時、社会課題の解決に向けた大きな推進力が生まれる。関西のエネルギー企業とグローバルIT企業がタッグを組み、次世代のシステム変革へ挑む姿から、日本が直面するインフラの未来図に迫る。（文＝JapanStep編集部）

専門知見とAIの融合。次世代システムの構築

2026年6月、大阪ガス株式会社と株式会社オージス総研、そして日本アイ・ビー・エム株式会社（日本IBM）の3社は、共創パートナーシップ合意書を締結した。「AIを軸とした次世代ITシステム変革」に向けた検討を開始し、デジタル技術による提供価値の向上と、インフラ事業者としての安定的な基盤強化を目指す。
（引用元：PR TIMES）

本パートナーシップでは、Daigasグループが持つエネルギー事業のノウハウとシステム開発の知見に、日本IBMのAIをはじめとする先進技術を掛け合わせる。具体的には、3つの領域で検討や試行が進められる。

第一に、顧客への提供価値向上だ。多様化するニーズへ迅速に応えるため、AIエージェントなどの適用範囲を拡大し、既存システムを最新技術で再構築する「モダナイゼーション」を推進する。第二に、事業提供基盤の強化である。AIを活用した開発基盤を取り入れ、現行手法以上の省力化と工期短縮を図る。同時に、運用業務の自動化やサイバーセキュリティ対策の高度化も進める。

第三に、これらを支える人材の育成だ。AIやセキュリティといった戦略領域を担う高度なDX人材を、相互交流によって輩出していく。現在、複数の専門チームが立ち上がり、技術検証やロードマップの策定が進められている。2026年度中には、具体的なシステムや業務へのAI適用を一層拡大させていく計画だ。



安全と変革の両立。日本を牽引する共創の力

エネルギーなどの社会インフラを支える基幹システムは、高い安全性と安定稼働が求められる。そのため、最新技術の導入には慎重にならざるを得ず、長年にわたって既存のシステムが使い続けられる傾向にあった。しかし、変化の激しい現代において、旧来のシステムを維持するだけでは、多様化する顧客のニーズや高度化するサイバー攻撃といった新たな脅威に対応しきれなくなる。
（引用元：PR TIMES）

今回の3社による共創アプローチは、こうした巨大インフラが直面するジレンマを超えるための実践的なモデルとなるだろう。企業が単独でAIの知見を蓄積するのではなく、最先端の技術を持つグローバル企業と深く連携し、互いの強みを補完し合う。現場のドメイン知識と最新テクノロジーが融合することで、単なる業務の効率化にとどまらず、より安全で柔軟な次世代の社会基盤が構築されていく。

さらに注目すべきは、AIによる省力化で生まれた余力を、「高度DX人材の育成」という未来への投資へ振り向けている点だ。システムの変革だけでなく、それを運用し、さらなる価値を創造する人材を育成する。この好循環こそが、長引くIT人材不足に対する根本的な処方箋となる。

インフラ企業が自ら変わり、新しい技術を貪欲に取り入れていく姿勢は、日本全体を牽引する力強いメッセージだ。安全と安定を守りながら、テクノロジーで果敢にアップデートを図る。大手企業同士の連携から生まれるこの熱量が、地域社会の課題を解決し、日本の産業を一段階上の成長ステージへと力強く押し上げていくはずだ。

</description>
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<dc:category rdf:resource="https://japanstep.jp/learn/category/32">テクノロジー</dc:category>
<dc:creator></dc:creator>
<dc:subject></dc:subject>
<dc:date>2026-08-17T07:00:00+09:00</dc:date>
<content:encoded><![CDATA[
<div id="cms-editor-minieditor-sin178657485410131400" class="cms-content-parts-sin178657485410138900">
<p>私たちの生活に欠かせないエネルギーの安定供給。その裏側を支える巨大なシステムが今、テクノロジーの力で新たな次元へと進化しようとしている。長年培われたインフラ運営の知見と、最先端のAIが交差する時、社会課題の解決に向けた大きな推進力が生まれる。関西のエネルギー企業とグローバルIT企業がタッグを組み、次世代のシステム変革へ挑む姿から、日本が直面するインフラの未来図に迫る。（文＝JapanStep編集部）</p>
</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin178657489252372700 cparts-editsite--mainttl" id="cms-editor-textarea-sin178657489252377800">専門知見とAIの融合。次世代システムの構築</h2>
<div id="cms-editor-minieditor-sin178657488155975300" class="cms-content-parts-sin178657488155983400">
<p>2026年6月、大阪ガス株式会社と株式会社オージス総研、そして日本アイ・ビー・エム株式会社（日本IBM）の3社は、共創パートナーシップ合意書を締結した。「AIを軸とした次世代ITシステム変革」に向けた検討を開始し、デジタル技術による提供価値の向上と、インフラ事業者としての安定的な基盤強化を目指す。</p>
<p><img src="/images/learn/2608_Release/260813_henkaku/1.webp" width="900" height="506" alt="" /><span style="font-size: small;">（引用元：</span><a href="https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000242.000139670.html"><span style="font-size: small;">PR TIMES</span></a><span style="font-size: small;">）</span></p>
<p></p>
<p>本パートナーシップでは、Daigasグループが持つエネルギー事業のノウハウとシステム開発の知見に、日本IBMのAIをはじめとする先進技術を掛け合わせる。具体的には、3つの領域で検討や試行が進められる。</p>
<p></p>
<p>第一に、顧客への提供価値向上だ。多様化するニーズへ迅速に応えるため、AIエージェントなどの適用範囲を拡大し、既存システムを最新技術で再構築する「モダナイゼーション」を推進する。第二に、事業提供基盤の強化である。AIを活用した開発基盤を取り入れ、現行手法以上の省力化と工期短縮を図る。同時に、運用業務の自動化やサイバーセキュリティ対策の高度化も進める。</p>
<p></p>
<p>第三に、これらを支える人材の育成だ。AIやセキュリティといった戦略領域を担う高度なDX人材を、相互交流によって輩出していく。現在、複数の専門チームが立ち上がり、技術検証やロードマップの策定が進められている。2026年度中には、具体的なシステムや業務へのAI適用を一層拡大させていく計画だ。</p>
<div></div>
<p></p>
</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin178657489542026800 cparts-editsite--mainttl" id="cms-editor-textarea-sin178657489542034800">安全と変革の両立。日本を牽引する共創の力</h2>
<div id="cms-editor-minieditor-sin178657487908366500" class="cms-content-parts-sin178657487908399700">
<p>エネルギーなどの社会インフラを支える基幹システムは、高い安全性と安定稼働が求められる。そのため、最新技術の導入には慎重にならざるを得ず、長年にわたって既存のシステムが使い続けられる傾向にあった。しかし、変化の激しい現代において、旧来のシステムを維持するだけでは、多様化する顧客のニーズや高度化するサイバー攻撃といった新たな脅威に対応しきれなくなる。</p>
<p><img src="/images/learn/2608_Release/260813_henkaku/2.webp" width="900" height="595" alt="" /><span style="background-color: rgb(255, 255, 255); font-size: small;">（引用元：</span><a href="https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000242.000139670.html" style="font-size: 1.6rem; background-color: rgb(255, 255, 255);"><span style="font-size: small;">PR TIMES</span></a><span style="background-color: rgb(255, 255, 255); font-size: small;">）</span></p>
<p></p>
<p>今回の3社による共創アプローチは、こうした巨大インフラが直面するジレンマを超えるための実践的なモデルとなるだろう。企業が単独でAIの知見を蓄積するのではなく、最先端の技術を持つグローバル企業と深く連携し、互いの強みを補完し合う。現場のドメイン知識と最新テクノロジーが融合することで、単なる業務の効率化にとどまらず、より安全で柔軟な次世代の社会基盤が構築されていく。</p>
<p></p>
<p>さらに注目すべきは、AIによる省力化で生まれた余力を、「高度DX人材の育成」という未来への投資へ振り向けている点だ。システムの変革だけでなく、それを運用し、さらなる価値を創造する人材を育成する。この好循環こそが、長引くIT人材不足に対する根本的な処方箋となる。</p>
<p></p>
<p>インフラ企業が自ら変わり、新しい技術を貪欲に取り入れていく姿勢は、日本全体を牽引する力強いメッセージだ。安全と安定を守りながら、テクノロジーで果敢にアップデートを図る。大手企業同士の連携から生まれるこの熱量が、地域社会の課題を解決し、日本の産業を一段階上の成長ステージへと力強く押し上げていくはずだ。</p>
<div></div>
</div>
]]></content:encoded>
</item>

<item rdf:about="https://japanstep.jp/learn/2026/08/2308/">
<title>人生を懸ける仕事は、少年時代の畏怖から始まった【連載】社長の原点</title>
<link>https://japanstep.jp/learn/2026/08/2308/</link>
<description>

企業、行政、起業家、投資家など、宇宙ビジネスに関わる人々が国内外から集うSPACETIDE。日本・APAC地域を代表する宇宙ビジネスカンファレンスへと成長したこの組織を率いるのが、共同設立者 兼 代表理事 兼 CEOの石田 真康さんだ。
現在は日本の宇宙産業を牽引する一人として知られる石田さんだが、初めから宇宙を仕事にしようと考えていたわけではない。大学卒業後は外資系コンサルティングファームに入り、厳しい競争環境の中で実績を積み重ねていった。順調に見えたキャリアの途上で、自らの生き方を問い直す転機が訪れる。そのとき、石田さんが再び向き合ったのは、小学3年生の頃に強く惹かれた宇宙だった。（文＝JMPプロデューサー長谷川浩和）






お話を聞いたのは
&#160;
一般社団法人SPACETIDE 共同設立者 兼 代表理事 兼 CEO
石田 真康さん
2003年、東京大学工学部卒業後、A.T. カーニー（現Kearney）に入社。企業や政府機関への経営支援に携わった後、宇宙産業へと活動の領域を広げた。2015年にSPACETIDEを共同創設し、日本初の宇宙ビジネスカンファレンスを立ち上げた。現在は、産業や国境を越えて人や企業をつなぎ、宇宙産業の発展とエコシステムの形成に取り組む。日本政府の宇宙戦略基金のプログラムディレクターも務める。著書に『宇宙ビジネス入門 NewSpace革命の全貌』。





銀河系が、少年の世界を書き換えた




幼少期について尋ねると、石田さんは笑顔でこう答えた。

「生まれたのは地球です。地球の日本、千葉県市川市です」

石田さんと宇宙との最初の接点は、小学3年生の頃にさかのぼる。きっかけは、科学の授業でも天文学の図鑑でもなかった。当時夢中になっていた漫画『聖闘士星矢』だった。黄道十二宮を舞台にした物語から星座に興味を持ち、ゲーム『ファイナルファンタジー』に登場する武器の名前を調べるうち、ギリシャ神話や北欧神話へと関心が広がっていった。

星についてもっと知りたい。そう思った石田さんは、学校の図書館で宇宙の本を手に取った。ページを開いた少年の目に飛び込んできたのが、銀河系だった。

「銀河系の端の方に太陽系があり、その中に地球がある。地球の中に日本があり、その中に自分の住んでいる市川市がある。その構造を初めて認識したんです」（石田さん）

当時の石田さんにとって、実感のある世界は、市川市を中心とした関東近郊に限られていた。海外旅行の経験はなく、関東を離れる機会も多くはない。そこへ突然、これまで想像したこともなかった宇宙のスケールが現れた。本に記されていた世界のほとんどが、小学3年生だった石田さんの理解を超えていた。

「頭の中で何かが割れた音がしました。パリン、という感じです。それまでの自分の人生観が割れたのだと思います。自分には想像もできないスケールのものが、この世界に存在している。そのことに圧倒されましたし、理解できないからこそ、もっと知りたくなりました。同時に、自分がいかに小さな存在なのかも感じたんです。

あまりに興奮して、翌日、学級委員会でクラスのみんなに『銀河系の大きさを知っている？』と聞きました。周りからすれば、突然何の話をしているのかという感じだったと思います（笑）。宇宙への関心は、あの瞬間に生まれたのだと思います」（石田さん）

その後、小学校の天文クラブに入る。星や彗星について学び、夜には実際の空を観察した。先生が強い懐中電灯で星の位置を示すと、暗い夜空の中でも、どの星を指しているのかが分かった。

中学、高校へ進むにつれ、生活の中心はテニス部や受験勉強へ移っていった。宇宙について考える時間も、以前ほど多くはなくなった。すぐに進路や仕事へ結びついたわけではない。それでも、自分の理解をはるかに超える宇宙への関心と畏怖は、石田さんの中にあり続けた。





宇宙を選ばず、経営コンサルティングの世界へ




東京大学工学部で機械工学を学んだ石田さんだが、機械の設計や製造そのものには強く惹かれなかった。一方、大学生活ではイベントサークルの活動に熱中し、人が集まる場を仲間と企画することに面白さを感じていた。

「授業でエンジンをつくる機会があったのですが、あまり興味を持てませんでした。学科のほとんどの学生が大学院へ進む中で、自分は少し違うのではないかと思ったんです」（石田さん）

学部卒業後の就職を考え始めた石田さんの頭には、宇宙に関わる仕事も浮かんでいた。大学時代、当時の宇宙開発事業団、NASDAの講演を聞き、関連施設を訪れる機会があった。石田さんが宇宙に抱いていたのは、世界中の人々が国境を越えて協力する、開かれた世界への憧れだった。

実際に触れた宇宙開発は、石田さんが思い描いていた姿とは異なって見えた。宇宙開発は国家の政策や安全保障とも深く関わり、国際協力が進む一方で、国ごとの役割や情報の境界もある。純粋な憧れと、実際の産業や組織の姿との間に距離を感じたという。

「当時は、自分が想像していた宇宙の世界とは違うと思いました。そこで、宇宙業界へ進むことはいったん考えなくなりました。ちょうど進路も定まっていない頃で、文系の友人に誘われて経営コンサルティングファームの会社説明会へ行ったんです。そこで聞いたのが、『私たちは世の中を動かしている。ただ、何をしているかは言えない。挑戦したい人は受けてください』という趣旨の話でした。

仕事内容はほとんど分かりませんでした。でも、知恵でクライアントに価値を出し、社会を動かす仕事だと聞いて、とても挑戦的に感じたんです。世界中の優秀な人たちと仕事をしながら、自分がどこまで通用するのか試してみたいと思いました」（石田さん）

複数の経営コンサルティングファームを受け、石田さんはA.T. カーニーから内定を得た。最終段階では、英語で書かれたオファーレターを渡され、その場で入社の意思を問われたという。

「書かれている内容を、すべて理解できたわけではありません。それでも、面接で出会った人たちは知的で、それぞれに強い個性がありました。この人たちと一緒に働いてみたいと思ったんです」（石田さん）

先を見通したキャリア設計があったわけではない。2003年、石田さんは宇宙をいったん仕事の選択肢から外し、A.T. カーニーで戦略コンサルタントとしてのキャリアを歩み始めた。





厳しい評価から学んだ、プロの条件




入社後、2つ目のプロジェクトで、早くも厳しい評価を受けた。日本、ドイツ、アメリカの3カ国で進める案件で、業務はすべて英語だった。留学や海外居住の経験もなく、仕事で英語を使ったこともほとんどなかった石田さんにとって、入社早々の大きな試練となった。

「相手が話していることを十分に理解できず、自分の考えもうまく伝えられない。本当に何もできませんでした。英語で仕事をした経験がなく、チームが求めるだけの価値を出せなかったんです。

自分の力が足りなかったことは認めていました。ただ、評価について確認したい点もあり、当時の日本オフィスの社長に直接話をする機会をもらいました。どこに問題があったのか、事実と異なると考える点はどこかを、自分なりに整理して伝えました。最終的には評価を受け入れましたが、そのときは、正直会社に残れない可能性も覚悟していました」（石田さん）

その経験を経て、石田さんは次第に仕事で結果を残し、昇進を重ねていった。石田さんがA.T. カーニーに魅力を感じたのは、年次や肩書きではなく、プロフェッショナルとして生み出す価値が問われる文化だった。

「クライアントの前では、1年目も20年目も関係なく、発言の価値で見られました。若手だから意見を控えるのではなく、本質的に正しいことを言った人の意見が通る。社内では『Essential Rightness』という言葉が重視されていて、立場や力関係にとらわれず、クライアントにとって本当に必要な答えを考える姿勢が徹底されていました。

先輩からは、『学び方を学べ』『転んだ時ほど、すっと立ち上がれ』とも教えられました。同じ経験から一つしか学ばない人もいれば、十を学ぶ人もいる。問題が起きたときに、なぜ自分がこんな目に遭うのかと考え続けるのではなく、そこから何を学び、次にどう動くかを考える。早く動いた人ほど、早く立ち直れるということです」（石田さん）

石田さんは一日の終わりに、その日の気づきを「学びシート」に書き残した。うまくいった理由だけでなく、失敗の原因や、同じ状況にもう一度直面したらどう動くかまで、一つひとつ言葉にした。

苦手だった英語にも、同じ姿勢で向き合った。英語を避けられる案件へ移るのではなく、国際的なプロジェクトに入り続け、仕事の中で試行錯誤を重ねた。やがて、目標そのものも変わっていく。

「途中から、『英語力を上げたい』ではなく、『英語で良い仕事をしたい』と考えるようになりました。大切なのは、ネイティブのように流暢に話すことではありません。自分の職責を果たすために、会議で何を伝え、相手から何を引き出す必要があるのか。そのための準備を、日本語の会議以上に徹底しました。語学力そのものではなく、英語を使って成果を出すための戦術を磨くようになったんです」（石田さん）

厳しい環境から降りるのではなく、経験を振り返り、次の行動へ移す。A.T. カーニーで、石田さんはその習慣を身につけていった。





順調なキャリアの先で、「自分は何がしたいのか」




仕事は順調だった。クライアントの期待を上回る結果を出し、昇進を重ね、報酬も増えていく。外から見れば、申し分のないキャリアだった。

しかし、石田さんの中では、一つの問いが消えずにいた。

「クライアントの期待を超え、会社でも評価され、年収も上がる。そのサイクルは回っていました。でも、『俺は何がしたいんだろう』という問いだけは、ずっと消えなかったんです。

約2年間、自分を分析しました。どんな仕事に喜びを感じるのか、何を成し遂げたいのか、自分にとって大切なものは何なのか。考えたことを書き続け、その量は何百ページにもなりました。でも、ある日『これだ』と思っても、翌日には違う。いくら考えても、自分が何をしたいのか分かりませんでした」（石田さん）

29歳のとき、同僚との食事から帰る途中、突然、強い息苦しさに襲われた。救急搬送されたものの身体的な異常は見つからず、後にパニック発作と診断された。

仕事を約2カ月休み、復帰後も3年ほどは勤務時間を抑えながら働いた。この経験を境に、石田さんが仕事や人生を考える基準は大きく変わっていった。

「体調を崩したことで、このまま人生が終わる可能性もあるのだと、初めて現実として考えるようになりました。もし人生がこのまま終わるとしたら、後悔だけはしたくない。では、自分は何をしなければ後悔するのだろう、と考えたんです。

それまでの自分は、周囲から何を期待されているか、社会的にどのような意義があるか、自分の経験や能力をどう生かせるかといったことを基準に、仕事を考えていました。でも、そのときは、そうした条件ではなく、自分が本当に好きなことをやりたいと思ったんです。

そこで浮かんだのが、小学3年生の頃から好きだった宇宙でした。あれほど惹かれていたのに、自分はこれまで宇宙に関わることを何もしていない。そのことに気づいて、『何でもいいから宇宙を始めよう』と思いました」（石田さん）

こうして石田さんは、自らの役割を決める前に、まず宇宙に関わることを選んだ。





肩書きを外し、宇宙の現場へ




療養中に読んだ雑誌で、石田さんは日本チーム「HAKUTO（ハクト）」の記事を目にした。後のispaceへとつながるHAKUTOは、民間資金による世界初の無人月面探査レース「Google Lunar XPRIZE」に挑んでいた。

記事を読んだ石田さんは、「これだ」と感じた。HAKUTOの活動をインターネットで調べ、問い合わせフォームから連絡を送った。自らの経歴や経験を書き、活動に参加したいと申し出た。その後、当時HAKUTOの代表を務めていた袴田武史さんと会い、ボランティアとしてチームへ加わることになった。

当時の宇宙開発は、国や研究機関が主導する科学技術の領域だった。「宇宙を企業が担うビジネスとして捉える」という発想は、社会にまだ十分根づいておらず、石田さんが本業として携われるコンサルティング案件も、ほぼ存在しなかった。平日はA.T. カーニーで働き、週末はHAKUTOの活動を手伝う日々が始まる。

「最初は、コンサルタントとしてのスキルを生かす仕事ではありませんでした。スポンサー候補へ支援をお願いする手紙を書くような、地道な作業もありました。でも、自分の肩書きに合う仕事かどうかは気になりませんでした。宇宙に関われていること自体が、純粋に楽しかったんです」（石田さん）

活動を続ける中で、Google Lunar XPRIZEに参加する世界各国のチームが集まる会合へ出席する機会を得た。開催地はチリだった。さらにアメリカの宇宙関連カンファレンスにも足を運び、NASAやSpaceX、新興企業、投資家らが集う現場を目の当たりにした。

「世界には、こんなにも多くの宇宙ベンチャーがあるのかと驚きました。国籍も年齢も異なる人たちが、それぞれ本気で月を目指している。その熱量に圧倒されましたし、宇宙が国家だけのものではなく、民間企業が担う産業へと変わり始めていることを実感しました。一方で、日本ではその変化がまだ十分に伝わっていませんでした。だから、この熱を日本へ伝えたいと思ったんです」（石田さん）

石田さんはA.T. カーニーの広報担当者を通じて、『ITmedia』に記事企画を提案した。宇宙を技術開発の話題にとどめず、新たな産業の形成という視点から捉えた記事は、多くの読者を集め、「宇宙ビジネスの新潮流」と題した連載へ発展した。

発信を続けていた2015年、内閣府から宇宙政策委員会の委員就任を打診された。記事を通じて、石田さんの考え方が政策関係者の目に留まったのだ。

「宇宙業界の方々にとっては新しく見える変化も、自動車産業などを見てきた自分には、産業構造が変わる局面として理解できました。メーカーだけではなく、サプライヤーや金融、人材など、多くのプレーヤーが産業を支える。その構造は宇宙でも同じだと思ったんです」（石田さん）

週末のボランティアから始まった活動は、情報発信を経て、国の宇宙政策に関わるところまで広がった。





情熱を、産業の仕組みに変える




宇宙政策委員会では、日本の宇宙産業をどう発展させるか、さまざまな議論が交わされていた。ある会合で、一人の委員から、こんな言葉を掛けられた。

「『議論している時間があるなら、何かやらないのですか』と言われたんです。その場で、『そうだ、動こう』と決心しました。では何をやるかと考えたとき、日本には宇宙ビジネスについて業界全体で議論できる場がない。それなら、自分たちでカンファレンスをつくろうと思いました」（石田さん）

石田さんは、ispaceの袴田武史さん、アストロスケールの岡田光信さん、アクセルスペースの中村友哉さん、SPACETIDE 現CSO佐藤将史さんらと企画委員会を立ち上げた。当初は資金も運営組織もなかった。内閣府へ相談した結果、共同開催が決まり、2015年、第1回SPACETIDEが開幕した。初回には約400人が集まり、テレビをはじめとするメディアも会場を訪れた。

「『宇宙ビジネス』という言葉が、社会でも少しずつ使われ始めた時期だったのだと思います。そこへ世界の情報や人を集めたことで、世界で進む宇宙ビジネスの変化を、日本に伝える場をつくることができました。

ただ、宇宙ビジネスの存在を知ってもらうだけでは産業は育ちません。人材が足りないなら、新たな担い手が入ってくる仕組みをつくる。業界が分かりにくいなら、理解するための情報を届ける。産業の成長に必要な領域へ、活動を広げてきました」（石田さん）

初回に約400人だった参加者は、現在では約2,000人に増え、参加国も40カ国に広がった。活動の規模が拡大し、担う役割も増えるにつれ、ボランティア中心の運営には限界が見え始めた。石田さんは、SPACETIDEを継続的に運営できる事業へと転換していった。

「この10年で取り組んできたのは、自分の時間を100％宇宙に使える環境をつくることでした。好きなことでも、経済的に成り立たなければ続きません。これからの10年、20年、30年を宇宙に使うための土台を築いてきたんです。

産業を育てるには、政策、資本、企業、人材、国際関係など、さまざまな要素が必要です。宇宙は長く国が中心だったため、民間産業としての仕組みはまだ十分ではありません。その一つひとつを、多くの方と一緒につくっていくことが、自分の役割だと思っています」（石田さん）

SPACETIDEが掲げるビジョンは、「Unlocking Space for All Humanity」。

宇宙の可能性をすべての人に拓くこと。宇宙産業を担うのは、ロケットや衛星を開発する企業だけではない。技術が社会へ届き、新たな人材や企業が育つ環境を整えることも欠かせない。

小学3年生の頃に畏怖を抱いた宇宙を、産業として育て、社会へ拓いていく。それが、いまの石田さんの仕事である。

「宇宙に関わり始めたとき、報酬も名誉も期待していませんでした。社会的な意義も考えていなかった。ただ、好きだったから続けられたんです。でも続けていると、記事を書く機会が生まれ、政策の議論にも呼ばれるようになりました。最初から意義や報酬を求めすぎると、動き出せなくなると思います。5年、10年と続けていけば、それが仕事として形になり、一緒に取り組む人も増えていく。だから、最初の一歩は、もっと気楽に踏み出してよいと思うんです」（石田さん）





取材を終えて




アジア太平洋地域最大級の国際宇宙ビジネスカンファレンス「SPACETIDE」を率いる石田さんに、今回初めてお話を伺いました。取材で印象に残ったのは、石田さんが最初から明確な役割や大きな構想を持って、宇宙の世界へ入ったわけではないことです。

取材を通じて強く感じたのは、本質を考え、まず動き、続けることで、必要な仕事を自ら形にしてきた石田さんの姿勢です。まず現場に入り、必要なことを引き受け、続ける中で自らの仕事を形にしていく。さらに、好きなことを続けるためには、経済的に成り立つ基盤が欠かせないという現実も直視する。その両面に、石田さんの経営者としての強さを感じました。

90分のインタビューは、本当にあっという間で、まだ伺い切れないことが数多く残りました。SPACETIDEが歩んできた道のりや、これからの宇宙産業については、あらためて『SpaceStep』でも詳しくお話を伺いたいと思います。SPACETIDEがこれから、どのような出会いや挑戦を宇宙産業に生み出していくのか。SpaceStepとしても、その歩みを追い続けたいですし、引き続き共創させて頂ければと思っています。（文＝JMPプロデューサー長谷川浩和）




