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2026.10.29

山を越え谷を越え、通信を繋げ! ドローン運用に新たな展開

ドローンを導入さえすれば、建設現場の自動化はスムーズに進むのだろうか。
実際の現場、特に地方のインフラ整備においては、そう簡単に事は運ばない。山や谷といった自然の地形が電波を遮り、ロボットを制御するための通信を容赦なく分断してしまうからだ。
この自然による物理的な制約を、新たな通信拡張技術が乗り越えようとしている。地方の建設会社とテクノロジー企業が協力し、実証実験を行った。過酷な環境下での作業をいかに効率化するか、挑戦が始まっている。(文=JapanStep編集部)

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山の尾根をどう越える? ドローン遠隔運用の実証実験

2026年9月4日、産業用ドローンの導入支援を手掛ける株式会社セキドは、広島県に拠点を置く株式会社鴻治組の協力を得て、山間部の道路工事現場におけるドローン通信課題の改善検証を実施したと発表した。

(引用元:PR TIMES)

建設現場では、進捗管理や測量、点検などの省人化を目的として、DJI Dockシリーズを活用したドローンの遠隔・自動運用が進んでいる。これは現場に常駐させた産業用ドローンを遠隔地から自動で離着陸・充電・運用できる、自動化されたドローン格納庫(ポート)だ。
しかし、ドローンとポートの間に山や建物などの遮蔽物がある環境では、電波が遮られて通信が不安定になり、飛行可能な範囲が制限されてしまうという課題があった。

(引用元:PR TIMES)

鴻治組が実際に運用している広島県内の山間部の現場には、ドローンポートを設置している工区と、そこから約1キロメートル離れた別の工区が存在する。両地点の間には山の尾根があり、これまでの運用では電波が遮られ、離れた工区の付近で通信が途切れることが問題となっていた。

(引用元:PR TIMES)

この状況を打開するため、両社は通信拡張デバイスである「DJI O4 グラウンドステーション」を中継器として活用する検証を行った。その結果、従来は通信が届かなかった山の向こう側のエリアまで、安定した通信環境を確保できることが確認された。管理システム上の信号マップでも良好な通信エリアが広がっており、遠隔運用における飛行および映像伝送が問題なく行える状態が実証されている。

自然の制約を克服する。安全な事務所から管理・点検を可能に

山間部や広大な土木現場におけるデジタル化を進める上で、通信環境の確保は避けては通れない重要なテーマである。

ロボットやAIの性能がどれほど向上しても、それらを遠隔で制御し、取得したデータをリアルタイムで確認するための通信が途絶してしまえば、システムは機能不全に陥る。特にインフラ整備の現場は、山間部などの電波が行き届かない過酷な地形に位置することが多く、この通信の断絶が自動化を妨げる大きな要因となっていた。

(引用元:PR TIMES)

今回のように、中継器を用いて通信エリアを柔軟に拡張できる技術は、ドローンの飛行距離を物理的に伸ばす以上の意味を持っている。「山の向こう側まで飛行させたい」「現場の一部で通信が不安定になる」といった現場の切実な悩みを解消し、安全な事務所にいながら広範囲の施工管理や点検を完遂できる体制を整えることができるからだ。

また、最新のデバイスを提供するテクノロジー企業と、地元のインフラを支え現場を知り尽くした建設会社が協力し、実際の工事区域内で有効性を証明した点も高く評価できる。机上の空論ではなく、実際の地形と運用フローに基づいた検証を行うことで、他の多くの現場でも再現可能な実用的なノウハウが蓄積される。

深刻な人手不足と作業員の高齢化に直面する建設業界にとって、危険を伴う現場の確認作業などをドローンで代替することは急務である。自然環境の制約をテクノロジーで一つひとつ克服していくこの挑戦は、地方のインフラ整備を持続可能なものとし、安全で効率的な労働環境を築き上げるための礎となるはずだ。

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