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2025.11.26

中学生起業家が切り拓く、「挑戦が当たり前」の未来【連載】NEXT GEN 原石たちの挑戦

JapanStepが掲げる「日本を共創でステップさせる」という理念のもと、若き挑戦者たちの発想と行動の背景に迫る新連載「NEXT GEN 原石たちの挑戦」が始動する。記念すべき第1回は、現役中学生にしてEdFusionの代表を務め、全国を舞台に活躍の幅を広げる注目の起業家 近藤 にこる 氏。中学1年生に起業の可能性を感じ、「中学生起業部」を設立。現在は、AIを活用した教育プログラム「Butterfly Base」をベースに活動の幅を広げる彼女の原動力はどこにあるのか。中学生起業家の固定観念を打ち破る発想力と行動力、その先に描く未来像に迫った。

「やってみよう」が切り拓いた中学生起業家の道

瞳を輝かせながら「起業って言葉すら知らなかったんです」と語る近藤氏。その声には、今も挑戦の原点を見つめる瑞々しい熱が宿る。近藤氏が起業の道を歩むきっかけとなったのは、中学1年生の2023年11月に学校で実施された「起業家体験プログラム」への参加だった。

総合学習の授業の一環として数回にわたり実施されたこのプログラムでは、グループでビジネスアイデアを考案し、事業計画にまとめ、最終的に発表するというプロセスを体験する。そこで近藤氏は「自分で課題を見つけ、仲間と協力して解決策を考える」ことの面白さに目覚め、最優秀賞を受賞した。

この成功体験をきっかけに、先生の勧めで外部の学生起業家育成プログラム「STAPS」に参加。大学生や社会人に混じり、全6回の講習でビジネスプラン作成や市場調査、マネタイズを学び、最終ピッチで特別賞を獲得した。「世代を超えた議論の中で、自分の意見が通用する手応えを感じた」と近藤氏は当時を振り返る。この経験が、その後の活動の幅を大きく広げる契機となった。

さらに、幼少期から取り組んできたクライミング競技の経験も、挑戦へのこだわりや達成感への感覚を育んだ。年上世代と日常的に交流する環境で培った「目的に向かって努力する」「人に伝える楽しさ」という気質が、自然と起業の世界へ興味を向かわせたのだ。

少から取り組むスポーツクライミング競技でも活躍。写真は国民スポーツ大会 第46回東海ブロック大会第3位の成績を収めた際の一枚

プログラム終了後、彼女はすぐに学校内で「起業部」を立ち上げた。当初は2人から始まった部活は、校内放送で活動を呼びかけたことで一時的に20名近くまで増加。しかし、初期メンバーの多くは興味が続かず離れていったという。「でも残った3〜4人で続けたからこそ、本当にやりたい人たちだけの強いチームになった」。

起業部のメンバーとのワンシーン

活動は次第に実践的になり、ビジネスコンテストやスタートアップイベントへの参加が日常になった。今では「防災課」「投資課」といった役職を設け、会社さながらの組織運営を生徒主導で行う。「役割があると責任感が生まれるんです。小さな会社みたいに、一人ひとりが本気で動いています」。

2024年7月、近藤氏は個人事業主として「EdFusion」を立ち上げた。起業はゴールではなく、「社会を良くするための手段」にすぎないと語る。「私の中では『とにかくやってみよう』が合言葉です。結果よりもまず一歩を踏み出すこと。その積み重ねが未来を変えると思っています」(近藤氏)。

近藤氏の挑戦には、年齢に似つかわしくない覚悟がある。「中学生だからできないっていう壁を、自分が壊したいんです。挑戦の前に立ちはだかるのは、年齢ではなく心の壁。それを壊したい」。その言葉には、自らの経験を通じて社会の固定観念に挑む強い意思がにじむ。

AIは自己表現のツール――Butterfly Baseの挑戦

近藤氏が運営するAI教育プログラム「Butterfly Base」は、子どもたちの挑戦を当たり前にする社会を目指す。名称はバタフライ効果に由来し、「小さなきっかけが大きな変化を生む」という願いを込めた。「AIを届ける小さな一歩から、未来を変える挑戦が始まるんです」と語る。

AIに関する基本的な知識を学ぶだけでなく、学んだ知識を用いてグループワークや製作を行い、実際の「行動」につなげる形式だ

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