</description>
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<dc:category rdf:resource="https://japanstep.jp/learn/category/34">キャリア</dc:category>
<dc:creator></dc:creator>
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<dc:date>2026-08-14T07:00:00+09:00</dc:date>
<content:encoded><![CDATA[
<div id="cms-editor-minieditor-sin177860029686742500" class="cms-content-parts-sin177860029686749600">
<p><a href="http://japanstep.jp/learn/category/216/" rel="otherurl"><img src="/images/learn/Shacho_genten/SpaceBD/images20260513005643.webp" width="1280" height="376" alt="" /></a></p>
<p>企業、行政、起業家、投資家など、宇宙ビジネスに関わる人々が国内外から集うSPACETIDE。日本・APAC地域を代表する宇宙ビジネスカンファレンスへと成長したこの組織を率いるのが、共同設立者 兼 代表理事 兼 CEOの石田 真康さんだ。</p>
<p>現在は日本の宇宙産業を牽引する一人として知られる石田さんだが、初めから宇宙を仕事にしようと考えていたわけではない。大学卒業後は外資系コンサルティングファームに入り、厳しい競争環境の中で実績を積み重ねていった。順調に見えたキャリアの途上で、自らの生き方を問い直す転機が訪れる。そのとき、石田さんが再び向き合ったのは、小学3年生の頃に強く惹かれた宇宙だった。（文＝JMPプロデューサー長谷川浩和）</p>
<p></p>
</div>
<div class="cms-content-parts-sin177860030630268900 box parts_text_type02 cparts-id120--01 lay-margin-b--3 lay-padding--2" data-selectable="cparts-animate cparts-animate--slideInUp:上へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInDown:下へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInLeft:左へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInRight:右へスライド">
<div class="lay-row lay-no-gutters">
<div class="lay-col12-12">
<div class="cparts-editsite--txt cparts-txt-block lay-reset-child" id="cms-editor-minieditor-sin177860030630272800">
<p style="text-align: center;"><strong>お話を聞いたのは</strong></p>
<p style="text-align: center;">&#160;<img src="/images/learn/Shacho_genten/SPACETIDE/images20260812075245.webp" width="600" height="400" alt="" /></p>
<p style="text-align: center;"><b>一般社団法人SPACETIDE 共同設立者 兼 代表理事 兼 CEO<br />
石田 真康さん</b></p>
<p>2003年、東京大学工学部卒業後、A.T. カーニー（現Kearney）に入社。企業や政府機関への経営支援に携わった後、宇宙産業へと活動の領域を広げた。2015年にSPACETIDEを共同創設し、日本初の宇宙ビジネスカンファレンスを立ち上げた。現在は、産業や国境を越えて人や企業をつなぎ、宇宙産業の発展とエコシステムの形成に取り組む。日本政府の宇宙戦略基金のプログラムディレクターも務める。著書に『宇宙ビジネス入門 NewSpace革命の全貌』。</p>
<div></div>
</div>
</div>
</div>
</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin178648893403624900 cparts-editsite--mainttl" id="cms-editor-textarea-sin178648893403630800">銀河系が、少年の世界を書き換えた</h2>
<div class="cms-content-parts-sin178648899249882600 cparts-id119 lay-margin-b--3 box" data-selectable="cparts-animate cparts-animate--slideInUp:上へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInDown:下へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInLeft:左へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInRight:右へスライド">
<div class="lay-row">
<div class="lay-col12-xs-12 lay-col12-md-12 lay-col12-lg-12">
<div class="cparts-editsite--txt cparts-txt-block lay-reset-child" id="cms-editor-minieditor-sin178648899249857400">
<p>幼少期について尋ねると、石田さんは笑顔でこう答えた。</p>
<p></p>
<p>「生まれたのは地球です。地球の日本、千葉県市川市です」</p>
<p></p>
<p>石田さんと宇宙との最初の接点は、小学3年生の頃にさかのぼる。きっかけは、科学の授業でも天文学の図鑑でもなかった。当時夢中になっていた漫画『聖闘士星矢』だった。黄道十二宮を舞台にした物語から星座に興味を持ち、ゲーム『ファイナルファンタジー』に登場する武器の名前を調べるうち、ギリシャ神話や北欧神話へと関心が広がっていった。</p>
<p></p>
<p>星についてもっと知りたい。そう思った石田さんは、学校の図書館で宇宙の本を手に取った。ページを開いた少年の目に飛び込んできたのが、銀河系だった。</p>
<p></p>
<p>「銀河系の端の方に太陽系があり、その中に地球がある。地球の中に日本があり、その中に自分の住んでいる市川市がある。その構造を初めて認識したんです」（石田さん）</p>
<p><img src="/images/learn/Shacho_genten/SPACETIDE/images20260812075236.webp" width="900" height="600" alt="" /></p>
<p>当時の石田さんにとって、実感のある世界は、市川市を中心とした関東近郊に限られていた。海外旅行の経験はなく、関東を離れる機会も多くはない。そこへ突然、これまで想像したこともなかった宇宙のスケールが現れた。本に記されていた世界のほとんどが、小学3年生だった石田さんの理解を超えていた。</p>
<p></p>
<p>「頭の中で何かが割れた音がしました。パリン、という感じです。それまでの自分の人生観が割れたのだと思います。自分には想像もできないスケールのものが、この世界に存在している。そのことに圧倒されましたし、理解できないからこそ、もっと知りたくなりました。同時に、自分がいかに小さな存在なのかも感じたんです。</p>
<p></p>
<p>あまりに興奮して、翌日、学級委員会でクラスのみんなに『銀河系の大きさを知っている？』と聞きました。周りからすれば、突然何の話をしているのかという感じだったと思います（笑）。宇宙への関心は、あの瞬間に生まれたのだと思います」（石田さん）</p>
<p></p>
<p>その後、小学校の天文クラブに入る。星や彗星について学び、夜には実際の空を観察した。先生が強い懐中電灯で星の位置を示すと、暗い夜空の中でも、どの星を指しているのかが分かった。</p>
<p></p>
<p>中学、高校へ進むにつれ、生活の中心はテニス部や受験勉強へ移っていった。宇宙について考える時間も、以前ほど多くはなくなった。すぐに進路や仕事へ結びついたわけではない。それでも、自分の理解をはるかに超える宇宙への関心と畏怖は、石田さんの中にあり続けた。</p>
<div></div>
</div>
</div>
</div>
</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin178648897025900000 cparts-editsite--mainttl" id="cms-editor-textarea-sin178648897025903100">宇宙を選ばず、経営コンサルティングの世界へ</h2>
<div class="cms-content-parts-sin178648895682246800 cparts-id119 lay-margin-b--3 box" data-selectable="cparts-animate cparts-animate--slideInUp:上へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInDown:下へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInLeft:左へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInRight:右へスライド">
<div class="lay-row">
<div class="lay-col12-xs-12 lay-col12-md-12 lay-col12-lg-12">
<div class="cparts-editsite--txt cparts-txt-block lay-reset-child" id="cms-editor-minieditor-sin178648895682395500">
<p>東京大学工学部で機械工学を学んだ石田さんだが、機械の設計や製造そのものには強く惹かれなかった。一方、大学生活ではイベントサークルの活動に熱中し、人が集まる場を仲間と企画することに面白さを感じていた。</p>
<p></p>
<p>「授業でエンジンをつくる機会があったのですが、あまり興味を持てませんでした。学科のほとんどの学生が大学院へ進む中で、自分は少し違うのではないかと思ったんです」（石田さん）</p>
<p></p>
<p>学部卒業後の就職を考え始めた石田さんの頭には、宇宙に関わる仕事も浮かんでいた。大学時代、当時の宇宙開発事業団、NASDAの講演を聞き、関連施設を訪れる機会があった。石田さんが宇宙に抱いていたのは、世界中の人々が国境を越えて協力する、開かれた世界への憧れだった。</p>
<p></p>
<p>実際に触れた宇宙開発は、石田さんが思い描いていた姿とは異なって見えた。宇宙開発は国家の政策や安全保障とも深く関わり、国際協力が進む一方で、国ごとの役割や情報の境界もある。純粋な憧れと、実際の産業や組織の姿との間に距離を感じたという。</p>
<p></p>
<p>「当時は、自分が想像していた宇宙の世界とは違うと思いました。そこで、宇宙業界へ進むことはいったん考えなくなりました。ちょうど進路も定まっていない頃で、文系の友人に誘われて経営コンサルティングファームの会社説明会へ行ったんです。そこで聞いたのが、『私たちは世の中を動かしている。ただ、何をしているかは言えない。挑戦したい人は受けてください』という趣旨の話でした。</p>
<p></p>
<p>仕事内容はほとんど分かりませんでした。でも、知恵でクライアントに価値を出し、社会を動かす仕事だと聞いて、とても挑戦的に感じたんです。世界中の優秀な人たちと仕事をしながら、自分がどこまで通用するのか試してみたいと思いました」（石田さん）</p>
<p><img src="/images/learn/Shacho_genten/SPACETIDE/images20260812075226.webp" width="900" height="600" alt="" /></p>
<p>複数の経営コンサルティングファームを受け、石田さんはA.T. カーニーから内定を得た。最終段階では、英語で書かれたオファーレターを渡され、その場で入社の意思を問われたという。</p>
<p></p>
<p>「書かれている内容を、すべて理解できたわけではありません。それでも、面接で出会った人たちは知的で、それぞれに強い個性がありました。この人たちと一緒に働いてみたいと思ったんです」（石田さん）</p>
<p></p>
<p>先を見通したキャリア設計があったわけではない。2003年、石田さんは宇宙をいったん仕事の選択肢から外し、A.T. カーニーで戦略コンサルタントとしてのキャリアを歩み始めた。</p>
<div></div>
</div>
</div>
</div>
</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin178648897324920800 cparts-editsite--mainttl" id="cms-editor-textarea-sin178648897324928300">厳しい評価から学んだ、プロの条件</h2>
<div class="cms-content-parts-sin178648900143186200 cparts-id119 lay-margin-b--3 box" data-selectable="cparts-animate cparts-animate--slideInUp:上へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInDown:下へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInLeft:左へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInRight:右へスライド">
<div class="lay-row">
<div class="lay-col12-xs-12 lay-col12-md-12 lay-col12-lg-12">
<div class="cparts-editsite--txt cparts-txt-block lay-reset-child" id="cms-editor-minieditor-sin178648900143076700">
<p>入社後、2つ目のプロジェクトで、早くも厳しい評価を受けた。日本、ドイツ、アメリカの3カ国で進める案件で、業務はすべて英語だった。留学や海外居住の経験もなく、仕事で英語を使ったこともほとんどなかった石田さんにとって、入社早々の大きな試練となった。</p>
<p></p>
<p>「相手が話していることを十分に理解できず、自分の考えもうまく伝えられない。本当に何もできませんでした。英語で仕事をした経験がなく、チームが求めるだけの価値を出せなかったんです。</p>
<p></p>
<p>自分の力が足りなかったことは認めていました。ただ、評価について確認したい点もあり、当時の日本オフィスの社長に直接話をする機会をもらいました。どこに問題があったのか、事実と異なると考える点はどこかを、自分なりに整理して伝えました。最終的には評価を受け入れましたが、そのときは、正直会社に残れない可能性も覚悟していました」（石田さん）</p>
<p></p>
<p>その経験を経て、石田さんは次第に仕事で結果を残し、昇進を重ねていった。石田さんがA.T. カーニーに魅力を感じたのは、年次や肩書きではなく、プロフェッショナルとして生み出す価値が問われる文化だった。</p>
<p></p>
<p>「クライアントの前では、1年目も20年目も関係なく、発言の価値で見られました。若手だから意見を控えるのではなく、本質的に正しいことを言った人の意見が通る。社内では『Essential Rightness』という言葉が重視されていて、立場や力関係にとらわれず、クライアントにとって本当に必要な答えを考える姿勢が徹底されていました。</p>
<p></p>
<p>先輩からは、『学び方を学べ』『転んだ時ほど、すっと立ち上がれ』とも教えられました。同じ経験から一つしか学ばない人もいれば、十を学ぶ人もいる。問題が起きたときに、なぜ自分がこんな目に遭うのかと考え続けるのではなく、そこから何を学び、次にどう動くかを考える。早く動いた人ほど、早く立ち直れるということです」（石田さん）</p>
<p><img src="/images/learn/Shacho_genten/SPACETIDE/images20260812075232.webp" width="900" height="600" alt="" /></p>
<p>石田さんは一日の終わりに、その日の気づきを「学びシート」に書き残した。うまくいった理由だけでなく、失敗の原因や、同じ状況にもう一度直面したらどう動くかまで、一つひとつ言葉にした。</p>
<p></p>
<p>苦手だった英語にも、同じ姿勢で向き合った。英語を避けられる案件へ移るのではなく、国際的なプロジェクトに入り続け、仕事の中で試行錯誤を重ねた。やがて、目標そのものも変わっていく。</p>
<p></p>
<p>「途中から、『英語力を上げたい』ではなく、『英語で良い仕事をしたい』と考えるようになりました。大切なのは、ネイティブのように流暢に話すことではありません。自分の職責を果たすために、会議で何を伝え、相手から何を引き出す必要があるのか。そのための準備を、日本語の会議以上に徹底しました。語学力そのものではなく、英語を使って成果を出すための戦術を磨くようになったんです」（石田さん）</p>
<p></p>
<p>厳しい環境から降りるのではなく、経験を振り返り、次の行動へ移す。A.T. カーニーで、石田さんはその習慣を身につけていった。</p>
<div></div>
</div>
</div>
</div>
</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin178648897664645100 cparts-editsite--mainttl" id="cms-editor-textarea-sin178648897664653200">順調なキャリアの先で、「自分は何がしたいのか」</h2>
<div class="cms-content-parts-sin178648898805083900 cparts-id119 lay-margin-b--3 box" data-selectable="cparts-animate cparts-animate--slideInUp:上へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInDown:下へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInLeft:左へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInRight:右へスライド">
<div class="lay-row">
<div class="lay-col12-xs-12 lay-col12-md-12 lay-col12-lg-12">
<div class="cparts-editsite--txt cparts-txt-block lay-reset-child" id="cms-editor-minieditor-sin178648898804962300">
<p>仕事は順調だった。クライアントの期待を上回る結果を出し、昇進を重ね、報酬も増えていく。外から見れば、申し分のないキャリアだった。</p>
<p></p>
<p>しかし、石田さんの中では、一つの問いが消えずにいた。</p>
<p></p>
<p>「クライアントの期待を超え、会社でも評価され、年収も上がる。そのサイクルは回っていました。でも、『俺は何がしたいんだろう』という問いだけは、ずっと消えなかったんです。</p>
<p></p>
<p>約2年間、自分を分析しました。どんな仕事に喜びを感じるのか、何を成し遂げたいのか、自分にとって大切なものは何なのか。考えたことを書き続け、その量は何百ページにもなりました。でも、ある日『これだ』と思っても、翌日には違う。いくら考えても、自分が何をしたいのか分かりませんでした」（石田さん）</p>
<p></p>
<p>29歳のとき、同僚との食事から帰る途中、突然、強い息苦しさに襲われた。救急搬送されたものの身体的な異常は見つからず、後にパニック発作と診断された。</p>
<p><img src="/images/learn/Shacho_genten/SPACETIDE/images20260812075209.webp" width="900" height="600" alt="" /></p>
<p>仕事を約2カ月休み、復帰後も3年ほどは勤務時間を抑えながら働いた。この経験を境に、石田さんが仕事や人生を考える基準は大きく変わっていった。</p>
<p></p>
<p>「体調を崩したことで、このまま人生が終わる可能性もあるのだと、初めて現実として考えるようになりました。もし人生がこのまま終わるとしたら、後悔だけはしたくない。では、自分は何をしなければ後悔するのだろう、と考えたんです。</p>
<p></p>
<p>それまでの自分は、周囲から何を期待されているか、社会的にどのような意義があるか、自分の経験や能力をどう生かせるかといったことを基準に、仕事を考えていました。でも、そのときは、そうした条件ではなく、自分が本当に好きなことをやりたいと思ったんです。</p>
<p></p>
<p>そこで浮かんだのが、小学3年生の頃から好きだった宇宙でした。あれほど惹かれていたのに、自分はこれまで宇宙に関わることを何もしていない。そのことに気づいて、『何でもいいから宇宙を始めよう』と思いました」（石田さん）</p>
<p></p>
<p>こうして石田さんは、自らの役割を決める前に、まず宇宙に関わることを選んだ。</p>
<div></div>
</div>
</div>
</div>
</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin178648896746510500 cparts-editsite--mainttl" id="cms-editor-textarea-sin178648896746517900">肩書きを外し、宇宙の現場へ</h2>
<div class="cms-content-parts-sin178648898322995500 cparts-id119 lay-margin-b--3 box" data-selectable="cparts-animate cparts-animate--slideInUp:上へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInDown:下へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInLeft:左へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInRight:右へスライド">
<div class="lay-row">
<div class="lay-col12-xs-12 lay-col12-md-12 lay-col12-lg-12">
<div class="cparts-editsite--txt cparts-txt-block lay-reset-child" id="cms-editor-minieditor-sin178648898322941100">
<p>療養中に読んだ雑誌で、石田さんは日本チーム「HAKUTO（ハクト）」の記事を目にした。後のispaceへとつながるHAKUTOは、民間資金による世界初の無人月面探査レース「Google Lunar XPRIZE」に挑んでいた。</p>
<p></p>
<p>記事を読んだ石田さんは、「これだ」と感じた。HAKUTOの活動をインターネットで調べ、問い合わせフォームから連絡を送った。自らの経歴や経験を書き、活動に参加したいと申し出た。その後、当時HAKUTOの代表を務めていた袴田武史さんと会い、ボランティアとしてチームへ加わることになった。</p>
<p></p>
<p>当時の宇宙開発は、国や研究機関が主導する科学技術の領域だった。「宇宙を企業が担うビジネスとして捉える」という発想は、社会にまだ十分根づいておらず、石田さんが本業として携われるコンサルティング案件も、ほぼ存在しなかった。平日はA.T. カーニーで働き、週末はHAKUTOの活動を手伝う日々が始まる。</p>
<p></p>
<p>「最初は、コンサルタントとしてのスキルを生かす仕事ではありませんでした。スポンサー候補へ支援をお願いする手紙を書くような、地道な作業もありました。でも、自分の肩書きに合う仕事かどうかは気になりませんでした。宇宙に関われていること自体が、純粋に楽しかったんです」（石田さん）</p>
<p><img src="/images/learn/Shacho_genten/SPACETIDE/images20260812075215.webp" width="900" height="600" alt="" /></p>
<p>活動を続ける中で、Google Lunar XPRIZEに参加する世界各国のチームが集まる会合へ出席する機会を得た。開催地はチリだった。さらにアメリカの宇宙関連カンファレンスにも足を運び、NASAやSpaceX、新興企業、投資家らが集う現場を目の当たりにした。</p>
<p></p>
<p>「世界には、こんなにも多くの宇宙ベンチャーがあるのかと驚きました。国籍も年齢も異なる人たちが、それぞれ本気で月を目指している。その熱量に圧倒されましたし、宇宙が国家だけのものではなく、民間企業が担う産業へと変わり始めていることを実感しました。一方で、日本ではその変化がまだ十分に伝わっていませんでした。だから、この熱を日本へ伝えたいと思ったんです」（石田さん）</p>
<p></p>
<p>石田さんはA.T. カーニーの広報担当者を通じて、『ITmedia』に記事企画を提案した。宇宙を技術開発の話題にとどめず、新たな産業の形成という視点から捉えた記事は、多くの読者を集め、「宇宙ビジネスの新潮流」と題した連載へ発展した。</p>
<p></p>
<p>発信を続けていた2015年、内閣府から宇宙政策委員会の委員就任を打診された。記事を通じて、石田さんの考え方が政策関係者の目に留まったのだ。</p>
<p></p>
<p>「宇宙業界の方々にとっては新しく見える変化も、自動車産業などを見てきた自分には、産業構造が変わる局面として理解できました。メーカーだけではなく、サプライヤーや金融、人材など、多くのプレーヤーが産業を支える。その構造は宇宙でも同じだと思ったんです」（石田さん）</p>
<p></p>
<p>週末のボランティアから始まった活動は、情報発信を経て、国の宇宙政策に関わるところまで広がった。</p>
<div></div>
</div>
</div>
</div>
</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin178648896234704100 cparts-editsite--mainttl" id="cms-editor-textarea-sin178648896234743100">情熱を、産業の仕組みに変える</h2>
<div class="cms-content-parts-sin178648897997851400 cparts-id119 lay-margin-b--3 box" data-selectable="cparts-animate cparts-animate--slideInUp:上へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInDown:下へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInLeft:左へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInRight:右へスライド">
<div class="lay-row">
<div class="lay-col12-xs-12 lay-col12-md-12 lay-col12-lg-12">
<div class="cparts-editsite--txt cparts-txt-block lay-reset-child" id="cms-editor-minieditor-sin178648897997678200">
<p>宇宙政策委員会では、日本の宇宙産業をどう発展させるか、さまざまな議論が交わされていた。ある会合で、一人の委員から、こんな言葉を掛けられた。</p>
<p></p>
<p>「『議論している時間があるなら、何かやらないのですか』と言われたんです。その場で、『そうだ、動こう』と決心しました。では何をやるかと考えたとき、日本には宇宙ビジネスについて業界全体で議論できる場がない。それなら、自分たちでカンファレンスをつくろうと思いました」（石田さん）</p>
<p></p>
<p>石田さんは、ispaceの袴田武史さん、アストロスケールの岡田光信さん、アクセルスペースの中村友哉さん、SPACETIDE 現CSO佐藤将史さんらと企画委員会を立ち上げた。当初は資金も運営組織もなかった。内閣府へ相談した結果、共同開催が決まり、2015年、第1回SPACETIDEが開幕した。初回には約400人が集まり、テレビをはじめとするメディアも会場を訪れた。</p>
<p></p>
<p>「『宇宙ビジネス』という言葉が、社会でも少しずつ使われ始めた時期だったのだと思います。そこへ世界の情報や人を集めたことで、世界で進む宇宙ビジネスの変化を、日本に伝える場をつくることができました。</p>
<p></p>
<p>ただ、宇宙ビジネスの存在を知ってもらうだけでは産業は育ちません。人材が足りないなら、新たな担い手が入ってくる仕組みをつくる。業界が分かりにくいなら、理解するための情報を届ける。産業の成長に必要な領域へ、活動を広げてきました」（石田さん）</p>
<p></p>
<p>初回に約400人だった参加者は、現在では約2,000人に増え、参加国も40カ国に広がった。活動の規模が拡大し、担う役割も増えるにつれ、ボランティア中心の運営には限界が見え始めた。石田さんは、SPACETIDEを継続的に運営できる事業へと転換していった。</p>
<p></p>
<p>「この10年で取り組んできたのは、自分の時間を100％宇宙に使える環境をつくることでした。好きなことでも、経済的に成り立たなければ続きません。これからの10年、20年、30年を宇宙に使うための土台を築いてきたんです。</p>
<p></p>
<p>産業を育てるには、政策、資本、企業、人材、国際関係など、さまざまな要素が必要です。宇宙は長く国が中心だったため、民間産業としての仕組みはまだ十分ではありません。その一つひとつを、多くの方と一緒につくっていくことが、自分の役割だと思っています」（石田さん）</p>
<p><img src="/images/learn/Shacho_genten/SPACETIDE/images20260812075221.webp" width="900" height="600" alt="" /></p>
<p>SPACETIDEが掲げるビジョンは、「Unlocking Space for All Humanity」。</p>
<p></p>
<p>宇宙の可能性をすべての人に拓くこと。宇宙産業を担うのは、ロケットや衛星を開発する企業だけではない。技術が社会へ届き、新たな人材や企業が育つ環境を整えることも欠かせない。</p>
<p></p>
<p>小学3年生の頃に畏怖を抱いた宇宙を、産業として育て、社会へ拓いていく。それが、いまの石田さんの仕事である。</p>
<p></p>
<p>「宇宙に関わり始めたとき、報酬も名誉も期待していませんでした。社会的な意義も考えていなかった。ただ、好きだったから続けられたんです。でも続けていると、記事を書く機会が生まれ、政策の議論にも呼ばれるようになりました。最初から意義や報酬を求めすぎると、動き出せなくなると思います。5年、10年と続けていけば、それが仕事として形になり、一緒に取り組む人も増えていく。だから、最初の一歩は、もっと気楽に踏み出してよいと思うんです」（石田さん）</p>
<div></div>
</div>
</div>
</div>
</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin178648917670397500 cparts-editsite--mainttl" id="cms-editor-textarea-sin178648917670412100">取材を終えて</h2>
<div class="cms-content-parts-sin178648917967823000 cparts-id119 lay-margin-b--3 box" data-selectable="cparts-animate cparts-animate--slideInUp:上へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInDown:下へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInLeft:左へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInRight:右へスライド">
<div class="lay-row">
<div class="lay-col12-xs-12 lay-col12-md-12 lay-col12-lg-12">
<div class="cparts-editsite--txt cparts-txt-block lay-reset-child" id="cms-editor-minieditor-sin178648917967724600">
<p>アジア太平洋地域最大級の国際宇宙ビジネスカンファレンス「SPACETIDE」を率いる石田さんに、今回初めてお話を伺いました。取材で印象に残ったのは、石田さんが最初から明確な役割や大きな構想を持って、宇宙の世界へ入ったわけではないことです。</p>
<p></p>
<p>取材を通じて強く感じたのは、本質を考え、まず動き、続けることで、必要な仕事を自ら形にしてきた石田さんの姿勢です。まず現場に入り、必要なことを引き受け、続ける中で自らの仕事を形にしていく。さらに、好きなことを続けるためには、経済的に成り立つ基盤が欠かせないという現実も直視する。その両面に、石田さんの経営者としての強さを感じました。</p>
<p></p>
<p>90分のインタビューは、本当にあっという間で、まだ伺い切れないことが数多く残りました。SPACETIDEが歩んできた道のりや、これからの宇宙産業については、あらためて『SpaceStep』でも詳しくお話を伺いたいと思います。SPACETIDEがこれから、どのような出会いや挑戦を宇宙産業に生み出していくのか。SpaceStepとしても、その歩みを追い続けたいですし、引き続き共創させて頂ければと思っています。（文＝JMPプロデューサー長谷川浩和）</p>
<div><img src="/images/learn/Shacho_genten/SPACETIDE/images20260812075252.webp" width="900" height="599" alt="" /></div>
</div>
</div>
</div>
</div>
]]></content:encoded>
</item>

<item rdf:about="https://japanstep.jp/learn/2026/08/2304/">
<title>独自通貨で移動を共有。宇和島の共助経済</title>
<link>https://japanstep.jp/learn/2026/08/2304/</link>
<description>
地方で暮らすには、車が不可欠だ。この常識が、新たな地へ踏み出そうとする若者の足を止め、可処分所得を削り取る重い鎖となってきた。車両の購入費や保険、燃料、そして維持費。移動のための代償は、時に家賃よりも高い壁として立ちはだかる。一方で、免許を返納した地域の高齢者は、公共交通の空白地帯で外出そのものを断念せざるを得ない現実に直面している。
2026年4月、愛媛県宇和島市で始動した次世代モビリティコモンズ「Comove（コムーブ）」の実証実験は、移動手段を個人の「所有」から地域の「共有財産」へと転換することで、この不条理を突破する試みだ。過疎化が進む最前線で、地方の豊かさを書き換える挑戦が本格化している。（文＝JapanStep編集部）


法定通貨に頼らない移動。パラレルコインが繋ぐ共有経済

愛媛県宇和島市で地域イノベーション事業を展開する株式会社空庵は、2026年4月1日より、石応エリアを中心とした「Comove」の実証実験を開始した。本プロジェクトは軽乗用車10台を中心に、マウンテンバイクや、電動三輪車などを組み合わせた共同利用モデルである。
（引用元：PR TIMES）

最大の特徴は、決済に法定通貨を用いず、独自通貨「パラレルコイン」を採用している点だ。このコインはブロックチェーン上のスマートコントラクトによって管理され、発行から180日で自動的に失効する。また、外部市場での換金や投資を目的としない「コミュニティ内限定の利用トークン」としての性質を持つ。法定通貨の経済圏から意図的に隔離されたこの設計により、地域内で発生した善意やエネルギーが外部へ流出することなく、住民同士の共助を支える力として機能し続ける環境が整えられているのだ。

この仕組みの核心は、車両の清掃や送迎といった地域への貢献行動を、そのまま移動の原資へと変換する点にある。ユーザーは自らの活動を通じてパラレルコインを獲得し、対価として支払うことで、法定通貨を介さない自律的な循環を形成する。移住者の現金支出を抑制し、生活コストを低減させるこの設計は、若者が地方で新しい挑戦を始めるための実務的なセーフティネットとして機能している。空き家活用を通じた住居支援に加え、移動をも共有化するアプローチは、地方暮らしのハードルを大きく引き下げるものだと言えるだろう。


移動を「ウェルビーイング」へ。世代を越える共助のインフラ

空庵による今回の実証実験が提示しているのは、移動手段を「所有」という経済的負担から切り離したときに、人々のライフスタイルにどのような質的変容が起きるかという問いである。

車を維持するコストや手間に縛られなくなることで、移動は「地方生活における避けて通れない制約」から、地域の自然を感じ、心身を整える「ウェルビーイング」の源泉へと姿を変える。あえて電動アシストを省いたマウンテンバイクの導入し、自らの身体で宇和島の豊かな地形を駆ける体験を提供する試みは、その象徴といえるだろう。
（引用元：PR TIMES）

また、本プロジェクトの視線は将来的な地域住民、特に高齢者の外出支援へも向けられている。若者の活力が地域貢献のコインに変わり、それが地域の移動インフラを支える力となる仕組みは、人手不足が深刻な地方交通の隙間を埋める役割を担う。デジタル技術に支えられた相互扶助は、行政サービスだけでは対応しきれない移動の空白を補完する新たなインフラとなるはずだ。

地方における真の豊かさは、経済的な成長だけでなく、コストに縛られない「移動の自由」や「支え合い」の中に求められている。Comoveが示した独自通貨による自律的なインフラ構築は、行政に頼り切ることなく、地域が自らの力で公共サービスを維持するための実効性の高いモデルだ。世代を超えて「外へ出る喜び」を共有し合うその姿は、日本の過疎地域を、制約の多い場所から「挑戦を支えるプラットフォーム」へと進化させる力強い推進力となるだろう。

</description>
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<dc:category rdf:resource="https://japanstep.jp/learn/category/35">カルチャー</dc:category>
<dc:creator></dc:creator>
<dc:subject></dc:subject>
<dc:date>2026-08-13T07:00:00+09:00</dc:date>
<content:encoded><![CDATA[
<div id="cms-editor-minieditor-sin178648607931117000" class="cms-content-parts-sin178648607931125000">
<p>地方で暮らすには、車が不可欠だ。この常識が、新たな地へ踏み出そうとする若者の足を止め、可処分所得を削り取る重い鎖となってきた。車両の購入費や保険、燃料、そして維持費。移動のための代償は、時に家賃よりも高い壁として立ちはだかる。一方で、免許を返納した地域の高齢者は、公共交通の空白地帯で外出そのものを断念せざるを得ない現実に直面している。<br />
2026年4月、愛媛県宇和島市で始動した次世代モビリティコモンズ「Comove（コムーブ）」の実証実験は、移動手段を個人の「所有」から地域の「共有財産」へと転換することで、この不条理を突破する試みだ。過疎化が進む最前線で、地方の豊かさを書き換える挑戦が本格化している。（文＝JapanStep編集部）</p>
<div></div>
</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin178648611834444500 cparts-editsite--mainttl" id="cms-editor-textarea-sin178648611834449100">法定通貨に頼らない移動。パラレルコインが繋ぐ共有経済</h2>
<div id="cms-editor-minieditor-sin178648610682232600" class="cms-content-parts-sin178648610682240400">
<p>愛媛県宇和島市で地域イノベーション事業を展開する株式会社空庵は、2026年4月1日より、石応エリアを中心とした「Comove」の実証実験を開始した。本プロジェクトは軽乗用車10台を中心に、マウンテンバイクや、電動三輪車などを組み合わせた共同利用モデルである。</p>
<p><img src="/images/learn/2608_Release/260812_dokuji/1.webp" width="900" height="504" alt="" /><span style="font-size: small;">（引用元：</span><a href="https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000010.000165898.html"><span style="font-size: small;">PR TIMES</span></a><span style="font-size: small;">）</span></p>
<p></p>
<p>最大の特徴は、決済に法定通貨を用いず、独自通貨「パラレルコイン」を採用している点だ。このコインはブロックチェーン上のスマートコントラクトによって管理され、発行から180日で自動的に失効する。また、外部市場での換金や投資を目的としない「コミュニティ内限定の利用トークン」としての性質を持つ。法定通貨の経済圏から意図的に隔離されたこの設計により、地域内で発生した善意やエネルギーが外部へ流出することなく、住民同士の共助を支える力として機能し続ける環境が整えられているのだ。</p>
<p></p>
<p>この仕組みの核心は、車両の清掃や送迎といった地域への貢献行動を、そのまま移動の原資へと変換する点にある。ユーザーは自らの活動を通じてパラレルコインを獲得し、対価として支払うことで、法定通貨を介さない自律的な循環を形成する。移住者の現金支出を抑制し、生活コストを低減させるこの設計は、若者が地方で新しい挑戦を始めるための実務的なセーフティネットとして機能している。空き家活用を通じた住居支援に加え、移動をも共有化するアプローチは、地方暮らしのハードルを大きく引き下げるものだと言えるだろう。</p>
<div></div>
</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin178648612151584200 cparts-editsite--mainttl" id="cms-editor-textarea-sin178648612151592200">移動を「ウェルビーイング」へ。世代を越える共助のインフラ</h2>
<div id="cms-editor-minieditor-sin178648610401744700" class="cms-content-parts-sin178648610401755700">
<p>空庵による今回の実証実験が提示しているのは、移動手段を「所有」という経済的負担から切り離したときに、人々のライフスタイルにどのような質的変容が起きるかという問いである。</p>
<p></p>
<p>車を維持するコストや手間に縛られなくなることで、移動は「地方生活における避けて通れない制約」から、地域の自然を感じ、心身を整える「ウェルビーイング」の源泉へと姿を変える。あえて電動アシストを省いたマウンテンバイクの導入し、自らの身体で宇和島の豊かな地形を駆ける体験を提供する試みは、その象徴といえるだろう。</p>
<p><img src="/images/learn/2608_Release/260812_dokuji/2.webp" width="900" height="506" alt="" /><span style="font-size: small;">（引用元：</span><a href="https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000010.000165898.html" style="font-size: 1.6rem;"><span style="font-size: small;">PR TIMES</span></a><span style="font-size: small;">）</span></p>
<p></p>
<p>また、本プロジェクトの視線は将来的な地域住民、特に高齢者の外出支援へも向けられている。若者の活力が地域貢献のコインに変わり、それが地域の移動インフラを支える力となる仕組みは、人手不足が深刻な地方交通の隙間を埋める役割を担う。デジタル技術に支えられた相互扶助は、行政サービスだけでは対応しきれない移動の空白を補完する新たなインフラとなるはずだ。</p>
<p></p>
<p>地方における真の豊かさは、経済的な成長だけでなく、コストに縛られない「移動の自由」や「支え合い」の中に求められている。Comoveが示した独自通貨による自律的なインフラ構築は、行政に頼り切ることなく、地域が自らの力で公共サービスを維持するための実効性の高いモデルだ。世代を超えて「外へ出る喜び」を共有し合うその姿は、日本の過疎地域を、制約の多い場所から「挑戦を支えるプラットフォーム」へと進化させる力強い推進力となるだろう。</p>
<div></div>
</div>
]]></content:encoded>
</item>

<item rdf:about="https://japanstep.jp/learn/2026/08/2301/">
<title>マイナンバー業務もAIへ。奈良市が拓く行政DX</title>
<link>https://japanstep.jp/learn/2026/08/2301/</link>
<description>
30年後、この街の生産年齢人口は4割減り、20歳の若者は6割減少する。奈良市が公表したこの推計値は、地方自治体がこれまでの延長線上では公共サービスを維持できないという避けられない未来を予告している。職員の手作業に依存した行政のあり方は、組織の存続を脅かすリスクとなりつつある。自治体におけるDXは単なる効率化の手段ではなく、市民の暮らしを最低限守り抜くための「生存戦略」へと、そのフェーズを変えたのだ。
2026年4月、奈良市が発表した「セキュアAI基盤」の構築は、行政のデジタル化において長く放置されてきた最後の空白地帯に光を当てる試みだ。住民情報や税などの高度な機密情報を扱う領域に、いかにして安全に生成AIを導入するか。国が認定したガバメントクラウドを足場に、情報の隔離と最新知能の活用を両立させたこの取り組みは、日本の行政システムを次なるステージへと押し上げる一石となるだろう。（文＝JapanStep編集部）


「空白地帯」への進出。ガバメントクラウドによる安全なAI基盤


（引用元：PR TIMES）

奈良市が打ち出した施策は、少子高齢化に伴う深刻な働き手不足を背景とした抜本的な業務改革である。奈良市は株式会社日立システムズおよびアマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社と連携し、自治体専用の閉域ネットワーク上で生成AIを活用できる環境を整備した。

自治体のネットワーク環境は通常、セキュリティの観点から三層に分離されている。これまで生成AIの活用が進んできたのは、主に外部と接続された「インターネット系」の業務であった。
（引用元：PR TIMES）

一方で、住民の個人情報やマイナンバーを直接扱う「個人番号利用事務系」は、高度な秘匿性が求められるがゆえに、AI活用が困難な領域として全国的に取り残されてきた。奈良市はこの領域に接続される約1,000台のPCにおいて、安全な生成AI利用環境を全国に先駆けて構築した格好だ。

技術的な基盤として採用されたのは、デジタル庁が管理する「ガバメントクラウド」である。国が認定した高水準のセキュリティ基準を満たすこのクラウド環境を活用することで、市民の個人情報や機微データがインターネットへ流出するリスクを遮断しつつ、AIの力を最大限に引き出すことが可能となった。

（引用元：PR TIMES）

従来の自治体で見られた、個別のPCにAIを構築するローカル環境の手法と比較して、接続数の制限がなく全庁的な拡張性を確保できる点が本基盤の大きな特徴といえる。


公共サービスを維持。人口減少を前提とした「守り」のDX

奈良市による今回の取り組みが示唆するのは、地方行政におけるテクノロジーの役割が「事務の補助」から「行政機能の維持」という基幹的なインフラに昇華した事実だ。

これまでの自治体AI活用は、メールのドラフト作成や議事録の要約といった周辺業務の効率化にとどまっていた。しかし、住民福祉や税務に直結する基幹業務にAIが導入されることで、複雑な制度の照会や事務処理の判断支援が可能となる。これは、限られた人的リソースを定型的な事務作業から解放し、対面での相談や生活支援といった「人間にしかできない直接的な市民サービス」へと回帰させるための必然的なステップといえるだろう。

また、本プロジェクトがガバメントクラウドという共通基盤の上で構築された意義も大きい。地方自治体が個別にシステムを開発・維持する負担は、財政を圧迫する要因となってきた。今後、奈良市が構築したセキュアAI基盤の知見が全国の自治体へと共有されれば、それは日本全体の行政システムを底上げする「標準OS」として機能する可能性がある。特定の地域の成功事例が、国全体のレジリエンスを強化する材料となるのだ。

地方創生の成否は、人口減少という変えられない事実を直視した上での新たな行政運営モデルの確立にかかっている。奈良市が提示したセキュアなAIの実装は、最新の知能を行政の核心部へと統合し、公共サービスの質を次世代へと繋ぐための有力な解決策となるだろう。

</description>
<enclosure url="https://japanstep.jp/images/learn/2608_Release/260810_narashi/main.webp" type="image/jpeg" />
<dc:category rdf:resource="https://japanstep.jp/learn/category/43">ビジネス</dc:category>
<dc:creator></dc:creator>
<dc:subject></dc:subject>
<dc:date>2026-08-12T07:00:00+09:00</dc:date>
<content:encoded><![CDATA[
<div id="cms-editor-minieditor-sin178632112408531500" class="cms-content-parts-sin178632112408539700">
<p>30年後、この街の生産年齢人口は4割減り、20歳の若者は6割減少する。奈良市が公表したこの推計値は、地方自治体がこれまでの延長線上では公共サービスを維持できないという避けられない未来を予告している。職員の手作業に依存した行政のあり方は、組織の存続を脅かすリスクとなりつつある。自治体におけるDXは単なる効率化の手段ではなく、市民の暮らしを最低限守り抜くための「生存戦略」へと、そのフェーズを変えたのだ。<br />
2026年4月、奈良市が発表した「セキュアAI基盤」の構築は、行政のデジタル化において長く放置されてきた最後の空白地帯に光を当てる試みだ。住民情報や税などの高度な機密情報を扱う領域に、いかにして安全に生成AIを導入するか。国が認定したガバメントクラウドを足場に、情報の隔離と最新知能の活用を両立させたこの取り組みは、日本の行政システムを次なるステージへと押し上げる一石となるだろう。（文＝JapanStep編集部）</p>
<div></div>
</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin178632116244432800 cparts-editsite--mainttl" id="cms-editor-textarea-sin178632116244439900">「空白地帯」への進出。ガバメントクラウドによる安全なAI基盤</h2>
<div id="cms-editor-minieditor-sin178632115037192100" class="cms-content-parts-sin178632115037199500">
<p><img src="/images/learn/2608_Release/260810_narashi/1.webp" width="900" height="506" alt="" /><br />
<span style="font-size: small;">（引用元：</span><a href="https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000429.000036429.html"><span style="font-size: small;">PR TIMES</span></a><span style="font-size: small;">）</span></p>
<p></p>
<p>奈良市が打ち出した施策は、少子高齢化に伴う深刻な働き手不足を背景とした抜本的な業務改革である。奈良市は株式会社日立システムズおよびアマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社と連携し、自治体専用の閉域ネットワーク上で生成AIを活用できる環境を整備した。</p>
<p></p>
<p>自治体のネットワーク環境は通常、セキュリティの観点から三層に分離されている。これまで生成AIの活用が進んできたのは、主に外部と接続された「インターネット系」の業務であった。</p>
<p><img src="/images/learn/2608_Release/260810_narashi/2.webp" width="900" height="457" alt="" /><span style="font-size: small;">（引用元：</span><a href="https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000429.000036429.html"><span style="font-size: small;">PR TIMES</span></a><span style="font-size: small;">）</span></p>
<p></p>
<p>一方で、住民の個人情報やマイナンバーを直接扱う「個人番号利用事務系」は、高度な秘匿性が求められるがゆえに、AI活用が困難な領域として全国的に取り残されてきた。奈良市はこの領域に接続される約1,000台のPCにおいて、安全な生成AI利用環境を全国に先駆けて構築した格好だ。</p>
<p></p>
<p>技術的な基盤として採用されたのは、デジタル庁が管理する「ガバメントクラウド」である。国が認定した高水準のセキュリティ基準を満たすこのクラウド環境を活用することで、市民の個人情報や機微データがインターネットへ流出するリスクを遮断しつつ、AIの力を最大限に引き出すことが可能となった。</p>
<p style="text-align: center;"><img src="/images/learn/2608_Release/260810_narashi/3.webp" width="600" height="400" alt="" /><br />
<span style="font-size: small;">（引用元：</span><a href="https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000429.000036429.html"><span style="font-size: small;">PR TIMES</span></a><span style="font-size: small;">）</span></p>
<p></p>
<p>従来の自治体で見られた、個別のPCにAIを構築するローカル環境の手法と比較して、接続数の制限がなく全庁的な拡張性を確保できる点が本基盤の大きな特徴といえる。</p>
<div></div>
</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin178632116556660000 cparts-editsite--mainttl" id="cms-editor-textarea-sin178632116556668500">公共サービスを維持。人口減少を前提とした「守り」のDX</h2>
<div id="cms-editor-minieditor-sin178632114823332900" class="cms-content-parts-sin178632114823341500">
<p>奈良市による今回の取り組みが示唆するのは、地方行政におけるテクノロジーの役割が「事務の補助」から「行政機能の維持」という基幹的なインフラに昇華した事実だ。</p>
<p></p>
<p>これまでの自治体AI活用は、メールのドラフト作成や議事録の要約といった周辺業務の効率化にとどまっていた。しかし、住民福祉や税務に直結する基幹業務にAIが導入されることで、複雑な制度の照会や事務処理の判断支援が可能となる。これは、限られた人的リソースを定型的な事務作業から解放し、対面での相談や生活支援といった「人間にしかできない直接的な市民サービス」へと回帰させるための必然的なステップといえるだろう。</p>
<p></p>
<p>また、本プロジェクトがガバメントクラウドという共通基盤の上で構築された意義も大きい。地方自治体が個別にシステムを開発・維持する負担は、財政を圧迫する要因となってきた。今後、奈良市が構築したセキュアAI基盤の知見が全国の自治体へと共有されれば、それは日本全体の行政システムを底上げする「標準OS」として機能する可能性がある。特定の地域の成功事例が、国全体のレジリエンスを強化する材料となるのだ。</p>
<p></p>
<p>地方創生の成否は、人口減少という変えられない事実を直視した上での新たな行政運営モデルの確立にかかっている。奈良市が提示したセキュアなAIの実装は、最新の知能を行政の核心部へと統合し、公共サービスの質を次世代へと繋ぐための有力な解決策となるだろう。</p>
<div></div>
</div>
]]></content:encoded>
</item>

