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2026.08.31

かざして繋がる。滝上町公式ファンカード

ふるさと納税や観光誘致に注力する自治体が増加する一方で、多くの地方では「返礼品を送って終わり」「一度訪れて終わり」という一過性の関係にとどまり、中長期的な関係人口の創出へ結びつけられないという課題を抱えている。専用アプリのインストールや紙のパンフレット配布だけでは、利用者の日常に定着する継続的な情報発信を維持することが難しかったためだ。
こうした地域の課題に対し、手元に残るカードとデジタル技術を融合させた新たなアプローチが動き出した。2026年6月、北海道滝上町観光協会が発行する自治体公式ファンカードに、SBIトレーサビリティ株式会社のサービス「SHIMENAWA(しめなわ)」が採用された。スマートフォンをかざすだけで町のリアルタイムな情報に触れられる仕組みだ。この手軽な接点づくりは、地方自治体が継続的なファンコミュニティを育てるための強力な足がかりとなるだろう。(文=JapanStep編集部)

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かざすだけで最新情報へ。NFCとブロックチェーンが拓く情報接点

2026年6月5日、SBIトレーサビリティは、北海道の一般社団法人滝上町観光協会が発行する自治体公式ファンカード「TAKINOUE FUN CARD 2026」において、同社のトレーサビリティ・サービス「SHIMENAWA」が採用されたことを発表した。(引用元:PR TIMES

本カードは、ふるさと納税の寄附者や実際に滝上町を訪れた人限定で配布される特別な一枚だ。最大の特徴は、株式会社Uni Tagと共同開発したロゴ入りの専用NFCタグが内蔵されている点にある。カメラで読み取るQRコードや専用アプリのインストールを不要とし、使い慣れたスマートフォンをかざすだけで「SHIMENAWA」を通じて滝上町のデジタルコンテンツへスムーズにアクセスできる。

(引用元:PR TIMES

さらに、アクセス先のコンテンツはカード自体を更新することなく変更可能となっている。芝ざくら滝上公園における芝ざくらの開花状況をはじめとする観光情報やイベント情報、町の様子が月次で更新されるほか、町の概要や地域産品の紹介といったコンテンツも順次追加される予定だ。


(引用元:PR TIMES

加えて、耐改ざん性に優れたブロックチェーンとNFC技術を組み合わせることでカードの真正性や固有IDを一元管理しつつ、手元のカードを「町と常につながるリアルタイムな情報窓口」として機能させている点も大きな特徴といえるだろう。

一過性の寄附から継続的な絆へ。地域と人をつなぐ関係人口の土台

手元にある物理的なカードを入り口に最新情報を届ける滝上町観光協会の挑戦は、パンフレットなどの「一方的な広報」を脱し、生活者と町が継続的につながり合う「双方向の接点づくり」を再定義する試みと言えるだろう。

人口減少や高齢化が進む地方において、ふるさと納税や観光を通じた関係構築の難しさは根深い課題であった。しかし、手元に残るカードに最新のデジタル情報を重ね合わせることで、一度きりだったはずの接点を日常的なコミュニケーションへと昇華させられる。生活者がふとした瞬間にスマートフォンをかざし、町の息吹を感じ取り続けられる体験は、従来の施策にはなかった継続的なエンゲージメントという価値を生み出していると言えるだろう。

さらに、大掛かりなシステム導入や煩雑な会員登録を省いたシンプルな設計は、自治体と生活者双方の負担を最小限に抑える。過度なコストをかけることなく、寄附者を継続的な関係人口へと育て、将来の再来訪や移住へとつなげていくこのアプローチは、限られたリソースで地方創生に挑む全国の小規模自治体にとって再現性の高い解となるはずだ。

地域のDXは「大規模なインフラ構築」から、「生活者の日常に寄り添う自然な接点づくり」へと歩みを進めた。SBIトレーサビリティと滝上町観光協会が進めるこの取り組みは、地域と都市部の人々が中長期的につながり続けるための確かな土台となるはずだ。

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