「中小企業の強みを生かしたオープンイノベーション」の好事例を紹介する本連載。JapanStepの後援として参画する釧路市ビジネスサポートセンター(k-Biz)ご協力のもと、全国Bizネットワークが手掛けた成功事例を紹介している。
今回ご紹介するのは、創業から半世紀以上、自動車部品のプレス加工や金型設計・製作を一貫して担ってきた有限会社増田製作所の事例だ。自社の「強み」が伝わらないジレンマをいかに乗り越えたのか。(文=JapanStep編集部、協力=釧路市ビジネスサポートセンター(k-Biz))

創業から半世紀以上、自動車部品のプレス加工や金型設計・製作を一貫して担ってきた有限会社増田製作所(以下、敬称略)。富士・湘南エリアに4つの工場を構え、114名の従業員を擁する中堅メーカーである同社は、かつては順調に業績を伸ばしてきた。
一方で、受注の伸び悩みと価格競争の激化という二重の壁に直面していた。顧客から見れば「似たような加工をする会社」は全国に山ほどあり、差別化が難しい。設備は充実しているし、技術力にも自信がある。だが、その“強み”が外から見えない──そんなジレンマを抱えていた。

こうした課題に伴走したのが全国Bizネットワークの支援チームだ。議論のなかで注目したのは、ずらりと並んだ「プレス機器」の存在。80トンから400トンの機器を取り揃え、設計から製品化までをワンストップで請け負える設備体制は、全国的にも珍しい。だが、カタログには機械名が並ぶばかりでは、顧客にとっての“価値”として伝わっていなかった。
そこで取り組んだのは、「プレスの百貨店」「ワンストップ製作」といったコンセプチュアルな見せ方への転換だった。あらゆるニーズに即応できる“頼れるパートナー”であることを前面に押し出し、ポジショニングを確立した。

(引用:澄川氏作成『ビズモデルから生まれる中小企業の強みを生かしたオープンイノベーション』)