<item rdf:about="https://japanstep.jp/learn/2026/08/2226/">
<title>デニムを“生涯の一本”へ。育てる文化が拓くブランド変革【連載】Branding Shift ～変わる時代に、ブランドの本質を問う</title>
<link>https://japanstep.jp/learn/2026/08/2226/</link>
<description>





変化の時代に、ブランドは商品価値をどう問い直し、顧客との関係を更新していくのか。本連載では、ブランディングを経営思想や事業の意思、社会との関係性を映し出す営みとして捉え直す。今回は、岡山県倉敷市児島を拠点に、国産デニムの価値を世界へ発信するジャパンブルーの「MOMOTARO JEANS」を取材した。2023年からのリブランディングで同ブランドが目指したのは、デニムを一過性の消費財ではなく、10年、20年と持ち主とともに時を刻む&#8220;ライフタイム・パートナー&#8221;へと位置づけ、育てる文化そのものを広げていくことだった。同ブランドのブランディングを手掛ける株式会社ジャパンブルーの船木雄基さんと職人たちの言葉から、MOMOTARO JEANSが進めたブランド変革の内側を紐解く。（文＝JapanStep編集部）





お話を伺ったのは &#8230;

株式会社ジャパンブルー 
アパレルブランド事業本部 企画統括部 統括部長 
PR部 部長 広報部 部長
船木雄基さん








お話を伺ったのは &#8230;

株式会社ジャパンブルー 
アパレルブランド事業本部 企画統括部 
統括部長 PR部 部長 広報部 部長
船木雄基さん




MOMOTARO JEANSは、何を変えようとしたのか




岡山県倉敷市児島。古くから繊維産業で栄え、現在では「ジーンズの聖地」として知られるこの地に、株式会社ジャパンブルーは拠点を構えている。同社が展開する「MOMOTARO JEANS」は、児島に根づく職人の技術を背景に、デニム文化を次の世代へつなぐことを掲げてきたブランドである。

その歩みは、1992年にデニムに特化したテキスタイルの企画、製造、仕入れ、販売事業を立ち上げたことに始まる。1998年には、日本の伝統的な本藍染の技術を応用した「本藍デニム」を開発。2006年には、「誰もが似合うジーンズを作る」という思いを込めて、自社ブランド「桃太郎ジーンズ」を発表した。


同ブランドは長く、ヴィンテージ・レプリカを追求する堅実なものづくりによって、熱心なデニム愛好家から支持を集めてきた。糸を染め、生地を織り、服を縫い、顧客へ届ける。ジャパンブルーが持つ一気通貫の生産体制は、プロダクトの品質を支える基盤でもある。

熱量の高い支持を集める一方で、届く顧客層には限りがあった。デニムという衣服は、本来、年齢や性別、国境を越えて多くの人が穿くことができる。それにもかかわらず、同社のものづくりが、まだ一部の愛好家にしか十分に届いていない。船木さんは、そこに課題を感じていたという。

「デニムというジャンルで言うと、本来世界中の人が老若男女問わず穿けるものです。それにもかかわらず、支持層が限定的で、すごく狭い世界にしか僕らのものづくりが届いていないことを課題に感じていました」（船木さん）


背景には、国産ジーンズ産業や児島エリアの持続可能性への危機感もあった。技術を守るだけでは、産地の未来を十分に描ききれない。児島のものづくりを次の世代へつなぐためには、ブランドの見え方そのものを更新し、より広い顧客に価値を届ける必要があった。

2023年から本格化したリブランディングは、単なるロゴやビジュアルの刷新ではない。それまでブランドが培ってきた品質を軸に、その価値をどう再定義し、世界の顧客に届くブランドへと磨いていくか。リブランディングは、その問いから始まった。

「リブランディングでは、自分たちを『グローバルのデニムメゾンブランド』にしていくという大きな旗印がありました。私たちのものづくりを、世界に通じるブランド価値として伝えていきたいという強い思いがあったのです」（船木さん）








「消費する服」から、「生涯をともにする一本」へ




リブランディングの核にあったのは、ブランドと顧客の関係を捉え直すことだった。ジーンズを一過性の消費財としてではなく、10年、20年と持ち主に寄り添い、時を重ねる存在として捉える。その考え方が、今回のブランド変革の中心にある。

「我々にとってブランドとは、単なるIPや記号、表象的なものではありません。お客様とブランドが、一緒に価値を築き上げていく関係性そのものだと捉えています」（船木さん）


MOMOTARO JEANSを象徴するのが、「特濃－TOKUNO BLUE」と呼ばれる漆黒に近い深い藍色のデニムである。あえて洗い加工をほとんど施さず、濃紺の状態で顧客の手に渡す。そこから長い時間をかけて穿き込むことで、色落ちやしわ、風合いが一人ひとりの暮らしを映すように変化していく。

完成された表情を買うのではない。持ち主自身が日々の中で育てていくことで、世界に一つだけのジーンズへと変わっていく。MOMOTARO JEANSが届けようとしているのは、プロダクトそのものだけではない。時間とともに深まる、持ち主との関係でもある。

「我々はジーンズを『美しい道具』として表現しています。日常の生活にしっかり馴染み、ある意味、相棒のように寄り添う存在として捉えることを、お客様に伝えてきました」（船木さん）

この「育てるデニム」という思想は、ブランド立ち上げ当初から根底にあったものだ。今回のリブランディングでは、その思想を現代の文脈に合わせて磨き直し、顧客体験の中心に置いた。

船木さんがブランドを見直すうえで大切にしたのは、表現の新しさそのものではなく、「ブランドの価値と接続しているかどうか」だった。象徴的なのが、従来10年としていた修理保証を永年保証へと改めたことだ。長く穿き続けてもらうことを掲げるなら、ブランドもまた、その時間に向き合い続けなければならない。保証制度だけでなく、顧客との接点を支えるシステムも見直し、購入後も関係が続いていく体験を設計し直した。そうした一つひとつの判断が、MOMOTARO JEANSの顧客体験の土台になっている。


製品を買う瞬間が価値の頂点になるのではない。穿き続けるほどに愛着が増し、修理を重ねながら長く付き合っていく。その時間の積み重ねこそが、MOMOTARO JEANSにとってのラグジュアリーである。








リブランディングで必要だった、1年の対話




ブランドを再定義する過程で、MOMOTARO JEANSは自らの立ち位置を「APPAREL TO CRAFTS」という言葉で示した。アパレルからクラフトへ。一過性のトレンドを追うファッションブランドではなく、道具に美しさを見出す日本の「民藝＝用の美」の精神に通じるブランドへと転換していく意思である。

アメリカンヴィンテージのワークウェアとして発展してきたジーンズを、日本のクラフトマンシップと接続する。そこから見えてきたのが、「無骨」なデニムを「品格」を備えたデニムメゾンへと進化させる方向性だった。


その具体策として、パンツの腰回り内側にスラックスのようなマーベルトを採用し、見えない部分にも品格を持たせた。さらに、シルクやカシミヤといった高級素材をデニムと融合させた素材開発にも取り組み、従来のデニムのイメージを広げていった。


ただし、ブランドの見え方を大きく変えることは簡単ではない。MOMOTARO JEANSには、長年ブランドを支えてきたファンがいる。社内にも、それぞれが大切にしてきたMOMOTARO JEANSらしさがある。だからこそ、何を守り、何を変えるのかを慎重に見極める必要があった。

「リブランディングを進める中で、一番難しかったのは、お客様にとって、そしてブランドの根底にある大切なものは何かを見極めることでした」（船木さん）

今回のリブランディングは、あえてブランドの根幹にかかわっているMDなど一部の主要メンバーを中心に進められた。ブランドの価値をどう捉え直すのか。商品、ビジュアル、店舗、顧客体験をどのように変えていくのか。限られたメンバーで議論を重ね、コンセプトやアウトプットを磨き込んでいった。

議論を重ねた末に導き出した方向性とイメージビジュアルを携え、現場に共有した。しかし、そこで返ってきたのは想定外の反応だった。

「現場からは『全然違うね』という正直な感想をもらいました。あえて一部のメンバーに絞って議論をしていたことにより、現場メンバーが置き去りになってしまいアウトプットされたものがこれまでのMOMOTARO JEANSとは大きく違うように見えたのだと思います」（船木さん）

&#160;船木さんたちは、その違和感を否定するのではなく、丁寧に説明を重ねていった。なぜこの表現にするのか。どこを変え、どこを変えないのか。職人の技術や児島という地域への敬意は、決して手放していない。そのことを、約1年かけて社内に伝えていったという。

「社内への説明はやはり大変でした。新しい表現だけを見ると、これまでのMOMOTARO JEANSと違うように感じられてしまう。でも、根底にある職人や地域への思いは変わっていない。そのことを、時間をかけて理解してもらいました」（船木さん）

変えたのは、顧客に伝える言葉やビジュアル、店舗での見せ方だった。一方で、職人の技術や児島という地域への敬意は、これまでと変わらずMOMOTARO JEANSの中心にある。船木さんたちは、そのことを社内に丁寧に説明しながら、新しいブランドの方向性を共有していった。

「ブランディングは、経営にとって『何をするか、何をしないか』を決める指針にもなると思っています。MOMOTARO JEANSの場合も、商品や顧客体験、店舗づくりときちんと接続できていると感じています」（船木さん）









「特濃－TOKUNO BLUE」に宿る、ブランドの約束




MOMOTARO JEANSの根幹を支えているのは、児島の職人たちの手仕事である。リブランディングの過程で、最後まで変えてはならないものとして残ったのも、職人性と地域性だった。なかでもブランドの象徴である「特濃－TOKUNO BLUE」は、単なる色名ではない。職人の探求と誠実さを映し、顧客とともに育っていくMOMOTARO JEANSの約束である。


&#160;この深い藍色は、効率だけを追い求めても生まれない。染色職人の岡本好春さんは、24年にわたり藍染と向き合ってきた。岡本さんの仕事は、決められた工程を機械的に繰り返すことではない。日々変化する藍染液の状態を見極め、その日の空気や温度、発酵の具合を感じ取りながら、デニムの経糸と向き合うことから始まる。

「藍染液は生きているんですよ。毎日発酵した状態を管理しないと死んでしまうんです。人間と同じで、毎日かき混ぜて管理しないと使い物にならないんです」（岡本さん）













岡本好春さん（染色職人）

MOMOTARO JEANSを象徴する「特濃－TOKUNO BLUE」の本藍染めによる染色工程を担う。
デニムの表面に現れる経糸を、藍染め液の状態を見極めながら何度も染め重ね、深く奥行きのある藍色を生み出している。










岡本好春さん（染色職人）
MOMOTARO JEANSを象徴する「特濃－TOKUNO BLUE」の本藍染めによる染色工程を担う。
デニムの表面に現れる経糸を、藍染め液の状態を見極めながら何度も染め重ね、深く奥行きのある藍色を生み出している。








もともと白い経糸は、藍染液に浸して空気に触れさせることで発色する。実は、藍染液そのものが青いわけではない。経糸を藍染液に浸し、空気にさらす。その工程を何度も何度も繰り返すことで、糸は少しずつ色を深め、やがて吸い込まれるような濃紺へと変わっていく。気温や湿度、その日の液の状態によって、染まり方は変わる。だからこそ、マニュアルだけではたどり着けない感覚が必要になる。


岡本さんが向き合っているのは、単に「濃い色」を出すことではない。MOMOTARO JEANSが掲げる「特濃－TOKUNO BLUE」は、赤みを抑え、深く、澄んだ青を目指す色である。そこには、見た目のインパクトだけではなく、穿き込むほどに美しく変化していく余白まで含まれている。

「手作業だからこそ、極端な話、一本一本いろんな差が出てくる。それが手作りの良さですよね。この特濃という色は、赤みを出さずにきれいな青の濃い色を出すのが本当に難しいんです」（岡本さん）


大量生産のものづくりでは、均一であることが品質とされることも多い。しかし、MOMOTARO JEANSにおける品質は、それだけでは語りきれない。藍の状態を見極め、職人が五感を使って染め上げる。そのわずかな揺らぎや奥行きまで含めて、「特濃－TOKUNO BLUE」の表情になっていく。

岡本さんの仕事は、ブランドの根幹にある「育てる」という思想とも重なっている。染めた瞬間に完成する色ではなく、穿き込まれ、洗われ、持ち主の暮らしの中で変化していく色。職人が生み出した深い藍色は、顧客の時間を受け止めながら、一本ごとに異なる表情へと育っていく。



だからこそ、「特濃－TOKUNO BLUE」は単なるプロダクトの特徴ではない。MOMOTARO JEANSが顧客に届ける「長く付き合う価値」の起点であり、職人の手仕事と顧客の時間をつなぐ色である。ブランドが約束しているのは、買った瞬間の完成度だけではない。持ち主ともに変わり続ける余白まで含めた、一本のデニムとの関係なのだ。









職人の手が、ブランドの品格をつくる




MOMOTARO JEANSの品格を形づくるのは、染色だけではない。糸を織り、生地に表情を与え、一本のジーンズへと仕上げる。そのすべての工程に、職人たちの判断と手仕事が息づいている。

リブランディングによって、MOMOTARO JEANSは「無骨」なヴィンテージ・レプリカの世界から、「品格」を備えたデニムメゾンへと見え方を更新しようとしている。しかし、その品格は、表層的なデザインだけで生まれるものではない。素材の風合い、縫い目の美しさ、穿き込んだときの変化まで含めて、職人の手がブランドの価値を支えている。

手織職人の池田一貴さんは、1日にわずか数メートルしか織ることができない手織り機と向き合っている。


手織りの魅力は、機械では出しにくい柔らかさや凹凸感にある。しかし池田さんが難しさとして語ったのは、単に&#8220;手で織ること&#8221;ではなく、手仕事でありながら品質を安定させることだった。

「手で織る以上、どうしても一枚一枚に違いが出ます。その中で、同じ品質に近づけるように、糸の張りや力加減を整えていく。手仕事の良さを残しながら、正確さを保つことが難しいです」（池田さん）

糸の張りや力の入れ方、織り進めるリズムにはわずかな違いが生まれる。だからこそ、池田さんは一つひとつの動作を感覚だけに任せず、目の前の糸と生地の状態を見ながら調整していく。その一枚一枚の生地に宿る柔らかな揺らぎが、穿く人の時間を受け止め、MOMOTARO JEANSらしい表情へと育っていく。












池田一貴さん（手織り職人）

手織り機を使い、機械では出しにくい柔らかさや凹凸感を生み出す。
糸の張りや手の力加減を細かく調整しながら、手仕事ならではの豊かな表情をデニムに宿している。










池田一貴さん（手織り職人）
手織り機を使い、機械では出しにくい柔らかさや凹凸感を生み出す。
糸の張りや手の力加減を細かく調整しながら、手仕事ならではの豊かな表情をデニムに宿している。








一方、機械織り職人の内田茂さんが向き合っているのは、豊田自動織機製のG型自動織機「GL9」である。現在ではメーカーによるメンテナンス対応も難しい旧式の力織機だが、MOMOTARO JEANSが目指す風合いのあるデニム生地を織り上げるには欠かせない存在でもある。


内田さんは、繊維の仕事に半世紀以上携わってきた。時代とともに機械は高性能化し、生産効率も大きく変わってきた。それでも、良いジーンズをつくるうえで、古い力織機にしか出せない風合いがある。内田さんは、その機械を日々自らの手で整備しながら、丈夫で独特の表情を持つ生地を織り続けている。

旧式の力織機は、最新設備のようにすべてを自動で制御してくれるわけではない。糸の張り、機械の癖、わずかな振動や音の変化を読み取りながら、微細な調整を重ねる必要がある。長く繊維の現場に向き合ってきた内田さんにとって、機械の音は、状態を知るための重要な手がかりだ。

「力織機は大きな音を立てて動いていますが、長く向き合っていると、いつものリズムと違ったり、いつも聞いているのとは違う音が混ざる瞬間が分かるんです。少しの違和感を見逃さず、機械の状態を整えながら、誰に出しても恥ずかしくないものをつくりたい。その思いで日々取り組んでいます」（内田さん）


その言葉から伝わってくるのは、機械を扱う技術だけではない。長年、繊維の現場で積み重ねてきた経験と、良いものをつくることへの変わらない思いである。古い機械を使い続けることは、単なる懐古ではない。GL9だからこそ生み出せる風合いを、現代の品質として安定させること。その難しさに向き合う内田さんの感覚と経験が、MOMOTARO JEANSの生地の奥行きを支えている。













内田茂さん（機械織り職人）

旧式の力織機を操り、丈夫で風合いのあるデニム生地を織り上げる。
機械の音や糸の状態を見極めながら調整を重ね、長年の経験で安定した品質を支えている。










内田茂さん（機械織り職人）
旧式の力織機を操り、丈夫で風合いのあるデニム生地を織り上げる。
機械の音や糸の状態を見極めながら調整を重ね、長年の経験で安定した品質を支えている。









そして、完成に至る最後の工程を担うのが、デニム縫製職人の武林直美さんである。染められ、織り上げられた生地を、一本のジーンズとして顧客の手元へ届ける。その最終工程には、ブランドの品質を引き受ける責任がある。


厚みのあるデニム生地を、特別に調整されたミシンで正確に縫い上げる。縫製のわずかなずれや仕上がりの美しさは、顧客が手に取ったときの印象に直結する。だからこそ武林さんは、作業の先にいる顧客の姿を意識しながら、一つひとつの工程に向き合っている。

「お客様に手に取っていただいたときに、『きれいに縫ってあるな』と思ってもらえるのが嬉しいですね。永久保証で修理品が戻ってくると、お客様の体型や穿き方によって、こんなふうに色落ちしていくんだなと実感できます。大事に穿いていただいていることが分かるのも嬉しいです」（武林さん）


この言葉には、MOMOTARO JEANSが掲げる「育てるデニム」の思想がよく表れている。ジーンズは、出荷された瞬間に作り手の手を離れて終わるものではない。顧客の日常の中で穿き込まれ、色落ちし、修理のために再び戻ってくる。その姿を見たとき、職人は自分たちの仕事が誰かの暮らしの中で生きていることを知る。

武林さんにとって縫製は、単にパーツを縫い合わせる作業ではない。顧客が長く穿き続ける一本の最終品質を整える仕事であり、MOMOTARO JEANSの約束を最後に形にする工程でもある。職人の手で仕上げられた一本が、顧客の時間を受け止め、修理を重ねながらさらに育っていく。その循環こそが、ブランドの価値を支えている。













武林直美さん（デニム縫製職人）

染め、織り上げられたデニム生地を、一本のジーンズへと仕上げる縫製工程を担う。
厚みのある生地を正確に縫い上げ、顧客の手元に届く最後の品質を支えている。










武林直美さん（デニム縫製職人）
染め、織り上げられたデニム生地を、一本のジーンズへと仕上げる縫製工程を担う。
厚みのある生地を正確に縫い上げ、顧客の手元に届く最後の品質を支えている。









職人たちの言葉から見えてくるのは、昔ながらの製法を守ることだけではない。手織りの揺らぎ、旧式織機の音を聞き分ける経験、顧客の穿き方まで想像する縫製。それぞれの工程にある判断の積み重ねが、MOMOTARO JEANSの品格を形づくっている。

ブランドは、広告やロゴだけでつくられるものではない。顧客が手に取り、穿き込み、修理しながら長く付き合っていく一本の中に宿る。その一本を支えているのが、児島の現場で日々手を動かす職人たちである。

MOMOTARO JEANSにとって職人性は、過去の技術を懐かしむためのものではない。いまの顧客に価値を届けるための、確かな基盤である。彼らの手仕事があるからこそ、「育てるデニム」という言葉は単なるコピーではなく、顧客が実感できる価値になる。








世界へ届けるのは、一本のジーンズではなく文化である




MOMOTARO JEANSは、ジーンズを一過性の消費財ではなく、10年、20年と持ち主とともに時を重ねる存在として捉え直してきた。だからこそ、購入後の顧客との関係も見直した。保証制度の見直しに加え、顧客プログラムもポイント還元中心の仕組みから、四季折々のブランドからの贈り物など、愛着を深める体験型へと改めた。購入前後を分断せず、長く続く関係を設計していくことが、ブランドの価値を高めていく。

世界観を伝える場づくりも進んでいる。なかでも京都の店舗は、今回のリブランディングを象徴する拠点の一つだ。設計を手掛けたのは、「京都市京セラ美術館」などの公共建築から、国内外の商業建築まで幅広く手掛けてきたAS（青木淳と品川雅俊によるユニット）である。京町家の美しさを引き継ぎ、古い素材を活かしながら新たな素材を丁寧に重ね合わせた空間は、MOMOTARO JEANSがこれまで築いてきた価値を次代へ発信していく姿勢を体現している。


京都という土地柄も大きい。国内外の人々が日本の文化や美意識に触れるために訪れるこの場所では、店舗建築を目的に足を運び、そこで初めてMOMOTARO JEANSを知る人もいるという。児島で培われた職人技やデニム文化を、京都という文化的な文脈の中で体感してもらうことは、「アパレルからクラフトへ」という思想を空間として示す意味を持つ。

こうした店舗体験は、東京やパリなどへも広がっている。店舗は単なる販売チャネルではなく、MOMOTARO JEANSの世界観を顧客が理解する接点であり、スタッフの接客や提案そのものがブランド体験になっている。

こうした取り組みは、事業面にも変化をもたらしている。船木さんによれば、リブランディング後の売上は2倍以上となり、Instagramのフォロワー数も12万人から31万人へと増加したという。

「我々が苦しみながらも価値を削り取ってアウトプットしたところが、一定の評価をいただいているのかなと感じています」（船木さん）

外部からの評価という意味では、インターブランドジャパン主催の「Japan Branding Awards 2025（JBA2025）」で「RISING STARS」を受賞したことも大きな節目となった。評価されたのは、見た目の刷新だけではない。デニムを長く育てる体験へと変え、職人、地域、顧客をつなぐブランドのあり方そのものだった。
Japan Branding Awards 2025（JBA2025）授賞式当日の様子

船木さんは、今回の受賞について、リブランディングに関わったメンバーだけでなく、日々ものづくりを支えている職人や店舗スタッフの積み重ねが評価されたことに意味があると受け止めている。

「率直にうれしかったです。自分たちが打ち出した表現だけではなく、職人や店舗スタッフが日々積み重ねてきたことも含めて評価していただけたことに、大きな意味があると感じています。リブランディングは簡単なことばかりではありませんでしたが、進めてきた方向性が間違っていなかったと感じられる機会にもなりました」（船木さん）


その評価は、ゴールではない。MOMOTARO JEANSが目指しているのは、一本のジーンズを販売することにとどまらない。児島の職人技と、デニムを長く育てる文化を、世界と次の世代へ届けていくことにある。

「本物のデニムの価値を世界と未来に届けるというのが、ミッションとしてあります。デニム文化と児島の土地から生まれた技術、それを愛する人の情熱を次の100年先へ届ける責任が、私たちにはあると捉えています」（船木さん）


消費されるアパレルから、時間とともに育つ文化へ。ブランドは商品の見え方を変えるだけではない。顧客との関係を育て、地域の未来や職人の誇りにも関わっていく。そのことを、MOMOTARO JEANSのリブランディングは示している。









