
中小企業の資源を活かし、知恵で売上アップを実現した事例を紹介する本連載。JapanStepの「後援」に参画する釧路市ビジネスサポートセンター(k-Biz)が所属する全国Bizネットワークが手掛けた「中小企業の強みを生かしたオープンイノベーション」の好事例を紹介する。今回ご紹介するのは、木製机上製品や小型家具の企画製造を手掛ける有限会社豊岡クラフトだ。売上が減少傾向にあるなか、チャンスを掴む一手となったのは「ターゲットの絞り込み」だった。(文=JapanStep編集部、協力=釧路市ビジネスサポートセンター(k-Biz))

木のぬくもりを感じさせる書見台や万年筆入れ。静岡県に本社を構える有限会社豊岡クラフトは、50年以上にわたり木製製品の企画・製造を行ってきた老舗企業だ。その技術力は、大手書店のOEM製品を長年にわたって担ってきた実績が物語っている。

だが、安定を支えてきた大手書店の業績が陰りを見せ始めると、同社の売上も連動して下降線をたどるようになった。もう一つの販路である通販カタログも、マス向け商品を中心としたため、品質にこだわる同社の製品とはアンマッチ。受注依存から脱却し、自社ブランドとしての価値を築く必要があった。
この転機に寄り添ったのが、全国の中小企業を支援する全国Bizネットワーク。支援のなかで着目したのは、豊岡クラフトが長年培ってきた「超一流文具をつくる職人品質」だった。そして、ターゲットとする顧客層の再定義に取り組む。

実際に提案されたのは、「大衆向け通販」ではなく、「高級志向の旅客層」をターゲットにした戦略だった。海外ブランドや一流商品が並ぶ、ANAやJALの機内誌に販路を求めたのだ。商品ラインとして提案したのは、同社の新作「ウォッチスタンド」。結果、機内誌への掲載が即実現し、“超一流品”としての認知を一気に獲得。ネットからの注文も急増し、商品そのものが語る品質が、静かに顧客を惹きつけていった。


