2026.03.09

自衛官流BCPで事業を死守。挑戦を守る盾

情熱を注いで築き上げた事業が、ある日突然、天災という「理不尽」によって奪われる――。そんな悪夢を現実にしないために、いま日本の企業に求められているのは、書類棚に眠る「計画書」ではなく、有事に迷わず動ける「身体知」としてのBCP(事業継続計画:災害などの緊急事態でも、重要業務を止めないための計画)だ。
株式会社Konnect-linKが始動させた新たなプロジェクトは、形式的な防災対策を根底から見直す試みである。元幹部自衛官の「実践知」を中核に据え、想定外の災害を「制御可能な事態」へと書き換える。それは、挑戦を続ける企業が、何が起きても前を向けるようにする——そのための“盾”を社会に実装しようとしているのだ。(文=JapanStep編集部)

「作って終わり」を超える。元自衛官がこだわる実効性

Konnect-linKが子会社である株式会社Konnect Frontier Lab(KFL)を通じて提供を開始したのは、災害対策を「策定」のフェーズで終わらせず、運用、訓練、そして常時見直しまでをワンストップで伴走する実効性重視のBCP支援サービスだ。

(引用元:PR TIMES

近年、介護事業者を中心にBCP整備が実質義務化されるなど、多くの現場で対策の必要性が叫ばれている。しかし、現実は厳しい。多くの企業が、監査や取引先からの要件を満たすために「形ばかりの文書」を整えることに終始し、いざという時に現場の人間がどう動くべきかというシミュレーションが欠落しているのだ。

この課題に向き合うため、KFLの執行役員CRO(Chief Resilience Officer)に就任したのが、元幹部自衛官の伊藤享佑氏だ。自衛隊員として 東日本大震災の復興支援や、南海トラフ地震を想定した大規模な多機関連携訓練を指揮してきた「危機対応のプロフェッショナル」である。

同サービスでは、この自衛隊流の実践知をビジネスの現場に移植する。単なる計画書の作成にとどまらず、実際に体を動かす「実動想定訓練」や、経営層が迅速な意思決定を下すための「経営判断シミュレーション」、さらにはITシステムの復旧設計(IT-BCP)や備蓄物資の運用設計までを網羅する。300社以上の支援実績に基づくノウハウを掛け合わせ、期限に追われる現場でもスピードと実効性を両立させる体制を整えている。

レジリエンスを“攻めの戦略”へ。日本創生を支えるインフラへの道

本取り組みの先にあるのは、BCPを単なる「守りのコスト」から、不確実な時代を生き抜くための「攻めの戦略」へと再定義することにある。

災害は、リスクを負って挑戦する人々に対して何の前触れもなく襲いかかる。不条理な一撃で、事業も雇用も地域経済も失われる。それは一企業の問題にとどまらず、日本全体の機会損失でもある。Konnect-linKが掲げる「日本創生」の根底には、こうした理不尽から挑戦者を守り抜き、何があっても立ち上がれる「復元力(レジリエンス)」を社会のOSとして実装したいという強い意志がある。 (引用元:PR TIMES

特筆すべきは、同社が描く将来構想だ。将来的にはAIなどのテクノロジーを駆使してBCPの提供プロセスを高度に仕組み化し、高品質な防災・事業継続のスキームを「無償化」することを目指すという。企業だけでなく、一般家庭を含めた全世帯にまで実効性のある防災を普及させる。これが実現すれば、防災は特定の意識の高い層だけのものではなく、社会全体の「当たり前のインフラ」へと進化するだろう。

いま、企業の強さは収益力だけでは測れない。
想定外の困難に直面したとき、いかに冷静に「次の一手」を打てるか。その一点にこそ、本質的な競争力が宿る。

元幹部自衛官の実践知を組織の血肉に変える——。この挑戦は、努力が報われる社会を守るための防波堤となるだろう。