関連リンク

児島から世界へ　唯一無二の「育てる」贅沢 - インターブランドジャパン
</description>
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<dc:category rdf:resource="https://japanstep.jp/learn/category/43">ビジネス</dc:category>
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<p>変化の時代に、ブランドは商品価値をどう問い直し、顧客との関係を更新していくのか。本連載では、ブランディングを経営思想や事業の意思、社会との関係性を映し出す営みとして捉え直す。今回は、岡山県倉敷市児島を拠点に、国産デニムの価値を世界へ発信するジャパンブルーの「MOMOTARO JEANS」を取材した。2023年からのリブランディングで同ブランドが目指したのは、デニムを一過性の消費財ではなく、10年、20年と持ち主とともに時を刻む&#8220;ライフタイム・パートナー&#8221;へと位置づけ、育てる文化そのものを広げていくことだった。同ブランドのブランディングを手掛ける株式会社ジャパンブルーの船木雄基さんと職人たちの言葉から、MOMOTARO JEANSが進めたブランド変革の内側を紐解く。（文＝JapanStep編集部）</p>
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<p style="text-align: center;">お話を伺ったのは &#8230;</p>
<p style="text-align: center;"><img src="/images/learn/brandingshift/momotaro/260529-1-033.webp" width="900" height="600" alt="" /></p>
<p style="text-align: center;"><b>株式会社ジャパンブルー <br />
アパレルブランド事業本部 企画統括部 統括部長 <br />
PR部 部長 広報部 部長<br />
船木雄基さん</b></p>
</div>
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<p style="text-align: center;"><span style="font-size: small;">お話を伺ったのは &#8230;</span></p>
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<p style="text-align: center;"><span style="font-size: small;"><b>株式会社ジャパンブルー <br />
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<p>岡山県倉敷市児島。古くから繊維産業で栄え、現在では「ジーンズの聖地」として知られるこの地に、株式会社ジャパンブルーは拠点を構えている。同社が展開する「MOMOTARO JEANS」は、児島に根づく職人の技術を背景に、デニム文化を次の世代へつなぐことを掲げてきたブランドである。</p>
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<p>その歩みは、1992年にデニムに特化したテキスタイルの企画、製造、仕入れ、販売事業を立ち上げたことに始まる。1998年には、日本の伝統的な本藍染の技術を応用した「本藍デニム」を開発。2006年には、「誰もが似合うジーンズを作る」という思いを込めて、自社ブランド「桃太郎ジーンズ」を発表した。</p>
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<p></p>
<p>同ブランドは長く、ヴィンテージ・レプリカを追求する堅実なものづくりによって、熱心なデニム愛好家から支持を集めてきた。糸を染め、生地を織り、服を縫い、顧客へ届ける。ジャパンブルーが持つ一気通貫の生産体制は、プロダクトの品質を支える基盤でもある。</p>
<p></p>
<p>熱量の高い支持を集める一方で、届く顧客層には限りがあった。デニムという衣服は、本来、年齢や性別、国境を越えて多くの人が穿くことができる。それにもかかわらず、同社のものづくりが、まだ一部の愛好家にしか十分に届いていない。船木さんは、そこに課題を感じていたという。</p>
<p></p>
<p>「デニムというジャンルで言うと、本来世界中の人が老若男女問わず穿けるものです。それにもかかわらず、支持層が限定的で、すごく狭い世界にしか僕らのものづくりが届いていないことを課題に感じていました」（船木さん）</p>
<p><img src="/images/learn/brandingshift/momotaro/260529-1-003.webp" width="900" height="600" alt="" /></p>
<p></p>
<p>背景には、国産ジーンズ産業や児島エリアの持続可能性への危機感もあった。技術を守るだけでは、産地の未来を十分に描ききれない。児島のものづくりを次の世代へつなぐためには、ブランドの見え方そのものを更新し、より広い顧客に価値を届ける必要があった。</p>
<p></p>
<p>2023年から本格化したリブランディングは、単なるロゴやビジュアルの刷新ではない。それまでブランドが培ってきた品質を軸に、その価値をどう再定義し、世界の顧客に届くブランドへと磨いていくか。リブランディングは、その問いから始まった。</p>
<p></p>
<p>「リブランディングでは、自分たちを『グローバルのデニムメゾンブランド』にしていくという大きな旗印がありました。私たちのものづくりを、世界に通じるブランド価値として伝えていきたいという強い思いがあったのです」（船木さん）</p>
<div></div>
<p></p>
<div></div>
<div></div>
</div>
</div>
</div>
</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin178304537267531900 cparts-editsite--mainttl" id="cms-editor-textarea-sin178304537267539900">「消費する服」から、「生涯をともにする一本」へ</h2>
<div class="cms-content-parts-sin178304539158098100 cparts-id119 lay-margin-b--3 box" data-selectable="cparts-animate cparts-animate--slideInUp:上へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInDown:下へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInLeft:左へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInRight:右へスライド">
<div class="lay-row">
<div class="lay-col12-xs-12 lay-col12-md-12 lay-col12-lg-12">
<div class="cparts-editsite--txt cparts-txt-block lay-reset-child" id="cms-editor-minieditor-sin178304539158073700">
<p>リブランディングの核にあったのは、ブランドと顧客の関係を捉え直すことだった。ジーンズを一過性の消費財としてではなく、10年、20年と持ち主に寄り添い、時を重ねる存在として捉える。その考え方が、今回のブランド変革の中心にある。</p>
<p></p>
<p>「我々にとってブランドとは、単なるIPや記号、表象的なものではありません。お客様とブランドが、一緒に価値を築き上げていく関係性そのものだと捉えています」（船木さん）</p>
<p><img src="/images/learn/brandingshift/momotaro/260529-1-028.webp" width="900" height="600" alt="" /></p>
<p></p>
<p>MOMOTARO JEANSを象徴するのが、「特濃－TOKUNO BLUE」と呼ばれる漆黒に近い深い藍色のデニムである。あえて洗い加工をほとんど施さず、濃紺の状態で顧客の手に渡す。そこから長い時間をかけて穿き込むことで、色落ちやしわ、風合いが一人ひとりの暮らしを映すように変化していく。</p>
<p></p>
<p>完成された表情を買うのではない。持ち主自身が日々の中で育てていくことで、世界に一つだけのジーンズへと変わっていく。MOMOTARO JEANSが届けようとしているのは、プロダクトそのものだけではない。時間とともに深まる、持ち主との関係でもある。</p>
<p></p>
<p>「我々はジーンズを『美しい道具』として表現しています。日常の生活にしっかり馴染み、ある意味、相棒のように寄り添う存在として捉えることを、お客様に伝えてきました」（船木さん）</p>
<p></p>
<p>この「育てるデニム」という思想は、ブランド立ち上げ当初から根底にあったものだ。今回のリブランディングでは、その思想を現代の文脈に合わせて磨き直し、顧客体験の中心に置いた。</p>
<p></p>
<p>船木さんがブランドを見直すうえで大切にしたのは、表現の新しさそのものではなく、「ブランドの価値と接続しているかどうか」だった。象徴的なのが、従来10年としていた修理保証を永年保証へと改めたことだ。長く穿き続けてもらうことを掲げるなら、ブランドもまた、その時間に向き合い続けなければならない。保証制度だけでなく、顧客との接点を支えるシステムも見直し、購入後も関係が続いていく体験を設計し直した。そうした一つひとつの判断が、MOMOTARO JEANSの顧客体験の土台になっている。</p>
<p><img src="/images/learn/brandingshift/momotaro/02.webp" width="900" height="504" alt="" /></p>
<p></p>
<p>製品を買う瞬間が価値の頂点になるのではない。穿き続けるほどに愛着が増し、修理を重ねながら長く付き合っていく。その時間の積み重ねこそが、MOMOTARO JEANSにとってのラグジュアリーである。</p>
<p></p>
<div></div>
<p></p>
<div></div>
</div>
</div>
</div>
</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin178304536972549400 cparts-editsite--mainttl" id="cms-editor-textarea-sin178304536972558100">リブランディングで必要だった、1年の対話</h2>
<div class="cms-content-parts-sin178304538658381200 cparts-id119 lay-margin-b--3 box" data-selectable="cparts-animate cparts-animate--slideInUp:上へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInDown:下へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInLeft:左へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInRight:右へスライド">
<div class="lay-row">
<div class="lay-col12-xs-12 lay-col12-md-12 lay-col12-lg-12">
<div class="cparts-editsite--txt cparts-txt-block lay-reset-child" id="cms-editor-minieditor-sin178304538658300000">
<p>ブランドを再定義する過程で、MOMOTARO JEANSは自らの立ち位置を「APPAREL TO CRAFTS」という言葉で示した。アパレルからクラフトへ。一過性のトレンドを追うファッションブランドではなく、道具に美しさを見出す日本の「民藝＝用の美」の精神に通じるブランドへと転換していく意思である。</p>
<p></p>
<p>アメリカンヴィンテージのワークウェアとして発展してきたジーンズを、日本のクラフトマンシップと接続する。そこから見えてきたのが、「無骨」なデニムを「品格」を備えたデニムメゾンへと進化させる方向性だった。</p>
<p><img src="/images/learn/brandingshift/momotaro/03.webp" width="900" height="508" alt="" /></p>
<p></p>
<p>その具体策として、パンツの腰回り内側にスラックスのようなマーベルトを採用し、見えない部分にも品格を持たせた。さらに、シルクやカシミヤといった高級素材をデニムと融合させた素材開発にも取り組み、従来のデニムのイメージを広げていった。</p>
<p><img src="/images/learn/brandingshift/momotaro/04.webp" width="900" height="505" alt="" /></p>
<p></p>
<p>ただし、ブランドの見え方を大きく変えることは簡単ではない。MOMOTARO JEANSには、長年ブランドを支えてきたファンがいる。社内にも、それぞれが大切にしてきたMOMOTARO JEANSらしさがある。だからこそ、何を守り、何を変えるのかを慎重に見極める必要があった。</p>
<p></p>
<p>「リブランディングを進める中で、一番難しかったのは、お客様にとって、そしてブランドの根底にある大切なものは何かを見極めることでした」（船木さん）</p>
<p></p>
<p>今回のリブランディングは、あえてブランドの根幹にかかわっているMDなど一部の主要メンバーを中心に進められた。ブランドの価値をどう捉え直すのか。商品、ビジュアル、店舗、顧客体験をどのように変えていくのか。限られたメンバーで議論を重ね、コンセプトやアウトプットを磨き込んでいった。</p>
<p></p>
<p>議論を重ねた末に導き出した方向性とイメージビジュアルを携え、現場に共有した。しかし、そこで返ってきたのは想定外の反応だった。</p>
<p></p>
<p>「現場からは『全然違うね』という正直な感想をもらいました。あえて一部のメンバーに絞って議論をしていたことにより、現場メンバーが置き去りになってしまいアウトプットされたものがこれまでのMOMOTARO JEANSとは大きく違うように見えたのだと思います」（船木さん）</p>
<p><img src="/images/learn/brandingshift/momotaro/260529-1-007.webp" width="900" height="600" alt="" /></p>
<p>&#160;船木さんたちは、その違和感を否定するのではなく、丁寧に説明を重ねていった。なぜこの表現にするのか。どこを変え、どこを変えないのか。職人の技術や児島という地域への敬意は、決して手放していない。そのことを、約1年かけて社内に伝えていったという。</p>
<p></p>
<p>「社内への説明はやはり大変でした。新しい表現だけを見ると、これまでのMOMOTARO JEANSと違うように感じられてしまう。でも、根底にある職人や地域への思いは変わっていない。そのことを、時間をかけて理解してもらいました」（船木さん）</p>
<p></p>
<p>変えたのは、顧客に伝える言葉やビジュアル、店舗での見せ方だった。一方で、職人の技術や児島という地域への敬意は、これまでと変わらずMOMOTARO JEANSの中心にある。船木さんたちは、そのことを社内に丁寧に説明しながら、新しいブランドの方向性を共有していった。</p>
<p></p>
<p>「ブランディングは、経営にとって『何をするか、何をしないか』を決める指針にもなると思っています。MOMOTARO JEANSの場合も、商品や顧客体験、店舗づくりときちんと接続できていると感じています」（船木さん）</p>
<p><img src="/images/learn/brandingshift/momotaro/260529-1-025.webp" width="900" height="600" alt="" /></p>
<div></div>
<div></div>
<p></p>
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</div>
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</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin178304536742608500 cparts-editsite--mainttl" id="cms-editor-textarea-sin178304536742616800">「特濃－TOKUNO BLUE」に宿る、ブランドの約束</h2>
<div class="cms-content-parts-sin178304538300164500 cparts-id119 lay-margin-b--3 box" data-selectable="cparts-animate cparts-animate--slideInUp:上へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInDown:下へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInLeft:左へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInRight:右へスライド">
<div class="lay-row">
<div class="lay-col12-xs-12 lay-col12-md-12 lay-col12-lg-12">
<div class="cparts-editsite--txt cparts-txt-block lay-reset-child" id="cms-editor-minieditor-sin178304538300137100">
<p>MOMOTARO JEANSの根幹を支えているのは、児島の職人たちの手仕事である。リブランディングの過程で、最後まで変えてはならないものとして残ったのも、職人性と地域性だった。なかでもブランドの象徴である「特濃－TOKUNO BLUE」は、単なる色名ではない。職人の探求と誠実さを映し、顧客とともに育っていくMOMOTARO JEANSの約束である。</p>
<p><img src="/images/learn/brandingshift/momotaro/05.webp" width="900" height="506" alt="" /></p>
<p></p>
<p>&#160;この深い藍色は、効率だけを追い求めても生まれない。染色職人の岡本好春さんは、24年にわたり藍染と向き合ってきた。岡本さんの仕事は、決められた工程を機械的に繰り返すことではない。日々変化する藍染液の状態を見極め、その日の空気や温度、発酵の具合を感じ取りながら、デニムの経糸と向き合うことから始まる。</p>
<p></p>
<p>「藍染液は生きているんですよ。毎日発酵した状態を管理しないと死んでしまうんです。人間と同じで、毎日かき混ぜて管理しないと使い物にならないんです」（岡本さん）</p>
<div></div>
<div></div>
<div></div>
<p></p>
</div>
</div>
</div>
</div>
<div class="cms-content-parts-sin178608347469432300 box cparts-id437--01 lay-margin-b--3 cparts-hide-mb" col-flex="1-2" data-selectable="cparts-animate cparts-animate--slideInUp:上へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInDown:下へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInLeft:左へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInRight:右へスライド" data-original="cms-content-parts-sin178608347469432300 box cparts-id437--01 lay-margin-b--3">
<div class="lay-row">
<div class="cparts-img-block lay-img-width--max lay-col12-xs-12 lay-col12-md-6 lay-col12-lg-6"><img id="cms-editor-image-sin178608347469436300" class="cparts-editsite--img cms-easy-edit" alt="" src="/images/learn/brandingshift/momotaro/260529-1-070.webp" width="330" /></div>
<div class="lay-col12-xs-12 lay-col12-md-6 lay-col12-lg-6">
<div class="cparts-editsite--txt cparts-txt-block lay-reset-child" id="cms-editor-minieditor-sin178608347469436600">
<p><span style="font-size: medium;"><span style="font-weight: bolder; text-align: center;">岡本好春さん（染色職人）<br />
</span></span><br style="font-size: small; text-align: center;" />
<span style="font-size: medium;"><span style="text-align: center;">MOMOTARO JEANSを象徴する「特濃－TOKUNO BLUE」の本藍染めによる染色工程を担う。</span><br style="font-size: small; text-align: center;" />
<span style="text-align: center;">デニムの表面に現れる経糸を、藍染め液の状態を見極めながら何度も染め重ね、深く奥行きのある藍色を生み出している。</span></span></p>
</div>
</div>
</div>
</div>
<div class="cms-content-parts-sin178632307393478700 box parts_text_type02 cparts-id120--01 lay-margin-b--3 lay-padding--2 cparts-hide-pc" data-selectable="cparts-animate cparts-animate--slideInUp:上へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInDown:下へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInLeft:左へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInRight:右へスライド" data-original="cms-content-parts-sin178632307393478700 box parts_text_type02 cparts-id120--01 lay-margin-b--3 lay-padding--2">
<div class="lay-row lay-no-gutters">
<div class="lay-col12-12">
<div class="cparts-editsite--txt cparts-txt-block lay-reset-child" id="cms-editor-minieditor-sin178632307393484000">
<p style="text-align: center;"><strong><img src="/images/learn/brandingshift/momotaro/260529-1-070.webp" width="1280" height="853" alt="" /><br />
</strong></p>
<p style="text-align: center;"><span style="font-size: small;"><b>岡本好春さん（染色職人）</b></span><br />
<span style="font-size: small;">MOMOTARO JEANSを象徴する「特濃－TOKUNO BLUE」の本藍染めによる染色工程を担う。<br />
デニムの表面に現れる経糸を、藍染め液の状態を見極めながら何度も染め重ね、深く奥行きのある藍色を生み出している。</span></p>
</div>
</div>
</div>
</div>
<div class="cms-content-parts-sin178608358720806300 cparts-id119 lay-margin-b--3 box" data-selectable="cparts-animate cparts-animate--slideInUp:上へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInDown:下へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInLeft:左へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInRight:右へスライド">
<div class="lay-row">
<div class="lay-col12-xs-12 lay-col12-md-12 lay-col12-lg-12">
<div class="cparts-editsite--txt cparts-txt-block lay-reset-child" id="cms-editor-minieditor-sin178608358719272500">
<p>もともと白い経糸は、藍染液に浸して空気に触れさせることで発色する。実は、藍染液そのものが青いわけではない。経糸を藍染液に浸し、空気にさらす。その工程を何度も何度も繰り返すことで、糸は少しずつ色を深め、やがて吸い込まれるような濃紺へと変わっていく。気温や湿度、その日の液の状態によって、染まり方は変わる。だからこそ、マニュアルだけではたどり着けない感覚が必要になる。</p>
<p><img src="/images/learn/brandingshift/momotaro/collage.webp" width="900" height="558" alt="" style="font-size: 1.6rem;" /></p>
<p></p>
<p>岡本さんが向き合っているのは、単に「濃い色」を出すことではない。MOMOTARO JEANSが掲げる「特濃－TOKUNO BLUE」は、赤みを抑え、深く、澄んだ青を目指す色である。そこには、見た目のインパクトだけではなく、穿き込むほどに美しく変化していく余白まで含まれている。</p>
<p></p>
<p>「手作業だからこそ、極端な話、一本一本いろんな差が出てくる。それが手作りの良さですよね。この特濃という色は、赤みを出さずにきれいな青の濃い色を出すのが本当に難しいんです」（岡本さん）</p>
<p><img src="/images/learn/brandingshift/momotaro/260529-1-041.webp" width="900" height="600" alt="" /></p>
<p></p>
<p>大量生産のものづくりでは、均一であることが品質とされることも多い。しかし、MOMOTARO JEANSにおける品質は、それだけでは語りきれない。藍の状態を見極め、職人が五感を使って染め上げる。そのわずかな揺らぎや奥行きまで含めて、「特濃－TOKUNO BLUE」の表情になっていく。</p>
<p></p>
<p>岡本さんの仕事は、ブランドの根幹にある「育てる」という思想とも重なっている。染めた瞬間に完成する色ではなく、穿き込まれ、洗われ、持ち主の暮らしの中で変化していく色。職人が生み出した深い藍色は、顧客の時間を受け止めながら、一本ごとに異なる表情へと育っていく。</p>
<p></p>
<p></p>
<p></p>
<p>だからこそ、「特濃－TOKUNO BLUE」は単なるプロダクトの特徴ではない。MOMOTARO JEANSが顧客に届ける「長く付き合う価値」の起点であり、職人の手仕事と顧客の時間をつなぐ色である。ブランドが約束しているのは、買った瞬間の完成度だけではない。持ち主ともに変わり続ける余白まで含めた、一本のデニムとの関係なのだ。</p>
<p><img src="/images/learn/brandingshift/momotaro/260529-1-076.webp" width="900" height="600" alt="" /></p>
<div></div>
<div></div>
<div></div>
<p></p>
</div>
</div>
</div>
</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin178304536456998500 cparts-editsite--mainttl" id="cms-editor-textarea-sin178304536457003700">職人の手が、ブランドの品格をつくる</h2>
<div class="cms-content-parts-sin178304537967573900 cparts-id119 lay-margin-b--3 box" data-selectable="cparts-animate cparts-animate--slideInUp:上へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInDown:下へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInLeft:左へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInRight:右へスライド">
<div class="lay-row">
<div class="lay-col12-xs-12 lay-col12-md-12 lay-col12-lg-12">
<div class="cparts-editsite--txt cparts-txt-block lay-reset-child" id="cms-editor-minieditor-sin178304537967550200">
<p>MOMOTARO JEANSの品格を形づくるのは、染色だけではない。糸を織り、生地に表情を与え、一本のジーンズへと仕上げる。そのすべての工程に、職人たちの判断と手仕事が息づいている。</p>
<p></p>
<p>リブランディングによって、MOMOTARO JEANSは「無骨」なヴィンテージ・レプリカの世界から、「品格」を備えたデニムメゾンへと見え方を更新しようとしている。しかし、その品格は、表層的なデザインだけで生まれるものではない。素材の風合い、縫い目の美しさ、穿き込んだときの変化まで含めて、職人の手がブランドの価値を支えている。</p>
<p></p>
<p>手織職人の池田一貴さんは、1日にわずか数メートルしか織ることができない手織り機と向き合っている。</p>
<p><img src="/images/learn/brandingshift/momotaro/260529-1-098.webp" width="900" height="600" alt="" /></p>
<p></p>
<p>手織りの魅力は、機械では出しにくい柔らかさや凹凸感にある。しかし池田さんが難しさとして語ったのは、単に&#8220;手で織ること&#8221;ではなく、手仕事でありながら品質を安定させることだった。</p>
<p></p>
<p>「手で織る以上、どうしても一枚一枚に違いが出ます。その中で、同じ品質に近づけるように、糸の張りや力加減を整えていく。手仕事の良さを残しながら、正確さを保つことが難しいです」（池田さん）</p>
<p></p>
<p>糸の張りや力の入れ方、織り進めるリズムにはわずかな違いが生まれる。だからこそ、池田さんは一つひとつの動作を感覚だけに任せず、目の前の糸と生地の状態を見ながら調整していく。その一枚一枚の生地に宿る柔らかな揺らぎが、穿く人の時間を受け止め、MOMOTARO JEANSらしい表情へと育っていく。</p>
<div></div>
<div></div>
<p></p>
</div>
</div>
</div>
</div>
<div class="cms-content-parts-sin178610130218078400 box cparts-id437--01 lay-margin-b--3 cparts-hide-mb" col-flex="1-2" data-selectable="cparts-animate cparts-animate--slideInUp:上へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInDown:下へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInLeft:左へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInRight:右へスライド" data-original="cms-content-parts-sin178610130218078400 box cparts-id437--01 lay-margin-b--3">
<div class="lay-row">
<div class="cparts-img-block lay-img-width--max lay-col12-xs-12 lay-col12-md-6 lay-col12-lg-6"><img id="cms-editor-image-sin178610130218082500" class="cparts-editsite--img cms-easy-edit" alt="" src="/images/learn/brandingshift/momotaro/260529-1-100.webp" width="330" /></div>
<div class="lay-col12-xs-12 lay-col12-md-6 lay-col12-lg-6">
<div class="cparts-editsite--txt cparts-txt-block lay-reset-child" id="cms-editor-minieditor-sin178610130218082800">
<p style="text-align: left;"><span style="font-size: medium;"><span style="font-weight: bolder; text-align: center;">池田一貴さん（手織り職人）</span></span></p>
<p style="text-align: left;"><br style="font-size: small; text-align: center;" />
<span style="font-size: medium;"><span style="text-align: center;">手織り機を使い、機械では出しにくい柔らかさや凹凸感を生み出す。</span><br style="font-size: small; text-align: center;" />
<span style="text-align: center;">糸の張りや手の力加減を細かく調整しながら、手仕事ならではの豊かな表情をデニムに宿している。</span></span></p>
</div>
</div>
</div>
</div>
<div class="cms-content-parts-sin178632338510476500 box parts_text_type02 cparts-id120--01 lay-margin-b--3 lay-padding--2 cparts-hide-pc" data-selectable="cparts-animate cparts-animate--slideInUp:上へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInDown:下へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInLeft:左へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInRight:右へスライド" data-original="cms-content-parts-sin178632338510476500 box parts_text_type02 cparts-id120--01 lay-margin-b--3 lay-padding--2">
<div class="lay-row lay-no-gutters">
<div class="lay-col12-12">
<div class="cparts-editsite--txt cparts-txt-block lay-reset-child" id="cms-editor-minieditor-sin178632338510358600">
<p style="text-align: center;"><strong><img src="/images/learn/brandingshift/momotaro/260529-1-100.webp" width="1280" height="853" alt="" /><br />
</strong></p>
<p style="font-size: 14px; text-align: center;"><span style="font-size: small;"><span style="font-weight: bolder; text-align: center;">池田一貴さん（手織り職人）</span></span><br style="font-size: small; text-align: center;" />
<span style="font-size: small;"><span style="text-align: center;">手織り機を使い、機械では出しにくい柔らかさや凹凸感を生み出す。</span><br style="font-size: small; text-align: center;" />
<span style="text-align: center;">糸の張りや手の力加減を細かく調整しながら、手仕事ならではの豊かな表情をデニムに宿している。</span></span></p>
</div>
</div>
</div>
</div>
<div class="cms-content-parts-sin178610127334082800 cparts-id119 lay-margin-b--3 box" data-selectable="cparts-animate cparts-animate--slideInUp:上へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInDown:下へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInLeft:左へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInRight:右へスライド">
<div class="lay-row">
<div class="lay-col12-xs-12 lay-col12-md-12 lay-col12-lg-12">
<div class="cparts-editsite--txt cparts-txt-block lay-reset-child" id="cms-editor-minieditor-sin178610127330441300">
<p>一方、機械織り職人の内田茂さんが向き合っているのは、豊田自動織機製のG型自動織機「GL9」である。現在ではメーカーによるメンテナンス対応も難しい旧式の力織機だが、MOMOTARO JEANSが目指す風合いのあるデニム生地を織り上げるには欠かせない存在でもある。</p>
<p><img src="/images/learn/brandingshift/momotaro/260529-1-105.webp" width="900" height="600" alt="" /></p>
<p></p>
<p>内田さんは、繊維の仕事に半世紀以上携わってきた。時代とともに機械は高性能化し、生産効率も大きく変わってきた。それでも、良いジーンズをつくるうえで、古い力織機にしか出せない風合いがある。内田さんは、その機械を日々自らの手で整備しながら、丈夫で独特の表情を持つ生地を織り続けている。</p>
<p></p>
<p>旧式の力織機は、最新設備のようにすべてを自動で制御してくれるわけではない。糸の張り、機械の癖、わずかな振動や音の変化を読み取りながら、微細な調整を重ねる必要がある。長く繊維の現場に向き合ってきた内田さんにとって、機械の音は、状態を知るための重要な手がかりだ。</p>
<p></p>
<p>「力織機は大きな音を立てて動いていますが、長く向き合っていると、いつものリズムと違ったり、いつも聞いているのとは違う音が混ざる瞬間が分かるんです。少しの違和感を見逃さず、機械の状態を整えながら、誰に出しても恥ずかしくないものをつくりたい。その思いで日々取り組んでいます」（内田さん）</p>
<p><img src="/images/learn/brandingshift/momotaro/260529-1-124.webp" width="900" height="600" alt="" /></p>
<p></p>
<p>その言葉から伝わってくるのは、機械を扱う技術だけではない。長年、繊維の現場で積み重ねてきた経験と、良いものをつくることへの変わらない思いである。古い機械を使い続けることは、単なる懐古ではない。GL9だからこそ生み出せる風合いを、現代の品質として安定させること。その難しさに向き合う内田さんの感覚と経験が、MOMOTARO JEANSの生地の奥行きを支えている。</p>
<div></div>
<div></div>
<div></div>
<p></p>
</div>
</div>
</div>
</div>
<div class="cms-content-parts-sin178610144836856300 box cparts-id437--01 lay-margin-b--3 cparts-hide-mb" col-flex="1-2" data-selectable="cparts-animate cparts-animate--slideInUp:上へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInDown:下へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInLeft:左へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInRight:右へスライド" data-original="cms-content-parts-sin178610144836856300 box cparts-id437--01 lay-margin-b--3">
<div class="lay-row">
<div class="cparts-img-block lay-img-width--max lay-col12-xs-12 lay-col12-md-6 lay-col12-lg-6"><img id="cms-editor-image-sin178610144836869400" class="cparts-editsite--img cms-easy-edit" alt="" src="/images/learn/brandingshift/momotaro/260529-1-116.webp" width="330" /></div>
<div class="lay-col12-xs-12 lay-col12-md-6 lay-col12-lg-6">
<div class="cparts-editsite--txt cparts-txt-block lay-reset-child" id="cms-editor-minieditor-sin178610144836870000">
<p><span style="font-size: medium;"><span style="font-weight: bolder; text-align: center;">内田茂さん（機械織り職人）</span></span></p>
<p><span style="font-size: medium;"><br style="font-size: small; text-align: center;" />
<span style="font-size: medium;"><span style="text-align: center;">旧式の力織機を操り、丈夫で風合いのあるデニム生地を織り上げる。</span><br style="font-size: small; text-align: center;" />
<span style="text-align: center;">機械の音や糸の状態を見極めながら調整を重ね、長年の経験で安定した品質を支えている。</span></span></span></p>
</div>
</div>
</div>
</div>
<div class="cms-content-parts-sin178632350559134000 box parts_text_type02 cparts-id120--01 lay-margin-b--3 lay-padding--2 cparts-hide-pc" data-selectable="cparts-animate cparts-animate--slideInUp:上へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInDown:下へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInLeft:左へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInRight:右へスライド" data-original="cms-content-parts-sin178632350559134000 box parts_text_type02 cparts-id120--01 lay-margin-b--3 lay-padding--2">
<div class="lay-row lay-no-gutters">
<div class="lay-col12-12">
<div class="cparts-editsite--txt cparts-txt-block lay-reset-child" id="cms-editor-minieditor-sin178632350559094300">
<p style="text-align: center;"><strong><img src="/images/learn/brandingshift/momotaro/260529-1-116.webp" width="1280" height="853" alt="" /><br />
</strong></p>
<p style="font-size: 14px; text-align: center;"><span style="font-size: small;"><span style="font-weight: bolder; text-align: center;">内田茂さん（機械織り職人）</span></span><span style="font-size: medium;"><br style="font-size: small; text-align: center;" />
<span style="font-size: small;"><span style="text-align: center;">旧式の力織機を操り、丈夫で風合いのあるデニム生地を織り上げる。</span><br style="font-size: small; text-align: center;" />
<span style="text-align: center;">機械の音や糸の状態を見極めながら調整を重ね、長年の経験で安定した品質を支えている。</span></span></span></p>
</div>
</div>
</div>
</div>
<div class="cms-content-parts-sin178610140682657000 cparts-id119 lay-margin-b--3 box" data-selectable="cparts-animate cparts-animate--slideInUp:上へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInDown:下へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInLeft:左へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInRight:右へスライド">
<div class="lay-row">
<div class="lay-col12-xs-12 lay-col12-md-12 lay-col12-lg-12">
<div class="cparts-editsite--txt cparts-txt-block lay-reset-child" id="cms-editor-minieditor-sin178610140680854800">
<p></p>
<p>そして、完成に至る最後の工程を担うのが、デニム縫製職人の武林直美さんである。染められ、織り上げられた生地を、一本のジーンズとして顧客の手元へ届ける。その最終工程には、ブランドの品質を引き受ける責任がある。</p>
<p><img src="/images/learn/brandingshift/momotaro/260529-1-166.webp" width="900" height="600" alt="" /></p>
<p></p>
<p>厚みのあるデニム生地を、特別に調整されたミシンで正確に縫い上げる。縫製のわずかなずれや仕上がりの美しさは、顧客が手に取ったときの印象に直結する。だからこそ武林さんは、作業の先にいる顧客の姿を意識しながら、一つひとつの工程に向き合っている。</p>
<p></p>
<p>「お客様に手に取っていただいたときに、『きれいに縫ってあるな』と思ってもらえるのが嬉しいですね。永久保証で修理品が戻ってくると、お客様の体型や穿き方によって、こんなふうに色落ちしていくんだなと実感できます。大事に穿いていただいていることが分かるのも嬉しいです」（武林さん）</p>
<p><img src="/images/learn/brandingshift/momotaro/260529-1-178.webp" width="900" height="600" alt="" /></p>
<p></p>
<p>この言葉には、MOMOTARO JEANSが掲げる「育てるデニム」の思想がよく表れている。ジーンズは、出荷された瞬間に作り手の手を離れて終わるものではない。顧客の日常の中で穿き込まれ、色落ちし、修理のために再び戻ってくる。その姿を見たとき、職人は自分たちの仕事が誰かの暮らしの中で生きていることを知る。</p>
<p></p>
<p>武林さんにとって縫製は、単にパーツを縫い合わせる作業ではない。顧客が長く穿き続ける一本の最終品質を整える仕事であり、MOMOTARO JEANSの約束を最後に形にする工程でもある。職人の手で仕上げられた一本が、顧客の時間を受け止め、修理を重ねながらさらに育っていく。その循環こそが、ブランドの価値を支えている。</p>
<div></div>
<div></div>
<div></div>
<p></p>
</div>
</div>
</div>
</div>
<div class="cms-content-parts-sin178610155684769700 box cparts-id437--01 lay-margin-b--3 cparts-hide-mb" col-flex="1-2" data-selectable="cparts-animate cparts-animate--slideInUp:上へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInDown:下へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInLeft:左へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInRight:右へスライド" data-original="cms-content-parts-sin178610155684769700 box cparts-id437--01 lay-margin-b--3">
<div class="lay-row">
<div class="cparts-img-block lay-img-width--max lay-col12-xs-12 lay-col12-md-6 lay-col12-lg-6"><img id="cms-editor-image-sin178610155684775500" class="cparts-editsite--img cms-easy-edit" alt="" src="/images/learn/brandingshift/momotaro/260529-1-151.webp" width="330" /></div>
<div class="lay-col12-xs-12 lay-col12-md-6 lay-col12-lg-6">
<div class="cparts-editsite--txt cparts-txt-block lay-reset-child" id="cms-editor-minieditor-sin178610155684775900">
<p><span style="font-size: medium;"><span style="font-weight: bolder; text-align: center;">武林直美さん（デニム縫製職人）</span></span></p>
<p><span style="font-size: medium;"><br style="font-size: small; text-align: center;" />
<span style="text-align: center;">染め、織り上げられたデニム生地を、一本のジーンズへと仕上げる縫製工程を担う。</span><br style="font-size: small; text-align: center;" />
<span style="text-align: center;">厚みのある生地を正確に縫い上げ、顧客の手元に届く最後の品質を支えている。</span></span></p>
</div>
</div>
</div>
</div>
<div class="cms-content-parts-sin178632357809413300 box parts_text_type02 cparts-id120--01 lay-margin-b--3 lay-padding--2 cparts-hide-pc" data-selectable="cparts-animate cparts-animate--slideInUp:上へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInDown:下へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInLeft:左へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInRight:右へスライド" data-original="cms-content-parts-sin178632357809413300 box parts_text_type02 cparts-id120--01 lay-margin-b--3 lay-padding--2">
<div class="lay-row lay-no-gutters">
<div class="lay-col12-12">
<div class="cparts-editsite--txt cparts-txt-block lay-reset-child" id="cms-editor-minieditor-sin178632357809300200">
<p style="text-align: center;"><strong><img src="/images/learn/brandingshift/momotaro/260529-1-151.webp" width="1280" height="853" alt="" /><br />
</strong></p>
<p style="font-size: 14px; text-align: center;"><span style="font-size: small;"><span style="font-weight: bolder; text-align: center;">武林直美さん（デニム縫製職人）</span></span><span style="font-size: medium;"><br style="font-size: small; text-align: center;" />
<span style="font-size: small;"><span style="text-align: center;">染め、織り上げられたデニム生地を、一本のジーンズへと仕上げる縫製工程を担う。</span><br style="font-size: small; text-align: center;" />
<span style="text-align: center;">厚みのある生地を正確に縫い上げ、顧客の手元に届く最後の品質を支えている。</span></span></span></p>
</div>
</div>
</div>
</div>
<div class="cms-content-parts-sin178610153153861800 cparts-id119 lay-margin-b--3 box" data-selectable="cparts-animate cparts-animate--slideInUp:上へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInDown:下へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInLeft:左へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInRight:右へスライド">
<div class="lay-row">
<div class="lay-col12-xs-12 lay-col12-md-12 lay-col12-lg-12">
<div class="cparts-editsite--txt cparts-txt-block lay-reset-child" id="cms-editor-minieditor-sin178610153152845200">
<p></p>
<p>職人たちの言葉から見えてくるのは、昔ながらの製法を守ることだけではない。手織りの揺らぎ、旧式織機の音を聞き分ける経験、顧客の穿き方まで想像する縫製。それぞれの工程にある判断の積み重ねが、MOMOTARO JEANSの品格を形づくっている。</p>
<p></p>
<p>ブランドは、広告やロゴだけでつくられるものではない。顧客が手に取り、穿き込み、修理しながら長く付き合っていく一本の中に宿る。その一本を支えているのが、児島の現場で日々手を動かす職人たちである。</p>
<p></p>
<p>MOMOTARO JEANSにとって職人性は、過去の技術を懐かしむためのものではない。いまの顧客に価値を届けるための、確かな基盤である。彼らの手仕事があるからこそ、「育てるデニム」という言葉は単なるコピーではなく、顧客が実感できる価値になる。</p>
<div></div>
<div></div>
<div></div>
<p></p>
</div>
</div>
</div>
</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin178304536104174200 cparts-editsite--mainttl" id="cms-editor-textarea-sin178304536104209800">世界へ届けるのは、一本のジーンズではなく文化である</h2>
<div class="cms-content-parts-sin178304537657148200 cparts-id119 lay-margin-b--3 box" data-selectable="cparts-animate cparts-animate--slideInUp:上へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInDown:下へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInLeft:左へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInRight:右へスライド">
<div class="lay-row">
<div class="lay-col12-xs-12 lay-col12-md-12 lay-col12-lg-12">
<div class="cparts-editsite--txt cparts-txt-block lay-reset-child" id="cms-editor-minieditor-sin178304537657124000">
<p>MOMOTARO JEANSは、ジーンズを一過性の消費財ではなく、10年、20年と持ち主とともに時を重ねる存在として捉え直してきた。だからこそ、購入後の顧客との関係も見直した。保証制度の見直しに加え、顧客プログラムもポイント還元中心の仕組みから、四季折々のブランドからの贈り物など、愛着を深める体験型へと改めた。購入前後を分断せず、長く続く関係を設計していくことが、ブランドの価値を高めていく。</p>
<p></p>
<p>世界観を伝える場づくりも進んでいる。なかでも京都の店舗は、今回のリブランディングを象徴する拠点の一つだ。設計を手掛けたのは、「京都市京セラ美術館」などの公共建築から、国内外の商業建築まで幅広く手掛けてきたAS（青木淳と品川雅俊によるユニット）である。京町家の美しさを引き継ぎ、古い素材を活かしながら新たな素材を丁寧に重ね合わせた空間は、MOMOTARO JEANSがこれまで築いてきた価値を次代へ発信していく姿勢を体現している。</p>
<p><img src="/images/learn/brandingshift/momotaro/06.webp" width="900" height="506" alt="" /></p>
<p></p>
<p>京都という土地柄も大きい。国内外の人々が日本の文化や美意識に触れるために訪れるこの場所では、店舗建築を目的に足を運び、そこで初めてMOMOTARO JEANSを知る人もいるという。児島で培われた職人技やデニム文化を、京都という文化的な文脈の中で体感してもらうことは、「アパレルからクラフトへ」という思想を空間として示す意味を持つ。</p>
<p></p>
<p>こうした店舗体験は、東京やパリなどへも広がっている。店舗は単なる販売チャネルではなく、MOMOTARO JEANSの世界観を顧客が理解する接点であり、スタッフの接客や提案そのものがブランド体験になっている。</p>
<p></p>
<p>こうした取り組みは、事業面にも変化をもたらしている。船木さんによれば、リブランディング後の売上は2倍以上となり、Instagramのフォロワー数も12万人から31万人へと増加したという。</p>
<p></p>
<p>「我々が苦しみながらも価値を削り取ってアウトプットしたところが、一定の評価をいただいているのかなと感じています」（船木さん）</p>
<p></p>
<p>外部からの評価という意味では、インターブランドジャパン主催の「Japan Branding Awards 2025（JBA2025）」で「RISING STARS」を受賞したことも大きな節目となった。評価されたのは、見た目の刷新だけではない。デニムを長く育てる体験へと変え、職人、地域、顧客をつなぐブランドのあり方そのものだった。</p>
<p><img src="/images/learn/brandingshift/momotaro/08.webp" width="900" height="600" alt="" /><span style="font-size: small;">Japan Branding Awards 2025（JBA2025）授賞式当日の様子</span></p>
<p></p>
<p>船木さんは、今回の受賞について、リブランディングに関わったメンバーだけでなく、日々ものづくりを支えている職人や店舗スタッフの積み重ねが評価されたことに意味があると受け止めている。</p>
<p></p>
<p>「率直にうれしかったです。自分たちが打ち出した表現だけではなく、職人や店舗スタッフが日々積み重ねてきたことも含めて評価していただけたことに、大きな意味があると感じています。リブランディングは簡単なことばかりではありませんでしたが、進めてきた方向性が間違っていなかったと感じられる機会にもなりました」（船木さん）</p>
<p><img src="/images/learn/brandingshift/momotaro/260529-1-016.webp" width="900" height="600" alt="" /></p>
<p></p>
<p>その評価は、ゴールではない。MOMOTARO JEANSが目指しているのは、一本のジーンズを販売することにとどまらない。児島の職人技と、デニムを長く育てる文化を、世界と次の世代へ届けていくことにある。</p>
<p></p>
<p>「本物のデニムの価値を世界と未来に届けるというのが、ミッションとしてあります。デニム文化と児島の土地から生まれた技術、それを愛する人の情熱を次の100年先へ届ける責任が、私たちにはあると捉えています」（船木さん）</p>
<p><img src="/images/learn/brandingshift/momotaro/09.webp" width="900" height="502" alt="" /></p>
<p></p>
<p>消費されるアパレルから、時間とともに育つ文化へ。ブランドは商品の見え方を変えるだけではない。顧客との関係を育て、地域の未来や職人の誇りにも関わっていく。そのことを、MOMOTARO JEANSのリブランディングは示している。</p>
<div></div>
<div></div>
<div></div>
<div></div>
</div>
</div>
</div>
</div>
<div id="cms-editor-minieditor-sin177984859572129900" class="cms-content-parts-sin177984859572138800"></div>
<h3 class="cms-content-parts-sin177991843513840800 cparts-editsite--mainttl" id="cms-editor-textarea-sin177991843513844700">関連リンク</h3>
<div id="cms-editor-minieditor-sin177991835184007900" class="cms-content-parts-sin177991835184018300">
<p><font color="#3fa6f2"><u><a href="https://www.interbrandjapan.com/brandingawards/jba2025/jba2025_article07/">児島から世界へ　唯一無二の「育てる」贅沢 - インターブランドジャパン</a></u></font></p>
</div>
]]></content:encoded>
</item>

