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2026.09.15

患者の本音を可視化。AIが支える接遇

患者一人ひとりの細やかな関心や希望に寄り添う姿勢が、顧客満足度や信頼に大きく影響する美容医療などの自由診療。しかし、電話やメール、LINE、来院時の会話など、コミュニケーション手段が多岐にわたる現場では、担当者や部門ごとに情報が分散し、患者が発した大切な関心や希望が埋もれてしまうことが少なくなかった。
こうした情報の分断という課題を解消すべく、過去のやり取りをデータ資産へと変えてスタッフを支援する新たなアプローチが動き出している。2026年7月、株式会社zapathは、自律実行型AIエージェント「CLINIC BOY(クリニックボーイ)」において、患者の潜在的な関心を整理して接遇をアシストする「AIインサイト機能」をリリースした。AI現場のスタッフを裏方として支える仕組みは、対人サービスにおけるAI活用の新たな可能性を示している。(文=JapanStep編集部)

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分散した情報を資産へ。AIが描く一貫した患者像


(引用元:PR TIMES

自由診療クリニック向けAIエージェントCRM「ClinicHub(クリニックハブ)」を展開するzapathは、「ClinicHub」上で稼働する自律実行型AIエージェント「CLINIC BOY」に「AIインサイト機能」を実装した。同機能は、電話・メール・LINEなど複数チャネルにまたがる過去のやり取りをAIが横断的に整理・統合する仕組みだ。同社によると、自由診療向けCRMにおいて、患者インサイト情報をAIが提示する機能としては業界初という。

自由診療の現場では、受付やカウンセリング、施術、アフターフォローなど複数の部門が関わるため、患者の要望や会話の端々に現れる関心が共有されにくい課題が存在していた。本機能では、散らばっていた情報を一人の「患者像」として集約。さらに、過去の対話履歴から、患者自身もまだ明確に言葉にできていない関心や希望の兆しをAIが読み取り、接遇にあたるスタッフへ提示する。

これにより、スタッフは初回来院時のように一から要望を聞き直すことなく、過去の経緯を踏まえたカウンセリングやフォローを行えるようになる。また、電話やLINEでの問い合わせ時にも即座に患者像を参照できるため、担当者が変わっても一貫した応対が可能だ。さらに、経験の浅いスタッフであっても患者の背景を踏まえた接遇がしやすくなり、一歩踏み込んだ提案や細やかな気配りを生み出す環境の実現にもつながっている。

無人化から“接遇の補強”へ。AIが拓く、人に寄り添うDX

zapathによるAIインサイト機能の実装が示唆するのは、対人サービス業におけるAIが患者理解に必要な情報を整理し、現場スタッフの応対を支援する活用例といえる。

美容医療をはじめとする自由診療では、施術の技術だけでなく、患者との心理的な距離を縮めて不安を取り除くコミュニケーションをとることが、再来院や信頼の獲得に直結する。自費診療という特性上、患者が求めるのは「自分の希望を深く理解し、形にしてくれる体験」にほかならないからだ。こうした繊細な現場においては、AIが表に出て接客を代替するのではなく、現場のスタッフが質の高い対話を行うための「裏方」としてのAI活用こそが効果を発揮する。

また、本取り組みは、属人化しがちだった「患者の意図を汲み取る接遇」を組織全体で再現可能にする点にも大きな価値がある。ベテランスタッフの感覚や記憶に依存していた患者理解をデータとして可視化することで、組織全体の応対品質が底上げされ、スタッフの経験値に関わらず温かみのある接遇を提供できるようになるだろう。

テクノロジーの真価は、人を排除することではなく、人と人との対話を豊かにすることにある。zapathが提示した患者インサイトの活用モデルは、サービス業が対面コミュニケーションの価値を再定義し、持続的な信頼関係を築くための新たな一手となるはずだ。

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