<item rdf:about="https://japanstep.jp/learn/2026/08/2292/">
<title>AI猫型バンド始動。創作の民主化が拓く新潮流</title>
<link>https://japanstep.jp/learn/2026/08/2292/</link>
<description>
クリエイティビティの聖域とされてきた音楽や物語の世界に、いま、新しい風が吹き込んでいる。かつて多額の予算と膨大な人員を必要とした「メディアミックス」という手法が、生成AIの台頭によって、小規模なチームの手にもたらされようとしているのだ。一曲の楽曲、一つのキャラクター、そしてそこに宿る独自の物語。これらがデジタルの力でシームレスに結合し、新たなエコシステムを形成し始めた。
2026年4月、東京都調布市の株式会社スポルアップがローンチした猫型バンドプロジェクト「flehmen（フレーメン）」は、人間とAIの共創の形を提示している。最先端の音声生成技術と、日本が長年培ってきたキャラクター文化の融合。この「感性のDX」とも呼べる試みは、日本のコンテンツ制作のあり方を再定義する可能性を秘めている。（文＝JapanStep編集部）


「Suno」による楽曲制作。物語と音楽が同期する共創モデル


（引用元：PR TIMES）

2026年4月に公式サイトが公開された本プロジェクトは、AIと人間のクリエイターが共同で楽曲、世界観、キャラクターを制作する新しい形態のエンターテインメントだ。楽曲制作の中核には音楽生成AIツール「Suno」を採用。人間のクリエイターがプロンプト設計やストーリー執筆、演出を担い、AIがその意図を音として具現化する分業体制を確立している。

（引用元：PR TIMES）

バンドメンバーはそれぞれ固有の背景を持つキャラクターとして設計されており、第1弾シングル「フレーメン反応」のリリースに合わせ、結成前夜を描いたサイドストーリーも同時公開された。現在は、バンドの世界観を直感的に体験できるサウンドノベルゲームの開発も進められている。単なる楽曲の配信にとどまらず、音楽、映像、テキスト、そしてインタラクティブなゲーム体験を同時並行で展開するスピード感は、AI活用の利点を体現したものといえる。音を作る作業をAIが引き受けることで、人間が「意味」や「文脈」の構築に注力できる環境が構築されている。


技術が「情緒」を加速させる。日本発IPの新たな生存戦略

スポルアップによる今回の取り組みが示唆するのは、AIによる制作コストの低減が、日本のIP（知的財産）ビジネスにもたらす構造的な転換である。

従来のコンテンツビジネスでは、楽曲や映像の制作といった実制作の工程そのものに多大なリソースが割かれ、世界観の深掘りやファンとの対話は後回しになりがちであった。しかし、楽曲制作をAIがサポートすることで「ゼロからイチ」を生むコストが抑制され、クリエイターは「いかに独自の物語を共有し、共感を生むか」という情緒的価値の創出にリソースを集中できるようになる。これは、制作プロセスの主役が、&#8220;技術的な完遂&#8221;から&#8220;文脈の設計&#8221;へと移行したことを意味している。

調布市の一企業が、最新のAIを駆使して多角的なコンテンツ展開を少人数で実現している事実は、日本の地方企業や小規模なチームにとっての有力な指針となる。AIを筆や楽器として使いこなし、独自の日本的カルチャーを世界へ発信する「マイクロ・パブリッシング」の手法は、コンテンツ産業の裾野を大きく広げることになるだろう。

2026年現在、AI活用の焦点は「何を作るか」から、それをいかに「独自のIPとして資産化するか」へと移っている。flehmenが提示したモデルは、人間の想像力を増幅させるための触媒として技術を活用することで、日本のデジタルクリエイティブが世界で再び存在感を示すための高度な解決策となるはずだ。

</description>
<enclosure url="https://japanstep.jp/images/learn/2608_Release/260806_neko/main.webp" type="image/jpeg" />
<dc:category rdf:resource="https://japanstep.jp/learn/category/35">カルチャー</dc:category>
<dc:creator></dc:creator>
<dc:subject></dc:subject>
<dc:date>2026-08-07T07:00:00+09:00</dc:date>
<content:encoded><![CDATA[
<div id="cms-editor-minieditor-sin178598155220484700" class="cms-content-parts-sin178598155220492500">
<p>クリエイティビティの聖域とされてきた音楽や物語の世界に、いま、新しい風が吹き込んでいる。かつて多額の予算と膨大な人員を必要とした「メディアミックス」という手法が、生成AIの台頭によって、小規模なチームの手にもたらされようとしているのだ。一曲の楽曲、一つのキャラクター、そしてそこに宿る独自の物語。これらがデジタルの力でシームレスに結合し、新たなエコシステムを形成し始めた。<br />
2026年4月、東京都調布市の株式会社スポルアップがローンチした猫型バンドプロジェクト「flehmen（フレーメン）」は、人間とAIの共創の形を提示している。最先端の音声生成技術と、日本が長年培ってきたキャラクター文化の融合。この「感性のDX」とも呼べる試みは、日本のコンテンツ制作のあり方を再定義する可能性を秘めている。（文＝JapanStep編集部）</p>
<div></div>
</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin178598158064425700 cparts-editsite--mainttl" id="cms-editor-textarea-sin178598158064431000">「Suno」による楽曲制作。物語と音楽が同期する共創モデル</h2>
<div id="cms-editor-minieditor-sin178598157203504800" class="cms-content-parts-sin178598157203512200">
<p><img src="/images/learn/2608_Release/260806_neko/1.webp" width="900" height="506" alt="" /><br />
<span style="font-size: small;">（引用元：</span><a href="https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000007.000113869.html"><span style="font-size: small;">PR TIMES</span></a><span style="font-size: small;">）</span></p>
<p></p>
<p>2026年4月に公式サイトが公開された本プロジェクトは、AIと人間のクリエイターが共同で楽曲、世界観、キャラクターを制作する新しい形態のエンターテインメントだ。楽曲制作の中核には音楽生成AIツール「Suno」を採用。人間のクリエイターがプロンプト設計やストーリー執筆、演出を担い、AIがその意図を音として具現化する分業体制を確立している。</p>
<p style="text-align: center;"><img src="/images/learn/2608_Release/260806_neko/2.webp" width="600" height="1064" alt="" /><br />
<span style="font-size: small;">（引用元：</span><a href="https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000007.000113869.html" style="text-decoration: none;"><span style="font-size: small;">PR TIMES</span></a><span style="font-size: small;">）</span></p>
<p></p>
<p>バンドメンバーはそれぞれ固有の背景を持つキャラクターとして設計されており、第1弾シングル「フレーメン反応」のリリースに合わせ、結成前夜を描いたサイドストーリーも同時公開された。現在は、バンドの世界観を直感的に体験できるサウンドノベルゲームの開発も進められている。単なる楽曲の配信にとどまらず、音楽、映像、テキスト、そしてインタラクティブなゲーム体験を同時並行で展開するスピード感は、AI活用の利点を体現したものといえる。音を作る作業をAIが引き受けることで、人間が「意味」や「文脈」の構築に注力できる環境が構築されている。</p>
<div></div>
</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin178598158524571300 cparts-editsite--mainttl" id="cms-editor-textarea-sin178598158524579200">技術が「情緒」を加速させる。日本発IPの新たな生存戦略</h2>
<div id="cms-editor-minieditor-sin178598156907149700" class="cms-content-parts-sin178598156907181000">
<p>スポルアップによる今回の取り組みが示唆するのは、AIによる制作コストの低減が、日本のIP（知的財産）ビジネスにもたらす構造的な転換である。</p>
<p></p>
<p>従来のコンテンツビジネスでは、楽曲や映像の制作といった実制作の工程そのものに多大なリソースが割かれ、世界観の深掘りやファンとの対話は後回しになりがちであった。しかし、楽曲制作をAIがサポートすることで「ゼロからイチ」を生むコストが抑制され、クリエイターは「いかに独自の物語を共有し、共感を生むか」という情緒的価値の創出にリソースを集中できるようになる。これは、制作プロセスの主役が、&#8220;技術的な完遂&#8221;から&#8220;文脈の設計&#8221;へと移行したことを意味している。</p>
<p></p>
<p>調布市の一企業が、最新のAIを駆使して多角的なコンテンツ展開を少人数で実現している事実は、日本の地方企業や小規模なチームにとっての有力な指針となる。AIを筆や楽器として使いこなし、独自の日本的カルチャーを世界へ発信する「マイクロ・パブリッシング」の手法は、コンテンツ産業の裾野を大きく広げることになるだろう。</p>
<p></p>
<p>2026年現在、AI活用の焦点は「何を作るか」から、それをいかに「独自のIPとして資産化するか」へと移っている。flehmenが提示したモデルは、人間の想像力を増幅させるための触媒として技術を活用することで、日本のデジタルクリエイティブが世界で再び存在感を示すための高度な解決策となるはずだ。</p>
<div></div>
</div>
]]></content:encoded>
</item>

<item rdf:about="https://japanstep.jp/learn/2026/08/2284/">
<title>JAXA×ホテル。地域資源が拓く教育観光</title>
<link>https://japanstep.jp/learn/2026/08/2284/</link>
<description>
高原を吹き抜ける風の中、手作りロケットが青空へ向かって真っ直ぐな軌跡を描く。それを見上げる子どもたちの眼差しには、科学への純粋な驚きと未知への憧れが宿っている。かつてのリゾートホテルは、日常の喧騒を離れてサービスを消費する場所であった。しかし、旅に自己研鑽や学びといった付加価値を求める傾向が強まってきた現在、ホテルの役割は、地域の魅力を次世代へと繋ぐ「体験の窓口」へと変容を遂げつつある。
2026年5月、宮城県の「メルキュール宮城蔵王リゾート＆スパ」で実施されたJAXA（国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構）角田宇宙センターとの共創プロジェクトは、地方における観光資源活用の新たな可能性を提示した。世界屈指の研究拠点が一つの宿泊施設と手を取り、宇宙への扉を子どもたちへ開く。この「知の開放」は、単なる宿泊プランの枠を超え、地域のブランド価値を再定義しようとしている。（文＝JapanStep編集部）


JAXAとの共創。リゾートで「宇宙」を学ぶ体験価値


（引用元：PR TIMES）

2026年5月2日、蔵王連峰を望むメルキュール宮城蔵王リゾート＆スパにおいて、JAXA角田宇宙センターの協力による「手作りロケット打ち上げ体験」が開催された。本イベントは、同ホテルから車で約40分の距離に位置し、ロケットエンジンの中核を研究・開発する角田宇宙センターの知見を、一般の家族連れがリゾートステイの中で楽しめるように構成したものだ。

当日はJAXA職員によるミニ宇宙講座に始まり、ペットボトルを用いたロケット製作のワークショップ、そして中庭での打ち上げ体験が行われた。
（引用元：PR TIMES）

さらに宇宙服試着コーナーも用意され、参加者は科学の面白さを肌で感じる機会を得た。宿泊予約者限定のプログラムとして提供されたこの試みは、ホテルの滞在価値を休息から&#8220;知的好奇心の充足&#8221;へと高める効果を発揮している。
（引用元：PR TIMES）

特筆すべきは、ホテル内での体験が、実際の角田宇宙センターへの訪問を促す動線となっている点だ。宇宙開発展示室で本物のロケットエンジンを間近に見るという「本物への接触」へと繋げることで、地域に点在する学術的な資源が一つのストーリーを持った観光コンテンツとして統合された格好だ。開業2周年を迎えたホテルの新しい取り組みは、地域の個性を活かしたアクティビティの好例といえるだろう。
（引用元：PR TIMES）



「消費」から「継承」へ。地方創生を支える知のインフラ

メルキュール宮城蔵王リゾート＆スパによる今回の取り組みが示唆するのは、地域に眠る高度な観光資源を、いかに「教育」という文脈で再構築するかという戦略的な視点だ。

どこのリゾートでも享受できる汎用的な娯楽ではなく、その土地にしかない本物の知を滞在に組み込むことは、他地域との差別化要因となる。これは、宿泊施設が単に地域経済を潤す存在から、地域のアイデンティティや科学技術を次世代へ継承する「学びの場」として機能し始めたことを意味している。エデュテインメント（教育&#215;娯楽）という手法は、宿泊単価の向上だけでなく、再訪意欲を高める強力な材料となるはずだ。

また、外資系ホテルチェーン、アコー社のホテルブランドであるメルキュールが掲げる「ディスカバー・ローカル」の方針が、日本の最先端科学と結びついた意義も大きい。グローバルな運営ノウハウを持つ企業が地方の技術拠点と連携することで、日本の地方都市における「稼ぐ力」と「次世代の育成」を両立させるモデルが成立しつつあるといえるだろう。

地方創生の要諦は、もはや箱モノの整備にとどまらず、地域固有の無形資産をいかに体験へと再構築できるかという問いにシフトしている。メルキュール宮城蔵王リゾート＆スパの事例に見られるように、科学とリゾートの越境は、日本の観光業がサービス業の枠を脱し、社会課題の解決や次世代育成を担う新たなインフラへとステップアップするための有効な指針となるだろう。

</description>
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<dc:category rdf:resource="https://japanstep.jp/learn/category/35">カルチャー</dc:category>
<dc:creator></dc:creator>
<dc:subject></dc:subject>
<dc:date>2026-08-06T07:00:00+09:00</dc:date>
<content:encoded><![CDATA[
<div id="cms-editor-minieditor-sin178581157080899700" class="cms-content-parts-sin178581157080904100">
<p>高原を吹き抜ける風の中、手作りロケットが青空へ向かって真っ直ぐな軌跡を描く。それを見上げる子どもたちの眼差しには、科学への純粋な驚きと未知への憧れが宿っている。かつてのリゾートホテルは、日常の喧騒を離れてサービスを消費する場所であった。しかし、旅に自己研鑽や学びといった付加価値を求める傾向が強まってきた現在、ホテルの役割は、地域の魅力を次世代へと繋ぐ「体験の窓口」へと変容を遂げつつある。<br />
2026年5月、宮城県の「メルキュール宮城蔵王リゾート＆スパ」で実施されたJAXA（国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構）角田宇宙センターとの共創プロジェクトは、地方における観光資源活用の新たな可能性を提示した。世界屈指の研究拠点が一つの宿泊施設と手を取り、宇宙への扉を子どもたちへ開く。この「知の開放」は、単なる宿泊プランの枠を超え、地域のブランド価値を再定義しようとしている。（文＝JapanStep編集部）</p>
<div></div>
</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin178581159978752600 cparts-editsite--mainttl" id="cms-editor-textarea-sin178581159978756700">JAXAとの共創。リゾートで「宇宙」を学ぶ体験価値</h2>
<div id="cms-editor-minieditor-sin178581158759073900" class="cms-content-parts-sin178581158759081800">
<p><img src="/images/learn/2608_Release/260804_jaxa/1.webp" width="900" height="600" alt="" /><br />
<span style="font-size: small;">（引用元：</span><a href="https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000857.000052177.html"><span style="font-size: small;">PR TIMES</span></a><span style="font-size: small;">）</span></p>
<p></p>
<p>2026年5月2日、蔵王連峰を望むメルキュール宮城蔵王リゾート＆スパにおいて、JAXA角田宇宙センターの協力による「手作りロケット打ち上げ体験」が開催された。本イベントは、同ホテルから車で約40分の距離に位置し、ロケットエンジンの中核を研究・開発する角田宇宙センターの知見を、一般の家族連れがリゾートステイの中で楽しめるように構成したものだ。</p>
<p></p>
<p>当日はJAXA職員によるミニ宇宙講座に始まり、ペットボトルを用いたロケット製作のワークショップ、そして中庭での打ち上げ体験が行われた。</p>
<p><img src="/images/learn/2608_Release/260804_jaxa/2.webp" width="900" height="600" alt="" /><span style="font-size: small;">（引用元：</span><a href="https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000857.000052177.html"><span style="font-size: small;">PR TIMES</span></a><span style="font-size: small;">）</span></p>
<p></p>
<p>さらに宇宙服試着コーナーも用意され、参加者は科学の面白さを肌で感じる機会を得た。宿泊予約者限定のプログラムとして提供されたこの試みは、ホテルの滞在価値を休息から&#8220;知的好奇心の充足&#8221;へと高める効果を発揮している。</p>
<p><img src="/images/learn/2608_Release/260804_jaxa/3.webp" width="900" height="599" alt="" /><span style="font-size: small;">（引用元：</span><a href="https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000857.000052177.html"><span style="font-size: small;">PR TIMES</span></a><span style="font-size: small;">）</span></p>
<p></p>
<p>特筆すべきは、ホテル内での体験が、実際の角田宇宙センターへの訪問を促す動線となっている点だ。宇宙開発展示室で本物のロケットエンジンを間近に見るという「本物への接触」へと繋げることで、地域に点在する学術的な資源が一つのストーリーを持った観光コンテンツとして統合された格好だ。開業2周年を迎えたホテルの新しい取り組みは、地域の個性を活かしたアクティビティの好例といえるだろう。</p>
<p><img src="/images/learn/2608_Release/260804_jaxa/4.webp" width="900" height="601" alt="" /><span style="font-size: small;">（引用元：</span><a href="https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000857.000052177.html"><span style="font-size: small;">PR TIMES</span></a><span style="font-size: small;">）</span></p>
<div></div>
<p></p>
</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin178581160205855200 cparts-editsite--mainttl" id="cms-editor-textarea-sin178581160205864100">「消費」から「継承」へ。地方創生を支える知のインフラ</h2>
<div id="cms-editor-minieditor-sin178581159007896400" class="cms-content-parts-sin178581159007903700">
<p>メルキュール宮城蔵王リゾート＆スパによる今回の取り組みが示唆するのは、地域に眠る高度な観光資源を、いかに「教育」という文脈で再構築するかという戦略的な視点だ。</p>
<p></p>
<p>どこのリゾートでも享受できる汎用的な娯楽ではなく、その土地にしかない本物の知を滞在に組み込むことは、他地域との差別化要因となる。これは、宿泊施設が単に地域経済を潤す存在から、地域のアイデンティティや科学技術を次世代へ継承する「学びの場」として機能し始めたことを意味している。エデュテインメント（教育&#215;娯楽）という手法は、宿泊単価の向上だけでなく、再訪意欲を高める強力な材料となるはずだ。</p>
<p></p>
<p>また、外資系ホテルチェーン、アコー社のホテルブランドであるメルキュールが掲げる「ディスカバー・ローカル」の方針が、日本の最先端科学と結びついた意義も大きい。グローバルな運営ノウハウを持つ企業が地方の技術拠点と連携することで、日本の地方都市における「稼ぐ力」と「次世代の育成」を両立させるモデルが成立しつつあるといえるだろう。</p>
<p></p>
<p>地方創生の要諦は、もはや箱モノの整備にとどまらず、地域固有の無形資産をいかに体験へと再構築できるかという問いにシフトしている。メルキュール宮城蔵王リゾート＆スパの事例に見られるように、科学とリゾートの越境は、日本の観光業がサービス業の枠を脱し、社会課題の解決や次世代育成を担う新たなインフラへとステップアップするための有効な指針となるだろう。</p>
<div></div>
</div>
]]></content:encoded>
</item>

<item rdf:about="https://japanstep.jp/learn/2026/08/2268/">
<title>変化の時代に、社長は何を決めるのか【連載】再生請負人 平良学が教える 中小企業のゼロイチ術（最終回）</title>
<link>https://japanstep.jp/learn/2026/08/2268/</link>
<description> 皆さん、こんにちは。フォーバル GDXリサーチ研究所の平良学です。早いもので、本連載も今回が最終回となりました。これまで、ゼロイチの原点は現場にあること、「目隠し経営」から抜け出すこと、事業の種は、お客様の声や断っていた依頼の中にもあること、そして赤字事業の再生では売上の量だけでなく質を見ることをお話ししてきました。では、これからの中小企業には、どのような経営観が必要なのでしょうか。最終回では、変化の時代に経営者がどのような旗を立て、何を守り、何を変えていくべきなのかを考えます。（解説＝フォーバル GDXリサーチ研究所 平良学／文＝JMP総合プロデューサー 長谷川浩和）【連載一覧】再生請負人 平良学が教える 中小企業のゼロイチ術




教えてくれるのは&#8230;

フォーバル GDXリサーチ研究所　所長 
平良 学さん
1992年、株式会社フォーバル入社。九州支店の責任者として赤字拠点の立て直しに取り組み、コンサルティング事業の立ち上げや事業部の統括、アライアンス事業などを担い、2020年に執行役員に就任。2022年より、GDX（Green &#215; Digital Transformation）を軸に、中小企業のDX・ESG経営、自治体連携による地域企業支援、調査・研究・提言活動に取り組んでいる。




経営者の仕事は、決断すること

これまでの連載で、私は何度も「見えるようにすること」、可視化することの大切さをお話ししてきました。現場を見る。数字を見る。お客様の声を見る。案件ごとの利益を見る。そうして自社の状態が見えてくると、次に問われるのは判断です。

中小企業において、経営者の影響力はとても大きい。どの方向へ進むのか。どの仕事を伸ばすのか。何を見直すのか。誰と組むのか。どこに時間とお金を使うのか。最後に決めるのは、経営者自身です。

私は、経営者の仕事は「決断すること」だと考えています。

もちろん、中小企業の経営者は本当に忙しい。営業も見る。資金繰りも見る。採用も見る。現場の相談にも乗る。場合によっては、自分自身が一番のプレイヤーとして現場に立っていることもあります。私も多くの経営者と向き合ってきましたが、その大変さは、よく分かります。

ただ、経営者が日々の作業に追われすぎてしまうと、会社の未来を考える時間が削られてしまいます。昨日と同じ仕事を今日もこなし、今日と同じ仕事を明日もこなす。その繰り返しだけでは、変化の時代に会社を前へ進めることはできません。

だからこそ、経営者は、自分に問い続けなければなりません。この会社はどこへ向かうのか。何のために存在しているのか。誰に、どんな価値を届けるのか。そして、そのために何をやめ、何を始めるのか。

経営判断は、必ずしも派手なものばかりではありません。利益の薄い案件の条件を見直す。これまで断っていた依頼を一度検討してみる。社員に会社の数字を共有する。外部の人に相談する。そうした一つひとつの判断が、会社の未来を少しずつ変えていきます。

ゼロイチとは、突然大きな事業を立ち上げることだけではありません。これまで見えていなかったものを可視化し、次の一手を決めること。その積み重ねも、ゼロイチの一つです。経営者が決めるから、会社は動き出します。まず旗を立てる。その旗に向かって、社員や取引先、地域の人たちと一緒に進んでいく。これからの中小企業には、経営者の意思がますます問われていきます。






変えない軸が、変える力になる

変化の時代には、「変わること」ばかりが強調されます。DX、GX、AI、働き方改革、人口減少、サプライチェーンの変化。中小企業を取り巻く環境は、これまで以上の速さで変わっています。

しかし、変化に向き合うために本当に大切なのは、すべてを変えることではありません。むしろ、変えない軸を持つことです。

自社は何を大切にしてきたのか。お客様にどんな価値を届けてきたのか。地域や取引先、社員とどのような関係を築いてきたのか。そこを見失ったまま流行の言葉に飛びついても、会社はかえって迷ってしまいます。

私は、長く続く会社には共通点があると感じています。それは、守るべきものを守りながら、変えるべきものは大胆に変えていることです。経営理念や大切にしてきた価値観は簡単に変えない。一方で、商品、売り方、働き方、技術の使い方は、時代に合わせて変えていく。この両方があるから、会社は続いていくのだと思います。

中小企業の経営者には、ぜひ自社の「変えないもの」を言葉にしてほしいと思います。それは、立派な額に入った経営理念でなくても構いません。「お客様の困りごとに最後まで向き合う」「地域に必要とされる会社であり続ける」「社員が誇りを持てる仕事をする」。そうした自分たちらしい言葉で十分です。

その軸があると、判断がぶれにくくなります。新しい事業に取り組むべきか。価格を見直すべきか。取引条件を変えるべきか。外部のパートナーと組むべきか。迷ったときに立ち返る場所がある会社は、変化の中でも前に進めます。

逆に、軸がないまま変化に振り回されると、「儲かりそうだから」「周りがやっているから」「補助金があるから」という理由だけで動いてしまいます。それでは、取り組みは長続きしません。社員にも伝わらず、お客様にも響きません。

変えない軸があるから、変えるべきものを決められる。これは、中小企業にとって非常に大切な経営観です。ゼロイチに必要なのは、奇抜なアイデアだけではありません。自社の存在意義を見つめ直し、その軸から次の挑戦を考えること。そこに、これからの中小企業の強さがあると考えています。






社員と共有してこそ、挑戦は動き出す

経営者がどれだけ強い思いを持っていても、それが社員に伝わっていなければ、会社はなかなか前に進みません。中小企業では、経営者と社員の距離が近い一方で、情報量には大きな差が生まれがちです。

経営者は、売上、利益、資金繰り、取引先の動き、将来のリスクを見ています。一方で、社員には目の前の仕事しか見えていないこともあります。その状態で「もっと頑張ろう」「新しいことに挑戦しよう」と言われても、なぜ必要なのかが分からなければ、納得して動くことはできません。

私は、うまくいっている会社ほど、会社の状況をできるだけ分かりやすく共有していると感じます。今、会社はどのような状態なのか。何が課題なのか。どこにチャンスがあるのか。自分たちが頑張ることで、会社や自分たちの未来がどう変わるのか。そこが見えると、社員は前を向けるようになります。

もちろん、すべての情報をそのまま出せばよいという話ではありません。大切なのは、社員が自分ごととして受け止められる形にすることです。たとえば、売上や利益の数字だけを共有するのではなく、「この仕事の利益が上がれば、設備に投資できる」「この無駄を減らせれば、残業を減らせる」「この領域を伸ばせれば、賃上げの原資がつくれる」と伝える。数字と現場の実感をつなぐことが大切です。

若い世代は特に、自分の頑張りがどこにつながっているのかを重視します。何をすれば評価されるのか。どの仕事が会社の成長につながっているのか。自分はこの会社でどんな力を伸ばせるのか。そこが見える会社には、前向きな空気が生まれます。

逆に、見えない会社では不満が生まれやすくなります。「自分は頑張っているのに、なぜ評価されないのか」「なぜこの仕事を続けなければならないのか」「会社は本当に大丈夫なのか」。そうした不安や不満は、情報が見えていないところから生まれます。

だからこそ、経営者は会社の旗を立てるだけでなく、その旗を社員と共有する必要があります。どこへ向かうのかを示す。なぜそこへ向かうのかを伝える。社員が自分の仕事と会社の未来をつなげられるようにする。挑戦が生まれる組織は、経営者一人の熱量だけでできるものではありません。情報を共有し、納得をつくり、同じ方向を向く。そこまでできて初めて、会社は動き出します。






外の知恵が、挑戦の芽を育てる
これからの中小企業にとって、もう一つ大切なのは、自社だけで抱え込まないことだと考えています。 経営者は、孤独です。資金繰りの悩みも、採用の悩みも、事業承継の悩みも、新規事業の不安も、最後は自分で受け止めなければならない。だからこそ、すべてを一人で抱え込もうとしてしまう経営者も少なくありません。 しかし、変化のスピードが速い今の時代に、すべての情報や専門性を自社だけで持つことは難しくなっています。法改正、DX、GX、AI、採用、セキュリティ、サプライチェーン。どのテーマも経営に直結し、専門性が高く、変化も速いものばかりです。だからこそ、外部の知恵をどう取り入れるかが重要になります。 私たちフォーバル GDXリサーチ研究所では、中小企業の実態や経営課題を把握するために、「BLUE REPORT」という調査レポートも発行しています。全国の中小企業経営者の声や現場の課題を整理し、人的資本、賃上げ、次世代経営、GDX・ESGなど、いま経営者が向き合うべきテーマを可視化する取り組みです。自社の中だけを見るのではなく、社会や市場で何が起きているのかを知ることも、経営判断の大切な材料になります。 BLUE REPORT「激動の時代を生き抜くための中小企業戦略」（2026年6月発行） 私は、これからの中小企業には「かかりつけ医」のような存在が必要だと考えています。体の調子が悪くなったとき、いきなり大きな手術をするのではなく、まず状態を見てもらい、必要な処置を考える。企業も同じです。自社の状態を見えるようにし、課題を整理し、必要な専門家や支援策につなぐ伴走者がいれば、経営者は次の一手を打ちやすくなります。 外とつながることは、決して弱さではありません。むしろ、変化の時代に前へ進むための強さになります。地域の金融機関、自治体、大学、専門家、大企業、メディア、同じ志を持つ経営者。そうした人たちとつながることで、自社だけでは見えなかった可能性が見えてくるのです。 地方の中小企業には、まだまだ大きな可能性があると感じています。若い人たちが地元企業に関わることで、新しい技術の使い方が見えてくることもあります。地域の企業同士が連携することで、大企業にはできない価値を生み出せることもあります。経営者が外に出て未来の情報を取りに行くことで、会社の中に新しい風が入ってきます。 私は、中小企業は可能性にあふれていると本気で思っています。変化は厳しいものです。それでも、現場を見て、経営を見える化し、お客様の声に耳を傾け、売上の質を見直し、自社の旗を立てることができれば、まだまだ打つ手はあります。 今回の対談の冒頭で、JMP（JapanStep Media Project）の長谷川プロデューサーから「日本から挑戦を生む」というビジョンを伺い、私は強く共感しました。中小企業の現場には、挑戦の種がたくさんあります。その種を見つけ、育て、社会へ届けていくことは、私たちフォーバル GDXリサーチ研究所が取り組んできたこととも深く重なります。これからも、一社でも多くの中小企業が自信を持って次の一歩を踏み出せるよう、私自身も発信と実践を続けていきます。そして、JMP（JapanStep Media Project）とも連携を深めながら、日本の中小企業から新しい挑戦を生み出していきたいと考えています。これまでお読みいただき、本当にありがとうございました。 【連載一覧】再生請負人 平良学が教える 中小企業のゼロイチ術　 
関連リンク



フォーバル GDXリサーチ研究所


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<dc:category rdf:resource="https://japanstep.jp/learn/category/43">ビジネス</dc:category>
<dc:creator></dc:creator>
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<dc:date>2026-08-05T07:00:00+09:00</dc:date>
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<div id="cms-editor-minieditor-sin178295587885306300" class="cms-content-parts-sin178295587885313700"><p><a href="https://japanstep.jp/learn/category/230/" rel="otherurl"><img src="/images/popularity/01_L.webp" width="1280" height="376" alt="" /></a></p> <p>皆さん、こんにちは。フォーバル GDXリサーチ研究所の平良学です。早いもので、本連載も今回が最終回となりました。これまで、ゼロイチの原点は現場にあること、「目隠し経営」から抜け出すこと、事業の種は、お客様の声や断っていた依頼の中にもあること、そして赤字事業の再生では売上の量だけでなく質を見ることをお話ししてきました。では、これからの中小企業には、どのような経営観が必要なのでしょうか。最終回では、変化の時代に経営者がどのような旗を立て、何を守り、何を変えていくべきなのかを考えます。（解説＝フォーバル GDXリサーチ研究所 平良学／文＝JMP総合プロデューサー 長谷川浩和）<br /><br /><a href="https://japanstep.jp/learn/category/230/">【連載一覧】再生請負人 平良学が教える 中小企業のゼロイチ術</a></p></div>
<div class="cms-content-parts-sin178295591924826700 box parts_text_type02 cparts-id120--01 lay-margin-b--3 lay-padding--2" data-selectable="cparts-animate cparts-animate--slideInUp:上へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInDown:下へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInLeft:左へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInRight:右へスライド">
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<div class="cparts-editsite--txt cparts-txt-block lay-reset-child" id="cms-editor-minieditor-sin178295591924831500">
<p style="text-align: center;"><strong>教えてくれるのは&#8230;</strong><br />
<img src="/images/learn/rensai_saiseiukeoinin/1st/images20260702103014.webp" width="600" height="400" alt="" /></p>
<p style="text-align: center;"><strong>フォーバル GDXリサーチ研究所　所長 <br />
平良 学さん</strong></p>
<p style="text-align: left;">1992年、株式会社フォーバル入社。九州支店の責任者として赤字拠点の立て直しに取り組み、コンサルティング事業の立ち上げや事業部の統括、アライアンス事業などを担い、2020年に執行役員に就任。2022年より、GDX（Green &#215; Digital Transformation）を軸に、中小企業のDX・ESG経営、自治体連携による地域企業支援、調査・研究・提言活動に取り組んでいる。</p>
</div>
</div>
</div>
</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin178295594596641700 cparts-editsite--mainttl" id="cms-editor-textarea-sin178295594596650300">経営者の仕事は、決断すること</h2>
<div id="cms-editor-minieditor-sin178295595691490300" class="cms-content-parts-sin178295595691498400">
<p>これまでの連載で、私は何度も「見えるようにすること」、可視化することの大切さをお話ししてきました。現場を見る。数字を見る。お客様の声を見る。案件ごとの利益を見る。そうして自社の状態が見えてくると、次に問われるのは判断です。</p>
<p></p>
<p>中小企業において、経営者の影響力はとても大きい。どの方向へ進むのか。どの仕事を伸ばすのか。何を見直すのか。誰と組むのか。どこに時間とお金を使うのか。最後に決めるのは、経営者自身です。</p>
<p></p>
<p>私は、経営者の仕事は「決断すること」だと考えています。</p>
<p></p>
<p>もちろん、中小企業の経営者は本当に忙しい。営業も見る。資金繰りも見る。採用も見る。現場の相談にも乗る。場合によっては、自分自身が一番のプレイヤーとして現場に立っていることもあります。私も多くの経営者と向き合ってきましたが、その大変さは、よく分かります。</p>
<p></p>
<p>ただ、経営者が日々の作業に追われすぎてしまうと、会社の未来を考える時間が削られてしまいます。昨日と同じ仕事を今日もこなし、今日と同じ仕事を明日もこなす。その繰り返しだけでは、変化の時代に会社を前へ進めることはできません。</p>
<p></p>
<p>だからこそ、経営者は、自分に問い続けなければなりません。この会社はどこへ向かうのか。何のために存在しているのか。誰に、どんな価値を届けるのか。そして、そのために何をやめ、何を始めるのか。</p>
<p></p>
<p>経営判断は、必ずしも派手なものばかりではありません。利益の薄い案件の条件を見直す。これまで断っていた依頼を一度検討してみる。社員に会社の数字を共有する。外部の人に相談する。そうした一つひとつの判断が、会社の未来を少しずつ変えていきます。</p>
<p></p>
<p>ゼロイチとは、突然大きな事業を立ち上げることだけではありません。これまで見えていなかったものを可視化し、次の一手を決めること。その積み重ねも、ゼロイチの一つです。経営者が決めるから、会社は動き出します。まず旗を立てる。その旗に向かって、社員や取引先、地域の人たちと一緒に進んでいく。これからの中小企業には、経営者の意思がますます問われていきます。</p>
<div></div>
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</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin178295595385841800 cparts-editsite--mainttl" id="cms-editor-textarea-sin178295595385849100">変えない軸が、変える力になる</h2>
<div id="cms-editor-minieditor-sin178295595994794700" class="cms-content-parts-sin178295595994806100">
<p>変化の時代には、「変わること」ばかりが強調されます。DX、GX、AI、働き方改革、人口減少、サプライチェーンの変化。中小企業を取り巻く環境は、これまで以上の速さで変わっています。</p>
<p></p>
<p>しかし、変化に向き合うために本当に大切なのは、すべてを変えることではありません。むしろ、変えない軸を持つことです。</p>
<p></p>
<p>自社は何を大切にしてきたのか。お客様にどんな価値を届けてきたのか。地域や取引先、社員とどのような関係を築いてきたのか。そこを見失ったまま流行の言葉に飛びついても、会社はかえって迷ってしまいます。</p>
<p></p>
<p>私は、長く続く会社には共通点があると感じています。それは、守るべきものを守りながら、変えるべきものは大胆に変えていることです。経営理念や大切にしてきた価値観は簡単に変えない。一方で、商品、売り方、働き方、技術の使い方は、時代に合わせて変えていく。この両方があるから、会社は続いていくのだと思います。</p>
<p></p>
<p>中小企業の経営者には、ぜひ自社の「変えないもの」を言葉にしてほしいと思います。それは、立派な額に入った経営理念でなくても構いません。「お客様の困りごとに最後まで向き合う」「地域に必要とされる会社であり続ける」「社員が誇りを持てる仕事をする」。そうした自分たちらしい言葉で十分です。</p>
<p></p>
<p>その軸があると、判断がぶれにくくなります。新しい事業に取り組むべきか。価格を見直すべきか。取引条件を変えるべきか。外部のパートナーと組むべきか。迷ったときに立ち返る場所がある会社は、変化の中でも前に進めます。</p>
<p></p>
<p>逆に、軸がないまま変化に振り回されると、「儲かりそうだから」「周りがやっているから」「補助金があるから」という理由だけで動いてしまいます。それでは、取り組みは長続きしません。社員にも伝わらず、お客様にも響きません。</p>
<p></p>
<p>変えない軸があるから、変えるべきものを決められる。これは、中小企業にとって非常に大切な経営観です。ゼロイチに必要なのは、奇抜なアイデアだけではありません。自社の存在意義を見つめ直し、その軸から次の挑戦を考えること。そこに、これからの中小企業の強さがあると考えています。</p>
<div></div>
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<h2 class="cms-content-parts-sin178295595152794100 cparts-editsite--mainttl" id="cms-editor-textarea-sin178295595152802500">社員と共有してこそ、挑戦は動き出す</h2>
<div id="cms-editor-minieditor-sin178295593642329800" class="cms-content-parts-sin178295593642338300">
<p>経営者がどれだけ強い思いを持っていても、それが社員に伝わっていなければ、会社はなかなか前に進みません。中小企業では、経営者と社員の距離が近い一方で、情報量には大きな差が生まれがちです。</p>
<p></p>
<p>経営者は、売上、利益、資金繰り、取引先の動き、将来のリスクを見ています。一方で、社員には目の前の仕事しか見えていないこともあります。その状態で「もっと頑張ろう」「新しいことに挑戦しよう」と言われても、なぜ必要なのかが分からなければ、納得して動くことはできません。</p>
<p></p>
<p>私は、うまくいっている会社ほど、会社の状況をできるだけ分かりやすく共有していると感じます。今、会社はどのような状態なのか。何が課題なのか。どこにチャンスがあるのか。自分たちが頑張ることで、会社や自分たちの未来がどう変わるのか。そこが見えると、社員は前を向けるようになります。</p>
<p><img src="/images/learn/rensai_saiseiukeoinin/5th/images20260729133049.webp" width="900" height="600" alt="" /></p>
<p>もちろん、すべての情報をそのまま出せばよいという話ではありません。大切なのは、社員が自分ごととして受け止められる形にすることです。たとえば、売上や利益の数字だけを共有するのではなく、「この仕事の利益が上がれば、設備に投資できる」「この無駄を減らせれば、残業を減らせる」「この領域を伸ばせれば、賃上げの原資がつくれる」と伝える。数字と現場の実感をつなぐことが大切です。</p>
<p></p>
<p>若い世代は特に、自分の頑張りがどこにつながっているのかを重視します。何をすれば評価されるのか。どの仕事が会社の成長につながっているのか。自分はこの会社でどんな力を伸ばせるのか。そこが見える会社には、前向きな空気が生まれます。</p>
<p></p>
<p>逆に、見えない会社では不満が生まれやすくなります。「自分は頑張っているのに、なぜ評価されないのか」「なぜこの仕事を続けなければならないのか」「会社は本当に大丈夫なのか」。そうした不安や不満は、情報が見えていないところから生まれます。</p>
<p></p>
<p>だからこそ、経営者は会社の旗を立てるだけでなく、その旗を社員と共有する必要があります。どこへ向かうのかを示す。なぜそこへ向かうのかを伝える。社員が自分の仕事と会社の未来をつなげられるようにする。挑戦が生まれる組織は、経営者一人の熱量だけでできるものではありません。情報を共有し、納得をつくり、同じ方向を向く。そこまでできて初めて、会社は動き出します。</p>
<div></div>
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<h2 class="cms-content-parts-sin178295594953769700 cparts-editsite--mainttl" id="cms-editor-textarea-sin178295594953778600">外の知恵が、挑戦の芽を育てる</h2>
<div id="cms-editor-minieditor-sin178295658920038200" class="cms-content-parts-sin178295658920047400"><p>これからの中小企業にとって、もう一つ大切なのは、自社だけで抱え込まないことだと考えています。</p> <p></p> <p>経営者は、孤独です。資金繰りの悩みも、採用の悩みも、事業承継の悩みも、新規事業の不安も、最後は自分で受け止めなければならない。だからこそ、すべてを一人で抱え込もうとしてしまう経営者も少なくありません。</p> <p></p> <p>しかし、変化のスピードが速い今の時代に、すべての情報や専門性を自社だけで持つことは難しくなっています。法改正、DX、GX、AI、採用、セキュリティ、サプライチェーン。どのテーマも経営に直結し、専門性が高く、変化も速いものばかりです。だからこそ、外部の知恵をどう取り入れるかが重要になります。</p> <p></p> <p>私たちフォーバル GDXリサーチ研究所では、中小企業の実態や経営課題を把握するために、「BLUE REPORT」という調査レポートも発行しています。全国の中小企業経営者の声や現場の課題を整理し、人的資本、賃上げ、次世代経営、GDX・ESGなど、いま経営者が向き合うべきテーマを可視化する取り組みです。自社の中だけを見るのではなく、社会や市場で何が起きているのかを知ることも、経営判断の大切な材料になります。</p> <p style="text-align: center;"><img src="/images/learn/rensai_saiseiukeoinin/5th/bluereport_2026_cover.webp" width="450" height="642" alt="" /><br /> <a href="https://gdx-research.com/report/">BLUE REPORT「激動の時代を生き抜くための中小企業戦略」</a>（2026年6月発行）</p> <p></p> <p>私は、これからの中小企業には「かかりつけ医」のような存在が必要だと考えています。体の調子が悪くなったとき、いきなり大きな手術をするのではなく、まず状態を見てもらい、必要な処置を考える。企業も同じです。自社の状態を見えるようにし、課題を整理し、必要な専門家や支援策につなぐ伴走者がいれば、経営者は次の一手を打ちやすくなります。</p> <p></p> <p>外とつながることは、決して弱さではありません。むしろ、変化の時代に前へ進むための強さになります。地域の金融機関、自治体、大学、専門家、大企業、メディア、同じ志を持つ経営者。そうした人たちとつながることで、自社だけでは見えなかった可能性が見えてくるのです。</p> <p></p> <p>地方の中小企業には、まだまだ大きな可能性があると感じています。若い人たちが地元企業に関わることで、新しい技術の使い方が見えてくることもあります。地域の企業同士が連携することで、大企業にはできない価値を生み出せることもあります。経営者が外に出て未来の情報を取りに行くことで、会社の中に新しい風が入ってきます。</p> <p></p> <p>私は、中小企業は可能性にあふれていると本気で思っています。変化は厳しいものです。それでも、現場を見て、経営を見える化し、お客様の声に耳を傾け、売上の質を見直し、自社の旗を立てることができれば、まだまだ打つ手はあります。</p> <p></p> <p>今回の対談の冒頭で、JMP（JapanStep Media Project）の長谷川プロデューサーから「日本から挑戦を生む」というビジョンを伺い、私は強く共感しました。中小企業の現場には、挑戦の種がたくさんあります。その種を見つけ、育て、社会へ届けていくことは、私たちフォーバル GDXリサーチ研究所が取り組んできたこととも深く重なります。これからも、一社でも多くの中小企業が自信を持って次の一歩を踏み出せるよう、私自身も発信と実践を続けていきます。そして、JMP（JapanStep Media Project）とも連携を深めながら、日本の中小企業から新しい挑戦を生み出していきたいと考えています。これまでお読みいただき、本当にありがとうございました。</p> <p><img src="/images/learn/rensai_saiseiukeoinin/5th/images20260729133057.webp" width="900" height="600" alt="" /></p><p><a href="https://japanstep.jp/learn/category/230/">【連載一覧】再生請負人 平良学が教える 中小企業のゼロイチ術　</a></p> <div></div> <div></div> <div></div> <div></div> <p></p></div>
<h3 class="cms-content-parts-sin178295664890962300 cparts-editsite--mainttl" id="cms-editor-textarea-sin178295664890966200">関連リンク</h3>
<div class="cms-content-parts-sin178295665999122000 cparts-id119 lay-margin-b--3 box" data-selectable="cparts-animate cparts-animate--slideInUp:上へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInDown:下へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInLeft:左へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInRight:右へスライド">
<div class="lay-row">
<div class="lay-col12-xs-12 lay-col12-md-12 lay-col12-lg-12">
<div class="cparts-editsite--txt cparts-txt-block lay-reset-child" id="cms-editor-minieditor-sin178295665999126700"><p><a href="https://gdx-research.com/">フォーバル GDXリサーチ研究所<br type="_moz" /></a></p></div>
</div>
</div>
</div>
]]></content:encoded>
</item>

<item rdf:about="https://japanstep.jp/learn/2026/08/2270/">
<title>AIによる8種の事故に、5つのパターン。防げたはずの設計ミス、どう対応すべき？</title>
<link>https://japanstep.jp/learn/2026/08/2270/</link>
<description>
画面越しに命じるだけで、複雑な資料が整い、高度なプログラムが完遂される。AIツールが提供するその圧倒的な利便性の背後で、企業の防壁はかつてないほど無防備な状態に晒されている。機密情報の自動流出や、本番データベースの意図しない削除。これらのインシデントを詳細に読み解けば、共通して浮かび上がるのはAIそのものの脆弱性ではない。人間がAIに与えた「強すぎる権限」と、外部からの入力を無批判に受け入れる「設計の甘さ」である。
2026年5月20日、株式会社MONO BRAINが公開したレポート「AIツール活用におけるセキュリティ事故 8選」（第二版）は、実社会で起きたインシデントを5つの共通パターンへと整理し、その構造的なリスクを可視化した。AIを万能の杖として盲信するのではない。いかにしてその力を制御下に置くかという「統治（ガバナンス）」の実力が問われている。便利さの裏側に潜む設計ミスを直視することは、避けて通れないステップといえるだろう。（文＝JapanStep編集部）


&#8220;強い権限&#8221;が牙を向く。実在インシデントに見る5つのパターン

（引用元：PR TIMES）

2026年5月にアップデートされた本レポートは、M365 CopilotやChatGPT、GitHub Copilotといった主要なAIツールにおいて実際に発生した事故を分析している。第二版では、第一版の公開後に寄せられた現場の声を反映し、事故の本質を以下の5つのパターンに再定義した。







1. AIが社内データを読みすぎる

2. AI生成・AI活用アプリの認可設計が壊れる

3. AIエージェントが破壊的操作を実行する

4. 開発AIが外部入力を命令として扱う

5. OAuth/API連携で外部AIツールが侵入口になる　　　　　　　　　　　　　　　　　（引用元：PR TIMES）











これらのインシデントに共通する構造は、AIの性能不足ではなく、「外部入力」「強い権限」「自動実行」の3要素が不用意に重なった点にある。例えば、メールやウェブページといった外部からの情報をAIが読み込んだ際、悪意ある指示が忍ばされていれば、AIはそれを正当な命令と見なして実行してしまう――こんなリスクも考えうる。そこにAIに社内データへのアクセスやシステム操作の「強い権限」が与えられていると、ユーザーが意図しない情報の持ち出しやシステムの破壊が、何らクリックを介さずに成立してしまうのだ。



レポートは、AIが「脆弱」なのではなく、あまりに強力すぎる権限を持たされたまま「無防備」に使われている現状を指摘している。特に外部APIとの連携やOAuthによる認証認可の不備は、AIツールそのものを組織の核心部へと至る侵入口へと変貌させる。設計段階でAIの行動範囲を適切に制限できていないことが、現在のセキュリティにおける大きな死角となっている事実は重い。




「何をさせないか」を定義せよ。AIの価値を最大化する防衛線

MONO BRAINによる今回の提言が示唆するのは、AI導入戦略が「機能の拡張」から「リスクの封じ込め」という統治のフェーズへ移行したという事実だ。

AIを&#8220;何でもできる万能ツール&#8221;として無条件に信頼する段階は終わった。今後は、セキュリティを単なるコストやブレーキとして捉えるのではなく、AIの価値を安全に引き出し続けるための「不可欠なインフラ」として再設計しなければならない。鍵となるのは、必要最小限の権限のみを付与する、という「最小権限の徹底」である。AIに過剰な権限を与えず、外部との連携を野放しにしないといったガバナンスの再構築が、企業の真のデジタル体力を決定づけるだろう。

また、AIエージェントに全権を委ねることの危うさが露呈した今、重要な意思決定や、システムに致命的な打撃を与えかねない操作には人間がブレーキをかける。AIエージェント実行時に、人間が承認するという仕組みを、いかに技術的に担保するかが問われている。自動化のスピードを追求するあまり、この最後の砦を省略することは、組織にとって回復不能なダメージを負うリスクをはらむからだ。

2026年現在、AI活用の成否は「何ができるか」ではなく、リスクを予見し「何をさせないか」を定義できるかにかかっている。MONO BRAINが提示した実務的な対策案は、日本企業がAIという強大な力を「安全な知能」として社会に定着させるための避けて通れない規律となるだろう。

</description>
<enclosure url="https://japanstep.jp/images/learn/2607_Release/260729_jiko/main.webp" type="image/jpeg" />
<dc:category rdf:resource="https://japanstep.jp/learn/category/43">ビジネス</dc:category>
<dc:creator></dc:creator>
<dc:subject></dc:subject>
<dc:date>2026-08-04T07:00:00+09:00</dc:date>
<content:encoded><![CDATA[
<div id="cms-editor-minieditor-sin178533048484266700" class="cms-content-parts-sin178533048484274500">
<p>画面越しに命じるだけで、複雑な資料が整い、高度なプログラムが完遂される。AIツールが提供するその圧倒的な利便性の背後で、企業の防壁はかつてないほど無防備な状態に晒されている。機密情報の自動流出や、本番データベースの意図しない削除。これらのインシデントを詳細に読み解けば、共通して浮かび上がるのはAIそのものの脆弱性ではない。人間がAIに与えた「強すぎる権限」と、外部からの入力を無批判に受け入れる「設計の甘さ」である。<br />
2026年5月20日、株式会社MONO BRAINが公開したレポート「AIツール活用におけるセキュリティ事故 8選」（第二版）は、実社会で起きたインシデントを5つの共通パターンへと整理し、その構造的なリスクを可視化した。AIを万能の杖として盲信するのではない。いかにしてその力を制御下に置くかという「統治（ガバナンス）」の実力が問われている。便利さの裏側に潜む設計ミスを直視することは、避けて通れないステップといえるだろう。（文＝JapanStep編集部）</p>
<div></div>
</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin178533086240489000 cparts-editsite--mainttl" id="cms-editor-textarea-sin178533086240492700">&#8220;強い権限&#8221;が牙を向く。実在インシデントに見る5つのパターン</h2>
<div id="cms-editor-minieditor-sin178533050877799200" class="cms-content-parts-sin178533050877803500">
<p><img src="/images/learn/2607_Release/260729_jiko/1.webp" width="900" height="506" alt="" /><span style="font-size: small;">（引用元：</span><a href="https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000075.000118521.html"><span style="font-size: small;">PR TIMES</span></a><span style="font-size: small;">）</span></p>
<p></p>
<p>2026年5月にアップデートされた本レポートは、M365 CopilotやChatGPT、GitHub Copilotといった主要なAIツールにおいて実際に発生した事故を分析している。第二版では、第一版の公開後に寄せられた現場の声を反映し、事故の本質を以下の5つのパターンに再定義した。</p>
<div></div>
</div>
<div class="cms-content-parts-sin178533114046739100 box parts_text_type02 cparts-id120--01 lay-margin-b--3 lay-padding--2" data-selectable="cparts-animate cparts-animate--slideInUp:上へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInDown:下へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInLeft:左へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInRight:右へスライド">
<div class="lay-row lay-no-gutters">
<div class="lay-col12-12">
<div class="cparts-editsite--txt cparts-txt-block lay-reset-child" id="cms-editor-minieditor-sin178533114046798900">
<p></p>
<p>1. AIが社内データを読みすぎる</p>
<p></p>
<p>2. AI生成・AI活用アプリの認可設計が壊れる</p>
<p></p>
<p>3. AIエージェントが破壊的操作を実行する</p>
<p></p>
<p>4. 開発AIが外部入力を命令として扱う</p>
<p></p>
<p>5. OAuth/API連携で外部AIツールが侵入口になる　　　　　　　　　　　　　　　　　<span style="font-size: small;">（引用元：</span><a href="https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000075.000118521.html"><span style="font-size: small;">PR TIMES</span></a><span style="font-size: small;">）</span></p>
</div>
</div>
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</div>
<div class="cms-content-parts-sin178533116865432200 cparts-id119 lay-margin-b--3 box" data-selectable="cparts-animate cparts-animate--slideInUp:上へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInDown:下へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInLeft:左へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInRight:右へスライド">
<div class="lay-row">
<div class="lay-col12-xs-12 lay-col12-md-12 lay-col12-lg-12">
<div class="cparts-editsite--txt cparts-txt-block lay-reset-child" id="cms-editor-minieditor-sin178533116865436100">
<p></p>
<p></p>
<p></p>
<p>これらのインシデントに共通する構造は、AIの性能不足ではなく、「外部入力」「強い権限」「自動実行」の3要素が不用意に重なった点にある。例えば、メールやウェブページといった外部からの情報をAIが読み込んだ際、悪意ある指示が忍ばされていれば、AIはそれを正当な命令と見なして実行してしまう――こんなリスクも考えうる。そこにAIに社内データへのアクセスやシステム操作の「強い権限」が与えられていると、ユーザーが意図しない情報の持ち出しやシステムの破壊が、何らクリックを介さずに成立してしまうのだ。</p>
<p></p>
<p></p>
<p></p>
<p>レポートは、AIが「脆弱」なのではなく、あまりに強力すぎる権限を持たされたまま「無防備」に使われている現状を指摘している。特に外部APIとの連携やOAuthによる認証認可の不備は、AIツールそのものを組織の核心部へと至る侵入口へと変貌させる。設計段階でAIの行動範囲を適切に制限できていないことが、現在のセキュリティにおける大きな死角となっている事実は重い。</p>
</div>
</div>
</div>
</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin178533086643526300 cparts-editsite--mainttl" id="cms-editor-textarea-sin178533086643535000">「何をさせないか」を定義せよ。AIの価値を最大化する防衛線</h2>
<div id="cms-editor-minieditor-sin178533050542472600" class="cms-content-parts-sin178533050542504900">
<p>MONO BRAINによる今回の提言が示唆するのは、AI導入戦略が「機能の拡張」から「リスクの封じ込め」という統治のフェーズへ移行したという事実だ。</p>
<p></p>
<p>AIを&#8220;何でもできる万能ツール&#8221;として無条件に信頼する段階は終わった。今後は、セキュリティを単なるコストやブレーキとして捉えるのではなく、AIの価値を安全に引き出し続けるための「不可欠なインフラ」として再設計しなければならない。鍵となるのは、必要最小限の権限のみを付与する、という「最小権限の徹底」である。AIに過剰な権限を与えず、外部との連携を野放しにしないといったガバナンスの再構築が、企業の真のデジタル体力を決定づけるだろう。</p>
<p></p>
<p>また、AIエージェントに全権を委ねることの危うさが露呈した今、重要な意思決定や、システムに致命的な打撃を与えかねない操作には人間がブレーキをかける。AIエージェント実行時に、人間が承認するという仕組みを、いかに技術的に担保するかが問われている。自動化のスピードを追求するあまり、この最後の砦を省略することは、組織にとって回復不能なダメージを負うリスクをはらむからだ。</p>
<p></p>
<p>2026年現在、AI活用の成否は「何ができるか」ではなく、リスクを予見し「何をさせないか」を定義できるかにかかっている。MONO BRAINが提示した実務的な対策案は、日本企業がAIという強大な力を「安全な知能」として社会に定着させるための避けて通れない規律となるだろう。</p>
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</div>
]]></content:encoded>
</item>

<item rdf:about="https://japanstep.jp/learn/2026/08/2211/">
<title>「旅行会社」から「交流創造企業」へ。JTBが問い直したブランドの本質 【連載】Branding Shift ～変わる時代に、ブランドの本質を問う</title>
<link>https://japanstep.jp/learn/2026/08/2211/</link>
<description>





変化の時代にこそ問われるブランドの本質に迫り、ブランディングを経営思想や社会との関係性を映し出す営みとして捉え直す本連載。今回は、コロナ禍で売上の7割が消失するという創立以来の危機に直面しながら、新たな成長の道を切り拓いてきたJTBを取材した。「旅行会社」から「交流創造企業」へと自社のあり方を再定義し、事業とブランドの変革を一体で進めてきたプロセスに迫る。同社CMOの風口悦子さんの言葉から、変革の過程と、AI時代におけるブランドの本質を考える。（文＝JapanStep編集部）





お話を伺ったのは &#8230;

株式会社JTB&#160;執行役員
ブランディング・マーケティング・広報担当 CMO（チーフ・マーケティング・オフィサー） 
風口 悦子さん
日本IBM株式会社で、執行役員CMOをはじめ、パフォーマンスマーケティング、クラウド・AI領域など、
幅広い分野でリーダーシップを発揮。2023年9月に株式会社JTBに入社し、執行役員CMOに就任。
現在はブランディング・マーケティング・広報の3領域を統括し、
同社のリブランディングと事業変革を推進している。




「旅行会社」の先へ。JTBが挑んだ認識の転換




JTBは1912年の創立以来、旅行や移動、地域との接点を通じて、多くの人に親しまれてきた存在である。学校行事、社員旅行、家族旅行など、さまざまな旅の場面に寄り添い、人々の記憶に残る体験を支えてきた。

そんなJTBが2023年、1988年のCI導入以来、実に35年ぶりとなる大規模なリブランディングを実施した。同年9月には、日本IBMでマーケティング領域を牽引してきた風口悦子さんが執行役員CMOに就任。現在も、このブランド変革を事業変革と結びつけながら推進している。&#160;

長年培ってきた「JTB＝旅行会社」という認知は、間違いなく大きなブランド資産である。一方で、BtoB領域や、地域活性化を担うエリアソリューション事業などの幅広いソリューション展開を社会に伝えていくうえでは、その強すぎるイメージが制約にもなっていた。

この点について、風口さんはこう語る。
「ありがたくも、JTBですと言うと、旅行事業を想起していただける状態にあると思います。一方で、コロナ禍で旅行という事業が大きなダメージを受けたとき、私たちが本当に提供している価値は何なのかに立ち返る必要がありました。そこでたどり着いたのが、交流を通じて価値を生む『交流創造事業』という考え方です」（風口さん）


同社は、「旅行会社」という枠組みを超え、「交流を通じて価値を生む会社」へと、自社の本質を再定義していった。







売上7割消失の危機で問い直した、JTBの提供価値




2020年以降、世界中で人の動きが止まった。JTBもまた、コロナ禍により売上の7割が消失するという、創立以来の大きな経営危機に直面した。しかし、同社はこの危機への対応にとどまらず、事業のあり方を見直す契機として捉え、新たな経営ビジョンを策定した。その局面でJTBが向き合ったのは、需要回復を待つことではなく、自社が社会に提供し得る価値を見つめ直すことだった。

事業の根幹にあるのは、単なる移動手段の提供や宿泊施設の手配ではない。JTBは、「交流を通じて価値を生む」ことこそが、ブランドの観点でも、事業の存在意義の観点でも、決して変わらない本質であると定義した。

一方で、人と人、人と地域、人と組織など、どのような交流が求められるか、あるいはその交流によってどのような感情が生まれ、どのような価値につながるかは、顧客の行動やマーケットの変化に応じて常に更新していかなければならない。変えてはいけない軸を持ちながら、提供する手段や形は柔軟にアップデートしていく。その姿勢が、新たなブランドの土台となっている。







100年以上の歴史が培った「交流創造Intelligence」




「交流創造事業」は、単なるスローガンではない。JTBが長年培ってきたネットワークや社員一人ひとりの知見を、社会に新たな価値を生み出す力へと転換していく考え方である。

風口さんは、自社の価値の源泉について次のように語る。&#160;
「価値の源泉、つまり価値を生み出しているものは何なのかを考えたとき、その一つが、歴史の中で培ってきたさまざまなネットワークだと思っています。旅行者の方はもちろん、国内47都道府県、そして世界各拠点に広がるネットワーク、事業パートナーの皆さんとのつながりもあります」（風口さん）


100年以上の歴史の中で築いてきた多層的なネットワークに加え、社員一人ひとりが培ってきた専門性、経験、現場力、そして現場で顧客や地域の課題を捉える洞察力も、同社の価値を支えている。同社はこれを「交流創造Intelligence」として進化させ、新たな交流のあり方を切り拓こうとしている。


こうしたネットワークや洞察力は、企業向けのビジネスソリューション領域でも生かされてきた。例えば企業のインセンティブ旅行やイベント運営などを起点に、担当者が抱えるさまざまな課題を丁寧に聞き取る。その課題を解決するために、自社で何が提供できるかを考え、必要であれば多様なパートナーをつなぎ合わせ、総合的なソリューションへと広げてきた。つまり、JTBはこれまでも単に旅行を手配してきただけでなく、顧客の課題を聞き、関係者をつなぎ、新たな価値を設計してきた「交流創造」を実践してきた存在でもあった。








理念は、社員一人ひとりの言葉になって動き出す




「交流創造企業」という新たなブランド像を社内に浸透させるため、JTBはインナーブランディングにも力を注いできた。同社では、企業活動と社員行動の支柱として「The JTB Way（MVV）」を再構築した。新たな経営ビジョンを組み込み、ブランド・プロミスを改訂。さらに、9,000人の社員の意志をもとに、社員共通の価値観である「ONE JTB Values（信頼を創る／挑戦し続ける／笑顔をつなぐ）」を定めた。


風口さんは、ブランドを浸透させるには、組織の各レイヤーで異なる役割があると話す。トップマネジメントはブランドの力を信じ、自分の言葉で伝える。ミドルマネジメントは、それを自分のチームの活動へと落とし込む。そのうえで、大きな力を持つのが、現場の社員一人ひとりから生まれる活動である。
「何よりもパワーがあるのは、社員一人ひとりから生まれる、現場起点の活動だと思っています」（風口さん）

経営層、ミドルマネジメント、現場社員という各レイヤーの思いが循環することが、ブランド浸透には不可欠だ。


そのための具体施策として、全社員へのeラーニングやワークショップの開催、各リーダーが自身の言葉で発信する「私のリブランディング宣言」、Web社内報を通じた情報共有、そして現場起点の「Smile活動」などが展開されている。


中でも特徴的なのが、名刺を活用した取り組みだ。名刺の箱には、MVVの一つとそれに対する問いを記した「ブランドカード」が同封されている。


社員は自分の思いをQRコードから投稿し、集まった声は社内システムで可視化される仕組みになっている。社員の声を可視化するこの仕組みは、ブランドを一人ひとりの言葉に変えていくうえで重要な役割を果たしている。

こうした取り組みは、インターブランドジャパンが主催する「Japan Branding Awards 2025（JBA2025）」において、SILVERを受賞する形でも評価された。風口さんは、今回の受賞について、リブランディングに関わってきた社員にとっても「一つの誇り」になっていると語る。外部からの評価は、社内におけるブランド変革の手応えを共有する機会にもなっている。
引用：JTBホームページより







地域の課題を、共創の体験価値へ変える




交流創造は、理念やビジョンにとどまらず、地域課題と向き合う現場で具体的な実践へと広がっている。象徴的な事例の一つが、高松支店が中心となって進めている「クセモノズ」の取り組みである。

「クセモノズ」は、地域の未利用資源や社会課題に向き合い、地域、生活者、旅行者、JTBの社員がともに関わる場として展開されている。例えば、形が規格に合わないなどの理由で十分に活用されてこなかった魚や、地元の野菜を使い、地元の小学生と共同でレトルトカレーを開発するなどの活動を進めている。単なるフードロス対策にとどまらず、地域の課題を新たな可能性へと変える取り組みである。

風口さんは、この事例の意義を次のように語る。

「課題解決から始まっていること。そして、一方的な当社の思いや地域の思いではなく、共創によって社会をよくしていく動きが生まれていることに、大きな意味があると思っています」（風口さん）

JTBの役割は、旅行者と地域を結びつけることだけにとどまらない。地域、生活者、旅行者をつなぎ、社会価値を生む関係性を設計することへと広がりつつある。さらに同社は「JTB交流創造キャンバス」というプロジェクトも開始し、社会から未来の交流アイデアを広く募集している。寄せられたアイデアの審査には社員投票も取り入れ、社外の想像力を交流創造のヒントにしている。







AI時代にこそ、ブランドは信頼の仕組みになる




最後に、AI時代のブランドについて考えたい。AI活用が急速に広がるなかで、企業の信頼はどのようにつくられていくのか。

AI時代には、ブランドの意味が薄れていくという見方がある一方で、企業の信頼を支えるものとして重要性が増していくという見方もある。風口さんは、後者の見方に可能性を見出している。
「企業への信頼を支えるものとして、ブランドの重要性はむしろ増していくと思っています」（風口さん）

AIが企業の情報を正しく読み取り、理解し、適切に推奨する状態をつくるためには、ロゴや言葉を整えるだけでは足りない。社員の日々のコミュニケーション、発信するメッセージやクリエイティブ、そして実際のサービス体験のすべてが整合していなければ、情報としての信頼性も、顧客からの信頼も積み上がらないからだ。

一方で、AIを使いこなすためには、人間自身の経験や知識の蓄積が欠かせないとも指摘する。
「AIは活用すべきものです。そのうえで、AIとどう向き合い、共に生きていくかを考える必要があります。AIから出てきた回答に『何か違う』と感じられるのは、その前提として、自分の知識や経験があるからだと思います」（風口さん）

五感を通じた経験や体験の蓄積こそが、違和感に気づき、AIを正しく活用する力になる。だからこそ、人がリアルな経験を通じて得る「交流」や「体験」の価値は、AI時代においてむしろ高まっていく。

その価値を、これからの社会にどのように広げていくのか。その問いは、JTBが2035年に向けて掲げる長期ビジョン「OPEN FRONTIER 2035」とも重なる。同社は「高い専門性と洞察力で世界をつなぎ、つくり、つなげ、感動と幸せで人々を満たす『新』交流時代のフロンティア企業となる」ことを掲げ、交流創造企業として、新たな価値創造の領域を広げようとしている。

ブランドを企業活動そのものとして捉える姿勢は、風口さんの言葉に端的に表れている。
「ブランドは、事業そのものであり、企業そのものだと思います。すべての活動の積み重ねによってつくられる一方で、たった一つの小さな失敗によって失われてしまうものでもあります」（風口さん）

変わる時代にあっても、ブランドの本質は、日々の誠実な事業活動の積み重ねに他ならない。交流創造を通じて社会との関係性を更新し続けるJTBの歩みは、これからのブランド経営に一つの示唆を与えている。








関連リンク

コロナ禍で売上７割消失から新たな成長軌道への転換へ - インターブランドジャパン
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<div class="cms-content-parts-sin177991852759300400 box cparts-id403--01 lay-margin-b--3" data-selectable="cparts-animate cparts-animate--slideInUp:上へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInDown:下へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInLeft:左へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInRight:右へスライド">
<div class="lay-row">
<div class="cparts-img-block lay-img-width--max lay-col12-xs-12"><a href="https://japanstep.jp/learn/category/221/" rel="otherurl" title="" style="text-decoration: none;"><img id="cms-editor-image-sin177991852759306900" class="cparts-editsite--img cms-easy-edit" alt="" src="/images/popularity/BrandingShift_JMP.webp" width="675" title="" name="" /></a></div>
</div>
</div>
<div id="cms-editor-minieditor-sin177984857715836700" class="cms-content-parts-sin177984857715844500">
<p>変化の時代にこそ問われるブランドの本質に迫り、ブランディングを経営思想や社会との関係性を映し出す営みとして捉え直す本連載。今回は、コロナ禍で売上の7割が消失するという創立以来の危機に直面しながら、新たな成長の道を切り拓いてきたJTBを取材した。「旅行会社」から「交流創造企業」へと自社のあり方を再定義し、事業とブランドの変革を一体で進めてきたプロセスに迫る。同社CMOの風口悦子さんの言葉から、変革の過程と、AI時代におけるブランドの本質を考える。（文＝JapanStep編集部）</p>
</div>
<div class="cms-content-parts-sin177984867887037800 box parts_text_type02 cparts-id120--01 lay-margin-b--3 lay-padding--2" data-selectable="cparts-animate cparts-animate--slideInUp:上へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInDown:下へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInLeft:左へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInRight:右へスライド">
<div class="lay-row lay-no-gutters">
<div class="lay-col12-12">
<div class="cparts-editsite--txt cparts-txt-block lay-reset-child" id="cms-editor-minieditor-sin177984867887043500">
<p style="text-align: center;">お話を伺ったのは &#8230;</p>
<p style="text-align: center;"><img src="/images/learn/brandingshift/jtb/batch_260514-1-047.webp" width="1280" height="853" alt="" /></p>
<p style="text-align: center;"><b>株式会社JTB&#160;執行役員<br />
ブランディング・マーケティング・広報担当 CMO（チーフ・マーケティング・オフィサー） <br />
風口 悦子さん</b></p>
<p style="text-align: center;">日本IBM株式会社で、執行役員CMOをはじめ、パフォーマンスマーケティング、クラウド・AI領域など、<br />
幅広い分野でリーダーシップを発揮。2023年9月に株式会社JTBに入社し、執行役員CMOに就任。<br />
現在はブランディング・マーケティング・広報の3領域を統括し、<br />
同社のリブランディングと事業変革を推進している。</p>
</div>
</div>
</div>
</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin178304523104023100 cparts-editsite--mainttl" id="cms-editor-textarea-sin178304523104028800">「旅行会社」の先へ。JTBが挑んだ認識の転換</h2>
<div class="cms-content-parts-sin178304524126207700 cparts-id119 lay-margin-b--3 box" data-selectable="cparts-animate cparts-animate--slideInUp:上へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInDown:下へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInLeft:左へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInRight:右へスライド">
<div class="lay-row">
<div class="lay-col12-xs-12 lay-col12-md-12 lay-col12-lg-12">
<div class="cparts-editsite--txt cparts-txt-block lay-reset-child" id="cms-editor-minieditor-sin178304524126211700">
<p>JTBは1912年の創立以来、旅行や移動、地域との接点を通じて、多くの人に親しまれてきた存在である。学校行事、社員旅行、家族旅行など、さまざまな旅の場面に寄り添い、人々の記憶に残る体験を支えてきた。</p>
<p></p>
<p>そんなJTBが2023年、1988年のCI導入以来、実に35年ぶりとなる大規模なリブランディングを実施した。同年9月には、日本IBMでマーケティング領域を牽引してきた風口悦子さんが執行役員CMOに就任。現在も、このブランド変革を事業変革と結びつけながら推進している。&#160;</p>
<p><img src="/images/learn/brandingshift/jtb/batch_01.webp" width="900" height="503" alt="" /></p>
<p>長年培ってきた「JTB＝旅行会社」という認知は、間違いなく大きなブランド資産である。一方で、BtoB領域や、地域活性化を担うエリアソリューション事業などの幅広いソリューション展開を社会に伝えていくうえでは、その強すぎるイメージが制約にもなっていた。</p>
<p></p>
<p>この点について、風口さんはこう語る。<br />
「ありがたくも、JTBですと言うと、旅行事業を想起していただける状態にあると思います。一方で、コロナ禍で旅行という事業が大きなダメージを受けたとき、私たちが本当に提供している価値は何なのかに立ち返る必要がありました。そこでたどり着いたのが、交流を通じて価値を生む『交流創造事業』という考え方です」（風口さん）</p>
<p><img src="/images/learn/brandingshift/jtb/batch_260514-1-001.webp" width="900" height="600" alt="" /></p>
<p></p>
<p>同社は、「旅行会社」という枠組みを超え、「交流を通じて価値を生む会社」へと、自社の本質を再定義していった。</p>
<p></p>
<div></div>
<div></div>
</div>
</div>
</div>
</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin178304537267531900 cparts-editsite--mainttl" id="cms-editor-textarea-sin178304537267539900">売上7割消失の危機で問い直した、JTBの提供価値</h2>
<div class="cms-content-parts-sin178304539158098100 cparts-id119 lay-margin-b--3 box" data-selectable="cparts-animate cparts-animate--slideInUp:上へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInDown:下へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInLeft:左へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInRight:右へスライド">
<div class="lay-row">
<div class="lay-col12-xs-12 lay-col12-md-12 lay-col12-lg-12">
<div class="cparts-editsite--txt cparts-txt-block lay-reset-child" id="cms-editor-minieditor-sin178304539158073700">
<p>2020年以降、世界中で人の動きが止まった。JTBもまた、コロナ禍により売上の7割が消失するという、創立以来の大きな経営危機に直面した。しかし、同社はこの危機への対応にとどまらず、事業のあり方を見直す契機として捉え、新たな経営ビジョンを策定した。その局面でJTBが向き合ったのは、需要回復を待つことではなく、自社が社会に提供し得る価値を見つめ直すことだった。</p>
<p></p>
<p>事業の根幹にあるのは、単なる移動手段の提供や宿泊施設の手配ではない。JTBは、「交流を通じて価値を生む」ことこそが、ブランドの観点でも、事業の存在意義の観点でも、決して変わらない本質であると定義した。</p>
<p></p>
<p>一方で、人と人、人と地域、人と組織など、どのような交流が求められるか、あるいはその交流によってどのような感情が生まれ、どのような価値につながるかは、顧客の行動やマーケットの変化に応じて常に更新していかなければならない。変えてはいけない軸を持ちながら、提供する手段や形は柔軟にアップデートしていく。その姿勢が、新たなブランドの土台となっている。</p>
<div></div>
<p></p>
<div></div>
</div>
</div>
</div>
</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin178304536972549400 cparts-editsite--mainttl" id="cms-editor-textarea-sin178304536972558100">100年以上の歴史が培った「交流創造Intelligence」</h2>
<div class="cms-content-parts-sin178304538658381200 cparts-id119 lay-margin-b--3 box" data-selectable="cparts-animate cparts-animate--slideInUp:上へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInDown:下へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInLeft:左へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInRight:右へスライド">
<div class="lay-row">
<div class="lay-col12-xs-12 lay-col12-md-12 lay-col12-lg-12">
<div class="cparts-editsite--txt cparts-txt-block lay-reset-child" id="cms-editor-minieditor-sin178304538658300000">
<p>「交流創造事業」は、単なるスローガンではない。JTBが長年培ってきたネットワークや社員一人ひとりの知見を、社会に新たな価値を生み出す力へと転換していく考え方である。</p>
<p></p>
<p>風口さんは、自社の価値の源泉について次のように語る。&#160;<br />
「価値の源泉、つまり価値を生み出しているものは何なのかを考えたとき、その一つが、歴史の中で培ってきたさまざまなネットワークだと思っています。旅行者の方はもちろん、国内47都道府県、そして世界各拠点に広がるネットワーク、事業パートナーの皆さんとのつながりもあります」（風口さん）</p>
<p><img src="/images/learn/brandingshift/jtb/batch_260514-1-032.webp" width="900" height="600" alt="" /></p>
<p></p>
<p>100年以上の歴史の中で築いてきた多層的なネットワークに加え、社員一人ひとりが培ってきた専門性、経験、現場力、そして現場で顧客や地域の課題を捉える洞察力も、同社の価値を支えている。同社はこれを「交流創造Intelligence」として進化させ、新たな交流のあり方を切り拓こうとしている。</p>
<p><img src="/images/learn/brandingshift/jtb/images20260721131729.webp" width="900" height="495" alt="" /></p>
<p></p>
<p>こうしたネットワークや洞察力は、企業向けのビジネスソリューション領域でも生かされてきた。例えば企業のインセンティブ旅行やイベント運営などを起点に、担当者が抱えるさまざまな課題を丁寧に聞き取る。その課題を解決するために、自社で何が提供できるかを考え、必要であれば多様なパートナーをつなぎ合わせ、総合的なソリューションへと広げてきた。つまり、JTBはこれまでも単に旅行を手配してきただけでなく、顧客の課題を聞き、関係者をつなぎ、新たな価値を設計してきた「交流創造」を実践してきた存在でもあった。</p>
<p><img src="/images/learn/brandingshift/jtb/batch_03.webp" width="900" height="496" alt="" /></p>
<div></div>
<p></p>
<div></div>
</div>
</div>
</div>
</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin178304536742608500 cparts-editsite--mainttl" id="cms-editor-textarea-sin178304536742616800">理念は、社員一人ひとりの言葉になって動き出す</h2>
<div class="cms-content-parts-sin178304538300164500 cparts-id119 lay-margin-b--3 box" data-selectable="cparts-animate cparts-animate--slideInUp:上へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInDown:下へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInLeft:左へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInRight:右へスライド">
<div class="lay-row">
<div class="lay-col12-xs-12 lay-col12-md-12 lay-col12-lg-12">
<div class="cparts-editsite--txt cparts-txt-block lay-reset-child" id="cms-editor-minieditor-sin178304538300137100">
<p>「交流創造企業」という新たなブランド像を社内に浸透させるため、JTBはインナーブランディングにも力を注いできた。同社では、企業活動と社員行動の支柱として「The JTB Way（MVV）」を再構築した。新たな経営ビジョンを組み込み、ブランド・プロミスを改訂。さらに、9,000人の社員の意志をもとに、社員共通の価値観である「ONE JTB Values（信頼を創る／挑戦し続ける／笑顔をつなぐ）」を定めた。</p>
<p><img src="/images/learn/brandingshift/jtb/batch_04.webp" width="900" height="499" alt="" /></p>
<p></p>
<p>風口さんは、ブランドを浸透させるには、組織の各レイヤーで異なる役割があると話す。トップマネジメントはブランドの力を信じ、自分の言葉で伝える。ミドルマネジメントは、それを自分のチームの活動へと落とし込む。そのうえで、大きな力を持つのが、現場の社員一人ひとりから生まれる活動である。<br />
「何よりもパワーがあるのは、社員一人ひとりから生まれる、現場起点の活動だと思っています」（風口さん）</p>
<p></p>
<p>経営層、ミドルマネジメント、現場社員という各レイヤーの思いが循環することが、ブランド浸透には不可欠だ。</p>
<p><img src="/images/learn/brandingshift/jtb/batch_05.webp" width="900" height="497" alt="" /></p>
<p></p>
<p>そのための具体施策として、全社員へのeラーニングやワークショップの開催、各リーダーが自身の言葉で発信する「私のリブランディング宣言」、Web社内報を通じた情報共有、そして現場起点の「Smile活動」などが展開されている。</p>
<p><img src="/images/learn/brandingshift/jtb/images20260721131737.webp" width="900" height="500" alt="" /></p>
<p></p>
<p>中でも特徴的なのが、名刺を活用した取り組みだ。名刺の箱には、MVVの一つとそれに対する問いを記した「ブランドカード」が同封されている。</p>
<p><img src="/images/learn/brandingshift/jtb/batch_260514-1-033.webp" width="900" height="600" alt="" /></p>
<p></p>
<p>社員は自分の思いをQRコードから投稿し、集まった声は社内システムで可視化される仕組みになっている。社員の声を可視化するこの仕組みは、ブランドを一人ひとりの言葉に変えていくうえで重要な役割を果たしている。</p>
<p></p>
<p>こうした取り組みは、インターブランドジャパンが主催する「Japan Branding Awards 2025（JBA2025）」において、SILVERを受賞する形でも評価された。風口さんは、今回の受賞について、リブランディングに関わってきた社員にとっても「一つの誇り」になっていると語る。外部からの評価は、社内におけるブランド変革の手応えを共有する機会にもなっている。</p>
<p><img src="/images/learn/brandingshift/jtb/batch_09.webp" width="900" height="349" alt="" /><span style="font-size: small;">引用：JTBホームページより</span></p>
<div></div>
<div></div>
<p></p>
</div>
</div>
</div>
</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin178304536456998500 cparts-editsite--mainttl" id="cms-editor-textarea-sin178304536457003700">地域の課題を、共創の体験価値へ変える</h2>
<div class="cms-content-parts-sin178304537967573900 cparts-id119 lay-margin-b--3 box" data-selectable="cparts-animate cparts-animate--slideInUp:上へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInDown:下へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInLeft:左へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInRight:右へスライド">
<div class="lay-row">
<div class="lay-col12-xs-12 lay-col12-md-12 lay-col12-lg-12">
<div class="cparts-editsite--txt cparts-txt-block lay-reset-child" id="cms-editor-minieditor-sin178304537967550200">
<p>交流創造は、理念やビジョンにとどまらず、地域課題と向き合う現場で具体的な実践へと広がっている。象徴的な事例の一つが、高松支店が中心となって進めている「クセモノズ」の取り組みである。</p>
<p></p>
<p>「クセモノズ」は、地域の未利用資源や社会課題に向き合い、地域、生活者、旅行者、JTBの社員がともに関わる場として展開されている。例えば、形が規格に合わないなどの理由で十分に活用されてこなかった魚や、地元の野菜を使い、地元の小学生と共同でレトルトカレーを開発するなどの活動を進めている。単なるフードロス対策にとどまらず、地域の課題を新たな可能性へと変える取り組みである。</p>
<p><img src="/images/learn/brandingshift/jtb/batch_10.webp" width="900" height="494" alt="" /></p>
<p>風口さんは、この事例の意義を次のように語る。</p>
<p></p>
<p>「課題解決から始まっていること。そして、一方的な当社の思いや地域の思いではなく、共創によって社会をよくしていく動きが生まれていることに、大きな意味があると思っています」（風口さん）</p>
<p></p>
<p>JTBの役割は、旅行者と地域を結びつけることだけにとどまらない。地域、生活者、旅行者をつなぎ、社会価値を生む関係性を設計することへと広がりつつある。さらに同社は「JTB交流創造キャンバス」というプロジェクトも開始し、社会から未来の交流アイデアを広く募集している。寄せられたアイデアの審査には社員投票も取り入れ、社外の想像力を交流創造のヒントにしている。</p>
<p><img src="/images/learn/brandingshift/jtb/batch_11.webp" width="900" height="499" alt="" /></p>
<div></div>
<div></div>
</div>
</div>
</div>
</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin178304536104174200 cparts-editsite--mainttl" id="cms-editor-textarea-sin178304536104209800">AI時代にこそ、ブランドは信頼の仕組みになる</h2>
<div class="cms-content-parts-sin178304537657148200 cparts-id119 lay-margin-b--3 box" data-selectable="cparts-animate cparts-animate--slideInUp:上へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInDown:下へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInLeft:左へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInRight:右へスライド">
<div class="lay-row">
<div class="lay-col12-xs-12 lay-col12-md-12 lay-col12-lg-12">
<div class="cparts-editsite--txt cparts-txt-block lay-reset-child" id="cms-editor-minieditor-sin178304537657124000">
<p>最後に、AI時代のブランドについて考えたい。AI活用が急速に広がるなかで、企業の信頼はどのようにつくられていくのか。</p>
<p></p>
<p>AI時代には、ブランドの意味が薄れていくという見方がある一方で、企業の信頼を支えるものとして重要性が増していくという見方もある。風口さんは、後者の見方に可能性を見出している。<br />
「企業への信頼を支えるものとして、ブランドの重要性はむしろ増していくと思っています」（風口さん）</p>
<p></p>
<p>AIが企業の情報を正しく読み取り、理解し、適切に推奨する状態をつくるためには、ロゴや言葉を整えるだけでは足りない。社員の日々のコミュニケーション、発信するメッセージやクリエイティブ、そして実際のサービス体験のすべてが整合していなければ、情報としての信頼性も、顧客からの信頼も積み上がらないからだ。</p>
<p></p>
<p>一方で、AIを使いこなすためには、人間自身の経験や知識の蓄積が欠かせないとも指摘する。</p>
<p>「AIは活用すべきものです。そのうえで、AIとどう向き合い、共に生きていくかを考える必要があります。AIから出てきた回答に『何か違う』と感じられるのは、その前提として、自分の知識や経験があるからだと思います」（風口さん）</p>
<p><img src="/images/learn/brandingshift/jtb/batch_260514-1-006.webp" width="900" height="600" alt="" /></p>
<p>五感を通じた経験や体験の蓄積こそが、違和感に気づき、AIを正しく活用する力になる。だからこそ、人がリアルな経験を通じて得る「交流」や「体験」の価値は、AI時代においてむしろ高まっていく。</p>
<p></p>
<p>その価値を、これからの社会にどのように広げていくのか。その問いは、JTBが2035年に向けて掲げる長期ビジョン「OPEN FRONTIER 2035」とも重なる。同社は「高い専門性と洞察力で世界をつなぎ、つくり、つなげ、感動と幸せで人々を満たす『新』交流時代のフロンティア企業となる」ことを掲げ、交流創造企業として、新たな価値創造の領域を広げようとしている。</p>
<p></p>
<p>ブランドを企業活動そのものとして捉える姿勢は、風口さんの言葉に端的に表れている。<br />
「ブランドは、事業そのものであり、企業そのものだと思います。すべての活動の積み重ねによってつくられる一方で、たった一つの小さな失敗によって失われてしまうものでもあります」（風口さん）</p>
<p></p>
<p>変わる時代にあっても、ブランドの本質は、日々の誠実な事業活動の積み重ねに他ならない。交流創造を通じて社会との関係性を更新し続けるJTBの歩みは、これからのブランド経営に一つの示唆を与えている。</p>
<div></div>
<div></div>
<div></div>
</div>
</div>
</div>
</div>
<div id="cms-editor-minieditor-sin177984859572129900" class="cms-content-parts-sin177984859572138800"></div>
<h3 class="cms-content-parts-sin177991843513840800 cparts-editsite--mainttl" id="cms-editor-textarea-sin177991843513844700">関連リンク</h3>
<div id="cms-editor-minieditor-sin177991835184007900" class="cms-content-parts-sin177991835184018300">
<p><font color="#3fa6f2"><u><a href="https://www.interbrandjapan.com/brandingawards/jba2025/jba2025_article03/">コロナ禍で売上７割消失から新たな成長軌道への転換へ - インターブランドジャパン</a></u></font></p>
</div>
]]></content:encoded>
</item>

<item rdf:about="https://japanstep.jp/learn/2026/07/2267/">
<title>「知らない町の物語」の一員になる【連載】「ARG」が紡ぐ、新たなPRのカタチ（第3回）</title>
<link>https://japanstep.jp/learn/2026/07/2267/</link>
<description> 体験型エンタテインメント、ARG（Alternate Reality Game：代替現実ゲーム）の魅力と可能性を学ぶ当連載。観光プロモーションというと、多くの場合「その土地に来た人」にどう楽しんでもらうか、という発想で設計される。しかし今回取り上げるのは逆の発想。つまり、まだその土地を知らない人に、どうやって「気づいてもらう」か、だ。第3回では、MARGINE（メルジーン）が福岡県朝倉市・秋月エリアで手がけた謎解き体験キットを題材に、実際に体験した方の声や今後の展開も交えながら、ARGが観光・地域プロモーションにもたらす新しい設計思想を、事例を通じてお話しいただく。（リード・編集＝JapanStep編集部、寄稿＝MARGINE 吉野さん） 




ご寄稿いただいたのは

環境ミステリーレーベル MARGINE
合同会社 未来アクセラレート 代表
吉野 渉さん





こんにちは、MARGINEの吉野です。
これまで2回にわたり、ARGという手法とその国内事例についてお話ししてきました。今回は少し趣向を変えて、私たち自身が手がけた事例&#8212;&#8212;福岡県朝倉市・秋月エリアを舞台にした謎解き体験キット「秋月の茶屋から始まる物語」を題材に、地域プロモーションとしてのARGの可能性についてお話ししたいと思います。
秋月は、福岡県朝倉市にある、かつて秋月藩の城下町として栄えた地域一帯を指します。石垣や武家屋敷、城跡が今も残り、春の桜と秋の紅葉の名所として知られていて、その景観から「筑前の小京都」とも呼ばれています。今回のキットは、この秋月を舞台にしています。
秋月全景（写真＝MARGINE 吉野さん）
観光プロモーションの「届く相手」を変える

観光プロモーションの多くは、「その土地に興味がある人」「実際に訪れた人」に向けて設計されています。パンフレット、SNS投稿、現地の看板&#8212;&#8212;これらはすべて、すでに関心を持っている人、あるいは現地に来た人が受け取る情報です。
ARGは、この前提を少しずらします。今回のキットは、秋月という町を訪れたことがない人でも、キットを手にした瞬間から「その土地の物語」に入り込める設計になっています。同梱の地図や手紙をたどりながら、茶屋系VTuber「秋月みいひ」と一緒に、元秋月藩士の家系に伝わる家宝の記憶を追っていく&#8212;&#8212;現地に行かなくても秋月という土地を深く知ることができ、知るほど「実際に行ってみたい」という気持ちが芽生える仕組みです。
秋月の茶屋から始まる物語ARGキット
つまりARGは、「すでに関心がある層」ではなく、「まだその土地を知らない層」にリーチできる手法だということです。限られた予算で認知を広げたい自治体や地域事業者にとって、この「届く相手」の違いは、プロモーション設計そのものを見直す視点になると考えています。
ARGのプロモーション構造
この設計が実際に機能しているかどうかは、プレイヤーから届いた感想を見るとよくわかります。いくつか、実際の声をそのまま紹介します。
▼実際に体験した方の声






「軽く小旅行した気分でとても楽しめました。秋月&#8230;良い所ですねぇ。行ってみたくなりました。絵馬も可愛くて、大事にします」
「秋月をお散歩したような気分になりました。歴史のある素敵なところですね。葛餅がとっても美味しそう！謎解きは程よい難易度で、秋月の現在と歴史を楽しく学べて、旅行したくなりました」
「九州地方は遠くてなかなか縁がありませんでしたが、今回の作品を通して少しだけでも秋月の魅力を知ることができました。動画で町並みやお店の雰囲気を見られたのも楽しかったです。行くことは難しいですが、機会があれば伺いたい&#8230;&#8230;葛餅食べたい」
「1人では謎解きが難しかったのですが、サイトからのヒントやみいひちゃんからのヒントで、徐々に進められました。秋月の歴史など色々学べながら謎解きできて楽しかったです。謎解きを機に、秋月に来られる方が増えたらいいなと思います」








こうした声に共通しているのは、「楽しかった」で終わらず、「行ってみたい」「食べてみたい」という具体的な行動の予感にまで感想が及んでいる点です。その土地を知らなかった人が、行きたい人に変わる&#8212;&#8212;プロモーションとして本来狙っていた効果が、実際の言葉として返ってきたことに、大きな手応えを感じています。




「知ってもらう」から「来てもらう」へ




今回のキットは、現地に行かなくても楽しめる設計にすることで、秋月を知らない層にリーチすることを狙いました。次の展開では、この「知ってもらう」体験を、「実際に来てもらう」体験へとつなげていきます。
現在制作中で、今秋のリリースを予定しているのが、秋月の街を実際に歩いて楽しむサイドストーリー「（仮称）幻の時を告げる鐘を巡る物語」です。今回のキットの続編ではなく、同じ世界観を共有する派生エピソードという位置づけで、プレイヤーは今回と同じく秋月みいひに導かれながら、実際に秋月の街を歩き、道中で歴史や観光スポットに触れながら、鐘にまつわる謎を解き進めていきます。
キットで秋月に興味を持った人が、次は実際に秋月を訪れて謎を解く&#8212;&#8212;「知ってもらう」フェーズと「来てもらう」フェーズを、同じキャラクター・同じ物語でつなぐ二段構えの設計です。観光プロモーションでは、認知施策と送客施策が別々の企画として切り離されがちですが、ARGであれば一つの物語の中でこの両方を担うことができます。





「小さく始めて、地域を巻き込む」デジタルとリアルをつなぐ設計




もう一つの特徴は、デジタルとリアルを行き来する体験設計です。キットには天然木製の絵馬や観光マップ、手紙といった実物のアイテムに加え、ブログや謎解き専用ページ、チャットでのやりとりといったデジタルコンテンツが連動しています。スマートフォン1台あれば体験できる手軽さを保ちながら、実物のアイテムが「物語が本当にそこにある」という実感を支えています。
このハイブリッド構造は、地域の実店舗（今回であれば地元の老舗「黒門茶屋」）を物語の舞台として組み込むことも可能にします。観光ガイドでも歴史の教科書でもない形で、地域の歴史や文化、実在する店舗への導線を、物語の中に自然に埋め込めるのがARGの強みです。

今回のキットは2,500円（税込）という価格で販売しています。大規模なプロモーション予算を組めない自治体や中小の地域事業者にとって、まず小さく始められることは重要な条件です。物語の設計さえ緻密であれば、大がかりな広告費をかけなくても、地域の魅力を「体験」として届けることができます。
また今回は、秋月藩の現当主による推薦をはじめ、地元の観光協会や神社の維持委員会など、複数の地域の主体から協力を得て制作しました。地域の歴史や文化を題材にする以上、その土地に根ざした方々の理解と協力を得ながら進めることは、内容の信頼性を保つうえでも欠かせないプロセスだと感じています。

「まだ知らない人に届ける」設計と、「知った人を、実際に来てもらう体験へつなげる」設計。この二つを、限られた予算と一つの物語の中で両立できることが、地域プロモーションにおけるARGの強みだと考えています。観光ガイドでも歴史の教科書でもない形で、地域の歴史や文化を「自分ごと」として体感してもらう&#8212;&#8212;これは、他のプロモーション手法にはない視点だと感じています。






</description>
<enclosure url="https://japanstep.jp/images/learn/ARG/AGR_01_v2.webp" type="image/jpeg" />
<dc:category rdf:resource="https://japanstep.jp/learn/category/35">カルチャー</dc:category>
<dc:creator></dc:creator>
<dc:subject></dc:subject>
<dc:date>2026-07-31T08:00:00+09:00</dc:date>
<content:encoded><![CDATA[
<div id="cms-editor-minieditor-sin178057990794661800" class="cms-content-parts-sin178057990794669000"><p><a href="https://japanstep.jp/learn/category/223/" rel="otherurl"><img src="/images/popularity/AGR_L_v2.webp" width="1280" height="376" alt="" /></a></p> <p>体験型エンタテインメント、ARG（Alternate Reality Game：代替現実ゲーム）の魅力と可能性を学ぶ当連載。観光プロモーションというと、多くの場合「その土地に来た人」にどう楽しんでもらうか、という発想で設計される。しかし今回取り上げるのは逆の発想。つまり、まだその土地を知らない人に、どうやって「気づいてもらう」か、だ。第3回では、MARGINE（メルジーン）が福岡県朝倉市・秋月エリアで手がけた謎解き体験キットを題材に、実際に体験した方の声や今後の展開も交えながら、ARGが観光・地域プロモーションにもたらす新しい設計思想を、事例を通じてお話しいただく。（リード・編集＝JapanStep編集部、寄稿＝MARGINE 吉野さん）</p> <div></div></div>
<div class="cms-content-parts-sin178058034071690500 box parts_text_type02 cparts-id120--01 lay-margin-b--3 lay-padding--2" data-selectable="cparts-animate cparts-animate--slideInUp:上へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInDown:下へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInLeft:左へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInRight:右へスライド">
<div class="lay-row lay-no-gutters">
<div class="lay-col12-12">
<div class="cparts-editsite--txt cparts-txt-block lay-reset-child" id="cms-editor-minieditor-sin178058034071694500">
<p style="text-align: center;">ご寄稿いただいたのは</p>
<p style="text-align: center;"><img src="/images/learn/ARG/images20260604224126.webp" width="304" height="304" alt="" /></p>
<p style="text-align: center;"><strong>環境ミステリーレーベル MARGINE<br />
合同会社 未来アクセラレート 代表</strong></p>
<p style="text-align: center;"><strong>吉野 渉さん</strong></p>
</div>
</div>
</div>
</div>
<div id="cms-editor-minieditor-sin178058053873333700" class="cms-content-parts-sin178058053873342600">
<p class="MsoNormal">こんにちは、MARGINEの吉野です。</p>
<p class="MsoNormal">これまで2回にわたり、ARGという手法とその国内事例についてお話ししてきました。今回は少し趣向を変えて、私たち自身が手がけた事例&#8212;&#8212;福岡県朝倉市・秋月エリアを舞台にした謎解き体験キット「秋月の茶屋から始まる物語」を題材に、地域プロモーションとしてのARGの可能性についてお話ししたいと思います。</p>
<p class="MsoNormal">秋月は、福岡県朝倉市にある、かつて秋月藩の城下町として栄えた地域一帯を指します。石垣や武家屋敷、城跡が今も残り、春の桜と秋の紅葉の名所として知られていて、その景観から「筑前の小京都」とも呼ばれています。今回のキットは、この秋月を舞台にしています。</p>
<p><img src="/images/learn/ARG/3rd/ARG3rd_1.webp" width="900" height="600" alt="" /><span style="font-size: small;">秋月全景（写真＝MARGINE 吉野さん）</span></p>
<h2>観光プロモーションの「届く相手」を変える</h2>
<p class="MsoNormal"></p>
<p class="MsoNormal">観光プロモーションの多くは、「その土地に興味がある人」「実際に訪れた人」に向けて設計されています。パンフレット、SNS投稿、現地の看板&#8212;&#8212;これらはすべて、すでに関心を持っている人、あるいは現地に来た人が受け取る情報です。</p>
<p class="MsoNormal">ARGは、この前提を少しずらします。今回のキットは、秋月という町を訪れたことがない人でも、キットを手にした瞬間から「その土地の物語」に入り込める設計になっています。同梱の地図や手紙をたどりながら、茶屋系VTuber「秋月みいひ」と一緒に、元秋月藩士の家系に伝わる家宝の記憶を追っていく&#8212;&#8212;現地に行かなくても秋月という土地を深く知ることができ、知るほど「実際に行ってみたい」という気持ちが芽生える仕組みです。</p>
<p class="MsoNormal"><img src="/images/learn/ARG/3rd/ARG3rd_2.webp" width="900" height="600" alt="" /><span style="font-size: small;">秋月の茶屋から始まる物語ARGキット</span></p>
<p class="MsoNormal">つまりARGは、「すでに関心がある層」ではなく、「まだその土地を知らない層」にリーチできる手法だということです。限られた予算で認知を広げたい自治体や地域事業者にとって、この「届く相手」の違いは、プロモーション設計そのものを見直す視点になると考えています。</p>
<p class="MsoNormal"><img src="/images/learn/ARG/3rd/ARG3rd_3.webp" width="900" height="600" alt="" /><span style="font-size: small;">ARGのプロモーション構造</span></p>
<p class="MsoNormal">この設計が実際に機能しているかどうかは、プレイヤーから届いた感想を見るとよくわかります。いくつか、実際の声をそのまま紹介します。</p>
<p class="MsoNormal">▼実際に体験した方の声</p>
<div></div>
</div>
<div class="cms-content-parts-sin178529925671347400 box parts_text_type02 cparts-id120--01 lay-margin-b--3 lay-padding--2" data-selectable="cparts-animate cparts-animate--slideInUp:上へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInDown:下へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInLeft:左へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInRight:右へスライド">
<div class="lay-row lay-no-gutters">
<div class="lay-col12-12">
<div class="cparts-editsite--txt cparts-txt-block lay-reset-child" id="cms-editor-minieditor-sin178529925671353200">
<p><em>「軽く小旅行した気分でとても楽しめました。秋月&#8230;良い所ですねぇ。行ってみたくなりました。絵馬も可愛くて、大事にします」</em></p>
<p><em>「秋月をお散歩したような気分になりました。歴史のある素敵なところですね。葛餅がとっても美味しそう！謎解きは程よい難易度で、秋月の現在と歴史を楽しく学べて、旅行したくなりました」</em></p>
<p><em>「九州地方は遠くてなかなか縁がありませんでしたが、今回の作品を通して少しだけでも秋月の魅力を知ることができました。動画で町並みやお店の雰囲気を見られたのも楽しかったです。行くことは難しいですが、機会があれば伺いたい&#8230;&#8230;葛餅食べたい」</em></p>
<p><em>「1人では謎解きが難しかったのですが、サイトからのヒントやみいひちゃんからのヒントで、徐々に進められました。秋月の歴史など色々学べながら謎解きできて楽しかったです。謎解きを機に、秋月に来られる方が増えたらいいなと思います」</em></p>
</div>
</div>
</div>
</div>
<div class="cms-content-parts-sin178529929909482200 cparts-id119 lay-margin-b--3 box" data-selectable="cparts-animate cparts-animate--slideInUp:上へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInDown:下へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInLeft:左へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInRight:右へスライド">
<div class="lay-row">
<div class="lay-col12-xs-12 lay-col12-md-12 lay-col12-lg-12">
<div class="cparts-editsite--txt cparts-txt-block lay-reset-child" id="cms-editor-minieditor-sin178529929909486400">
<p>こうした声に共通しているのは、「楽しかった」で終わらず、「行ってみたい」「食べてみたい」という具体的な行動の予感にまで感想が及んでいる点です。その土地を知らなかった人が、行きたい人に変わる&#8212;&#8212;プロモーションとして本来狙っていた効果が、実際の言葉として返ってきたことに、大きな手応えを感じています。</p>
</div>
</div>
</div>
</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin178529933316992400 cparts-editsite--mainttl" id="cms-editor-textarea-sin178529933316995500">「知ってもらう」から「来てもらう」へ</h2>
<div class="cms-content-parts-sin178529934883280300 cparts-id119 lay-margin-b--3 box" data-selectable="cparts-animate cparts-animate--slideInUp:上へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInDown:下へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInLeft:左へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInRight:右へスライド">
<div class="lay-row">
<div class="lay-col12-xs-12 lay-col12-md-12 lay-col12-lg-12">
<div class="cparts-editsite--txt cparts-txt-block lay-reset-child" id="cms-editor-minieditor-sin178529934883284200">
<p>今回のキットは、現地に行かなくても楽しめる設計にすることで、秋月を知らない層にリーチすることを狙いました。次の展開では、この「知ってもらう」体験を、「実際に来てもらう」体験へとつなげていきます。</p>
<p>現在制作中で、今秋のリリースを予定しているのが、秋月の街を実際に歩いて楽しむサイドストーリー「（仮称）幻の時を告げる鐘を巡る物語」です。今回のキットの続編ではなく、同じ世界観を共有する派生エピソードという位置づけで、プレイヤーは今回と同じく秋月みいひに導かれながら、実際に秋月の街を歩き、道中で歴史や観光スポットに触れながら、鐘にまつわる謎を解き進めていきます。</p>
<p>キットで秋月に興味を持った人が、次は実際に秋月を訪れて謎を解く&#8212;&#8212;「知ってもらう」フェーズと「来てもらう」フェーズを、同じキャラクター・同じ物語でつなぐ二段構えの設計です。観光プロモーションでは、認知施策と送客施策が別々の企画として切り離されがちですが、ARGであれば一つの物語の中でこの両方を担うことができます。</p>
<div></div>
</div>
</div>
</div>
</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin178529937865477800 cparts-editsite--mainttl" id="cms-editor-textarea-sin178529937865479900">「小さく始めて、地域を巻き込む」デジタルとリアルをつなぐ設計</h2>
<div class="cms-content-parts-sin178529939571491200 cparts-id119 lay-margin-b--3 box" data-selectable="cparts-animate cparts-animate--slideInUp:上へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInDown:下へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInLeft:左へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInRight:右へスライド">
<div class="lay-row">
<div class="lay-col12-xs-12 lay-col12-md-12 lay-col12-lg-12">
<div class="cparts-editsite--txt cparts-txt-block lay-reset-child" id="cms-editor-minieditor-sin178529939571494900">
<p>もう一つの特徴は、デジタルとリアルを行き来する体験設計です。キットには天然木製の絵馬や観光マップ、手紙といった実物のアイテムに加え、ブログや謎解き専用ページ、チャットでのやりとりといったデジタルコンテンツが連動しています。スマートフォン1台あれば体験できる手軽さを保ちながら、実物のアイテムが「物語が本当にそこにある」という実感を支えています。</p>
<p>このハイブリッド構造は、地域の実店舗（今回であれば地元の老舗「黒門茶屋」）を物語の舞台として組み込むことも可能にします。観光ガイドでも歴史の教科書でもない形で、地域の歴史や文化、実在する店舗への導線を、物語の中に自然に埋め込めるのがARGの強みです。</p>
<p></p>
<p>今回のキットは2,500円（税込）という価格で販売しています。大規模なプロモーション予算を組めない自治体や中小の地域事業者にとって、まず小さく始められることは重要な条件です。物語の設計さえ緻密であれば、大がかりな広告費をかけなくても、地域の魅力を「体験」として届けることができます。</p>
<p>また今回は、秋月藩の現当主による推薦をはじめ、地元の観光協会や神社の維持委員会など、複数の地域の主体から協力を得て制作しました。地域の歴史や文化を題材にする以上、その土地に根ざした方々の理解と協力を得ながら進めることは、内容の信頼性を保つうえでも欠かせないプロセスだと感じています。</p>
<p></p>
<p>「まだ知らない人に届ける」設計と、「知った人を、実際に来てもらう体験へつなげる」設計。この二つを、限られた予算と一つの物語の中で両立できることが、地域プロモーションにおけるARGの強みだと考えています。観光ガイドでも歴史の教科書でもない形で、地域の歴史や文化を「自分ごと」として体感してもらう&#8212;&#8212;これは、他のプロモーション手法にはない視点だと感じています。</p>
<div></div>
</div>
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</div>
</div>
<div class="cms-content-parts-sin178234472471010200"></div>
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]]></content:encoded>
</item>

<item rdf:about="https://japanstep.jp/learn/2026/07/2261/">
<title>「口コミ高評価」でも推薦しない。AI時代の宿選び</title>
<link>https://japanstep.jp/learn/2026/07/2261/</link>
<description>

「クチコミ評価が高ければ集客できる」という常識が変わり始めている。旅行者が生成AIを使って宿泊先を探す機会が増える中、施設選びの基準は、従来の検索結果や口コミランキングだけではなく、AIが参照する情報の質や量にも左右されるようになった。


2026年7月、宿泊業界に特化したGEO（Generative Engine Optimization：生成エンジン最適化）コンサルティングを展開する株式会社Terrace Rootsは、全国8つの温泉地を対象に調査を実施。そこでは、口コミランキングに掲載される宿泊施設の約3割が、主要な生成AIから一度も推薦されないという結果が明らかになった。

AI時代には、高い評価を得ることに加え、「AIに選ばれる情報」をいかに蓄積するかが新たな課題となっている。本記事では、調査結果から見えてきた宿泊業界の変化と、その解決策としてTerrace Rootsが提唱する「クチコミ上質化GEO」の取り組みを紹介する。（文＝JapanStep編集部）


約30％の宿がAI推薦の対象外に。全国8温泉地で判明した、ランキングとの乖離

2026年7月7日に発表された「全国温泉地クチコミ乖離調査」は、定山渓から阿蘇まで、全国8つの主要温泉地を対象に実施された。調査では、ChatGPT、Perplexity、Google AI Modeの3つの生成AIに対し、「おすすめ」「人気」などのクエリを投げ、クチコミランキングに掲載された81施設が実際にAIによって推薦されるかを実測した。その結果、ランキングに掲載されているにもかかわらず、一度も推薦されなかった施設が30.9％にのぼることが判明した。
（引用元：PR TIMES）

特に衝撃的なのは、あるAIが「クチコミランキング1位」と高く評価した旅館であっても、実際の推薦回数がゼロという事例が確認された点だ。調査によれば、AIは特定の「有名温泉地名」に情報を偏在させる傾向があり、同じエリア内でも言及量の差によって「存在の有無」が入れ替わる逆転現象も起きている。特にPerplexityにおいては、推薦ゼロの比率が70.4％に達するなど、出典を重視する検索特化型AIほど、特定の施設が埋没しやすい実態が浮き彫りになった。
（引用元：PR TIMES）

この課題への解決策としてTerrace Rootsが打ち出したのが、「クチコミ上質化GEO（生成エンジン最適化）研修」だ。本研修は、単にスコアという数値を上げるためのテクニックを教えるものではない。自社と競合のクチコミを分析し、「AIにどう語られているか」を可視化。顧客が思わず具体的な感動を語りたくなるような体験そのものを設計し、それを支えるスタッフの接客スキルやブランドストーリーの共有を組織として底上げすることに主眼を置いている。「数値の追求」から「体験の磨き込み」へと軸を移すこの仕組みは、AIに選ばれるための「推薦の根拠」を組織的に創出する、実効性の高い解決策として機能するだろう。



クチコミ神話の終焉。AIは数値ではなく「物語」を拾う

Terrace Rootsによる今回の調査が示唆するのは、宿泊施設の経営におけるGEOの本質が、デジタル上のテクニックではなく、組織としての「教育」と「体験設計」に回帰しているという事実である。

AIの推薦ロジックは、施設ごとに固定された「順位」を絶対的な基準とするものではない。その実態は、SNSやメディア、個々のレビューに含まれる具体的な描写や言及の厚みを多角的に解析し、質問のたびに最適な回答を生成するプロセスに基づいている。そのため、数値だけを追い求めてきた施設よりも、顧客の心を動かし、具体的なエピソードを伴った言及を引き出している施設の方が、AIに発見される可能性は高くなる。

これは知名度や広告予算で劣る地方の小規模施設にとって、新たな希望となる構造変化だといえる。スタッフが自社のブランドストーリーを自分の言葉で語り、顧客一人ひとりに対する細やかな応対を組織で共有し、磨き上げていく。そうした現場の熱量が、顧客による質の高い「言及」となり、AIが参照する情報の母集団を形成する。情報の偏在が起きやすいAI時代において、自ら情報を発信し、顧客に語らせる仕組みを持つことこそが、地方の宿が生き残るための道となるのだ。

宿泊業界における成功の定義は、「いかに高いスコアを維持するか」から「いかにしてAIに推薦されるだけの文脈を創出するか」へと移行した。Terrace Rootsが提示した「体験を磨き、言及の質を高める」という手法は、地方の宿泊施設がAI時代の荒波を越え、その真価を全国、そして世界の旅行者へと届けるための有力な解決策となるはずだ。

</description>
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<dc:category rdf:resource="https://japanstep.jp/learn/category/43">ビジネス</dc:category>
<dc:creator></dc:creator>
<dc:subject></dc:subject>
<dc:date>2026-07-30T07:00:00+09:00</dc:date>
<content:encoded><![CDATA[
<div id="cms-editor-minieditor-sin178529261648954700" class="cms-content-parts-sin178529261648961800">
<p></p>
<p class="MsoNormal">「クチコミ評価が高ければ集客できる」という常識が変わり始めている。旅行者が生成AIを使って宿泊先を探す機会が増える中、施設選びの基準は、従来の検索結果や口コミランキングだけではなく、AIが参照する情報の質や量にも左右されるようになった。</p>
<p></p>
<p class="MsoNormal"></p>
<p class="MsoNormal">2026年7月、宿泊業界に特化したGEO（Generative Engine Optimization：生成エンジン最適化）コンサルティングを展開する株式会社Terrace Rootsは、全国8つの温泉地を対象に調査を実施。そこでは、口コミランキングに掲載される宿泊施設の約3割が、主要な生成AIから一度も推薦されないという結果が明らかになった。</p>
<p class="MsoNormal"></p>
<p class="MsoNormal">AI時代には、高い評価を得ることに加え、「AIに選ばれる情報」をいかに蓄積するかが新たな課題となっている。本記事では、調査結果から見えてきた宿泊業界の変化と、その解決策としてTerrace Rootsが提唱する「クチコミ上質化GEO」の取り組みを紹介する。（文＝JapanStep編集部）</p>
<div></div>
</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin178529264986941500 cparts-editsite--mainttl" id="cms-editor-textarea-sin178529264987049600">約30％の宿がAI推薦の対象外に。全国8温泉地で判明した、ランキングとの乖離</h2>
<div id="cms-editor-minieditor-sin178529263890511000" class="cms-content-parts-sin178529263890520300">
<p>2026年7月7日に発表された「全国温泉地クチコミ乖離調査」は、定山渓から阿蘇まで、全国8つの主要温泉地を対象に実施された。調査では、ChatGPT、Perplexity、Google AI Modeの3つの生成AIに対し、「おすすめ」「人気」などのクエリを投げ、クチコミランキングに掲載された81施設が実際にAIによって推薦されるかを実測した。その結果、ランキングに掲載されているにもかかわらず、一度も推薦されなかった施設が30.9％にのぼることが判明した。</p>
<p><img src="/images/learn/2607_Release/260729_yado/1.webp" width="900" height="353" alt="" /><span style="font-size: small;">（引用元：</span><a href="https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000006.000179501.html"><span style="font-size: small;">PR TIMES</span></a><span style="font-size: small;">）</span></p>
<p></p>
<p>特に衝撃的なのは、あるAIが「クチコミランキング1位」と高く評価した旅館であっても、実際の推薦回数がゼロという事例が確認された点だ。調査によれば、AIは特定の「有名温泉地名」に情報を偏在させる傾向があり、同じエリア内でも言及量の差によって「存在の有無」が入れ替わる逆転現象も起きている。特にPerplexityにおいては、推薦ゼロの比率が70.4％に達するなど、出典を重視する検索特化型AIほど、特定の施設が埋没しやすい実態が浮き彫りになった。</p>
<p><img src="/images/learn/2607_Release/260729_yado/2.webp" width="900" height="441" alt="" /><span style="font-size: small;">（引用元：</span><a href="https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000006.000179501.html"><span style="font-size: small;">PR TIMES</span></a><span style="font-size: small;">）</span></p>
<p></p>
<p>この課題への解決策としてTerrace Rootsが打ち出したのが、「クチコミ上質化GEO（生成エンジン最適化）研修」だ。本研修は、単にスコアという数値を上げるためのテクニックを教えるものではない。自社と競合のクチコミを分析し、「AIにどう語られているか」を可視化。顧客が思わず具体的な感動を語りたくなるような体験そのものを設計し、それを支えるスタッフの接客スキルやブランドストーリーの共有を組織として底上げすることに主眼を置いている。「数値の追求」から「体験の磨き込み」へと軸を移すこの仕組みは、AIに選ばれるための「推薦の根拠」を組織的に創出する、実効性の高い解決策として機能するだろう。</p>
<div></div>
<p></p>
</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin178529265263232500 cparts-editsite--mainttl" id="cms-editor-textarea-sin178529265263239800">クチコミ神話の終焉。AIは数値ではなく「物語」を拾う</h2>
<div id="cms-editor-minieditor-sin178529263637584100" class="cms-content-parts-sin178529263637592400">
<p>Terrace Rootsによる今回の調査が示唆するのは、宿泊施設の経営におけるGEOの本質が、デジタル上のテクニックではなく、組織としての「教育」と「体験設計」に回帰しているという事実である。</p>
<p></p>
<p>AIの推薦ロジックは、施設ごとに固定された「順位」を絶対的な基準とするものではない。その実態は、SNSやメディア、個々のレビューに含まれる具体的な描写や言及の厚みを多角的に解析し、質問のたびに最適な回答を生成するプロセスに基づいている。そのため、数値だけを追い求めてきた施設よりも、顧客の心を動かし、具体的なエピソードを伴った言及を引き出している施設の方が、AIに発見される可能性は高くなる。</p>
<p></p>
<p>これは知名度や広告予算で劣る地方の小規模施設にとって、新たな希望となる構造変化だといえる。スタッフが自社のブランドストーリーを自分の言葉で語り、顧客一人ひとりに対する細やかな応対を組織で共有し、磨き上げていく。そうした現場の熱量が、顧客による質の高い「言及」となり、AIが参照する情報の母集団を形成する。情報の偏在が起きやすいAI時代において、自ら情報を発信し、顧客に語らせる仕組みを持つことこそが、地方の宿が生き残るための道となるのだ。</p>
<p></p>
<p>宿泊業界における成功の定義は、「いかに高いスコアを維持するか」から「いかにしてAIに推薦されるだけの文脈を創出するか」へと移行した。Terrace Rootsが提示した「体験を磨き、言及の質を高める」という手法は、地方の宿泊施設がAI時代の荒波を越え、その真価を全国、そして世界の旅行者へと届けるための有力な解決策となるはずだ。</p>
<div></div>
</div>
]]></content:encoded>
</item>

<item rdf:about="https://japanstep.jp/learn/2026/07/2239/">
<title>売上の質を見れば、再生の道筋が見える【連載】再生請負人 平良学が教える 中小企業のゼロイチ術（第4回）</title>
<link>https://japanstep.jp/learn/2026/07/2239/</link>
<description>

皆さん、こんにちは。フォーバル GDXリサーチ研究所の平良学です。本連載では、中小企業が変化の時代に新たな一歩を踏み出すための考え方を、私自身の経験を交えながらお伝えしています。第3回では、新規事業の種は遠くにあるのではなく、お客様の「ありがとう」や、普段は断っていた依頼の中にも眠っているとお話ししました。では、赤字が続く事業を立て直すとき、何から見ればよいのでしょうか。苦しいときほど「売上を上げなければ」と考えます。しかし、本当に見るべきなのは、売上の量だけではありません。今回は、再生の現場で最初に見直すべき「売上の質」について考えていきます。（解説＝フォーバル GDXリサーチ研究所 平良学／文＝JMP総合プロデューサー 長谷川浩和）





教えてくれるのは&#8230;

フォーバル GDXリサーチ研究所　所長 
平良 学さん
1992年、株式会社フォーバル入社。九州支店の責任者として赤字拠点の立て直しに取り組み、コンサルティング事業の立ち上げや事業部の統括、アライアンス事業などを担い、2020年に執行役員に就任。2022年より、GDX（Green &#215; Digital Transformation）を軸に、中小企業のDX・ESG経営、自治体連携による地域企業支援、調査・研究・提言活動に取り組んでいる。




その売上は、本当に必要か

赤字事業を前にすると、多くの経営者はまず「売上を上げなければ」と考えます。もちろん、売上は大切です。売上がなければ会社は続きませんし、社員の給与も守れません。苦しい局面で、まず売上を追いたくなる気持ちはよく分かります。

ただ、再生の現場で私が最初に見るのは、売上の量だけではありません。その売上を、本当に取りに行くべきなのか。そこを問い直すところから始めます。

中小企業では、特定の取引先に売上が大きく偏っていることがあります。一見すると、大口顧客がいることは安心材料に見えます。しかし、その案件が本当に利益を生んでいるのかを見ていくと、実はそうではないこともあります。売上は大きい。けれども、手間がかかる。急な対応も多い。社員は追加対応に追われ、疲弊している。それでも「大事なお客様だから」と、条件を見直さないまま続けてしまう。こうした状況は、決して珍しくありません。

問題は、その案件を担当している人たちが頑張っていないことではありません。むしろ、現場は必死に頑張っています。だからこそ、経営者が見なければならないのは、努力の量ではなく、その努力が利益につながっているかどうかです。

売上を上げること自体が目的になってしまうと、本来は条件を見直すべき案件まで取りに行ってしまいます。売上は増えているのに、なぜか利益が残らない。社員は忙しいのに、次の投資に回す余力が残らない。経営者も現場も疲れているのに、次の投資に回すお金も時間も生まれない。そこには、売上の質を見ないまま走っている危うさがあります。

赤字事業の立て直しで大事なのは、売上を否定することではありません。売上を一つひとつ見直し、どの売上が会社を支え、どの売上が会社を苦しくしているのかを見極めることです。売上には、伸ばすべき売上と、条件を見直すべき売上があります。その違いを見えるようにすることが、再生の第一歩になります。

苦しいときほど、売上を追いたくなる。しかし、売上の量だけを追っている限り、会社の体質は変わりません。まず見るべきは、その売上が会社に何を残しているかです。ここを見誤らないことが、赤字事業を立て直す出発点です。





案件ごとの利益を見える化する

では、売上の質を見るためには、何から始めればよいのでしょうか。私が再生の現場で必ず行うのは、案件ごとの利益を見えるようにすることです。

どの取引先から、どのくらいの売上があるのか。そこにどれだけの原価がかかっているのか。どれだけの人手がかかっているのか。納品や対応にどれだけの時間を使っているのか。これらを一覧にしていくと、これまで見えていなかった現実が浮かび上がります。

売上が大きい案件が、必ずしも良い案件とは限りません。逆に、売上は小さくても利益率が高く、社員の負荷も少ない案件があります。短時間で高い付加価値を生んでいる仕事もあれば、多くの時間を使っているのに利益がほとんど残っていない仕事もあります。案件ごとの収益性を見ずに、「売上が大きいから大事」「昔からの取引だから続ける」と判断してしまうと、会社は少しずつ体力を失っていきます。

もちろん、すべてを数字だけで割り切る必要はありません。長年の信頼関係がある取引先もあります。今は利益が薄くても、将来につながる案件もあります。地域や業界の中で、簡単には切れない関係もあるでしょう。中小企業の経営は、単純な損得だけで動くものではありません。

ただし、だからこそ見える化が必要です。数字を見たうえで続けるのと、見えないまま続けるのとでは、判断の重みがまったく違います。見えていれば、「この案件は利益は薄いが、将来のために続ける」「この仕事は現場を疲弊させているので条件を見直す」「この領域は利益率が高いので、もっと伸ばす」と判断できます。

特に大切なのは、時間あたりの付加価値です。売上や粗利だけでなく、その仕事にどれだけの時間がかかっているのかを見る。人手不足が続く中で、時間はますます貴重な経営資源になっています。社員の時間をどこに使うのか。そこを見誤ると、利益だけでなく、社員の意欲や将来への投資余力まで削ってしまいます。

案件ごとの利益を見える化すると、経営者は初めて「何を伸ばすべきか」「何を見直すべきか」を具体的に考えられるようになります。感覚だけでなく、事実をもとに判断できるようになる。赤字事業の再生は、気合いや根性だけでは進みません。まず現実を直視し、判断できる材料をそろえることから始まります。





見直す判断が、再生の原資を生む

案件ごとの利益が見えてくると、次に必要になるのは「何を見直すか」を決めることです。これは、経営者にとって簡単な判断ではありません。長く付き合ってきた取引先。社員が頑張って対応してきた仕事。売上としては大きく見える案件。それらを見直すには、勇気がいります。

しかし、赤字事業を立て直すためには、続けるものと見直すものを分けなければなりません。すべてを抱えたままでは、新しい挑戦に向かう余力が生まれないからです。

私は、再生の現場では「時間とお金を生み出すこと」が欠かせないとお話ししています。新しい事業をつくるにも、既存事業を磨き込むにも、社員を育てるにも、時間とお金が必要です。ところが、利益の薄い仕事や、現場を疲弊させる仕事に経営資源を使い続けていると、その余力が生まれません。

&#160;ここで言う「見直す」とは、お客様との関係を乱暴に切ることではありません。条件を見直す。価格を見直す。対応範囲を決める。取引の仕方を変える。場合によっては、続ける理由をあらためて確認する。そうした判断を、一つひとつ丁寧に行うことです。

たとえば、利益が出ていない案件でも、価格交渉によって改善できることがあります。これまで何となく続けていた対応範囲を明確にするだけで、現場の負荷を減らせることもあります。納期や仕様変更のルールを決めることで、社員の時間を守れることもあります。見直しとは、取引をやめることだけを意味するのではありません。

大切なのは、経営者が「何を守り、何を変えるのか」を決めることです。すべてを守ろうとすると、結果として本当に守るべきものまで守れなくなります。利益を生む仕事、社員の成長につながる仕事、次の事業の種になる仕事。そこに時間とお金を回すためには、見直すべき仕事に向き合わなければなりません。

赤字事業の再生は、売上を増やすことだけで進むものではありません。むしろ、何に経営資源を使っているのかを見直し、次の一手に回せる余力をつくることが大切です。見直す判断は、会社を小さくするためではありません。会社を次へ進めるための原資を生み出す判断です。





現場が見えれば、打ち手が見える

赤字事業の立て直しでは、数字だけでなく、現場の動きも見ていく必要があります。私が印象に残っている、沖縄そばをつくっている会社の例があります。

その会社では、工場の現場から「人が足りない」「忙しすぎる」という声が上がっていました。一方で、経営者には別の悩みがありました。物産展に出れば売上が見込めるのに、そこへ人を出す余裕がない。現場は人手不足を訴え、経営者は売上機会を逃している。どちらも、会社にとって切実な問題でした。

そこで、製造ラインの動きを日報で見えるようにしました。どの作業に、どのくらいの時間がかかっているのか。どこで待ち時間が生まれているのか。誰がどの工程を担っているのか。現場の感覚だけでなく、実際の動きを見えるようにしていきました。

すると、無理や無駄、ムラが見えてきました。人が足りないと思っていた現場でも、作業の流れを見直すことで、一人分の人員を捻出できることが分かりました。その一人を物産展に配置したところ、売上の機会をつかむことができました。既存事業の中にあった無駄を減らし、その余力を売上を生む場に回すことができました。

この話で大切なのは、現場の声を否定する必要はないということです。「人が足りない」という声が間違っていたわけではありません。現場は、本当に忙しかった。ただ、その忙しさの中身が見えていなかった。どこに負荷があり、どこに無駄があり、どこを変えればよいのかが分からなかった。見えるようになったことで、初めて打ち手が見えてきました。

現場の動きが見えるようになると、経営者だけでなく、社員も納得しやすくなります。なぜこの作業を変えるのか。なぜこの配置にするのか。なぜこの仕事を見直すのか。理由が見えれば、人は前に進みやすくなります。逆に、理由が見えないまま「頑張れ」と言われても、現場は疲れてしまいます。

再生の現場で必要なのは、厳しい数字を突きつけることだけではありません。現場の声を聞き、動きを見えるようにし、どこを変えれば会社も社員も前に進めるのかを一緒に探ることです。見えれば、判断できる。見えれば、動き出せる。赤字事業の立て直しは、そこから始まります。

次回はいよいよ最終回です。これまでお話ししてきた「現場を見ること」「経営を見える化すること」「事業の種を見つけること」「売上の質を見直すこと」を踏まえ、これからの中小企業に必要な経営観について考えます。変化の時代に、経営者はどのような旗を立て、何を守り、何を変えていくべきなのか。社員や地域、取引先とともに未来へ進むために大切な視点を、最終回でお話しします。次回もぜひお楽しみに。





関連リンク




フォーバル GDXリサーチ研究所



</description>
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<dc:category rdf:resource="https://japanstep.jp/learn/category/43">ビジネス</dc:category>
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<dc:date>2026-07-29T07:00:00+09:00</dc:date>
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<div id="cms-editor-minieditor-sin178295587885306300" class="cms-content-parts-sin178295587885313700">
<p><a href="https://japanstep.jp/learn/category/230/" rel="otherurl"><img src="/images/popularity/01_L.webp" width="1280" height="376" alt="" /></a></p>
<p>皆さん、こんにちは。フォーバル GDXリサーチ研究所の平良学です。本連載では、中小企業が変化の時代に新たな一歩を踏み出すための考え方を、私自身の経験を交えながらお伝えしています。<a href="https://japanstep.jp/learn/2026/07/2225/">第3回</a>では、新規事業の種は遠くにあるのではなく、お客様の「ありがとう」や、普段は断っていた依頼の中にも眠っているとお話ししました。では、赤字が続く事業を立て直すとき、何から見ればよいのでしょうか。苦しいときほど「売上を上げなければ」と考えます。しかし、本当に見るべきなのは、売上の量だけではありません。今回は、再生の現場で最初に見直すべき「売上の質」について考えていきます。（解説＝フォーバル GDXリサーチ研究所 平良学／文＝JMP総合プロデューサー 長谷川浩和）</p>
</div>
<div class="cms-content-parts-sin178295591924826700 box parts_text_type02 cparts-id120--01 lay-margin-b--3 lay-padding--2" data-selectable="cparts-animate cparts-animate--slideInUp:上へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInDown:下へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInLeft:左へスライド,cparts-animate cparts-animate--slideInRight:右へスライド">
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<div class="cparts-editsite--txt cparts-txt-block lay-reset-child" id="cms-editor-minieditor-sin178295591924831500">
<p style="text-align: center;"><strong>教えてくれるのは&#8230;</strong><br />
<img src="/images/learn/rensai_saiseiukeoinin/1st/images20260702103014.webp" width="600" height="400" alt="" /></p>
<p style="text-align: center;"><strong>フォーバル GDXリサーチ研究所　所長 <br />
平良 学さん</strong></p>
<p style="text-align: left;">1992年、株式会社フォーバル入社。九州支店の責任者として赤字拠点の立て直しに取り組み、コンサルティング事業の立ち上げや事業部の統括、アライアンス事業などを担い、2020年に執行役員に就任。2022年より、GDX（Green &#215; Digital Transformation）を軸に、中小企業のDX・ESG経営、自治体連携による地域企業支援、調査・研究・提言活動に取り組んでいる。</p>
</div>
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</div>
</div>
<h2 class="cms-content-parts-sin178295594596641700 cparts-editsite--mainttl" id="cms-editor-textarea-sin178295594596650300">その売上は、本当に必要か</h2>
<div id="cms-editor-minieditor-sin178295595691490300" class="cms-content-parts-sin178295595691498400">
<p>赤字事業を前にすると、多くの経営者はまず「売上を上げなければ」と考えます。もちろん、売上は大切です。売上がなければ会社は続きませんし、社員の給与も守れません。苦しい局面で、まず売上を追いたくなる気持ちはよく分かります。</p>
<p></p>
<p>ただ、再生の現場で私が最初に見るのは、売上の量だけではありません。その売上を、本当に取りに行くべきなのか。そこを問い直すところから始めます。</p>
<p></p>
<p>中小企業では、特定の取引先に売上が大きく偏っていることがあります。一見すると、大口顧客がいることは安心材料に見えます。しかし、その案件が本当に利益を生んでいるのかを見ていくと、実はそうではないこともあります。売上は大きい。けれども、手間がかかる。急な対応も多い。社員は追加対応に追われ、疲弊している。それでも「大事なお客様だから」と、条件を見直さないまま続けてしまう。こうした状況は、決して珍しくありません。</p>
<p></p>
<p>問題は、その案件を担当している人たちが頑張っていないことではありません。むしろ、現場は必死に頑張っています。だからこそ、経営者が見なければならないのは、努力の量ではなく、その努力が利益につながっているかどうかです。</p>
<p></p>
<p>売上を上げること自体が目的になってしまうと、本来は条件を見直すべき案件まで取りに行ってしまいます。売上は増えているのに、なぜか利益が残らない。社員は忙しいのに、次の投資に回す余力が残らない。経営者も現場も疲れているのに、次の投資に回すお金も時間も生まれない。そこには、売上の質を見ないまま走っている危うさがあります。</p>
<p></p>
<p>赤字事業の立て直しで大事なのは、売上を否定することではありません。売上を一つひとつ見直し、どの売上が会社を支え、どの売上が会社を苦しくしているのかを見極めることです。売上には、伸ばすべき売上と、条件を見直すべき売上があります。その違いを見えるようにすることが、再生の第一歩になります。</p>
<p></p>
<p>苦しいときほど、売上を追いたくなる。しかし、売上の量だけを追っている限り、会社の体質は変わりません。まず見るべきは、その売上が会社に何を残しているかです。ここを見誤らないことが、赤字事業を立て直す出発点です。</p>
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<h2 class="cms-content-parts-sin178295595385841800 cparts-editsite--mainttl" id="cms-editor-textarea-sin178295595385849100">案件ごとの利益を見える化する</h2>
<div id="cms-editor-minieditor-sin178295595994794700" class="cms-content-parts-sin178295595994806100">
<p>では、売上の質を見るためには、何から始めればよいのでしょうか。私が再生の現場で必ず行うのは、案件ごとの利益を見えるようにすることです。</p>
<p></p>
<p>どの取引先から、どのくらいの売上があるのか。そこにどれだけの原価がかかっているのか。どれだけの人手がかかっているのか。納品や対応にどれだけの時間を使っているのか。これらを一覧にしていくと、これまで見えていなかった現実が浮かび上がります。</p>
<p></p>
<p>売上が大きい案件が、必ずしも良い案件とは限りません。逆に、売上は小さくても利益率が高く、社員の負荷も少ない案件があります。短時間で高い付加価値を生んでいる仕事もあれば、多くの時間を使っているのに利益がほとんど残っていない仕事もあります。案件ごとの収益性を見ずに、「売上が大きいから大事」「昔からの取引だから続ける」と判断してしまうと、会社は少しずつ体力を失っていきます。</p>
<p></p>
<p>もちろん、すべてを数字だけで割り切る必要はありません。長年の信頼関係がある取引先もあります。今は利益が薄くても、将来につながる案件もあります。地域や業界の中で、簡単には切れない関係もあるでしょう。中小企業の経営は、単純な損得だけで動くものではありません。</p>
<p></p>
<p>ただし、だからこそ見える化が必要です。数字を見たうえで続けるのと、見えないまま続けるのとでは、判断の重みがまったく違います。見えていれば、「この案件は利益は薄いが、将来のために続ける」「この仕事は現場を疲弊させているので条件を見直す」「この領域は利益率が高いので、もっと伸ばす」と判断できます。</p>
<p></p>
<p>特に大切なのは、時間あたりの付加価値です。売上や粗利だけでなく、その仕事にどれだけの時間がかかっているのかを見る。人手不足が続く中で、時間はますます貴重な経営資源になっています。社員の時間をどこに使うのか。そこを見誤ると、利益だけでなく、社員の意欲や将来への投資余力まで削ってしまいます。</p>
<p></p>
<p>案件ごとの利益を見える化すると、経営者は初めて「何を伸ばすべきか」「何を見直すべきか」を具体的に考えられるようになります。感覚だけでなく、事実をもとに判断できるようになる。赤字事業の再生は、気合いや根性だけでは進みません。まず現実を直視し、判断できる材料をそろえることから始まります。</p>
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<div id="cms-editor-minieditor-sin178295593642329800" class="cms-content-parts-sin178295593642338300">
<p>案件ごとの利益が見えてくると、次に必要になるのは「何を見直すか」を決めることです。これは、経営者にとって簡単な判断ではありません。長く付き合ってきた取引先。社員が頑張って対応してきた仕事。売上としては大きく見える案件。それらを見直すには、勇気がいります。</p>
<p></p>
<p>しかし、赤字事業を立て直すためには、続けるものと見直すものを分けなければなりません。すべてを抱えたままでは、新しい挑戦に向かう余力が生まれないからです。</p>
<p></p>
<p>私は、再生の現場では「時間とお金を生み出すこと」が欠かせないとお話ししています。新しい事業をつくるにも、既存事業を磨き込むにも、社員を育てるにも、時間とお金が必要です。ところが、利益の薄い仕事や、現場を疲弊させる仕事に経営資源を使い続けていると、その余力が生まれません。</p>
<p><img src="/images/learn/rensai_saiseiukeoinin/4th/images20260722100740.webp" width="900" height="600" alt="" /></p>
<p>&#160;ここで言う「見直す」とは、お客様との関係を乱暴に切ることではありません。条件を見直す。価格を見直す。対応範囲を決める。取引の仕方を変える。場合によっては、続ける理由をあらためて確認する。そうした判断を、一つひとつ丁寧に行うことです。</p>
<p></p>
<p>たとえば、利益が出ていない案件でも、価格交渉によって改善できることがあります。これまで何となく続けていた対応範囲を明確にするだけで、現場の負荷を減らせることもあります。納期や仕様変更のルールを決めることで、社員の時間を守れることもあります。見直しとは、取引をやめることだけを意味するのではありません。</p>
<p></p>
<p>大切なのは、経営者が「何を守り、何を変えるのか」を決めることです。すべてを守ろうとすると、結果として本当に守るべきものまで守れなくなります。利益を生む仕事、社員の成長につながる仕事、次の事業の種になる仕事。そこに時間とお金を回すためには、見直すべき仕事に向き合わなければなりません。</p>
<p></p>
<p>赤字事業の再生は、売上を増やすことだけで進むものではありません。むしろ、何に経営資源を使っているのかを見直し、次の一手に回せる余力をつくることが大切です。見直す判断は、会社を小さくするためではありません。会社を次へ進めるための原資を生み出す判断です。</p>
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<h2 class="cms-content-parts-sin178295594953769700 cparts-editsite--mainttl" id="cms-editor-textarea-sin178295594953778600">現場が見えれば、打ち手が見える</h2>
<div id="cms-editor-minieditor-sin178295658920038200" class="cms-content-parts-sin178295658920047400">
<p>赤字事業の立て直しでは、数字だけでなく、現場の動きも見ていく必要があります。私が印象に残っている、沖縄そばをつくっている会社の例があります。</p>
<p></p>
<p>その会社では、工場の現場から「人が足りない」「忙しすぎる」という声が上がっていました。一方で、経営者には別の悩みがありました。物産展に出れば売上が見込めるのに、そこへ人を出す余裕がない。現場は人手不足を訴え、経営者は売上機会を逃している。どちらも、会社にとって切実な問題でした。</p>
<p></p>
<p>そこで、製造ラインの動きを日報で見えるようにしました。どの作業に、どのくらいの時間がかかっているのか。どこで待ち時間が生まれているのか。誰がどの工程を担っているのか。現場の感覚だけでなく、実際の動きを見えるようにしていきました。</p>
<p></p>
<p>すると、無理や無駄、ムラが見えてきました。人が足りないと思っていた現場でも、作業の流れを見直すことで、一人分の人員を捻出できることが分かりました。その一人を物産展に配置したところ、売上の機会をつかむことができました。既存事業の中にあった無駄を減らし、その余力を売上を生む場に回すことができました。</p>
<p></p>
<p>この話で大切なのは、現場の声を否定する必要はないということです。「人が足りない」という声が間違っていたわけではありません。現場は、本当に忙しかった。ただ、その忙しさの中身が見えていなかった。どこに負荷があり、どこに無駄があり、どこを変えればよいのかが分からなかった。見えるようになったことで、初めて打ち手が見えてきました。</p>
<p></p>
<p>現場の動きが見えるようになると、経営者だけでなく、社員も納得しやすくなります。なぜこの作業を変えるのか。なぜこの配置にするのか。なぜこの仕事を見直すのか。理由が見えれば、人は前に進みやすくなります。逆に、理由が見えないまま「頑張れ」と言われても、現場は疲れてしまいます。</p>
<p></p>
<p>再生の現場で必要なのは、厳しい数字を突きつけることだけではありません。現場の声を聞き、動きを見えるようにし、どこを変えれば会社も社員も前に進めるのかを一緒に探ることです。見えれば、判断できる。見えれば、動き出せる。赤字事業の立て直しは、そこから始まります。</p>
<p></p>
<p>次回はいよいよ最終回です。これまでお話ししてきた「現場を見ること」「経営を見える化すること」「事業の種を見つけること」「売上の質を見直すこと」を踏まえ、これからの中小企業に必要な経営観について考えます。変化の時代に、経営者はどのような旗を立て、何を守り、何を変えていくべきなのか。社員や地域、取引先とともに未来へ進むために大切な視点を、最終回でお話しします。次回もぜひお楽しみに。</p>
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<p><a href="https://gdx-research.com/">フォーバル GDXリサーチ研究所</a></p>
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